鷹藤俊一×鳴海遼子
「鷹藤くん、コレ。編集長から、今日の取材内容だって」 「なになに?『真夏の怪奇特集!深夜の山奥でひとりでに動く車の怪』?」 「そう、なんかここから車で1時間ぐらいの○○山の山道でね、夜になると 路肩に停まってた車が突然上下に揺れ動くらしいの。で、今夜一晩、鷹藤くんと 2人で張り込んで来いって」 「…なあ、そこって夜景がきれいなデートスポットとかで紹介されてる場所じゃね?」 「え?ああ、そういえば雑誌でそんな記事を読んだことがあるような…。 べ、別に、今度のデートは夜景を見ながらがいいなぁ…と思って 夜景スポット特集の雑誌を買った訳じゃないからね!」 「はいはい」 「とりあえずさっさと行って、終わらせちゃいましょ」 「…あのさぁ…」 「なによ」 「いや、コレって怪奇現象でも何でもなくてさ…多分…」 「なにブツブツ言ってるのよ!早くこんな取材は済ませて、例の事件の取材に 行きたいのよ!ほら!」 「だったら、城乃内さんにコレやらせればいいじゃん」 「私もそう思ったんだけどね、なんか編集長が『男女カップルでなきゃダメだ!』 とか言って…。よくわかんないんだけど、そーゆーわけ」 「(…編集長、確信犯かよ…。まぁ、確かに最近は仕事が忙しくって、 ロクにデートもしてなかったし、編集長の好意、ありがたくいただくとするかな)」 「鷹藤くん?何ニヤニヤしてるの?気持ち悪い…」 「え?あぁ、いやいや何でもない。 ところでアンタ、体は柔らかい?」 「はい?」 「いや、ちょっとあの車じゃ狭いかな〜って」 「体の柔らかさと車と何の関係があるの?それに車ならいつも張り込みで使ってるじゃない? 別に狭くないでしょ?」 「ま、アンタじゃしょうがないか。 じゃ、行きますか。」 「ちょっと、何がしょうがないのよ! 鷹藤くん!待ってよ!」 「確かに車は停まってるけど…普通に人が乗ってるじゃない。しかもカップルばっかり!」 「そりゃそうだろ。夜景スポットなんだから」 「もう少し上まで行ってみる?」 「別にいいけど…」 「何よ?さっきからずっと生返事ばっかり。 そりゃこんな仕事だけど、やるからにはちゃんとやらなきゃ!」 「まぁ、「ヤル」気はあるというか…」 「何ブツブツ言ってるのよ!まったく、もう!………あっ!」 「どうした?」 「ねぇ、あの車!ヘッドライトもついてないし、なんか怪しくない?運転席に人影もないし…」 「ん?あぁ…そうだな」 「もー!いい加減にしてよ!………あっ!」 「今度は何だよ?」 「あの車…なんか…ちょっと…動いて…な…い?ほら!よ、よし!い、行ってみましょう!」 「はい、いってらっしゃい」 「え?鷹藤君行かないの?」 「あぁ」 「わかった!怖いんでしょ!」 「そんなんじゃねぇよ」 「へ〜、鷹藤くん、こーゆーの弱いんだ。さっきまでの変な態度も、怖いのを我慢してたのね。 へ〜。わ、私は別に怖くなんてないし!!!じゃあ、先輩のコト、良く見ておくのね!」 「へいへい、お気をつけて」 「おかえり、早かったじゃん」 「た、た、た、」 「何だよ」 「鷹藤君!あのね!あの車、カップルが乗っていてね!でね!」 「で?」 「…その…あの…えっと…」 「女の上に男が乗って、真っ最中だったんだろ?」 「うん、そう……って…えぇぇ!?鷹藤君、何でわかるの?」 「最初に取材内容聞いた時から、何となくそんな想像してたから」 「そ、そうなの?だってコレ、怪奇現象の取材…」 「ソレ、編集長のウソ。多分、気づいてなかったのアンタだけだと思うけど?」 「こ、こんな取材やめよ!やめ!か、か、帰りましょう、鷹藤くん!」 「……ま、せっかくだしさ…」 「え?」 「オレ達もさ、怪奇現象起こさねぇ?」 「な、何バカな冗談言ってるの?」 「オレは、冗談言ってるつもりはないけど?最近さ、忙しくてデートもできなかったじゃん?」 「…そ、そうだけど…」 「せっかくお膳立てして貰ったんだから、ありがたく頂戴しないとさ」 「わ、私はお膳立てされた覚えなんて……んん!」 「キスも久しぶり」 「ん…」 「ココや…」 「ココに触れるのも」 「いや、こんなトコで…」 「大丈夫だよ、誰も来ねぇって。つか、みんな自分たちのコトしか考えてないって」 「あ…でも……」 「それに…」 「っふ…ん」 「もう硬くなってる」 「そんな音立てちゃ、いや…」 「いや?」 「んっ!ああっ」 「ココはもうこんなに濡れてるけど?」 「っふ!…やっ!言わ…ないで!それに…誰かに…見られ…ちゃっ…た…ら…!」 「いいじゃん、見せつければ。さっきあんたが見たカップルみたいに」 「あ…はぁ…ダメ…そんな」 「いつもよりも濡れてるんじゃない?こーゆーシチュエーションに興奮して感じてたり?」 「あん!…はっ……ああん…いじ…わる…んぅぅん」 「じゃあ、やめる?」 「…え?」 「オレは別にいいけど?(って全然大丈夫じゃないけどな…)」 「…そ、それは…」 「んじゃ、ちょっと狭いけど、ガマンしてくれな!」 「え?…あ!はぁぁん!急に挿れな…い…で…やっ!…や…あ…」 「っふ…はぁ…すげえ締まってくる」 「あん!…だから…言わないでって…」 「声も…もっと聞かせてくれよ」 「だって…あ…やっ!や…あ…」 「あんたの中、気持ち良すぎ」 「あっ…あっ!…ひゃ…あっ…やぁ…っ!」 「やべぇ、イキそう」 「っふ!わたし…も…!」 「んっ!…うっ…く…っ!」 「ひっ…あっっああっ…ああああ!」 「あれ?編集長、まだ残ってたんですか?お疲れ様です」 「お、鷹藤!……で、首尾は?」 「おかげさまで、バッチリ…」 「ちょっ!鷹藤くん!」 「じゃあ、鳴海、記事よろしくな」 「えっ?だって怪奇現象の取材はウソだったんじゃ??」 「コレ、次号の特集記事だ」 「…………」 「どうしたの?鷹藤くん?ちょっと見せて? …えっと…『OLが告白!真夏のちょっとアブナい体験!野外で車で…xxx』」 「鳴海、お前も一応OLだろ?実・体・験・談、ヨロシクな!んじゃ、お疲れ〜」 「へ、へ、へ、編集長〜〜〜!!」 「じゃ、俺も帰って寝るかな?久しぶりに運動して疲れたし」 「う、運動って!ちょっと、鷹藤くん!私1人で残って記事書けっていうの?」 「だってその記事に写真いらねーし、撮ってねーし …それとも…「誰もいないオフィスで…」なシチュエーションも体験してみる?」 「バカぁ!!」 SS一覧に戻る メインページに戻る |