じゃあ、見せてくださいよ
上田次郎×山田奈緒子


澄んだ風が髪を靡かせ、霧の中の山々は眩しいほど青かった。
長野は良い。新しいマジックを閃くかも……奈緒子は心から実感していた。
池田壮の家賃が払えなくなり、しばらくは上田の家にいたが、久しぶりに実家に帰る気になった。
もちろん、”家賃が払えない”なんて里見には言えないが。


「気持ちいなぁ」


ぼそっと独り言をい言ったつもりだったのだが、背後から低い声が聞こえてきた。


「まったくだ。東京の暑さはやってられないからな。はっは…」

「にゃっ…どうして、上田さんがここにいるんですかっ?」


上田は奈緒子の隣まで進み、理屈っぽく言った。


「ふっ…誰が貧乳の君を1週間も高級マンションに居座らせてやったっていうのに。まぁ、長野に来たのは「なぜベストをつくさないのか」の続編のデータ集めってとこだ。大体、誰がここまでつれてきてやったと思ってる!」


奈緒子は貧乳と言われたことにむっとした。


「まぁ、連れてきてやったってことにしても良いが…どうせ、わたしの実家に泊まるんだし。上田だって巨根じゃないか」


刹那、上田はいかにも嫌そうな顔をした。


「ここらへんはホテルも旅館もないんだ、仕方が無いだろ。そのくらい…。だいたい、YOUはその目で私のモノを見たことが無いのに、巨根と言われるのは…どうかと思うが」


奈緒子はわざと挑発的に答えた。


「じゃあ、見せてくださいよ。上田さん」

上田の答えはまさに想定外だった。


「YOUがそんなに言うなら、見せてやっても良いが」


奈緒子が呆然としていると、彼はじれったさそうに奈緒子を持ち上げ、雑木林の茂みに連れて行ってしまった。


「こ、こら…上田!やめろっ」


せっかちにベルトを外し、ズボンを脱ぎだす上田を奈緒子は直視できなかった。



「大学の卒業論文は「男女の産み分けとエントロピーの法則に関する概念」というテーマだったんだ。いやはや、まさに素晴らしい論文だったが…。誰かで試すときを待っていたんだ。はっは

「やっ、やめろっ。わたしはお前の子供なんて欲しくないし、それに、エントロピーってなんだよっ。お願いだから…」


奈緒子と口論している間に上田は下着もすべて脱ぎ捨て、そのいきりたったモノを出していた。
目を細めながら奈緒子はそのサイズを確認した。


「やっぱり、デカいじゃないかっ…。」

「YOUみたいな貧乳で我慢してやろうと思っているのだ。あっりがたく思えっ…へっ、奇術師だろ…このくらい」

「わたしが奇術師であることと、これとなんの関係があるっていうんだ、上田」


上田は含み笑いながら言った。


「奇術師の奇は大きいと可能の可で表す。つまりな、大きくても可能、入るってことだ。っふ…はっは」

「うちの母親みたいなことを言うなっ」

奈緒子ははじめて気づいた。
巨根なことと嫌味な性格を別にすれば、上田は完璧な男かもしれない。
背が高く、しなやかな筋肉は男らしい。それと裏腹な甘いマスク。浅黒い肌。それに高収入だ。
しかし、今日の上田はいつもの上田とは決定的ななにかが違っていた。
それを模索しながら奈緒子はぼーっと上田を見ていた。


「脚が三本あるみたいだぞ、上田」

「口は慎んどいたほうがいいぞ」


奈緒子がなにか反論する前に、上田は奈緒子の唇を塞いでいた。
上田の大きい手では片手で奈緒子の顔がすっぽりと包まってしまう。
彼は長い身体を屈めて、骨董品でも扱うように奈緒子を抱き寄せた。

