ある中学校の七つの伝承「13階段」 Aパート
シチュエーション


ある中学校の中庭での会話

昼休み。いつものように仲間数人とたむろして購買で買ってきたパンを腹に詰め込んでいると、
とつぜん長い黒髪の女子が輪にしゃがみ込み、話に割り込んできた。

「あ?何、突然。」

するのその女子は、どこで立ち聞きしてたのか、今の今まで俺が話していた13階段について尋ねてきた。

「・・・13階段の話?いや、ちょうど今その話してたとこだけど・・・聞きたいの?
別にいいけど、俺らも先輩から聞いたんだよ?その先輩はさらに上の先輩から聞いたっていってたけど・・・
それとこの怪談、女子にはなぜか広まってるらしいぜ?お前も女子なら知ってるんじゃないか?」

しかしその女子はニコニコ顔のまま首を横に振ると、話の続きを促してきた。なんだコイツ、ハブられてるのか?

「まあ、ちょうど話してたとこだしいいけどよ・・・・・・俺も聞いた話だから、細かいとこは間違ってるかもよ?
えーっと、校舎の北側、教室ならE組がわ、音楽室とか理科室があるほうだな。そこの怪談だ。
そこの、3階の踊り場から屋上につながる階段なんだけど、昼間数えると確かに12段なんだ。
それは俺も数えたぜ。よく行くからよ、屋上。・・・っと。」

屋上に行っている理由を思い出し、俺は言葉を濁らせた。何せバレたら停学だからな、タバコ。

「いや、屋上に行く扉の前に、小さな部屋があるだろ?掃除用具入れにはでかいし、なんだろうなって。
足しげく通って調べてんだよ、なんか文句あるか!?」

適当にごまかして凄んでみたが、女子はニコニコ顔を崩さない。俺はため息をつくと、話を続けた。

「それでその階段なんだが、昼間は12段なんだが、夜10時を回ると13段に増えるらしいんだ。
試したこと?ねぇよ。誰も実際に試してないんじゃないかな。めんどくせーし。お前らいく?」

周りの仲間に聞いてみたが、みんな笑いながら首を振った。

「ま、こんな感じ。夜中に一段増えたから、それが何だっていうんだよな。」

女子はニコニコ笑いを浮かべたまま、礼を一つ言うと輪から去って行った。
話題は今の女子がいかに可愛かったか、しゃがみ込んだときに見えたパンツは何色だったか、などに移って行った。






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