鳴海洸至×鳴海遼子
![]() 遼子誕生日の1年後ver ![]() 「なぁ、誕生日プレゼント何が欲しい?」 数週間前、遼子は鷹藤との睦言の中で、そんなことを聞かれた。 「鷹藤君のくれるものならなんでもいいよ。」 その答えは嘘ではない。 恋人からもらえるプレゼントであれば、何でも嬉しい。 だが、遼子には別に欲しいものはあった。 それは「決して手に入らないもの」 そして「決して望んではならないもの」 『来年も、私の誕生日にはお兄ちゃんにお祝いして欲しい。』 仕事からの帰り道、遼子はふと一年前の、何も知らなかった自分の発した言葉を思い出す。 「お兄ちゃん・・・。明日は私の誕生日なんだよ・・・」 そう呟いて立ち止まって冬の空を見上げると、一年前と変わらない輝きで星座が瞬いていた。 名無しの権兵衛の計画が水泡に帰したあの日、名無しの権兵衛であった兄も冬の暗い海に消えた。 しかし遺体は見つからず、1年が過ぎようとしている。 生きているはずがない。 そう思いながらも、どこかでまだ兄は生きているかもしれないと思い、そしてまた兄に会いたいと願う自分がいた。 あれだけ世間を騒がせ、そして多くの人々の命を奪った「名無しの権兵衛」だったとしても、 遼子にとってはたった一人の兄であり、家族であることには変わりはないのだから。 寂しさを振り切るかのように再び歩き出し、暗いわき道に入った瞬間、遼子の側を車が通り抜けた。 さして気にも止めなかった遼子だったが、次の瞬間に体に電流が走る。 「えっ??」 何が起きたのかを理解する前に、遼子は意識を失いその場に崩れ落ちる。 そして遼子の身体は車の中に消え、そのまま車は走り去った。 「ん………?」 しばらくして遼子は目が覚めた。 どこか見知らぬ部屋。 部屋には無機質なベッドが置いてあるのみで、自分はどうやらその上に寝かされているようだ。 壁にかかった時計の時を刻む音だけが、部屋に響く。 状況が飲み込めないまま、遼子がベッドから起き上がろうとすると、左手に痛みが走った。 そして、自分の左手首とベッドとをつなぐ手錠に気づく。 「いや!何、コレ!!」 ガチャガチャと手錠をはずそうとするが、徒労に終わる。 その時、部屋のドアが開いた。 「遼子、気がついたか?」 懐かしい、自分を呼ぶ声。声のした方を向くと、そこには遼子の兄、鳴海洸至が立っていた。 「お………にい……ちゃん?」 信じられないという表情で、遼子の目が見開かれる。 「久しぶりだなぁ、遼子。何だその目は?幽霊じゃないぞ。ちゃんと生きてる」 「お兄ちゃん………お兄ちゃん……、お兄ちゃん………」 遼子の瞳からポロポロと涙がこぼれ落ちる。 「明日は遼子の誕生日だろ?去年、遼子と約束したからな。地獄から戻って来たぞ。」 「お兄ちゃん…会いたかった…」 「俺も会いたかったぞ。」 洸至は遼子の横たわるベッドに腰掛けると、ベッドに横たわる妹の髪をやさしく撫でながら囁く。 「遼子、お前を迎えに来た。今まで寂しい思いをさせて悪かったな。これからはずっと一緒だ。」 優しい口調で、兄は妹に語りかける。しかし、その言葉に、妹はそっと首を振る。 「ダメだよ、お兄ちゃん。お願い、自首して?」 「なんだと?」 「永倉さんも逮捕されて、お兄ちゃんの…名無しの権兵衛の理想はもう実現しないの。」 「………」 「お兄ちゃんが生きていたってわかっただけで、私には最高の誕生日プレゼントだよ? 私は、いつまでも待ってるから…。どこにも行かないから。だから…お願い。」 やがて、黙って妹の言葉を聞いていた洸至が口を開く。 「なぁ遼子、お前、あの時ホテルで言ってくれたよな?俺が、唯一の家族だって。この世にたった2人の兄妹なんだ。 また2人で生きていこう?俺が、お前を守ってやるから。」 「そんなのダメだよ。お願い。ちゃんと罪を償って。」 