きっかけ
上田次郎×山田奈緒子


いったいあれは、私の思い込みだったんだろうか。
そう感じてしまうほどに、東京へ戻ってからの私たちは、以前となにひとつ変わらない。


・・・ただひとつ、私が上田の家に上がるようになったこと以外は。


「なんだYOU。来てたのか」
「悪いか」

大赤面しながら合鍵の隠し場所を教えてきたのと同一人物とは到底思えない男のため息に、
テレビのリモコンをいじりながらそっけない返事を返す。

「・・・と、上田、その包みもしや!」

言うが早いか、上田の右手に下げられたビニール袋を奪取する。

そこには、予想通り某高級焼肉店の弁当が鎮座ましましていた。

「まったく、そういうものを嗅ぎ付ける能力には感心するよ」
「すいませんね意地汚くて。ちょうどお腹減ってたんですよありがとうございますいただきますっ」

アマゾンに潜入!とかいう嘘くさい番組を見ながら、弁当をむさぼる。
・・・ピラニア・・・か。
なんか聞き覚えがあるような。

弁当をかっ食らう私を観察していたらしい上田さんが、何か思い出したようにぽんと手を打った。

「ああそうだ、ピラニアと言えば・・・」
「なんだ」

先に肉ばかり食べすぎたか、残ってしまったごはんを平らげる。

「あの、前にYOUが飲んだ薬があったろう。大家さんの」
「あれはお前が飲ませたんだろ!ったく無駄に体力使わせて・・・」

くそっ、まだおしんこがあったか。
ごはんなしにおしんこってやだな・・・でも残すのはもっとやだ・・・

「あの薬なんだがな・・・箸を置け!話を聞け!驚くなよYOU、実は」
「少し取っておいたとか言うんだろ。まったくとんでもないヤツだな」

ふはー。ごちそうさま。
腹いっぱい食べたらのどが渇いた。
勝手知ったる冷蔵庫から牛乳パックを取り出すと中身をコップに注ぎ、ぐいっと一気。

「っあー!やっぱり3.8はちがうなあ!」
「美味いか。好きなだけ飲むといい」

おお。上田が太っ腹だ。
ここは言葉に甘えてどんどん頂こうじゃないか。

「ところで、精力剤の話の続きなんだが」
「ふんふん」

ごきゅごきゅ。
2杯目を音を立てて飲み干しながら、上田の話を聞くともなしに聞く。

「・・・今飲んだ牛乳にあらかじめ混ざっていたと言ったら、YOUはどうする?」

「!!」

上田めがけて思いっきり牛乳(精力剤入り)を吹き出した。

「ふ・・・効いたぞ、今のは」

上田はよれよれのハンカチをポケットから引っ張り出して、悠長に牛乳(精力剤入り)を拭いている。
無性に腹が立って、ハンカチを奪い取ると上田の顔めがけて叩きつけるように投げた。