知識ばかりで経験が少ないためなのか、絡める舌がぎこちない。
それでも、ほとんど処女で貧乳の奈緒子を驚かせるには十分だった。

そして、抱き寄せられ身体を擦らせるたびに奈緒子は彼女のちょうど腹らへんに上田の”三本目の脚(真ん中)”が当たるのを感じた。
嫌がって離れようとするたびに、奈緒子の柔らかで白い肌にあたり、もっと大きくなる。
最後にはそのモノが天を仰ぐような形になった。奈緒子は今までにないくらい狼狽した。

「…っ…ふっ…。上田っ!やめろ…。お前のを”見る”とは言ったが、誰もキスなど許してねぇだろ」


キスの合間に奈緒子は反論し、ぽかぽかと上田の肩らへんを叩いた。


「っふ…怖気づいたか。」

「そんなんじゃねぇ。わ、わたしよくわかんないし…。それに、ここ外だっ」


上田はわざとらしく高笑いをした。


「はっはっ。野外でまぐわうことを趣味とする人々もいるんだぞ。
知らないのか?大学のときに調べたデータでは日本国民の約3分の1が野外でまぐわった経験があるということだ。
草木にうもれながら、裸体の男女がまぐわう…。健康的じゃないか。
これがどういうことかわかるかっ?っふ、ところで、山田。お前は男と女ならどっちがいい?…って寝るなっ」


上田が薀蓄を言っている間に奈緒子は土の上で寝込んでしまったようだった。
その姿は女神のようで麗しく、草の上に広がる黒髪とほんの少し尖らせた唇がなんともいじらしかった。
さっきのキスのせいなのか、口元が湿っているのがわかる。

上田ははじめて奈緒子のいやらしさに気づいた。


「ふっ、貧乳のくせに、やるじゃないか」


そして、上田は奈緒子の服を脱がせていった。

『助さぁん、いやぁ…大きいの怖い…」

突然、奈緒子が呟いた寝言に、上田はびくっと身体をふるわせた。

奈緒子は身体の奥から喉にまで押し上げてくる甘い気だるさと男の低い声で目覚めた。
いつのまにか土を握り締めていて、爪の中に押し寄せてくる汚れが気持ち悪い。

上田が奈緒子の上に乗り、彼女の胸のやわらかな部分を摩っていた。
もう服はなにも着ていない。几帳面な上田の性格なのか、脱いだ服はきちんと畳まれていて、地面には上田の上着が敷かれてあった。

(けっこう、気が利くじゃないか)


「あぁ…起きたのか。まぁ、噂に聞いてたとおりの貧乳だが、思っていたほどひどくない。けっ、でもなんだよこの薄さ…」


悪態をつきながら人の身体を触る上田に、奈緒子はくやしくなった。


「もう、やめろっ!嫌だぁ…それに、誰かに見られたらどうするんだっ」


しかし上田はやめようとしなかった。
それとは逆に顔を奈緒子の胸に近づけて、舐めだすではないか。
必死に声を我慢していたのも重なって、奈緒子は弱弱しい声を出してしまった。


「ぁあっ…うひゃっ…んぁ…にゃっ…ひゃあん…上田っ!噛むなぁ」

「ある文献にこうすると興奮すると記載されていた。確かなようだな」


奈緒子は口をわなわなと震えさせたが、もう反論する余裕はなかった。
悲惨なことに、反論するという気持ちさえ出てこなかったのだ。


「ぁあ…上田ひゃぁん…もっと」

「もっとどうすればいいんだ。」


上田は執拗に奈緒子の胸を舌でいたぶりつづけた。

”もっとどうしていいんだ”なんて大真面目に言われると、恥ずかしくなってしまう。
奈緒子は狼狽してなにも答えないでいた。上田もそれを察してか、奈緒子の反応を楽しんでいるようだ。

最後には愛撫も止めて、相変わらず手で額を押さえている奈緒子にこう言った。


「どうしてほしい…?ん?」


奈緒子の目線をしっかりと見つめ、離さない。
その表情や声からは、自信たっぷりだった。

(本当はわかってるんだ…上田のやつ。どこまで意地の悪いヤツなんだ)

