忘れられない(非エロ)
上田次郎×山田奈緒子


「…それにしても、知りませんでした」

上田は肩に回そうとした手を、慌てて引っ込める。
自分が疚しいことを考えてたのを見透かされたかと思って、ビクビクしながら聞いてみた。

「な、何のことだ?」
「こ、この間…私は上田さんと、あの…その…い、いろいろあったじゃないですか」

言われて、上田も顔が赤く染まる。

「その時にですね。私、初めて男の人の…がこんなにおっきくてあったかいんだ…って知ったんです」

奈緒子は恥ずかしいのか、もそもそと話しているおかげで一部が良く聞き取れなかった。

しかしここで聞き返すのも
せっかくのムードを壊しかねないと思い、上田はそのまま話を続けることにした。

「…あー…you。それはつまり、はっきり言って俺の虜になった、とそう受け取ってもいいのか?」
「とっ、虜って…か、勘違いするな!ただ気持ちいいと思っただけだ!」

そう言った奈緒子に対して、上田はますます顔を赤らめ、頬が緩んでしまう。

「…you。いや…嬉しいが、それは…そんなに良かったのか?とは言え…あまり女性がそう言うことを言うのは、はしたないから控えた方がいいかと思うんだが」

そこで奈緒子は、上田が何やら勘違いしていることを悟った。

「…上田、さん。一体何の話を…?」
「決まってるじゃないか、you。俺のこの巨根が忘れられないんだよな?」

奈緒子は一瞬赤面した後、深い溜め息をついた。そして思い切り罵倒する。

「だっ…誰が!大きいのは手だ!まったく自惚れるのもいい加減にしろ!」

私しか知らないくせに、と言おうとして、言葉を飲み込んだ。
そんな言葉を口にしたら、またこの巨根は図にのりかねないと知ってるから。

「とにかく私帰ります。一人で練習してろ、ターコ!」

と捨てセリフと共に、奈緒子は部屋を飛び出していた。

それを上田はただ呆然と見つめていただけだった…






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