「なんなんだいったい!だだだいたいそれ、何のつもりで!」

上田さんが、ふう、と深いため息をつく。

「・・・決まってるだろう、そんなの」


・・・あれ、なんか、あつくなってきたな・・・


上田さんの顔が近い。
どきどきする。
変だ。

ああ、こいつ、こんな顔してたんだな。

「・・・あの時は変な効き方をしてたから不安だったんだがな」

今回は、大丈夫みたいだな。

そんな、普段なら殴り飛ばしたくなるような言葉を紡ぐ唇にさえ釘付けになる。

触れたい。
触れたい。
力が抜ける。

だめだ奈緒子。
これは、薬のせいなんだから。

こんなんで流されてて、いいわけないだろ。


でも、
こんなんでも、
拒む理由を、今の私は持たない。

少し前ならいざ知らず、
今の私は、



上田さんのことを。



「なあ山田。俺はな、こんなふうにしかきっかけを作れない、情けない男だよ」

ぼおっとする頭に、上田さんの声がキモチイイ。
倒れそうになる身体がすんでのところで支えられた。

「・・・なんだ、反論はなしか」

思うように言葉が出ない。
というか、頭の中をぐるぐる渦巻く言葉は一つだけ。

これを言ってしまったら、上田さんの思う壺だ。
言いたくない。
言いたくないのに。


でも、伝えたい。


ぐっと我慢した意地っ張りな言葉のかわりになったのは、
ぎゅっと力をこめて上田さんの身体に巻きついた、私自身の腕だった。

ジャケットのがさつく布地越しに、上田さんの体温が伝わる。
頬にはニットのちくちくした感触。

私は無言のまま、上田さんに抱きついたまま動かずにいた。
薬のせいなのか、それとも心のそこで望んでいたことだからなのか、
途方もなく気持ちがよかった。

彼からのいらえはない。
悟られないように、心の中でため息をついた。


あの島で、上田さんに伝えた精一杯の言葉を思い出す。


ベストを尽くせていないのは私のほうだ。
情けない。
この身体と身体の一部がでかいだけで何の役にも立たない朴念仁を相手にして、
こんなことで気持ちが伝わるなら、間違いなくとっくに伝わっているはずだ。
今だって、この唐変木は微動だにしない。

・・・自分から仕組んだ状況のはずなのに?
さすがに不審に思って、頭を上げて顔を覗き込んだ。

「・・・うえだ、さん?」

上田さんは、目を閉じたまま動かない。

「おい上田、まさか気絶したのか?」

襟元をぐいと引いて、顔を近づける。
頬を叩いてやろうと手を添えて、

・・・と、瞬時に上田さんの右手が動いた。
「な・・・」

頭をがしっと掴まれたかと思ったら、もう片方の手が顎に添えられる。
というか、大きな手が頬ごと掴むように包みこんだ。
頭を掴む手が、わしわしと髪を撫でる。

「・・・そんなわけ、あるか」
「上田さん」

額同士が触れ合って、熱が伝わる。
きっと、私の熱も伝わってるはずだ。

「きっかけを作りたかったと言ったろう」
「・・・・・・」
無言で頷いた。
「情けないだろう、笑えよ。嫌なら突き飛ばしていい」
「・・・・・・」
今度は、無言で首を振った。
そして、すうっと息を吸うと、きっと上田を見上げた。


「・・・わた・・・私も!」

遠まわしな振る舞いなんかじゃ、
消え入りそうな声なんかじゃ、こいつには伝わらない。
もっと大きな声で、遠まわしな言葉なんかじゃなくて、
ちゃんとストレートに、その瞳を見据えながらはっきりと口に出して。

