熱い体験
シチュエーション


「亜紀乃ちゃんマジすっごいよねー。また『ぺティール』の表紙飾ってるよぉ」

1人の少女がファッション誌を翳して告げた。
その表紙では、小学生と思しき小柄な娘が、奇抜なファッションでポーズを取っている。

「すご!あーん、憧れるなぁ!!」
「ホント、遠い人になったよねー。去年まで同じクラスだったなんて信じらんないよ」

教室に沸き起こる黄色い声。
だがその中に1人、追従の笑みを浮かべながらも瞳の冷たい少女がいた。

伊村菜穂(いむらなほ)。ひどく垢抜けた少女だ。
すっきりとした美人顔にうすく化粧を施し、体型は菜食を中心にしているのか、スレンダーに保たれている。
脚はすらりと伸び、それを助長するようなアメリカナイズな服装が、未成熟な肢体に大人にも子供にもない独特の魅力を備えさせていた。
特に目を引くのがその胸で、シャツにプリントされた英字を歪ませるほどの膨らみは、
彼女が小学生……まだ11歳でしかない事をつい忘れさせる。

大人びた小学生の多い都心でも、格別に妖しい魅力を振りまく少女。
時間と場所次第では、たちまち良からぬ男の餌食になりそうな趣きがある。
ともすれば先ほど話題の中心にあった少女に成り代わっていてもおかしくない……
というより、『亜紀乃』を読者モデルの世界に引き込んだ人間こそ、他ならぬこの菜穂だった。


菜穂と亜紀乃は幼馴染だ。
新生児室で隣同士になった時から、幼稚園、春休み、そして小学校と、多くの時間を共有している。
読者モデルになろうと決めた際にも、菜穂は亜紀乃を誘った。
友達だからではない。
オーディションにせよ面接にせよ、ぼんやりとした雰囲気の亜紀乃が傍にいれば、自分の溌剌とした魅力が引き立つはず……という算段からだ。

亜紀乃は確かに可愛いが、モデルとしてなら自分の方が向いている。
菜穂はそう確信していた。
だが結果は、亜紀乃だけがモデルに起用され、菜穂には何の音沙汰もなし。
業界からすれば、沙耶香のような垢抜けたタイプのジュニアモデルはすでに飽和状態であり、
「おいしい」天然系のキャラクターを持つ亜紀乃の方に価値を見出したのだ。

事実、亜紀乃はそのキャラクター性で数多くのバラエティに露出し、一時代を築き上げた。
ネットや週刊誌は執拗にそのキャラクターの『裏』を暴こうとしているが、そんなものが存在しないことは菜穂が一番よく知っている。

『サヤちゃ、わたしをこの世界に連れて来てくれて、ありがとうね。
わたし今、すっごく幸せなんだぁ。
サヤちゃも早くこっち来れるように、色んな偉いひとに頼んでみるからね。待っててね』

亜紀乃は電話の度にそのような言葉を吐く。
嫌味この上ないように聞こえるが、すべて彼女の本心だ。
どこまでも無邪気で、どこまでも透明。
沙耶香が『垢抜けた女』を求めるのは、無意識にそんな亜紀乃の魅力に気付き、勝ち目がないと悟っての事だったのかもしれない。

……だが、それも全てはもう終わることだ。
菜穂は来月離島に発つ。親の仕事の関係だ。
東京の学校に残ってもいいと言われたが、菜穂は本土から去る道を選んだ。
ここにいても芽は出ない。そう判断した上での、実質的な逃亡を。



菜穂ら親子が島民に紹介された時、そのほとんどが息を呑んだ。
白い肌をした人間が珍しかったのだろう。
特に、子供ながら垢抜けた身体つき・服装の菜穂には一際の注目が集まる。

「すんげぇ……まるで人形さんだわや」

島の子供が頬を染めて呟くのが聴こえた。
菜穂は大人受けしそうな淑やかな笑みを湛えながら、その様子にほくそ笑む。
彼女も一度はジュニアモデルを志した身、注目される事は嫌いではない。

島では、大人はみな島中央部に集まって酒を交わしながら仕事を行い、
子供は子供で集まって遊ぶことが慣わしとなっている。
当然、沙耶香ら一家にもそれが課せられた。
菜穂の両親は、はじめ幼い子供が目の届かない場所へ行く事を不安がったが、
島民に説得され、郷に入っては郷に従えという事で了承する。

子供の遊び場はもっぱら海辺だった。
とはいえ島の昼間は暑すぎるため、風の吹き抜ける小屋で過ごす事となる。

「熱い……」

菜穂は肌に日焼け止めのクリームを塗りながら、茹だるような暑さに閉口していた。
とても外を出歩ける温度ではないし、かといってする事もない。
明日以降もこの退屈さが続くと考えると絶望的なほどだ。
ただ一点、面白そうな事があるとすれば、小屋の隅で自分を凝視している子供達ぐらいか。

島の子供は5人いた。
全員少年で、年齢は下が6歳、上が菜穂より1つ2つ上といった辺りか。
いずれも健康的に日焼けし、魚を主食にするゆえの引き締まった身体つきをしている。
やや日本人離れした顔の造りも悪くない。
都会であれば、各々が運動部のエースとしてかなりの人気を得ることだろう。
彼らは驚くほど澄んだ瞳で菜穂を眺めていた。
都会から来た色白の少女が珍しくて仕方ないとみえる。

(……どうせ他にやる事もないし、こいつらとは明日以降も付き合いがあるしね。
ちょっと田舎のサル共をからかってやろうかな)

菜穂はそう思い立ち、聞いていた音楽を止めた。

「あんた達、よっぽど私に興味あるみたいね?」

菜穂は目を細めて問いかけた。少年達が方を竦ませる。

「あ、わ、悪ぃや。気を悪くしたなら謝るわえ……。
でも本土から来た人間っちゃ珍しうて、しかも俺達と変わらんぐらいの女の子ぉ見るのも初めてだげ、そのぅ……」

しどろもどろに告げながら、10の瞳が菜穂の身体を這い回った。

整った顔、シャツを盛り上げる乳房、締まった腰、艶かしい脚線……。

菜穂はそれらへの露骨な視線を感じながら、床についた腕をさり気なく動かして胸を揺らし、脚を組みかえる。
目線の束がそれを追い、喉の鳴る音を立てさせる。

(すごい……襲い掛かってきそう。あっちじゃここまで露骨なのはいないのに)

菜穂はその視姦にゾクゾクする快感を覚えた。
都会ではよくいる今風娘としか見られなかった自分が、まるで女王、まるで女神。
ここまで男の視線を釘付けにすれば女冥利に尽きるというものだ。

「ここ、何だか暑いね」

菜穂は少年達に流し目をしつつ、シャツに手をかけた。
何度目かの喉の鳴る音。
す…と生地が捲れて白い肌が露出すると、少年達の瞳はいよいよ見開かれる。
菜穂は汗に濡れたシャツを投げ捨て、ブラジャーを外した。
乳房が零れだす。
手の平に載せて何とか零れずに済む大きさの果実。
菜穂のそれは南国の果実のどれよりも、少年達の心を捉えているらしかった。

ごくっ、と何度目かの生唾の音がし、少年達の姿勢が前のめりに変わる。

「触っても、いいよ」

菜穂は笑みを浮かべて彼らに告げた。
大人が見れば鼻白むような背伸びながら、無垢な子供を刺激するには充分だ。
少年達は膝立ちのまま前進し、神妙な面持ちで菜穂の身を取り囲んだ。

「ん……ンんっ……!!」

木造の小屋に、押し殺したような声が響いていた。少女の声色だ。
菜穂は腕を頭後ろに組んで腋を晒す格好のまま、乳房への入念な愛撫を施されていた。
白い乳肉が少年達の浅黒い手の中で様々に形を変える。
それは予想以上に心地の良いものだった。
菜穂にはすでに自慰の経験がある。その際に乳房を自ら刺激した事もある。
だが、少年達によってたかって胸を責められるこの感覚はその比ではない。

海の香りに包まれたまま、菜穂は愛撫を甘受する。
一定のペースで繰り返される潮の満ち引きが、いい具合に神経を研ぎ澄ませてくれた。
本当に心地がいい。
丹念に乳房を揉みあげられ、引っ張られていると、小学生の未成熟な感度とはいえ反応してくる。
乳房は膨らみ、乳首は屹立し。

「あれ、なんか先っこが尖ってきとうわ」

1人がそれに気付いて、乳首を摘まんだのがいけなかった。

「うんっ……!!」

菜穂は天を仰ぎ、声を上げる。それは心地の良さを雄弁に伝える類の艶声だった。

「おおう、気持ちがええんだや!なぁ、気持ちええんだぁや!?」

少年達はにわかに色めきたち、いよいよ熱心に乳房を責めはじめる。
本当に菜穂を特別視しているのか、汗ばんだ腋に口をつけて舐めさえする。
だが菜穂はそれをおぞましいと思わず、むしろ興奮していった。

乳房を捏ね回し、乳首を捻り、腋を舐めしゃぶり。
それを続けられるうち、菜穂の性感はむず痒いほどに昂ぶってゆく。
『濡れた』予感に腰をうねらせ、それを少年達に勘付かれると、菜穂は立ち上がった。

「みんな、本当にエッチだね……。なんか、私まで」

そう言いながらハーフパンツのボタンを外し、脱ぎ去る。
次にはショーツの端に手を書け、脚の間を滑らせる。
露わになったのは、隠すもののない白い脚線、未だ生えそろわぬ茂み。
少年達は食い入るように見つめていた。
菜穂はそのあからさまな青い情欲を楽しみ、悪女のような心持ちで秘部に手を添える。

「見たい?」

舐めるように問うと、少年達は互いに顔を見合わせた。
そして惧れにも似た沈黙の後、正面に向き直って声もなく頷く。
菜穂は無意識に笑みを溢した。年下に物を教えるお姉さんといった心境だ。
自分はただ、性の情報が豊富な都会で育った、というだけなのに。

菜穂の細い指が縦筋をひらいた。
使われた形跡のない桜色が割れ、中からいっそう鮮やかなテカリが姿を現す。
少年達の眼はまるきり宝石を見るそれだった。

「もっと、……近くで見ていいよ」

菜穂は脚をまた少しひらいて告げる。
五つの顔がほぼ同時にその股座を覗きこんだ。
すん、と鼻を鳴らす音がする。
菜穂は勿論恥じらいを抱いたが、今さら後に退く気もない。
潮の匂いが強く薫った。
少女の甘い体臭はおろか、香水の匂いさえ消し飛ばす薫り。
全く馴染みのない世界の匂い、それなのに何故だろう、懐かしくて落ち着く。

「私の匂い、する?」

菜穂は問うてみた。するわけがない、と思いながらも、自分の存在を主張するように。

「うん、する。何だか……胸がドキドキして……でも」
「でも、俺なんか好きだ、これ」

少年達はそう答えた。
とくん、と菜穂の鼓動が強くなる。心の殻がまた一枚剥がれ落ちたのだろう。

「……指、入れていいよ。こんな風に」

菜穂は自らの大切な部分に指を挿し入れた。
かなり窮屈だ。入り込ませるときには尻の肉を引き締めなければならない。
だが、それでも何とか入る程度には湿っていた。

菜穂は指を引き抜き、正面の子供を目で誘った。
彼が喉を鳴らすのを見るのは何度目だろうか。

「い、いい?」
「……ん。」

短い会話を交わした後、少年が小さな手を恐る恐る菜穂の桜色に近づける。
寸前で止まり、強張る指を菜穂自身が導いた。
やわらかな感触に少年の指は一度慄き、しかし探究心に負けるかのように沈み込む。
菜穂が息を吐いた。

「痛いから、あんまり乱暴にしないでね」

菜穂の言葉に、少年が頷く。

指は深く沈みこみ、中の潤みを確かめるように蠢いた。
菜穂の内腿の筋肉も同様に蠢く。
美しい菜穂の内に眠る肉と少年の指先が、神経を介して繋がりあったのだ。

「あ、あああ……」

菜穂が声を上げる。
彼女は中腰で後方に手をつき、秘部を見せ付けるように大きく脚を広げていた。
その中央にある華を少年の指がくじり回す。
少年の指は、はじめこそぎこちない動きではあったが、次第にコツを掴んできている。

