欲情
上田次郎×山田奈緒子


その日上田は酔っていたんだと思う。・・・多分。

私と上田さんはソファーに座ってテレビを見ていた。
食事も風呂が終わりあとは眠るだけ。
ちびちびと上田はビール、私はお茶を飲んでいる。

少しだけ私は違和感を抱いていた。

なんか、なんでだろう、なんでだ!?
今日は上田が触ってくるのだ。

最初(30分ぐらい前)は抵抗してた、そっと手が近づいてきたら避けていた。
でも今はもう、攻防戦に疲れてきつつある。


手が大きい。

「もう、なんですか、さっきから」

上田の手は今私の髪に触れていた。髪が痛むだろうがっ。

「・・・ん・・・いや別になんでもない」
「嘘付け。」
「いいだろうが別に」

よくない、全く良くない

「それに、触るのだって初めてじゃないだろ」
「初めてって・・・」

抱きつかれた事はある。抱きついたことも・・・ある。
キスは数回した。
でも断じて言う、一線を越えたことはまだない。
まぁ同居しているのだが、これは理由がちゃんとした理由があるのだ。
私が居候させて貰って(こう書くと上田が偉そうなのでムカツクのだが)いるのだ。

「それにしてはyou髪が濡れているな、明日寝癖が悪くなるぞ」
「別にいいですよ」
「お前な、女だろ」
「・・・そうですけど」
「身嗜みには気をつけろ」
「上田さんに言われたくないです」

髪が梳かれる

「だから、なんで触るんだ!」
「別に?触りたくなったから触るだけだ。さらさらしてるからな」
「威張って言うな。私の髪だろ」
「シャンプーとかは家のを使ってるだろうが」
「そうですけど」

ばっ、髪を振り払う。

「とりあえず私寝るんで。」

私はそう宣言して立ち上がった。背を向けてリビングから離れようとする
きっと上田は酔ってる。今日は近寄らない方がいいだろう。
ここの所、家に帰ってくるの遅かったし。疲れてるんだろう。
疲れたら人間、アルコールが回りやすいのは私でも知っている。

「――待て」

手が引かれた

「なんですか、もう」
「もう少しいいじゃないか」
「執拗い!寝ます」

怒って振り向いた。口付けされた。

どん!

渾身の力を入れてその大きな体を押し返す。

「う、え、だー!お前巫山戯るのもいい加減にしろ!」

別にキスに動じてるわけではない。でもなんとなく厭な気はする。

「別に巫山戯てはないさ。」

目の前に立ちはだかる。何故か上田がやけに大きく見える。ええい!でもっそんな事知らない。
私は寝るんだ!

「・・・ただ、少しおかしいかもしれない」
「うん、おかしいです」

・・・真逆こいつ媚薬でも飲んでるんじゃないか?
こんな上田・・・そう、あれはいつだったか上田の研究室に連れられた日・・・そこで媚薬を飲んだ上田の反応に似てる。
か・・・カリボネだったか?
そうだ。あの時も迫られた。

まぁ・・・それはさておき。

「じゃ、そういう事で」

じりじりと後ろ足で後退する。

「そういう事でって、逃げる気か」
「今日の上田さんおかしいです!」
「だから、自分でも少しおかしいと言ってるじゃないか」
「そうか・・・自覚してるなら自分でどうにかしろ!」
「それは無理かもしれないな」
「な、」


また唇が重なった。
いーかげんにしてくれ。とりあえずにげ、――!?

「ちょっ、どこにキスしてるんですか!」

上田の唇は、私の唇から横に移動し始めていた。しかも軽く吸われてる。

ちょ、まて
ちょっと、まて
ちょっと、待ってくれ
頭の中で警報が鳴り始める。やばいぞ、やばい!

