恵の小学校生活(着替え編)
シチュエーション


初めて体育の授業を迎えた時も恵は戸惑う事になった。
この学校の女子用体操服は前時代的なブルマーで、当然恵は穿くのは初めてである。
男子の体操服は恵が以前いた小学校と比べれば短めとはいえ、ブルマーよりはずっと露出の少ない普通の短パン。

……男子と同じように扱われているのに体操服だけ女子仕様だなんてなんだか納得行かない恵だったが
体操服は学校が用意するのではなくて専門の業者に発注するのだから関係ない話だった。

(まぁ……考えてみると水着まで男子と一緒になるよりマシだよね)

そう自分に言い聞かせて体操服に着替える事にしたものの……
体操服の着替えは全員同じ教室で行う。
こんな小さな小学校に更衣室などあるわけがないし、恵がただ一人の女子である事になんの配慮もされなかった。
それでも空いている部屋なりスペースを探してそこで着替えるという選択肢もあったかもしれない。
だが、そんな事をすると自分は「女の子として本気で恥ずかしがっている」と認めてしまうことになる。
そうなったら泥沼、これから起こる恥ずかしい出来事全てが二倍も三倍も恥ずかしくなる。

……それにこの男子達はどこに隠れても覗いてくるに決まっていることを恵は雰囲気で察していた。

だから恵は男子の一人になったつもりで、その場で素早く、無心で着替えることにした。
だが男子は当然恵を同じ男子などとはみていない。
素早く着替えて、あるいは着替えながら恵を取り囲むように彼女の着替える様子を集団で観察し始める。
恵は元々、体育の着替えくらいなら男子のいる教室で着替えるのは平気な子だった。
だが女子は自分ひとりで、周りの男子みんなが自分の着替えに注目している状況では話は別である。

「……なに見てんのさ」

気にせず着替えるつもりだった恵も脱ぐに脱げず正面から視線を送ってくる男子にそう言う。

「別に……」

少しだけ決まり悪そうにしてその男子は目を逸らすが、自分を見ているのはその男子だけではない。
全員の視線を逸らすのは不可能であるし、目を逸らした男子もまた、頃合を見てこちらに視線を戻すだろう。

……もう諦めて着替えるしかない。

まずは上着を脱いでインナーシャツ一枚になる。
まだ胸の大きくない恵はブラはつけていない……が、それでも胸はかわずかに膨らみ始め、現在確実に成長し続けている。
その僅かな膨らみを周囲を囲む男子達の視線が包むが、恵はそれを無視して体操服を着た。

そして次はいよいよ下である。
転校二日目であるその日の恵はショートパンツを穿いていた。
朝からスカートめくりこそされないものの、その代わりに待っていたのはカンチョー攻撃。
恥ずかしいわ痛いわで、こんなことならスカートめくりの方がマシだと思った。
そして、下を着替えなければいけないこの瞬間にも恵は後悔していた。

(スカートなら脱ぐ前に穿けるからパンツ見られなくて済んだのに……)

だが、悩めば悩むほど脱いだ時の恥ずかしさは増す……そう考えて、思い切ってズボンを下ろす。

スカートめくりの時とは違う、360度からじっくりとパンツを見られてしまう状況。
早くブルマを穿いてしまおうと恵が脚を上げた瞬間。正面にいた同年代の男子一人が口を開く。

「後ろから見たらパンツ汚れてんじゃね?あんだけカンチョーしまくったんだから」
「…………なっ!!」

その言葉に、恵は怒りと恥ずかしさで一瞬で顔が真っ赤になり。

「うるさいっ!!」

下はパンツのまま、そう言った男子のみぞおちあたりに蹴りをぶち込んだ。

「ぐえっ!!」

その一撃には殆ど手加減はなく喰らった男子は、その場にゲロを吐きそうになるのを堪えて蹲る。

「……ふん」

そして、男子が静まった隙にブルマを穿いてようやく上下体操服に着替えた。
しかし、恵のこの強気の行動は、男子を黙らせ、牽制は出来たけれど、これまで同様この時点でおあいこ、むしろ恵の方がやりすぎなくらい
……という雰囲気が出来上がってしまう。

直接蹴りを喰らった男子は不運かもしれないが結果的に男子側としては、望ましい形に落ち着いてしまったのであった。






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