上田次郎×山田奈緒子
![]() 熱い。熱い。 髪にうなじに、擦り付けられるひげ。 男二人に挟まれて、膝立ちになった私の躯はぐにゃぐにゃと頼りない。 明るすぎるほど明るい蛍光灯の下に空になった薬包が散乱している。 中身は酒と一緒に何度も口移しに注ぎ込まれた。 点滅しているような脳内の短い記憶も途切れている。 酒宴の果てに上田がふと自慢した。 「──南方の媚薬なんですよ、以前ふとした事で手に入れてね」 まだ性懲りもなく隠し持ってたのか、この変態。 効き目を説明するのに、なんで私を使うんだ、だから。 重みで目が覚めると、目の前に上田が。 ああ、そうか。上田が飲ませたんだ。口移しで──って、なんだかこれってキス? 乳房をぎゅっと握られて私は呻く。上田じゃない、これは北見さんの掌。大きさと温かさが違う。 「しっかり支えなさい。北見さん」 上田が偉そうに指示しながら私のスカートをすっかり捲り上げた。 抵抗しなきゃとは思うものの、私の躯はふらふらするだけで全然力が入らない。 「はい先生。これでいかがでしょう」 お前ら、これ犯罪じゃないのか。犯罪だろ。教育者だろ一応。 上田も北見さんも、ついでに私の喘ぎも酔っぱらったみたいにうわずっている。 酔っぱらっているには違いない。二人はお酒、私は媚薬で。 躯が揺れる。腰の線を上田の大きな掌が、指が撫でていく。 ブラの上から乳首を擦り上げているのは北見さん。ブラの周囲の肌を、上田が舌で舐めた。 「んうっ…」 声が漏れる。誰だろ、随分気持ち良さそうだなぁ……。 下着を、膝まで降ろされた。片方の足だけ立てるようにして抜かせ、上田はそこに触れてきた。 「媚薬の効果はこの通り」 長くてしっかりした指が私の躯を抉ってくる。ぐちゅぐちゅ淫らな音がする。 「凄いですね」 私の躯は撥ねて悶える。がくりと頭をのけぞらせると北見さんの躯に髪が波打つ。 「ここまでくるとね、そろそろ挿れてやるべきなんですよ。でなければ高まるばかりの欲望で」 ああ、もうそんな事どうでもいいから早く挿れて。早く塞いで。 こんな指じゃなくて、もっと…あれ。男の人の、あれ。 唇から出るのは喘ぎばかり。 上田が私の背中に腕を廻してぐにゃぐにゃの躯をひきあげる。 「先生、私はなにをすれば」 「君は駄目だ。この女は私の追っかけだから、ヤれるのは私だけです」 お前、それどこのジャイ○ン。 「ブラ越しとはいえ、この素敵な貧乳に触らせてやってるだけでも感謝しなさい」 「は、はい。わかりました先生」 北見さんは泣いてる。可哀相じゃないか。 「んん…」 私は哀れに思って首をひねり、北見さんの頬に唇を当てる。 「山田!」 怒号が響き、私は北見さんの胸に背中を押し付けられた。 上田の怒りに燃えた目が眼鏡ごと迫ってくる。 「キスは駄目だ。キスはいけない。するなら俺にしなさい」 なんでだ。そういう暇もなく口を塞がれ、すぐに私はとろとろになる。 もっと掻き回してほしいのに舌はすぐに逃げ、後を追うように私が肩を揉むと上田が訊いた。 「どうしたい?」 「…て。し、して。して、上田さんっ…おねがいぃ…」 誰、この女。めちゃくちゃ頭悪そう。って私か!? くそう、覚えてろよ上田…もう駄目、どうにかして。死にそう。 「どうしようかなあ」 上田はにやにやと天井を見上げる。この酔っぱらい!ケダモノ!最低学者! 「ここだけの話だが、北見さん。実は私は巨根でね」 ぬぅっとばかりにモノを取り出すバカ上田。ぐにゃぐにゃの私を支えている北見さんが息を飲む。 「す、凄いっ!先生、お見事です!!」 「どうだね」 「凡人である私のモノなど到底足元にも及びません。ま、参りましたッ」 お前らバカだろ。な、バカなんだろ。というかそれ人間のじゃないだろ本当に。 「んなの、いやらぁ」 呂律が廻らなくなってきた。もう、肌のすぐ下が燃えてる。どうにかして。どうにか。 「ふつうのぉ。北見さんのがぁ、いい」 「何を言うんだ山田っ」 怒鳴った上田が私の腿を掴む。 