「そうか、わかった…」 「お兄ちゃん」 洸至が納得したと思い遼子は安堵する。しかし次の洸至の言葉に、遼子は凍りつく。 「お前を…梨野の弟なんかにやらない。お前は、俺のものだ。誰にも渡さない。俺の側で、俺だけを見ていてくれ」 そう呟くのと同時に、洸至は遼子の頬をつかみ、遼子の唇を塞ぐ。 「んっ!!」 唇に触れる熱い感触に、遼子は驚き目を見開く。 わずかに開いた遼子の唇の隙間から、洸至は舌を差し込む。 「ん…っふ!」 洸至の熱い舌が遼子の口内を犯し、舌同士が絡まり外に引きずり出される。 やがて、洸至は口付けたまま、その手を遼子の体に這わせた。 服の上から、遼子のやわらかな膨らみを包み込むと、遼子の体がぴくりと震える。 「お兄ちゃん、悪い冗談はやめて!!いや!お願い!」 遼子は洸至の唇を顔を振ってはずし、必死に抵抗するが、洸至の唇で抗議の言葉は塞がれ、 ガチャガチャと手錠の金属音だけが、遼子の抵抗の意思を表す。 自分の胸に触れる洸至の手を止めようと延ばされた遼子の右手首も、逆に洸至につかまれベッドに押し付けられる。 「どうして?こんなこと・・・」 ようやく口付けから解放された遼子の戸惑いを隠せない表情に、洸至が小さく笑う。 その笑みに、遼子は恐怖を感じ、顔を引き攣らせる。 その微笑みは、兄として遼子に見せていた優しい笑顔ではなく、名無しの権兵衛の歪んだ微笑だった。 「こんな…」 遼子の瞳からは、また涙があふれ出す。 「こんな…こんな事するお兄ちゃんなんて…私…知らないよ。今、ここにいるお兄ちゃんは 私の知ってるお兄ちゃんじゃないよ…。ねぇ…戻って?私の知ってるお兄ちゃんに…。」 すると突然、遼子は強い力で頬をつかまれた。 「…お前が…俺の何を知っていたんだ?愛されて、何不自由なく育ったお前が。」 洸至が吐き捨てるように言うと、遼子は怯えた瞳で兄を見つめる。 「お前は知っていたのか…?…俺が…ずっと…お前とこうしたかった事…」 そう言うと、洸至の手が遼子のブラウスを引き裂く。 「きゃああああ!」 遼子は自由になる右手で、必死にあらわになった部分を隠そうとするが、再びベッドに縫い付けられる。 「お兄ちゃん!ダメ!兄妹なんだよ!こんなことしちゃダメ!!」 耳朶や首筋に兄の唇の熱さを感じながら、そして手錠に繋がれたまま、遼子は何とかこの状況から逃れようと身を捩り、 洸至の体の下から逃れようとする。 「やめて!お願い!!お兄ちゃん!」 そんな遼子の止まない抵抗に、洸至は小さく舌打ちする。 「遼子…少し黙っていてくれ。」 そう言って引き裂いたブラウスを遼子の口にねじ込む。 「ふううぅ!」 口をふさがれ、遼子の口からは苦しげに息が漏れる。 洸至が頬に優しく口付けると、遼子は顔を背ける。そのまま唇を耳へ滑らし、耳たぶをねぶる。 なおも逃げようとして離れようとした遼子の頭を、洸至は掌で掴み強く引き寄せると、 露になったブラジャーに手を這わし、ゆっくりと両手で刺激を与える。 遼子は少しでも洸至の手から逃れようと、俯せになろうとした。 洸至はブラのホックが見えた瞬間、すばやくそれを外す。 「ううっ!」 洸至が少し強引に遼子を仰向けにすると、既に立ち上がっていた胸の先端を両手で摘み、 親指と中指で擦り合わせるように捏ねると遼子は大きく背を反らせた。 「んんんっ!!!」 洸至は肌に手を滑らせ、その感触に酔う。滑らかな肌が、手のひらに吸い付くように馴染む。 そして洸至は、遼子の胸を覆う布を引き上げた。 声が出せない遼子は、首を振って抵抗と拒否を示す。 「キレイだ…」 間近でみる妹の美しさに洸至は感嘆のため息をつき、そっとそのふくらみに唇を寄せると、遼子の体が震える。 洸至は唇を這わせ、時折強く吸い付き、その肌の甘さを味わいながら、遼子の白い肌に赤い所有印を刻み込んでいく。 