上田さんが驚いたように目を見開く。
今なら言える気がした。

「私も情けない。なんでたったひとことが言えないんだ。
 こんな時じゃないと、こんなふうに一服盛られないと言えないんだって」

「・・・やま、だ」

私はいつの間にか、涙を流していた。


「いいぞ、笑えよ上田。私、お前が好きだ」


上田さんの口が『YOU』の『ゆ』の形を紡ぐ。
だけど何も言わせたくなくて、掌で口をふさいだ。

「こんな馬鹿なことされても許せるくらい好きなんだ!
 ・・・てか、ずっと、すき、だったんですよお・・・だからあ」

『お前も、ちゃんと言え!』って続けるつもりだった。
でも、続かなかった。
続けることができなかった。


私の押し当てた掌を払いのけた上田さんが、
涙に濡れて震える私の唇に、彼のそれを押し付けてきたから。



きっと酸いも甘いもかみ分けた他人が今の私たちを見たならば、
キスというには幼稚すぎる接触に微笑すらこぼしたに違いない。


それでもこれは私たちにとって、確かに意味を持ったくちづけだった。

唇をはなし、視線を交わし、また押し付ける。
その繰り返し。
途中から恥ずかしくなって、目を閉じた。
それでもキスはやまない。

「・・・YOU」

ようやく離れた唇が、私を呼ぶ。
ゆっくりと目を開けると、上田さんが今まで見たことないような顔でわらっていた。



「俺も、君が好きだ。
 ・・・ああ、やっと言えたな」


言葉と同時に、ぎゅうっときつく抱きしめられた。
私も抱き返す。
顔をうずめたジャケットから、上田さんの匂いがする。


涙が次々に溢れてくる。

しあわせで、眩暈がした。

大きな手が私の髪を梳いてゆく。
角度を変えて、何度も、何度も。
こんな風に撫でられたの、何年振りだろう。

私は安心しきって、上田さんに身体をあずけていた。
もう涙は出ない。
うれしいとか、感動とか、そういうのじゃなくって、
今はもっとおおきくてあったかい気持ちでいっぱいだった。

「・・・YOU」
「なんですか」

胸元に押し当てた耳から、ぼわりと反響したような声が聞こえる。
気持ちいい。

「まだ、身体は熱いのか」
「・・・ええ・・・さっきよりは、随分マシですけど」

髪を撫でる手が下へ移動してゆく。
背中へ。腰へ。

・・・ん?
腰?

上田さんの唇が新たな言葉を紡ぐ。

「どうして俺がこんな薬なんか調達して、YOUに飲ませたと思う」
「え、この・・・あの、こうなることが目的じゃ」
「馬鹿を言うな、いい大人が相思相愛となる・・・勿論、その後することはひとつだろう」

腰へ回った手に力が入り、抱き寄せられた。

「実はなYOU・・・俺も飲んだんだよ、あれを」


ぴったり密着した身体から、まったくもって冗談としか思えない感触。


さすがに、私も自分の置かれた状況を理解した。
なに考えてんだ、この巨根!

「・・・ち、ちょっと待て、うえ」

抗議の言葉は、くちづけで封じられた。

さっきまでの稚拙な、押し付けるようなキスじゃない、
どこで学んだのか(きっとろくでもない雑誌だのビデオだのそういうもんだろう)、
唇を舌で辿り、歯でやわらかく噛み、
私が怯んだ隙にするりと押し入ってきては、いたるところを舐め、吸い上げる。