「こんな極上品を挿入して貰える幸運な女は滅多にいないぞ」 今まで一人もいないんだろーが、このバカ!童貞バカ! 「らって、私処女なんれすよぉ!最初からそーゆーの、ムリッ」 「ふっ。ふふふっ、そのための媚薬じゃないか。大丈夫、痛みよりも快感のほうを強く感じる」 いい加減な台詞に呆れているうちに、上田は私の腿をさらにひきあげた。 「北見さん、しっかり支えていなさい。天才物理学者の生殖行動を目撃できる貴重な機会だ」 「はい、先生!」 バカの味方の北見さんはしっかり支えた。乳首に指が当たって、なんか、もう、私、ああ。 「んあん」 「山田、愛してるぞ」 その声だけにはなぜか真情が滲んでいた。 何言ってんだこの酔っぱらいッ。もうやだ。こんな奴に犯されたくないっ。 なのにずぶずぶ、あっさりと、私の処女はこのバカに奪われてしまった。 「んああああっ!」 「だ、大丈夫ですか」 のけぞった私の胴を、慌てて手を滑らせた北見さんが掴んで支える。 だから、どーしてこんな体勢。 「うおぉうっ…い、いいっ…」 声を漏らして、上田がさらに私の腰を両手でがっちりと掴んだ。動けない。 「んっ…、ふ、ふんっ!」 そーゆー気合いを、いれるなあぁ。さらにずぐずぐと私の中に侵入するバカ上田の馬並みのモノ。 蕩けた躯に、芯。上田の、熱くて大きくてびくびくしているモノ。 「あああんんん」 やだあ。ちょっと痛いような気もするけど、でも、痛いってより、やだやだやだ、きっ、気持ちいいっ。 「あん、あああっ」 「ど、どうだ、山田!お、奥まで、挿入したぞ!」 胴も、腰も、掴まれていて自分では動かせない。駄目。だめ。私、おかしくなりそう。 「う、動いてぇ。うごいてっ、うえらさん」 「おうっ?」 「すぐ動けっ!ら、らめ。じっとしてらんない。はやく、はやく」 動かせない外側はともかく私の内側の肉は逞しいモノをきゅうきゅう絞り上げるみたいに絡まっていて。 …ああ、大き過ぎて駄目。もっと締め付けたいけど無理。 男の人のって、いや、たぶん、上田のって、凄い。 「ふあ、ぁうん…」 閉じられない唇の端から涎が落ちた。 ぴりぴりしている腿の内側もなんだか伝って溢れているみたいだ。 全身を可能な限りくねらせて馬鹿みたいに喘ぐ。やだもう。 「あふ、あうっ、き、きたみぃっ!もっと、むね、揉めって!!」 「は、はいっ!すみません!」 「キスもっ!うなじ!みみっ!咬め!」 「は、はっ?」 「待てっ!北見さん、それは許可できない」 「はいっ、すみません師匠!」 「…ああっ、んんん、いじわるぅ…うえらあ!なにのんびりしてるんれすっ、そっちも早くうごけ!!」 「君の危機的な状況はよくわかった。よし、後の抽送は任せろ!」 「はやくっ」 任せたくないけど任せなきゃ確実に気が触れる。 それからの事はよく覚えてない。 上田が動きはじめると火花が散って頭の中が真っ白になった。 もうたまんなく気持ちよかった。 本当に、死んじゃうかと思った。 上田最高。 巨根万歳。 ああもう。 本気で腹立つ。 何度も何度もヤって(というかヤられたんだ、あれは!)、ヤり尽くして、私はばったり布団に倒れた。 ぐったりした上田も傍に転がった。 北見さんは涙目で、ズボンの股間を押さえていた。 可哀相だなぁ。せめてキスしてあげようかなぁ。 「北見さん」 そう思って視線をあげると、上田のでかい掌が私の顔を無造作に掴んだ。 「駄目だっ。君のは全部俺の」 ほんっとーに、このジャイ○ンめが! 北見さんは結局あれからすぐ死んでしまった。 黒門島の人だったんだ…でも、やっぱりあの時してあげればよかったなあと今でも思う。 キスくらい。 「死ぬ前に思う存分君の貧乳を揉めたんだ。良かったじゃないか」 バカ上田はそう言うけど、って、誰が貧乳だ! そんな事言うなら嬉しそうに揉むな!バカ。 でももうあの媚薬は二度と使わせない。 使ったら即別れると宣言してる。 ……その、もう使う必要もないし。 当然でしょ。ね。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |