鷹藤俊一×鳴海遼子
「あぁぁ!んん!…気持ち…いい…」 耐えること無い嬌声が部屋に響く。 一際激しく突き入れると、遼子の体が大きくはね、鷹藤の肩にかけた脚がつま先までピンとのびきる。 「ああっ…」 痙攣を繰り返す遼子の中をあじわい、ゆっくりと焦らしながら引き抜く。 そして、遼子の腹の上に堪えていた欲望を吐き出した。 腹に白濁した粘液が広がり、弾みで飛沫が遼子の顔にまでかかってしまった。 「あ、悪い」 「んん…平気」 遼子は達した余韻に朦朧としながらも、顔に跳ねた白濁を細い指で拭い取る。 そしてその指を口に含むと、濡れた舌で舐め取る。 白い粘液と紅い舌。その淫靡なまでの色の対比が、何とも言えない妖しい美しさを醸し出す。 「ん…まずい…」 鷹藤が目を細めてその仕草を見つめていると、遼子は不愉快そうに顔を歪めて呟いた。 「まだアンタ初心者だからな。そのうち、俺のを全部飲ませてやるよ。」 遼子の顔の汚れを拭ってやり、濡れた唇に軽く口付ける。 「無理…。絶対イヤよ。」 荒い吐息を漏らしながら睨み付けてくる眼差しが、逆にさらに鷹藤の情欲を刺激する。 遼子の啼く声をもっと聞きたい。 自分を呼ぶ声をもっと聞きたい。 底の見えない情欲が鷹藤の心を浸食していく・・・。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 「…じくん!…ふじ君!」 聞きなれた自分を呼ぶ声が聞こえる。 目を開けると、今まで自分の隣に寝ていたはずの遼子が、覗き込んでいる。 「ちょっと、早く起きてよ!取材の約束時間に遅れちゃうわよ!」 「え??アレ?…編集…部???」 まだ状況が掴めず、鷹藤はきょろきょろとあたりを見回す。 「寝ぼけてないで、さっさと準備してよね!先に車で待ってるから。」 そう告げると、遼子はバタバタと編集室を出て行く。 そう、アレは夢。 遼子とは名無しの権兵衛の事件以来「付き合っている」様な感じではあるが、まだ男と女の関係には至っていない。 「あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!夢かよ。そうか、そうだよな…」 がっくりと項垂れながら、口惜しそうにつぶやく。 「いつまでも悶々としてないで、さっさと押し倒しちゃえばいいのに。」 そんな鷹藤の様子を見て、すべてを悟ったように美鈴が鷹藤に近づいて囁く。 「み、み、み、美鈴さん!!!」 「自分の好みに好きな女を染めていくのって、楽しいモノよ。 あんな純情妄想天然記念物めったにいないから、染めがいがあるんじゃない?」 「・・・・」 鷹藤と美鈴の瞳が妖しく光ったのを、遼子はもちろん知る由もなかった。 SS一覧に戻る メインページに戻る |