帰りませんよ
安藤一之×雪平夏見


いつもの3人は早々と仕事を切り上げ、もつ兵衛に来ていたが既に十二時五十分。
六時間も飲んでいる

「安藤も飲め!!」

既に酔っている雪平はロックの日本酒を片手に安藤にもたれ掛った

「雪平さん。今日5回目ですけど言わせて貰いますよ?日本では飲酒運転は禁止されてるんです!!」

安藤は雪平を少し押し退け、一息ついた。

「刑事のくせに」
「無駄だ、安藤」

三上は、雪平に進められ、既にウィスキーを3杯、焼酎を2杯飲んでいた。

「大体、車で来なきゃいいじゃん」
「もつ兵衛まで乗せてけっていったのは誰でしたっけ?」

安藤は負けじと言い返した

「じゃあ車を置いてけばいい」

雪平は1+1=2と答えるように平然と言ってのけた。

「じゃあ何で帰るんですか?」
「タクシー」

雪平は注文した焼き鳥(レバーの塩)
を頬張っていった。

「雪平さんと僕、方角違いますけど?」
「じゃあうちに泊まればいい」

―そういう問題じゃない!!―

「それより、そろそろ帰らないとここの閉店だろ?」

三上は腕時計をみて焦った。

「金は俺が払っとくから、安藤は雪平をどうにかしてくれ」
「…はい」

安藤は、千鳥足の雪平を支え、こうなることを予測して駐車場の入り口に停めておいた車に雪平を座らせた。

安藤は運転席に乗り込み、車を運転させた。

「っ安藤…」
「なんですか?」 しかし雪平からの返事はない。
「雪平さん?」

聞こえてくるのは微かな寝息だけだ。

「…寝言…?」

その後は何もなく、無事に雪平の家の前までついた。

「雪平さん、起きて下さい」

こんな生ぬるい起こし方では起きないことをしっている安藤は、助手席のドアを開け、雪平の頬を殴った。

「起きて下さい、雪平さん」

…起きない。

安藤は雪平を殴り続けた。
そして十四発目。

「…なによ?」
「取り合えず、家の玄関まで歩いて下さい」
「無理」
「…どうするんですか?」
「…だっこ」
「はぁ!?」
「バカかお前は、冗談だ」
「びっくりした…」

だが結局、安藤は泥酔して歩けない雪平を背負ってい羽目になった
自分の家の鍵と一緒になって付けられている雪平の家の鍵を使って安藤は部屋を開けた。安藤は一刻も早く雪平を下ろしたかった。
別に重いわけでもないし、酒臭いわけでもない。
だが、雪平の腕がしっかりと自分の肩を抱き締めているのと、胸があたっているのとで、安藤の頭に少しだけ、邪な考えがよぎった。
安藤はそんな考えを振り払い、雪平をベッドまで運んだ。

「安藤、水」

安藤は言われるがまま雪平に水を持っていった。

―水渡したら帰ろう―

安藤の持っていった水を飲み終えた雪平は、安藤を隣に呼んだ。

「今度は何ですか?」

雪平は手を伸ばし安藤の腕を掴みベッドの上に乗せた。

「雪平さん?」

雪平は安藤のネクタイを掴むと自ら形の良い唇を安藤に押し当てた。

「安藤さ、これで帰ったら相当なヘタレだよ?」

雪平は意味深に笑った

「帰りませんよ」

安藤はそう言って面倒くさそうにネクタイを外した。

「…よろしい」

安藤は口の端をあげ、雪平をベッドの上で押し倒し、先ほど外したネクタイで雪平の細い腕を傷つけない様に、しかし外れない微妙な力加減で頭の上に縛り上げた。

「バカかお前は!何で縛ってんだ!!ほどけ!!!」
「それが人に物を頼む態度ですか?」
「…何て言って欲しいの?」
「さぁ?…」
「…ほどいて下さい」
「…」
「安藤…くん」
「もう一声…」

安藤はベッドの縁に腰掛けていた

「か…」
「か?」
「か…一之」
「良くできました」
「ほどけ」
「嫌です、ほどきません」
「約束違うだろ!」
「頼んでも、ほどくとは言ってないです」

安藤は雪平の服のボタンを外し始めた。

「や、っぁ」
「まだボタン外しただけなのに何で感じてるんです?」

安藤はワザとゆっくりとボタンを外した。

「っあ、安藤、早く」

安藤がワザとゆっくりボタンを外していくと段々と豊かで美しい胸が露になりはじめた。

「何回みても綺麗な体してますね」

安藤は全てのボタンを外し、上半身全てを脱がした。

「っんあ、見るなぁ、」

安藤は片手では溢れ落ちそうになる雪平の胸に口付けた。

「っんやぁっ」
「雪平さん、今日、どうしてこんなに感じてるか分かりますか?」
「…さっきの…水?」
「さすが雪平さん、当たりです。ちょっと強めのやつ、入れちゃいました」

安藤は、胸から、手を下げていった。

「雪平さんって意外に淫乱ですね」

安藤はいつもの可愛らしい笑顔でいった。
雪平は何か言おうとしているが、もうあまり話せなくなっていた。

「んっ、そ…なに、はぁっ触らな…で」
「こんなに濡れてるの初めて見ましたよ」

安藤は白くて長い脚を押し広げ、雪平の中に舌を入れた。
雪平の体はすぐに反応し、少し震えたあとあっけなくイッてしまった

「…ぁんどぉっ、」

雪平は充血し、生理的に出た涙で潤んだ目を安藤に向けた

「口で言ってもらわないと、分かんないです」

安藤は顔を上げ雪平と目を合わせた。

「あんどぅっのが、欲…しいっ」
「本当はもっとジラしたいですけど、もう我慢できないんで、また次にしますね?」

安藤は雪平の中に自身を埋めた。
乾いた肌のぶつかり合う音がする。

「んぁあ、っ安藤」

安藤は雪平の腕を縛っていた自分のネクタイをほどいた。

「っキスして?」

言われる儘に安藤は深く、ついばむ様なキスをした。
雪平は苦しくなり、安藤の背中に爪を立てた。
安藤が唇を離すと、別れ惜しそうに透明な糸を紡いだ。

「あんどっもぉ、無理っ」

雪平は絶頂を向かえ、安藤の肩に頭を寄せた。

「雪平さんっそんなに締めないで下さい」

安藤は雪平の中で達した。

―――――――――

先ほどの行為から30分、安藤は、自分の腕の中で寝てる雪平を起こさないように、浴室に向かった。
雪平のつけた背中の傷に気付かずにシャワーを浴びた安藤が痛みに苦しむのは書くこともない。






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