そうしながら、手のひらに包んだ乳房を緩く揉みしだき、その感触を味わう。 「ん!んんんん!!」 唇と手で刺激が与えられるたび、遼子は体を震わせ、くぐもった声を漏らす。 「…気持ちいいのか?」 洸至は遼子の胸の頂きを口にふくんで刺激を与えながらそういい、遼子の表情を伺う。 頬を染めながらも、まだ首をふる遼子を見て、唇の端に笑みを浮かべながら、さらに甘い刺激を続ける。 そして、洸至は遼子のスカートの中に手を這わせ、遼子の一番敏感な部分を布の上から探ると、 そこはすでに湿り気を帯ていた。 「嫌がってた割には感じてたのな?」 「ふぅ…。」 遼子は恥ずかしげに視線を落とす。 「こんなに濡らして…」 「うぅ…」 洸至の指が湿った音を奏で出し、滑らかに動く指が、遼子の花芽を練っていく。 「ふぅうぅっ!うぅっ!」 遼子はきつく目を閉じて、口にねじ込まれた布地をかみ締めた。 洸至が下着を剥ぎ取り、遼子の足を広げさせると、遼子の秘所が余すところなく洸至に晒される。 「無理やりされても感じるんだな。遼子は…。」 「ふぅ!うぅう!」 遼子が首を激しく振り、足を閉じようともがいたが、洸至が身体を間に入れたためそれもできなくなった。 洸至がのぞき込むと、刺激を待ちわびる花弁が、蜜に濡れてひくひくと震えていた。 「いい眺めだ。キレイで…淫らで…俺を誘う。」 ふぅと息を吹きかけると、ピクリと花弁が震え、洸至の目の前で、また一筋、とろりと蜜が流れていった。 「いつのまにこんなにお前は淫乱になったんだ?」 そう言うと、洸至は中指を遼子の秘裂に差し込んだ。 「ふぅっ!」 遼子の身体が一瞬引き攣った。 「…苦しいか?…声出せなくて」 遼子の耳元で囁くと、遼子はただ耐えるようにきゅっと瞳を閉じる。 「これ取ってやるから…遼子…お前の声…聞かせてくれ…」 遼子の耳を舌で嬲りながら、洸至は遼子の口を塞いでいたブラウスを取り出した。 それと同時に、洸至はさらに指を動かし、割れ目に指を食い込ませる。 「あぁ!…やぁ!やめ…て、お兄…ちゃん」 「良い声。ずっと…ずっとその声を聞かせてくれ。俺だけに」 ちゅくちゅくと湿った音が響き、自分の発する淫らな音に、遼子は体を羞恥に染める。 洸至はさらに脚を大きく開かせ、秘所に顔を寄せる。 「っやぁぁ!!」 秘所にかかる兄の息に、遼子は震え、悲鳴をあげる。 ピチャピチャという音を立てながら、洸至の舌が遼子から溢れる愛液をすくい、飲み込む。 「ああん!!いやぁ!!…お願い…やめ…」 洸至の舌で与えられる刺激に、遼子の口からは抵抗の言葉とともに、嬌声があがる。 逃げようとする遼子の腰を押さえつけ、洸至は思う存分遼子の秘所を味わう。 「あっ…あん…ううん…」 洸至は溢れる愛液を、音をたててすすり上げ、今度は遼子の敏感な部分に吸い付く。 「あっ、ああっ!」 遼子は思わず声を上げ、洸至は遼子の反応をみて、更にそこを責め続ける。 その度に、遼子は悲痛な声を上げながら、太ももをぶるぶると奮わせた。 「遼子、気持ちいいのか?」 「ちがっ…んん!もう…お願い…やめて…」 何度目の懇願だろう。しかしその言葉には答えず、洸至は舌を引き抜くと、だまって遼子に口付ける。 口付けながら、遼子の体に残っていたすべての布を取り払う。 遼子の白い肌には、無数の赤い印が刻まれていた。 それが自分がつけたものであることに、洸至は体の奥から湧き上がる悦びを感じていた。 洸至は遼子の中に挿入する指を増やし、今度は容赦なく遼子のポイントを攻める。 「いやぁ!あぁぁん!!」 遼子は激しく身をくねらせ、大きく背を反らした。洸至の指をうねうねと膣襞が締め上げる。 「ほら…イケよ。」 「あぁっ!」 ビクンビクンと身体を震わせ始めた遼子を洸至が容赦なく攻め立てると、飛び散った蜜が手首の辺りまで濡らす。 「いやあぁぁぁぁ!!」 洸至が赤くはれ上がった珠を親指で潰して捏ねると、遼子は一際大きく背を反らした後、 小刻みに痙攣しながら動かなくなった。 洸至がゆっくりと遼子から指を引き抜く。 白く泡立った愛液がぽたりぽたりと指先から流れていった。 「おい…遼子…起きろ…」 遼子の手錠をはずし、ぺちぺちと遼子の頬を軽く叩くが、遼子は失神したままだった。 洸至は、ズボンとトランクスを脱ぐと、既に赤黒く屹立した自身を気を失ったままの遼子の中に突き入れる。 「ああっっ!」 遼子の身体が一瞬ビクンと揺れた。 「起きろ…遼子…。」 ゆっくりと遼子の目が開く。 最初は状況がつかめていない様子だったが、次第に、自分が誰かに貫かれていると言う事が理解できたようだ。 「あっ・・・いやぁ!あぁっ!」 「俺だよ!遼子!」 「ああっ!!やぁ……あああああああ!!!」 そして、自分を貫いているのが誰かも理解した遼子は、激しく抵抗をはじめ、悲鳴とともに体をのけぞらせる。 「お前だけ満足するのはズルいだろ?」 洸至は遼子の中に埋め込んだ楔を、さらに深く打ち込もうと腰を落とす。 洸至は遼子の足を抱え上げ、激しく腰を動かし始めた。 「お兄ちゃん!やめてぇ!…あぁっ!…こんなの…いや…」 遼子は、今、絶望という名の波に飲まれていた。 たとえ『名無しの権兵衛』だったとしても、どこかでまだ兄を信じている自分がいた。 しかし、今、その兄に犯され、今までの自分が崩壊していく。 「遼子、俺を感じてくれ。お前の中にいる俺を…」 遼子の体の奥に激しく突き入れながら、洸至は遼子に言う。 「今、お前の中にいるそれが、本当の俺だ」 「んん!…っく!!ふぁっ!!!」 重い質感が、遼子の中を埋め尽くす。 『哀しみ』『絶望』が遼子を取り込み、瞳からは次々と涙が溢れてくる。 そして、涙に濡れた瞳でじっと兄を見つめる。 洸至は一瞬腰の動きを止めて、兄妹の視線が絡み合う。 しかしその妹の視線を振り払うように再び腰を打ち付けながら、遼子の髪を撫で、首筋にキスを落としていく。 「あっ!いやぁ!」 洸至の唇が触れるたびに、遼子の中が締まる。 「…くっ。あんまり締めるなって…。」 洸至は遼子の白い太ももに手を回すと、腰を動かすスピードをあげた。 洸至の汗が遼子の顔の上に滴り落ち、それは遼子の涙と混じり頬を伝ってシーツの上に落ちる。 「もうそろそろ出るぞ」 「やだっ!!いやっ!お兄ちゃん、それだけはだめ!」 頭を左右に激しく振りながらいやいやをする遼子の体を、洸至はぎゅっと押さえつける。 早く一つになりたい……遼子を完全に俺のものに。 洸至の腰が激しく打ちつけられると、それにつられて遼子の体も大きく揺さぶられた。 「んっ!だめ!!お兄ちゃん、やめてえぇっ!!」 最奥を一気に突かれ、その刺激に遼子は2度目の絶頂を向かえ果てた。 同時に洸至も、熱い精を遼子の中に放った。 遼子の中から洸至が楔を引き抜くと、白濁の液体が亀裂から漏れる。 洸至が自分の体の下の妹を見やると、まだ意識が朦朧としているのか、見開かれたままの妹の瞳と目があった。 その瞳の中に、洸至は自分と同じ闇を見つけると、満足そうに微笑んだ。 壁の時計に視線を移すと、時刻は0時をまわった所を指していた。 「ハッピーバースデー、遼子。来年も、再来年も、ずーっと一緒だ。」 洸至は遼子をやさしく抱きしめながら、耳元で囁いた。 遼子はその声で意識が引き戻され、瞳からはまた一粒の涙が流れる。 静かで優しい、兄の声。 両親が死んでから、ずっとこの声に支えられて生きてきた。 目を閉じて、遼子はそこに広がる闇に身を任せた。 そして真っ暗で、だが暖かい暗闇の世界にゆっくりと堕ちていった。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |