また来たよ
シチュエーション


布団の中はぬくぬくと気持良くて、タオル地のシーツと毛布と軽い羽毛の布団に挟まれているだけで幸せな気分になる。
寝付きのいい俺はそんな幸せを満喫する前にあっさりと眠りに落ちてしまって、少し惜しい気もしたりだとか。

ほっこりとした布団に鼻まで潜って俺は眠っている。なんだか解らないけれど、やらしい夢を見ていたような。グラビアアイドルのでかい乳だとか、その感触だとかの。
ふわりと耳元に息がかかる。背中に、布団の中味よりもなお温い感触がある。
横向きに寝ている俺の背中に当たる感触。ふにゅ、と柔らかいそれと、甘い匂いに、血が滾ってくるのが解る。寝間着代わりのTシャツから出ている腕にそろりと触れる暖かい指。腕をなで下ろし肋骨のあたりから脇腹を通って回った掌が、股間に触れる。
ガチガチに勃起したチンポに指が絡み付く。やんわりと握られ、俺は息を荒げる。
指でつくった輪がきゅっと締まり括れをこすり、ゆるみながら根元に降りる。もう片方の手は内股をなで、重力に従って垂れる袋を受け止める。柔らかく、睾丸を転がす様に揉む。

「うっ……」

思わず呻いた。朦朧とした意識の中で、下になった脇腹とシーツの間をどうやって腕が通っているのか、とか、ジャージとパンツはいつ脱いだのか、とか、そもそもその手は誰のものなのか、とか。そういった考えにまで、俺の意識は至らなかった。
ただ、反覚醒の茫洋とした意識の中で、快楽に息を吐く。

「ふっ……は………」

指は巧みに動き回る。まるでそれがひとつの生き物みたいに、根元から皮ごと握り込んで上下し、その間にも指がにじみ出る汁を亀頭に塗りたくり、小さな円を描く様に尿道口をなで回す。尾骨のあたりからもぞもぞと這い上がる感触。
浅いくの字にまげた身体の背中にひたりと寄り添う肌の気配。だんだん、その指がどんな風に動いているのか、何をされているのか解らなくなってくる。 呼吸がせわしなくなって。

ふと眼を覚ました、いつも通りの朝。時計の針は、目覚ましが鳴るより10分早い。苦い嫌悪感を伴って布団をめくり、パンツに手をやってみるが、そこに射精の残滓はなかった。ただ、気怠い脱力感があるだけで。

胸のあたりに黒いものが揺れていた。腰から下に心地よい重みとぬくもりを感じ、触れる髪の毛の先が裸の胸をさらさらと撫でる。ちゅぷっ、ちゅぱっ、と唇が吸い付いては離れるいやらしい音が小さく耳に届く。
唇が離れた時だけ、僅かに冷たくて、またぬるりと熱い感触が触れる。しゃぶられた乳首が小さく勃起しているのが解る。

「な……、ちょっ…と…」

誰何する自分の声がかすれるみたいに弱い。のしかかるそれを払いのけようとする手から逃れ、頭はするりと下がって、胸から腹へ、股間へ筋を引いた唾液の痕がひやりとする。上体は重さから解放されたけれど、両脚にはのっしりと明らかな重みが加わる。 
浅ましくも既に勃起しているチンポが、ぬるっとした感触と共に熱に包まれて、俺は後頭部を枕に押し付けた。

「うぁっ…!…ぁ……!」

昨晩とは違い仰向けに寝ている俺のチンポをしゃぶる誰か。ぬるぬるとしたその感触は腰から砕けそうに気持ちいい。深く根元までが熱に埋まり、じゅぶっ、と水音を立てて頭が揺れ、強く吸われ粘膜で擦り上げられる快感。
ひんやりと冷たい空気を根元に感じながら、亀頭は熱く口腔に含まれたままぬろぬろと舌が這い回る。

「うっ……く…うっ……く…!」

股間にうずくまる頭を思わず押さえる。指の間に梳き入るしなやかな髪の毛の手触りすら感じられるのに、どこかぼんやりと輪郭を掴ませない気配。柔らかい唇が幾度も往復し、垂れた唾液が尻の方まで伝い落ちてくる生々しい感触。
快楽が、せりあがってくる。腰が震えるのを抑えられず、がくがくと突き上げるのを、ぐぷっぐぷっとくぐもった音を漏らしながら口腔が受けとめる。喉奥に当たってうごめく柔らかい粘膜に、俺は小さく呻きながら射精した。

硬直と吐息が交互に訪れ数度に分けて吐き出した精液を、じゅるじゅると啜り込み、嚥下する。こくっこくっと喉を鳴らす音が酷く淫猥で、背筋が粟立つ。
深い息を吐いて弛緩すると同時に、萎えたチンポを吐き出して、ふ、とそのその重みが消える間際に。ちらりと上げた小さな顔に二つの金の瞳が見えた、猫に似ていた。

だるい身体を引きずって、早々に布団に入る。期待がないといったら嘘になる、連日の淫夢の、あの猫のような金の瞳と、慄くような快楽に。 
夢の中では確かに射精して、その後の虚脱感すらもありありと覚えているのに、目覚めれば何事もなかった様に、下着はさらりとしている。夢の中で満足してしまったのか、朝勃ちもしない。ただ、背骨にまとわりつくような疲れと食欲のなさから若干痩せてしまっただけで。

カサつく背中を掻きながら掛け布団を引き寄せ、身体を横たえればいつも通りに、あっというまに睡魔に引き込まれる。寝付きのよいのは相変わらずだが、布団の感触を楽しむよりは、今はその後見る夢のほうが大事だ。

気配が来た。甘い息があご先にかかり、柔らかく身体にかかる重み。そちらに意識を向けると、覗き込む金の瞳が見えた。猫の様に細めて笑う。

「……こんばんわ。また来たよ」
「うん。待ってた」

俺の腰をまたいで座る彼女の、恥丘の膨らみがもぞもぞと触れる。しゃり、と茂み同士が擦れ合った。布団はかぶっているのかいないのかよくわからない。寝巻き代わりのジャージも。そんなのはどうでもいい、意外に華奢なその白い裸体しか眼に入らない。
両手に抱き、なで回し、形のよい乳房を掌におさめ、柔らかく捏ねる。ピンクの乳首がふっくりと勃ちあがる。
首をもたげて吸い付くと、背筋を反らせて胸を突き出す様にする、しなやかな身体。 腰が浮き上がり圧迫感から解放されて、勃起したペニスが揺れる。 
ひくんひくんと動くそれを、身体をまたぐ腰が少しだけ蠢いて、先端に酷く柔らかな感触をとらえた瞬間。

「ぅぁっ……」

喘いでいたのは俺の方だった。みっちりとした熱に包まれる感触。とろとろに柔らかく、それでいてきゅうきゅうと締め付け、酷く熱い。滑らかなのにつぶつぶとした感触のある粘膜が、ずりゅっずりゅっとチンポを擦る。

「ふぁっ……く……! すごい……!」

腰がとろけそうな感覚に、彼女を愛撫する余裕がない。後頭部を枕に押し付けて、俺は女みたいに声を上げて喘ぐのをこらえる事で精一杯だ。
見上げればのしかかる彼女の、艶かしい身体。信じられないくらい細く括れた腰なのに、尻はきゅっと上がっていて、形よく豊かな乳房が、動くごとにふるんふるんと揺れる。
細い腰がくねり、上下ではなく前後に酷く淫らに動いて、角度のずれた粘膜を強く擦り付け、ぐちゅっぐちゅっと淫猥な音が響く。

「うん、スゴイ。スゴイね。貴方の精液、美味しくて美味しくて。もっと欲しいの。ねぇ、もっとちょうだい?」

俺の頭の両脇に手をついて、猫の瞳が俺を覗き込む。甘ったるい声が囁き、耳の内側をぞくぞくとくすぐる様な錯覚。尾骨のあたりがうずき、背筋を幾度も震えが走る。

「ぅ……っく……うっ……っく!」

蕩けそうな快楽をせめて少しでも引き延ばしたくて、俺はただ歯を食い絞めて耐える。が、そんな事はおかまいなしに彼女は腰を振る。
その動きが激しくなる。汁がはぜて下腹を濡らす。締め付けが強くなる。俺を包む熱い襞がひくひくと蠢いて、まるでチンポを吸われる様な錯覚。

「ぅあああ……!ぁぁッ……!」

頭が白くなる。びくっ!びくっ!と腰が跳ねて彼女の身体ごと踊るのを、猫の様な金の瞳が嬉し気に細まる。駆け抜ける射精感は酷く長く続き、そして異常に気づく。がくがくと振る腰の痙攣が止まらない。

「ねぇ、美味しいよぅ。貴方の精液美味しいよぅ。もっとちょうだい? ねぇもっと。気持ちいいでしょ? 気持ち……」

甘い声すら遠くなる。延々と続く射精の感覚に気が狂いそうで、俺はただかすれた声を上げる。

「ぁ……ぁ……ぁ……ぁ……」

それはまるで全身すらも蕩かす様な快楽。唇がかさつき、ひび割れ、彼女の腕を掴む指すらもが細くなってゆくのを、俺は愉悦の波の中でぼんやりと見ていた。






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