桂木弘章×田中
「ほんとに、もう一度来るんですか?あの二人」 関西訛の取れない口調で、女は桂木に尋ねた。 「…たぶんな」 女を見下ろしながら、桂木は答える。 その表情には、人前で見せる愛想の良さは微塵もない。 「まぁ、桂木先生はなんでも“お見通し”ですからね」 桂木は女の皮肉に一笑した。 「でも、かわいそ。あの豊胸パット女」 「どうして?」 「だって、貧乳やと……こんなことできんのやろ?」 女は桂木を見上げ、淫猥に微笑んだ。 桂木の足の間にいるその女は、上半身ははだけ、豊満な胸が露わになっている。 その胸を自身の手で掴み、間には桂木自身が挟まれていた。 「ふふっ…きもちいですか?せんせ」 「…あぁ…っ」 吐息混じりに、桂木は答える。 女は慣れた手つきで自身の胸を上下させた。 強弱をつけながら、柔肉がやわやわと桂木自身を包み込む。 「男の人って、ほんまにコレ好きやもんなぁ」 女は桂木の反応を楽しみながら、手に力を込めた。 細い指が胸の形を歪ませるその光景を、眼帯の男は食い入るように見つめる。 桂木はこの行為が好きだった。 女が跪いて自分に奉仕する。堪らなく支配欲が満たされる瞬間。 桂木は女の頭に手を置いた。 それは彼らにだけ通じる、絶頂が近いことを知らせる合図。 女は了解し、胸の動きを速める。 白い胸の間から微かに顔を見せる、そこだけ色の浮いたモノ。 その先端から溢れる粘液が、女の胸に零れ滑りをよくする。 女はわざと胸の先端を亀頭に擦り付けた。 「っうっ…あっ!」 男の息が荒くなる。 女は見計らったように、舌で亀頭を舐め上げた。 「くっ…うぁっ!!」 桂木は顔を歪ませ、女の髪を強く掴んだ。 ドクンっと胸の間でペニスが跳ね、女は目を瞑り口を開ける。 ビュルビュルと音を立て、精液が女の顔や喉めがけて飛び散った。 「んっ…いっぱい出ましたね、せんせ」 舌で口周りの液体を舐めながら、女は桂木を見上げる。 「…っ、最高だよ、おまえは」 二人の息づかいだけが響く部屋に、突然部屋の電話の音が鳴り響いた。 悪態をつく秘書の頭を撫で、桂木は受話器を手に取る。 桂木にはある確信があった。 「もしもし?……あぁ、上田さんですか。……え?もう一度透視を?」 桂木は女に目配せをし、電話先の相手に答えた。 「もちろん、結構ですよ」 桂木と女は同時にほくそ笑んだ。 SS一覧に戻る メインページに戻る |