鳴海洸至×鳴海遼子
![]() 「寒い…」 ベッドの上の妹は、真っ青になって体を震わせている。 とりあえず解熱剤を飲ませたが、効くまでには時間がかかる。 「寒い…寒いよ…」 ガクガクと震える体が、洸至の心を乱す。 とりあえず寝かせようとベッドから離れようとした時、妹の腕が回って抱きつかれた。 「んん…」 辛そうな喘ぎに、洸至の背中がぶるっと震える。 いや、いくらなんでもまずい。 しかし、絡みつく腕は放してくれそうもなく、洸至の耳元で繰り返される荒い呼吸は 怪しく洸至を誘い、そのまま思わず抱きしめてしまった。 体が密着したところからは、汗がにじんで来る。 遼子はは満足できる温もりを探し当て安心したように、洸至にぴったりと寄り添う。 そっと背中をさすってやると、嫌そうに体を捩る。 熱のせいで、なでられる感覚も痛みなのだろう。 抱きしめるだけにすると、おとなしくなった。 何やってるんだ…俺は… 正直な話、暑い。 しばらく抱き合っていると、妹の体はじっとりと汗で濡れてきている。 「遼子…着替えたほうが良い…」 一応、妹に声をかけてみる。 「遼子…起きろ…」 「ん…?」 自分を呼ぶ声を、遼子は夢の中で聞いていた。 「お兄ちゃん?」 「起きたか?…着替えたほうが良いぞ」 「はぁい」 言われたとおりに、遼子は服を脱ぎ始める。 「!!!ちょっと待て!!!遼子!」 汗で張り付いて衣服が脱ぎにくいのだろう。 もどかしそうに遼子はTシャツと格闘している。 「俺の前で脱ぐな!」 洸至はあわてて妹の肩を抑えてため息をつく。 さすがに…そこまで堅固な理性を持ち合わせている自信が無い。 しかし「何でぇ??」と不機嫌そうな遼子の声が響く。 「着替えろっていったくせに…。何で着替えちゃダメなのぉ??」 熱のせいか、完全に子供返りしてしまっている妹にはかなわない。 「あー!あー!あー!わかった!わかった!」 洸至は半ば自棄気味に、妹の服を脱がせ、汗ばんだ体を拭ってやる。 「ん…」 目を閉じて、遼子はされるがままになっている。 あらわになった胸に指先が触れ、洸至は動悸がはげしくなる。 思わず抱きしめてしまい、そして吸い寄せられるように、洸至は妹にキスをしていた。 「んんっ!」 苦しそうに遼子の眉間が寄せられる。 それでも洸至はその熱い唇を追いかけ、そのまま僅かに開いた遼子の唇の隙間から舌を差し込む。 「っふ…ううん…」 洸至の舌が、遼子の口内を思うままに犯す。 そして口付けたまま、洸至はその手を遼子の体に這わせる。 「う…やぁ!…っい、痛いっ!!」 洸至の唇を顔を振って外した遼子の唇から、悲鳴があがる。 やはり熱のせいで、少しの刺激も痛みに感じられるらしい。 「悪い…」 痛みを訴える妹の言葉が、洸至を現実に戻させる。 「ごめんな…遼子…」 「ん…」 痛みから解放された遼子は、満足そうに再び洸至に抱きつく。 まるで欲しいモノに巡り会えたように、遼子は洸至を抱きしめ、さらに脚を絡めてきた。 まったく暑いことこの上ない。 いや、熱いのか。 理性は崩壊間近で、代わりに本能が洸至の中で鎌首をもたげてきている。 そして、相手は自分が何をしているかわかっていない…というのがさらにタチが悪いがどうしようも無い。 妹の熱い吐息を首筋に感じる。 次第にぼうっとしてきて、こちらまで目眩がしてくる。 しっかりと抱きしめられ、洸至はその熱に浮かされた。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |