シチュエーション
図工室の前で、少年は躊躇っていた。扉に手をかけ、開こうとしては手を戻す。 そんなことを、もう10分も繰り返していた。時刻は午後9時。そろそろ見回りが来る時間だ。急がなくてはならない。 分かっているが、どうしても踏ん切りがつかない。少年の脳裏を、今日の昼の光景が走馬灯のように蘇る。 (あんなこと、言わなければよかった・・・・・・。) お化けなんかいるはずがない、6年にもなってそんなものが怖いのか 休み時間、教室の真ん中で、少年は高らかに吼えた。周りの友人たちはむきになって言う。 こわくなんてないが、モナリザの噂は本当だ。人を食うんだから近寄らないほうがいい 口は達者だが怖がっているのが見え見えの友人たちを、少年はせせら笑って宣言した。 それなら今日の夜、オレが一人でモナリザの顔に落書きしてきてやる! 少年の言葉は教室中に響き渡り、次の休み時間には学年中の児童に知れ渡っていた。もう後に引くことは出来なかった。 余計なことは言うもんじゃない。少年は得難い教訓を得て、一つ大人の階段を昇ったのだった。 そんないい話で済んだら、どんなに楽だったことか。意を決した少年は、深呼吸を一つすると、 おそるおそる図工室のドアを開けた。 木くずと絵具の独特の匂いが混ざった不思議な空気。整理が苦手な図工教員のせいか、ごちゃごちゃと片付いていない 教室内。そして、教室の隅で微笑むモナリザ。昼間と何一つ変わらないはずなのに、昼間よりずっと恐ろしく感じる。 (こいつに落書きをして、それで終わりだ・・・) 少年は用意していたサインペンの蓋を外し、先をモナリザの顔に押し付けようとした。 「・・・・・・・ッ!!」 少年の右手を、何者かが掴んだ。掴んだ手はそのまますごい力で少年の手首を握る。 あまりの力に、少年はペンを落としてしまう。少年の手首を握る腕は、目の前の絵から伸びていた。 モナリザの顔が絵から飛び出て、少年の顔に近づく。モナリザはそのまま口を大きく横に開き、 ニタッと笑ったかと思うと、絵から抜け出た両腕で少年のズボンをおろし、まだ幼い男性器に食らいついた。 (食べられる・・・ッ!!) 少年が目をつむった瞬間、モナリザは口をつぼめ、まだ精通前の少年の肉棒を口中でいたぶり始めた。 SS一覧に戻る メインページに戻る |