抵抗なんか、もう、できない。
ただ必死に身体に力を入れて、どうしようもなく上がってしまう息を整えようと頑張るだけ。


私だって、そんなに経験豊かなほうじゃない。
・・・というか、経験なんかない。

だから、上田さんのキスが一般的に巧い部類に入るのか、
それともとんでもなくつたないものなのか、わからない。


ただわかるのは、
薬で熱くなっていた私の身体が、もっと温度を増していく感覚。
それでいて、背筋を這い上がる寒いようなぞくぞくする感覚。

それがいったいなんなのか、知らないわけじゃない。


でも、私は、抗わない。
上田さんの、好きなひとの腕を、吐息を、唇を振り払えるほど、
今の私はドライじゃない。

むしろ逆だ。

もっと触れて欲しい。
でも、身体ははじめての刺激に怯えている。

唇は次々に落ちてきて、交じり合った唾液が口の端を汚す。
つ、と伝う雫を追って、上田さんの舌が滑りだす。

首筋を辿り鎖骨へと辿り着くその動きに身をすくめる。
きゅっと目をつむっていると、上田さんの身体がつと離れた。

さっきとは打って変わった、落ち着いた声が振ってくる。

「怖いか」

目を瞑ったまま首を横に振る。
怖くない。

上田さんだから。

「なら、目を開けてくれないか」

ゆっくりまぶたを開くと、ゆったりとソファに腰掛ける上田さんが見えた。

「こっちに来てくれ・・・YOUの意思で」

その瞳は真剣。

押されて、一歩踏み出した。
上田さんがひとつ、ゆっくりとまばたきをする。

もう一歩。
私は息を飲む。

最後。
目の前に立つと、上田さんは大きく息をつきながらわらった。

「ハハハ、よかった、いや、よかった」
「・・・なんなんだ、突然」

理解できない。
こいつ単純だから(童貞だから)、もっとがっつくみたいに向かってくると思ってた。

上田さんが下を向いて、恥ずかしそうにぼそりと呟く。

「だってな、拒まれてるみたいじゃないか・・・
 あんなふうにガチガチになられたら」


・・・なんだ、このへっぽこ。

なんか、かわいいじゃないか。

あついからだは、脳みそを置いてけぼりにしてとんでもないことをしでかす。


目を開けたまま、
上田さんの目をまっすぐに見つめたまま、
さっき受けたののお返しとばかりに、
ほっぺを手のひらではさんでめちゃくちゃにキスをしてやった。

唇を離すと、

「えへへへへ」

笑ってやる。

もう、身体のこわばりはとけていた。
怯える気持ちなんか、これっぽっちもない。


上田さんがぽかんと口を開けて、私を見ている。


もう、怯えない。
それどころか、「その先」を希う私がいた。

それがいったい何のせいなのかなんて、どうでもいい。

今、
どうしても、
上田さんが欲しい。

ふと我に返ったらしい上田さんが、私を見据える。

「え、じゃ、あの・・・いい・・・んだな・・・?」

返事は決まりきっているけれど、言葉には出さない。

口元だけで笑ってやった。



・・・突然、視界が揺らぐ。

「な」

さっきまで柔らかな絨毯を踏みしめていたはずの足が宙を蹴る。
ばたつかせた腕が助けを求めてしがみついたものは、上田さんの首。

「いきなりなにすんだ!ビックリしたじゃないか!」

「今からYOUを抱く。そのためにベッドに運ぶ。悪いか」
「・・・あ」

あまりにもストレートな物言い。

そう言われてしまったら逆らえない。
私の望み、上田さんの望み、
ふたりのおなじ望みが、今から叶えられる。

まるで蹴り破るかのような勢いでひらかれたドアを潜ると、
モノトーンのベッドカバーの上にどさりと倒される。

初めてだというのが嘘のように素早く、上田さんの手が私の服を解いていく。
無言のままでカーディガンのボタンを外しカットソーを捲り上げ抜き取り、
スカートのホックに手をかけずり下げる。

上田さんの表情を盗み見る。
今まででも数えるほどしか見たことのないような、真剣な顔をしていた。

なんだか、少し怖い。

「・・・なんで、何も言わないんですか」
「言って欲しいか?」

ゆっくり頷いて、上田さんの目を見つめた。

「・・・欲しい。今の上田さんは、怖い」

いくらなんでも、無言のままコトに及ばれてしまうのは嫌だ。
この朴念仁に甘い言葉を望んでるわけじゃないけれど、
(大体、そんなこと上田なんかに言われたら笑い出してしまいそうだ)
それでも、ただ黙って何もかもが済まされてしまうのは嫌だった。

ふう、と上田さんが大きく息をつく。
きっと彼も緊張している。
無理なことを言ったのかもしれない。
不安が掠めた。

「あの、無理ならい」
「いや、言うぞ・・・なんだ、その・・・綺麗だ。凄く」


前言撤回。


脳みそが反応する前に、心が身体中のいたるところを真っ赤に染めた。


「な・・・なに、言って」
「綺麗なものを綺麗と言って何が悪い。白くて、ところどころ桃色がかって、綺麗じゃないか」

・・・綺麗だ。

もういちど囁かれる。
耳元に注ぎ込むように。

ふわ、と緩やかな振動が耳をくすぐる。
身をすくめると、上田さんが笑った。

「そうしていると可愛いな、YOUも」
「・・・どういう意味だ、それ」

起き上がってむ、と睨み付ける。

「下着姿で凄まれても怖くないぞ、全然」
「うううるさいっ」
「こういう時くらい、おとなしくするもんだ」
「それは」
上田の思い込みだろ。

言い切る前に、肩を押されてベッドに倒された。
服を着たままの上田さんがのしかかってくる。

素肌にニットの質感がざらついて、自分だけが肌を晒していることを改めて教えた。

「うえだ、さ」
「なんだ」

「服・・・脱いで、ください。」
「・・・あ、ああ。そうだな、服を脱がないとな、ハハハ!」


・・・どうやら、本気で忘れていたらしい。
てっきりそういう趣向だと思ってしまった自分が恥ずかしい。

(ああもう、お母さんが変なことばっかり教えるからだ)

