シチュエーション
本所深川七不思議 その二 片葉の足 両国橋の南詰に葦が沢山生えていたが、一本も両方に芽が出ていない。片方だけである。 年のころもうすぐ十三を数えるその少年は、隅田川の渡し守をしていた。 今日も夕刻になり一日の仕事を終え、神田川が隅田川へと流れ込むところにある 船着き場に商売道具の船を置き、大橋を渡って対岸へと歩いていた。隅田川は武蔵と下総の境である大きな川で、 大橋は中でも人通りの多いにぎやかな橋だ。江戸町民には通称両国橋と呼ばれている。 だがしかし、なぜか今日は、その人影もまばらなように思えた。夕方とはいえまだ明るい時分である。 少年は、不気味な噂を思い出していた。片葉の葦という、最近はやりの怪談である。 なんでも亀沢町にすむお駒という娘がお使いに出たところ、留蔵というならず者に散々犯された挙句、 匕首で刺し殺されて堀に捨てられたらしい。それ以来、堀の葉っぱは片方しか生えなくなったとか。 馬鹿な噂だ。第一、娘が殺されて何で葦が片葉になるんだ。恨みつらみなら留蔵のところに行くだろうに。 少年の家は亀沢町とは離れていたため、噂の真偽はわからなかった。しかし、信じるには足らないだろうと 高をくくっていた。 大橋を渡りきれば、少年の家はすぐそこだ。堀をいくつか越えたところである。 小さな堀にかかる橋を渡っていた少年のほほに、風が当たる。夕方にしては風の強い日だった。 風は堀の上を通り、葦の群れをざわめかす。そんな音を聞きながらふと堀を見た少年は、驚くべきものを見つけた。 「・・・あしだ」 片葉の葦など珍しくはない。葦の葉など、ヨシキリやらカメやらが簡単に食いちぎるものだ。 少年が見たものはそんなものではなかった。 足である。それもはだしの足だ。堀の端にある島の部分に、足が生えている。 白くほっそりとした足が一本、地面からにょっきり、生えているとしか言いようのない角度で 天に向かってつんと立っていた。 少年はとても驚いた。さては例の女の死体か、いやなものを見つけてしまったと考えたが、 ふとそこで冷静になった。死体ならば、重さで膝が曲がるだろう。自分の見ている足は膝が伸びている。 ならばまだ生きている足なのではないだろうか。土の中で助けを求めているのかもしれない。 少し心が落ち着いてきた少年は、そっと堀の縁に近づき、よく観察してみることにした。 近くで見ても、間違いなく女の足のようだ。爪はきれいに切りそろえられている。 足の指は細く、足袋を履かせるならば自分と同じくらいだろうか。 すねにも太ももにも、泥汚れはおろか毛の一つも生えていない。 色白だが決して不健康な感じはせず、むしろ美しくさえあるようだ。 見たところ血は通っているようで、死体ではないようだ。 しかしどこを見てももう片足は見つからない。 近づいても足しか見えないが、根元はいったいどうなっているのだろうか。 足の付け根まで目線を落としたところで、少年は赤面した。足の付け根、つまり股ぐらまで、 しっかりと女性のものがついていたからだ。 少年はまだ未経験で、女のものをみるのはこれが初めてだった。 赤面しながらも、ついつい食い入るように見つめてしまう。 もっと近くへ、もっと近くへ。 少年は堀へと降り、土の上にしゃがみ込んでよおく目に焼き付けた。 初めて拝む観音様が、まさか土から生えているとは思わなかった。 充血して赤みがかった桃色のそれは、時折風に吹かれてひくひくと動いていた。 片足とほとは生えているので、もう片足も掘れば出てくるのではないか。 そう思ってあたりを掘り返してみたが、もう片足は見つからなかった。 また変に掘り返してこの大発見が無くなってしまっては馬鹿らしい。片足とほとで満足しよう。 ほとに指をあてると、それまで動かなかった足がびくりと動いた。やはり生きているようだ。 指でこすっているうちだんだんと湿り気を帯びてきたので、少年は指を入れてみることにした。 地面のほとは少年の指をきゅうきゅうと締め付け、足もぴくりと反応する。 少年が指を出し入れしたり、中を軽く引っかいたり、指を曲げてこすったりしていると、 ほぞのほうはすっかり緩み、くちゅくちゅと汁で音を立てるようになってきた。 少年のほうも、足の痙攣や膝の曲り具合でほぞのどの部分が一番感じるかわかるようになってきた。 楽しくなってきた少年は、指を二本に増やし、ほぞの弱いところを集中的に、 散々イジメたおした。ほぞはもう大洪水で、指を出し入れするたびにぐちゃぐちょと卑猥な音がする。 足も、カエルのようながに股に膝を曲げ、爪先をぴんと伸ばし、痙攣もしっぱなしである。 少年はとどめとばかりに、親指で陰核をこすりあげ、二本の指の速度をぐんぐん早めていった。 くちゃっくちょっくちょっくちょくちょくちゃくちゃちょっちょっちょっちょっちょっ・・・・・ 最後に一番弱いところをこすりあげると、足は大きくがに股を開き、ほぞから潮を吹いた。 ぷっしゅっぷっしゅうううううううううううぅぅぅぅぅぅぅう・・・・・・ 初めて女?に潮を吹かせ、少年は満足して指を抜いた。さて、次は・・・ 少年はふんどしを脱ぎ、ぎんぎんになっている自分のものをとりだした。 ぷしゅぅぅぅぅぅぅぅ・・・・ まだ出ている。いくらなんでも、潮が出すぎなのではないだろうか。 しゅぅぅぅぅぅぅぅぅ・・・・・・ おかしい。勢いも弱まっていない。女というのは、こんなに放出するものなのだろうか。 いや、本物の女ではないから、あてにはできない。 ふと足を見ると、長かったはずの足がいつの間にか自分の腰よりも短くなっているではないか。 見ている間にほぞの潮吹きとともに足はどんどん短く、小さくなっていき、 やがて潮がちょろちょろになるころには跡形もなくなっていった。 しまった、吹かせてはいけなかったのか。しかし、まだほぞは残っている。 そして潮が完全に止まるとほぞは閉じ、ただの地面になってしまった。 少年はとても後悔した。そして決意した。いつか必ず、萎まないほぞをつくってやる! 足だけじゃない、完全な女を作ってみせる! こうして、日本人は空気嫁を作り上げたのだった。 おわり。 SS一覧に戻る メインページに戻る |