心の中で悪態をついても、身体の反応は正直なものである。
上田が触れる全ての部分が熱くなり、もっと奥の方でじわじわと溢れ出すなにかを感じる。
草と土の匂いがくすぐったい。
我慢できなくなり、奈緒子は腰をくねらせながら答えてしまった。
もう上田に平伏すしかないのだ。羞恥心は肉の欲に勝てるはずが無かった。


「上田…。もっとちょうだい…。上田のが欲しい」


上田はその言葉を聞くと、勝利の笑みを浮かべた。
そして移動していった。下へ。下へ……。

もっと彼女の全てが知りたかった。
ここを弄ったら…弾いたら…舐めたら…奈緒子はどう反応するのだろう。

ただ、顔を真っ赤にさせて、性欲を露にする奈緒子は愛らしかった。

(恥じらいはあるものの、俺の魅力で自然と腰が動いてしまうのだろう)

上田は心の中で高笑いしていた。

上田は軽い口づけをしながら下腹部のほうへ接近していった。
すこし起き上がりその様子を見ていたが、奈緒子はじれったくてたまらなかった。

(早く欲しいのに…)

やっと両脚の付け根の日歩に到達したときは、奈緒子は上田の僅かな動きにも反応していた。
奈緒子の身体がびくっと揺れるたびに上田は謎の幸せを感じた。

上田は秘所に口を寄せ、ひだに鼻をこすりつけ、ちろちろと舐めていった。


「んぁ…くぅん…ぁ…ひゃっ…ふぁぁ…いやぁ」


奈緒子は恥ずかしさのあまり逃げようとしたが、上田にしっかりと固定されていた。
彼は容赦なく秘所を探り、敏感なひだや割れ目を舌の先で舐めていった。
舌も体と体の一部と同じだった。長くて、デカい。
しかし、上田は信じられないほど繊細に優しく舐めていった。
奈緒子は身体が溶けそうになる感覚に酔いしれていった。
上田が秘所の尖った部分を中心に愛撫を続けた。奈緒子はどういうわけか、ぶるぶると震えていった。


「あっ…ぁあ…上田さんっ…もっ…ひゃぁん…だめぇ」


しかし上田は奈緒子が絶頂を感じる寸前に、ぱっと口を離してしまった。
奈緒子が涙目のまま不思議そうに見ていると、彼は答えた。


「まだお預けだ。エクスタシーは後でのほうが感動が大きいらしい。」


そして、上田は確認するように長い指を奈緒子の中に出し入れした。
普段はけして感じることの無い、大きな異物に彼女は歯を食いしばった。

(上田の巨根が入ったら、壊れるっ)

上田はしばらくすると、奈緒子の身体から長い指を出した。
これから入れられるんだなぁ…という実感と恐怖が奈緒子の頭をぐるぐるとしていた。


「怖いか?奈緒子」


名前で呼ばれただけなのに、すごく驚いてしまう。同時に嬉しかった。
上田はまっすぐに彼女を見据え、上気した頬に口づけをした。
普段、近づくことの無い男の瞳は深く、すこし寂しげだった。


「別に怖気づいたわけじゃない。続けろ」

「ふん。強がっているつもりか」

「男だったら、いさぎよくそのこん棒を降ろして戦ったらどうだ」


上田はその皮肉にすこし笑った。その笑顔も悲しげだった。


「奈緒子…素敵だよ」


上田は奈緒子の汗ばんだ髪をかき撫でた。
そして、ゆっくりと下半身を近づけていく。


「奈緒子…。俺のはちょっと痛いかもしれない」

「わかってるんだったら、いますぐやめろっ」

「はっは。もう止められない」


その言葉が終わる前に奈緒子の中に上田のモノが一気に突き刺さった。
身をすくめ、痛みを堪える奈緒子に彼は申し訳なさそうに言った。


「一気に入れてしまったほうが楽かと…」

「この巨根っ!」


奈緒子は脚をじたばたさせたが、衣服着用時85キロの男を振りほどくことはできなかった。






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