シチュエーション
クールで凛々しく人情にも熱い女騎士。 そんな彼女は元気な弟や良き賢君の主、彼女を支える多くの市民などに囲まれ幸せな日々を送っていた。 そんな忙しくも充実した日々のとある日、主から行方不明者が多数出ている坑道への調査隊へ参加して欲しいと命が下る。 常々より市民から不安の声を聞いて苦々しく思っていた、彼女は渡りに船とばかりに快く引き受け調査へ向かうことになる。 士気も質も高い調査隊の中彼女は実力を買われ、先陣を切る班へ編入されることになる。 そして普段は一般の人々も多く出入りしており、威勢の良い掛け声や怒鳴り声も飛び交う坑道へと、 今は閉鎖されている坑道へと足を踏み入れていく。 常なら明るく平和的な坑道もどんよりと薄暗くそれ自体が魔物の様。 そんな中背後から突如として響く悲鳴。 咄嗟にそこへ首を向けた彼女が見た物とは……?。 そこで彼女が出会ってしまった最悪の悪魔とは――― 翌日、一人を除き調査隊が全滅したとの報告が主の下へ届いた。 主は驚いた、彼女は王国の中でもトップクラスの実力者であり、中には弟子入りを志願する若い者まで居るほどの強さだ。 その白く可憐な手から生まれる剣筋は舞にも似て剣姫とも呼ばれている。 そんな彼女が敗れる相手とは一体―――? 彼女の様態を気にかけながらも思案に耽る主とは別に、医務室で療養していた彼女を見舞っている弟。 そっと手を握り心配そうに見守っている中、ついに彼女が小さく呻き声を上げおずおずと目を開ける。 パッと今までとは一転、笑顔になる弟。そして細い手で緩やかに起き上がり、頭を振り意思がはっきりしてきた彼女。 その紅き瞳にも光が灯り、表情が元の優しく冷静な彼女へ戻っていく。 しかし―――普段道理に受け答えしながらも、その見つめる視線は淫欲に濁り、姉が無事であった事に喜ぶ弟を嘗め回すように。 そんな彼女の微笑みは獲物を目の前にした淫魔の笑みであった……。 SS一覧に戻る メインページに戻る |