「いや、上田、やめッ!」

恥ずかしくて言葉がとぎれとぎれになる。

「ほう、そんな声も出すのか・・・」
「そんな事ほざいてる場合か!離せ・・・!」

唇が耳たぶをなぞり、口に咥えられた。

「ぎゃーっ!」


思わず口から出た色気のない叫び声に、上田の行動がぴたりと止まった。

ふっ、助かった・・・
って手や肩は 以前がっちりと掴まれているのだが・・・

「you・・・それはないだろ」
「う、五月蝿い!取りあえず離れろ!離せ!叫ぶぞ!」

顔を真っ赤にして叫んだ、

すっと、手が離れていった。
ふぅ・・・

「悪かった・・」
「分かったなら、いいです」
「だから」
「はい?」

上田の普通では有り得ないような行動(もじもじ、とでも言うのか?)に ただ怪訝さを感じる

「だから、本当に今のは悪かった、・・・するならちゃんと聞かないとな」
「何が」

「you、俺は君とセック」
「わーっ!言うな聞くな!!馬鹿上田!!」
「you・・・」

きっ、と上田を睨み付ける

「何を企んでる貴様」
「何も企んでないさ。欲情しただけだ」
「よ、・・・よくじょうって・・・・」

「俺はyouが好きだ。」

真面目な顔して上田が言いやがった。

・・・・・・げ。

「きゅ、急に何言いやがるんですか!」
「you口調が、」
「そんな事はどうでもいい!
 何突然言うんですか。ああ、分かった!分かったから上田・・・酔ってるんだな。」
「酔ってないさ別に。」
「あてになるかぁっ!もう目を醒まして」
「だから」

不意に顔に影が差した。

「意識ははっきりしている、俺は君が好きだ。駄目か?」

なぜなら う えだ、が私の顔を覗き込んでいるからだ。顔は近い。近すぎる。このままではまたキスされる。

ずっ、後ずさって 咄嗟にソファーの上に乗り上がった。

上田はじりじり近寄ってくる。ゾンビの如く。


「ち、近寄るな」
「youが逃げるからじゃないか」
「頼む来るな」
「別になにもしないさ」

ああ、まるでこれでは怪物から逃げ纏う美女の図じゃないか!
・・・・駄目だ、此処で貞操を奪うわけには!

「・・・・・ふぅ」

しかし・・・目の前で上田は肩の力を抜いた。

「悪かった。そこまで怯えるならいい」

上田は私から目をそらす。

たす、かった・・・?
目の前の上田は打ちひしがれている。


「you、でも俺が君を好きな事は確かだから」

上田が私に背を向けたままそうぽつり、と漏らした。

「じゃあ、ちゃんと寝ろよ。今日は冷えるからな」

上田はうなだれてリビングを出ようとした。

「・・・ちょっと待ってください」

気づいたら言っていた。自分自身何を言うつもりなのか明確に分かってないのに。

「何だ?」

上田がこっちを向いた・・・なんだろう、心なし嬉しそうに見えるのだが・・・

私はどっかりとソファーに座る。

「べ、別にいいですよ」

私は一気に言う。
 そこまでの覚悟があるのだが。

「本当かッ!?」

上田の目が輝く・・・・・・・・・・・・・・こいつ・・・さっきの切なそうな行動って演技だったんじゃ・・・


・・・なんかむかついてきた。

「で、でも条件があります」

まぁ・・・でも”良い”と言ってしまってしまったものは仕方ない。・・・・・・・いやでも、撤回しようかな・・・

「条件?」

上田が私に近づいてくる

「だから近づくなって、オイ!」
「ああ、すまん。で、なんだ条件って?」
「・・私が出した条件に従ってくれたら、・・・いいです」
「つまり・・・ヤらせてくれると?」
「うにゃッ!生々しい事を言うな!」

なんてことを言うんだこいつは!

私は右足を上田の前にでんっ、と置いた。

「私を・・・抱きたいなら、――ここに跪いて足を舐めてください。」



・・・・ふっ、勝った。

私はふん、と鼻を鳴らした。
さぁこの手はどうだ!

さっきまでの嬉しそうな顔から一転、上田は硬直している

勿論 今、私が言った言葉の意味はちゃんと理解している。
馬鹿な癖に人一倍、いや人よりも数十倍プライドの高い上田が従うはずはない。
こんな命令に従うなんて屈辱的だろう。
跪け!って言ってるんだし。
この馬鹿上田が私に頭を垂れる事などないのだ、絶対!
あっはっは!
 さぁ寝ようっと。

「じゃあ、こ」

口を開いた。瞬間

「・・・なんだ、そんな事か」
「・・・・・はい?」

上田がとても凶悪そうな顔をして笑った。
そして足首を掴まれる

 え。

そのまま上田の唇が足の甲に吸い付いた

「――!」

なんだろう、この光景は。
絶対こんな事在るわけないと思っていた。

上田が私の前に跪いて、足を舐める。
ひれ伏している。私の言うことに従っている。

言うんじゃなかった、後悔は頭の中で渦を巻いている

「・・・っ」

そうこう考えている間にも上田の口は私の右足を這っている。
がっちりとその足を掴んでいる、大きな手が痛い。
舌先から与えられる刺激がくすぐったい。

「ちょ、うえだっ」

抵抗の声を出してみても目の前の男はびくともしない。
今度は丁寧に足の指を一本ずつ舐め始めた。

「うえだ・・・」

親指

「うえださん、って」

人差し指

「聞いて・・・」

中指

「ちょっと・・・」

薬指

「やめんかーーー!!」

左足で跪いた上田の肩を蹴った

それに上田は驚いたんだろう、小指に歯が軽く食い込んだ。

「・・・you痛いじゃないか」

上田の口が足から離れて、右足が解放される。
すとん、とやっと足が地につく

「五月蝿い、真に受けるな!」
「これが条件だと聞いたが」
「そ、それはじょ、冗談で!」

とん 右首の丁度 真横に手を置かれる

「約束は約束だ、you」

上田の影がすっぽりと私に覆い被さった。


やばい、この目は・・・・マジだ。

「ちょ、上田ッ」

頬にたくさん口付けされる。ちゅう、ちゅうと音が鳴る。恥ずかしい
そして上田の手は私が来ているパジャマのボタンを一つずつ外していく。
逃げられない・・・上田の体重が私の体にかかってくる。ああっ!押し倒されている。

「上田、やめ・・・っ」

必死に手で上田の体を押し返す。ぎゅうっと、ぎゅぅーーっと。
しばらく(でもきっと1分にも満たなかったのだろう)すると両手とも掴まれた。

「抵抗するなら、こうだ」

上田は私の体に体重を掛けたまま 片手でソファーに掛っていたタオルを取った。

あ、私がさっき髪拭いてたやつだ・・。
・・・・って、真逆おいッ


そのタオルで手首をぎゅっと結ばれた。きつく。

「上田ッ!」

結ばれて動きの取れなくなった腕をそのまま、頭の上に持って行かされる。
伸びの体制のような、いや万歳の体制かな・・・って、違ッ!そんな事を考えてる場合じゃないっ!
考えるんだ、考えるんだ奈緒子!こいつから逃れる方法を・・ってッ!?

首筋にキスを落とされた。
手は胸の膨らみを直に触っている。
パジャマの前はもうはだけられていた。

チッ、チッと肌が吸われている。
くすぐったいような、痛いような、痺れるような感覚
口から思わず息が漏れる

目をぎゅっ、と瞑ってみた。

目をぎゅっ、と瞑ってみると
暗闇が広がった。

そうしていても、ちっ、ちっと肌は吸われて痺れる
大きい手は胸をとうとう揉み出した。

・・・・駄目だ。

暗闇では反対に敏感になる!
目を開けた。勿論状況なんて変わってない

「・・っ・・・あ・・」

口から声は漏れる。恥ずかしい。
上田は私を貪り続けてる

やめて欲しい。やめて欲しい。やめて欲しい!

「・・・・や・・・っ」

上田の指先が、胸の中心部をなぞる。
触れたところから刺激を感じる。びりびりと。
でも、クセになるような気がして
なんか私 変だ・・・!


「・・ひやっ!・・・」
右胸が湿った。
生暖かくて柔らかいモノが胸をなぞる。

・・・これは、舌だ

「んんっ・・っはぁっ」

頭の芯がじんわりとしびれてくる。
もう体中痺れたように。

やめて欲しい。やめて欲しい

「う、上田・・・は・・ぁん!」

何故か自然に涙が出てくる。
こんな声を自然に出してしまう自分が恥ずかしい

上田の歯が胸に甘噛みを始める
痛い・・・!

もうなにされてるのか分からないっ・・・

「・・・っ!?」

と、思ってたのに 感覚はちゃんと感じた
初めての感覚とでもいうのか
上田はどこに口づけている?腹?
それでも絶え間なく左胸は揉まれたままで、いちいち意識が遠のきそうになる

「・・・んぅっ・・」

首筋が次第にじっとりと汗を掻き始める。気持ち悪い

「・・ひゃっ!」

少し汗を掻いた足に、しかも今まで誰にも触られなかった太ももを掴まれた。
薄い布で作られたパジャマのズボンが徐徐に脱がされていく

あ、そうだ足!足は自由だ!
私は足をがっちりと閉じた、と思った・・・でも駄目だった。

・・・・足の間に上田の顔がある。
それははっきりと思った。
髪の毛がちくちくして痛い

「・・・抵抗するなと、言ったはずだが」

その声が聞こえたか否や、突然 意識が飛ぶような痺れがはしった

「はぁああんっ!」

な なんだ これぇっ・・・!?

「すごい反応だ」

ぴん

「んあああっ!」

また・・・!

「ここがやっぱり良いみたいだな」

すっ、と下着を着けていた筈の部分が外気に触れた。
 きっと脱がされたんだろう。大事な部分が見られてる・・・恥ずかしい・・・!

私はぎゅっと唇を噛み締めた。が、すぐ体中の力が抜けていく

快感だけを感じる。意識がいちいち飛びそうな。
胸で感じたよりも数倍、数十倍の痺れが脳をダイレクトに駆けめぐる。


上田は一体私の体に何しているというのか。
目線を下にさげても足の間に、上田の頭があるのが見えるだけ。
恥ずかしい・・・
抵抗したくても両足とも、上田にがっちり掴まれて、手が足に食い込んでいる 

「っ、はぁ・・・ん・・ん・・んっ」

口からは言葉にならない言葉の切れ端 切れ端が漏れる。

こんなこと言っても誰にもこの感覚など伝わらないであろう。
胸だってまだ揉まれ続けているのだ。

これは夢じゃないのか。
夢なのだろうか。

と思って気を紛らわそうとしても、上田から与えられる感覚でまたすぐ飛びそうになる。

ずぷっ

中に痛みがはしった。

「痛っ・・・!」

な、何だ!?

中に、何かがずんずんと入ってくる
そしてひゅっと抜けた
そしてまた、侵入してくる。

 こ、これは・・・上田の指?

「・・・こんなに溢れて・・・・」

上田の声が聞こえる。

指?が入っては抜けて。
さっきから出し入れされるペースが早まってる気がする。

もう口からは変な声しかでない
冷静になにもかも考えられない。

上田から与えられる刺激だけが今も私にとってすべてだ。

「フッ、youはやらしいな」

・・・そんな事言わないで欲しい

もっともっとしてほしい、とすら思った。もう・・・・・駄目だ。

くちゅくちゅ と水音がする。
これはきっと私が立てる音なんだろ

生まれて20数年経つけど自分がこうなるなんて知らなかった
私は女で上田は男なんだ。
今更ながら気づいた。

「you・・・」

上田がじっと動きを止めて私の顔を覗き込む。

「・・・な、なんだ・・・」

「もう限界だ、――挿れていいか」

真面目な瞳が私を貫いた。

・・・私の中でなにかが高ぶっている。ああ、もう私も――限界なんだろ。

こくん、と頷いた。

上田がしっかりとした手で私を抱きかかえて
フローリングに体を横たえた。

今までの柔らかい皮の感触から、今度は冷たい板の感触を感じる
薄い布に(私はまだパジャマを着たままだ。)背中の汗がじっとりと染みる。

「行くぞ。」

「ああっ!」

思わず叫んだ。
一気にぐいぐいと、さっきの指よりもきつく、太いモノが中に入ってくる。

「ぐ・・・」
「・・・っ・・・・!」

きつい、きつい、入らない 裂けそうだ・・・っ!

なのにそれは乱暴にどんどん入ってくる。
耐えようと掌に爪を食い込ませる。本当はしがみつきたい・・・腕が拘束されてるので何も掴めない

「う・・・」

上田の動きが一拍止まって そのままぐいっと勢いを付けて本格的に 入ってきた

う・・・・痛いっつつつつつつ!!!
頭の中が真っ白になるような痛みが走った

痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!!
痛みだけがはっきりと頭を支配する。

爪が食い込んで爪先がわずかに湿った。血でも出たんだろうか

痛い、痛い・・・!


涙で目がぼやける。

そんな事はどうでもいい、痛い・・・!苦しい、息が詰まりそうだっ!!

「・・・ほう、処女だったか」

上田の声が遠くで聞こえる

当たり前だろうがっ!
何を悠長なっ

「血が出ている」

当たり前だろうが!こっちは痛いんだ!

「何か言いたそうだな」

上田の顔がこっちを向いた。(でも涙でぼやけていて表情までは分からない)


早く抜いて欲しい、こんなに痛いとは思わなかった!

上田の顔が私に近づいて ひた、と目に当てられた。
そして耳元に囁かれる。

「――動くぞ」

嫌だっ!

 そう思っても駄目だった。

すっ、と中を占めていたモノが抜けた。一瞬楽になる。息が出来た。
だけどそれもつかの間

「あああっ!!!」


痛いっ!

ぼろぼろと涙が頬を伝う。
べとりと、汗でくっついたフローリングが背中を擦れる。

上田が口で口を塞ぐ。

息が出来ないのに苦しい・・・!
口からは汗なのだろう、塩辛い味がする。

「山田・・・」

唇が離れる度に上田はそう言う。

無茶苦茶だ。無茶苦茶に求められている。すべては上田の言い様に。
おかしい、さっきは私の前に跪いていた筈なのに

痛みと快感、痺れと苦痛、息苦しさと塩味で私も目茶苦茶だ。


上田は何度も入っては出てを繰返し続けている

もう なに が なん だ か  

息が上がる
苦しさもよくわからない
痛みもわからない
呼吸の仕方すら分からない
高ぶる。
何かが高ぶる。
何かが弾けそうで
何かが
何かが


ぱん、 と 一瞬、総てがクリアに見えた

「あああああっ!!!」

そう、例えるなら頭に電流が駆けめぐったような。
高いところから落ちるような
総てが静止したような

わからない

ふぅ、と息を一気に吐き出した。


いつの間にか上田の動きは止まっていた。そして腹に熱い液体が掛っていた。

頭の中がぼぅっとしている。
暫くするとしゅる、という音が聞こえた

「・・ああ血が出ているな」
「・・・だれ の、所為 だ・・・とっ!」
「悪かった。」

上田が口づけて来た。

どっと、疲労感が押し寄せてきた
 何処かで上田が私の名前を呼んだ気がした


・・・・ぅ

・・・・・ゆ う


・・・・・おいっ、youっ!




・・目がぱちと開いた。
最初に見えたのは白い天井で。

・・・あ、ここ・・・上田の部屋だ・・・

体を起こそうとすると、途端激痛が走った。

「痛ッ!」
「・・ああ、余り動かない方がいいだろう」

ばたんと、力を抜いてまた横になる。


ここは上田の寝室だ。
・・なんでいるんだっけ


昨日・・・・・・・・・・・・・・・



「・・・うえだぁ・・」

思い出した。

「なんだ」
「な、ん、てっ無茶をお前はするんだ!」

ッ!叫ぶとまた激痛がはしる

「・・・てて」
「大丈夫か?」

上田が私を覗き込む。

・・・大丈夫ってこいつ・・・スカした顔して・・・!

涙目で睨む

「そんな顔されても俺は別に悪くないだろう」
「・・・手縛ったクセに」
「抵抗するからだ」
「・・・私が了承してないのに動きやがって」
「動かないと気持ちよくないだろ」
「痛かったんだぞっ!馬鹿っ!!!」

・・・・う゛!
 
「you、学習しろよ」
「とりあえず、体は拭いておいたから」
「・・・どうも」
「しかも、あの後気絶したyouをはわざわざ運んでやったんだぞ」
「・・・当たり前だ」
「少しは感謝しろ」
「・・・その前に抱かせてやった私に感謝しろ」
「そうか」

上田がベット近づいて、私の足がある方に頭を突っ込んだ。

「!」

ぺろ、左足が舐められる。
ぞわ〜〜と一気に鳥肌が立った。

「う、上田!」
 
がばっ、と上田が顔をシーツから出してこっちを見た。

「なぁ、you・・・足を舐めたら抱かせてくれるんだよな?」


・・・・・・・・・・・・・え。


私は硬直する。
 ただ目の前で上田が凶悪な笑みをたたえて私を見ていた。






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