「ここが……イイんだ?」

少年は指を曲げ、膣内のある部分を押し込んだ。

「はあっ!」

ぞくりと快感が走りぬけ、菜穂の腰が浮き上がる。
押し込まれたのはGスポット。膣壁の中でも格別に快感を得るポイントだ。
少年は菜穂の反応を見て取り、さらにその部分を優しく擦りまわす。
菜穂の花園は湿りを増していた。
明らかに指の入れはじめとは“音”が違う。

「お、俺もやりたい……」

見守るだけだった少年が、辛抱しきれぬといった様子で花弁に指を滑り込ませた。

「あっ、そんな、2人なんて……!!」

菜穂は非難の声を上げるがすでに遅く、計4本の指が狭洞を蠢きまわる。
そうなれば他の3人も傍観をやめた。
美しい少女の秘匿されるべき部分に手を伸ばし、しかし入る余地がなく周囲を探る。

「……ん、なんだ?この豆っぽち」

1人の指が、茂みの中にかすかに息づく蕾に触れた。菜穂が反応を示す。

「あ、そこはね、女の子にしかない気持ちいいお豆なの。
でもすっごく敏感だから、ぜったい痛くしちゃだめ」

菜穂が言うと、少年は唾を呑み、宝物でも扱うように丁寧に陰核を撫で始めた。

陰核を指先で転がされながら、秘裂に4本の指を挿し込まれる。
その快感は並みではなかった。
似たような事は自慰の際にも行うが、他人にされると別物の感覚だ。
菜穂の腰は徐々に下がり、やがて尻餅をつくように後方に倒れこむ。
快感に腰を抜かす形だ。

「あ、あ、あああ、んん……!!」

菜穂は目を閉じ、長い睫毛を震わせて心地よさに浸る。
湿るという域を越え、濡れ始めているようだ。
指にかき回される秘部からかすかに愛液が垂れている感覚を覚える。
そのさ中、また別の刺激が生まれた。

「……ここも、はいる……」

5人のうちで最も幼い1人が、あろう事か肛門を指で弄くっているのだ。
菜穂は焦りを浮かべた。

「あ、ねぇ、そ、そこはやめよ?そこうんちの穴なんだ。
ボクも毎日うんちはするよね?私もおんなじ。そこは汚いから……」

そう説得するが、少年は一向に指を止めない。

「おねえちゃん、うんち……するん?そうは思えなんや」

頬を染めて菜穂の顔を見上げながら、狭い窄まりへ浅く指を抜き差しする。

(そ、そんな……アイドルじゃないんだから……)

菜穂は当惑しながらも、精神的な気持ちのよさは否定できなかった。
陰核、秘裂に続いて菊輪にまで未知の感覚が沸き起こり、興奮に菜穂の息が重くなっていく。
やがては余った1人が背後から乳房を揉みしだく事も始めた。

中々に逞しい5人の少年の手で、体中の性感帯を弄られる。
それは芸能人による最高級エステのようにすら感じられた。
始めは口を噤んで都会人らしくクールを装っていた菜穂も、時が経つにつれはぁはぁと熱い息を吐くようになっていく。
少女漫画であればハートマークが飛び交わんばかりだ。
乳首が屹立し、陰核が包皮を押しのけ、秘裂が蜜にまみれ、菊輪がわななく。
未成熟な性感を目覚めさせられ、幼いながらに女の身体にされてしまった今や、もはや暇つぶしなどではない。

「ねぇ……もっと大人っぽいこと、してみない?」

汗だくの部屋で、少女は囁く。大人ぶる訳でもなく、自然に艶めく声が出た。
自分の人生で一度きりしかない純潔喪失。それも今なら構わないと思った。
少年達は言葉もないが、その瞳は興味をありありと映す。

島の子供達は大人の与り知らぬ所で、生命の神秘に触れようとしていた。






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