責任転嫁。
ぐるぐると考え転げまわっている間にも、
衣擦れの音は「その時」が近づいていることを教える。

と同時に、ひとつの心配が頭をもたげた。


・・・いいんだ。大丈夫。怖くない。
好きだって、抱かれていいって思ったじゃないか。
上田だって人間だ、そんなに常識はずれに大きいわけじゃないだろう。
っていうかまず下着姿になるのが普通だし、それなら見たことあるし、
だいたいいきなり・・・その、ソコ見せられるわけじゃないし、
そんなに今から緊張したらいざって時にどうなるんだ!しっかりしろ!奈緒子!


「・・・YOU」
ベッドの淵が沈んだ。
鼓動が高まるのが、自分でもわかった。


ゆっくりと振り返る。


いつもシャツやセーターに隠されていた肩のライン。
部屋に揃ったたくさんの健康器具は伊達じゃないのか、うっすらと割れた腹筋。

そして、

・・・そして。


想像をはるかに超えた、その・・・その部分。




あまりの衝撃に硬直する私。


上田さんは、全裸だった。

「あぎゃあああああああっ!!?」
「なんだ、どうした山田」

どうしたもこうしたもない。上田が動くと・・・その、ソレがゆらりと揺れる。
嫌でも目に入る。
最悪だ。最悪の初体験だ。
こいつはいきなり全裸になって当たり前だとでも思ってんのか?
おおかた歪んだ知識しか持ち合わせてないからこんな蛮行に出るんだ。間違いない!

・・・いやいや、私だってこういう方面はからっきしダメダメだ。
もしかして私が間違ってて、ほんとはやっぱりこうやって脱いでくるもんなのかも・・・

口をあけたままで放心してる私を見咎めた上田さんが、どうやらようやく状況を理解した。

「YOUどうした、何か変か?」
「あああああの、その、普通、その・・・全部脱ぎますか普通、こういうとき」
「・・・違うのか・・・?」

でかい図体を傾げる。
ついでに、ソレも一緒に傾ぐ。

「ちがう、気がするんですけど」

たぶん。
口の中で、もごもごと付け足す。

・・・沈黙。

「そうか、違うのか・・・ハハハ!ああっやっぱり画像教材は飽くまで教材でしかないのか!くそうっこんな大事な局面で失敗するとは俺って奴はなんて情けないんだ・・・もっと実践に適した教材を集めて吟味して」
「黙れ木偶の坊」

腹筋の浮き上がる腹に、体重をこめてひじを叩き込む。
ぐほ、とくの字に折り曲がるからだを、ため息をつきながら眺めた。

ああ・・・どうしてもこうなっちゃうわけか、私たちは。

だから、きっかけが必要だったんだ。
揚げ足を取り合って茶化しあってばかりの私たちが、
すこしだけ前に進むための、エッセンス。
それがハルさんの薬だって言うのがもんんんんのすごくシャクだけど。
そんでもって、薬の力借りたって結局こうなっちゃうっていうのが、もっとシャク。

よし決めた。もう茶化さない。
女になるんだ、山田奈緒子!
ふぁいと、いっぱーつ!

「フハハ、効いたぞ今のは・・・腕を上げたな山田」

ゆらりと起き上がる上田(まだ全裸)。
よし、行け!今だ!言うんだ!
全裸に突っ込むんじゃないぞ!さっきまでの雰囲気を取り戻すんだ!

「それほどでも。ところで上田さ」

「・・・仕返しだ、な」

突然、天地が逆転した。
少し固めのスプリングに背中が押し付けられる。
さっきも感じた感触。でも今度は逃げられない。
本能でそれを悟った。

「や、何するんだっ」
「何じゃないだろ山田」
「・・・上田さん」

「するんだよ、これから、俺とYOUが・・・セックスを」






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