幻惑の書
シチュエーション


「くそっ!!図られた!!」

俺はエドウィン。かつて王国軍の魔道軍の騎士隊の隊長だった。
幼い頃から魔法の勉強をし、人々の平和を乱す魔王軍と戦ってきたつもりだった。
そして隊長に登りつめ日夜、命を懸けて戦っていた。

その中でも、魔王軍の魔道部隊を率いるサキュバスはかなりの難敵だった。
私と何度も交戦したのだが、いまだに決着がつかなかった。
とどめを刺そうとしたところとで邪魔が入ったり、
逆に刺されようとしたところを戦友に助けられたり、
本当にいいライバルだった。

だが、そんな栄光はもう過去のものだった。

俺はいま牢獄に居る。なんでも魔王軍と内通していたことの疑いを掛けられたらしい。

俺は名ばかりの裁判にかけられ、魔法を封じられ、
今、俺は牢獄に居る。

あと三日で俺は処刑されるそうだ。
俺はいままで人間のために尽くしてきた。
魔王軍との争いに巻き込まれて行方不明になった幼馴染のような悲劇を
もう増やさないようにするためにも。
だが、平民上がりの騎士を嫌っていた貴族も多いのだろう。
事実、俺の命令に従うのを嫌がっていた兵士も居た。
そして、そんなやつは真っ先に死んでいった。
俺が手を下した訳じゃない。
サキュバスはそんなに甘いやつじゃなかった。
お互いに次々と魔道師を殺され、殺していったのだ。
それくらいに実力は切迫していた。
たぶん俺が処刑されたあとには貴族のボンボンが俺の後任になる。
そして、すぐにあいつに殺されるだろう。

バカな奴だ。そして、バカな国だ。
なにが悲しいのだろうか?なにが苦しいのだろうか?
もうこうしていてもしかたがないではないか。
どうせ俺がなんと言っても容疑が晴れることはないし、
処刑も避けられないのだ。
もう俺は眠ることにした。どうせ考えたって苦しいだけだ。

そして俺は夢の中に入り込んだ。

だが、意識は続いている。
なるほど。どうやら俺はほんのひと時の安らぎさえも得ることは出来ないらしい。
俺は嘲笑した。
夢の中を見渡すと、そこにはもう一人の女が居た。
黒い牛の皮で出来た派手で露出度の高い服。
脚線美を覆う、黒い網タイツ。
しかし、それとは対照的な驚くほどの白い肌。
そして高貴さを感じさせる端正な顔立ち。
かなり洗練された美女だった。
だが俺はその美女になんの感慨も抱かない。
なぜならこいつは敵の魔道将軍サキュバスだからである。
サキュバスは人の夢に入り込む力がある。
しかし、本来なら魔力の高い俺はサキュバスの進入を拒めるのである。
だが、魔法を封じられた今の俺では簡単に入られてしまう。
そして生命の与奪権はサキュバスにあるのである。

「俺の夢になんの用だ!!暗殺か?なら無駄足だったな。」
「あぁ人間。知っているぞ。お前は濡れ衣を着せられて三日後に処刑されるようだな。
まさか私とお前の決着がこんな形でつくとは思わなかったぞ!?」

サキュバスの方はクククッっと笑っていた。

「なにか遺言はないか?聞くだけなら、なんでも聞いてやるぞ?
私が迷惑しない範囲なら実現もしてやろう。
例えば、お前の後任を血祭りに上げ悪夢の祭壇にささげるのがいいか?、
それとも生きながらにして火あぶりにするか?それとも家族だけは見逃して欲しいか?
それとも最後に私の裸が見たいか?困ったなぁ〜。でも頼まれたら見せてやら無くもないぞ?」

胸を隠す素振りをしながら、ニタニタ笑いを浮かべるサキュバスに俺は怒りを感じた。

「俺には家族も恋人もいない!!幼馴染さえもお前ら悪魔が奪い去ったんだ!!」

俺は怒りのあまり、サキュバスに掴みかかろうとした。
が、サキュバスは俺の手を掴むと自分の胸元に持っていった。
勢いで、つい揉んでしまう。
大きくって柔らか…!!
ダメだっ。そうやって俺に欲情させ、魔力を吸い取る。
それがあいつの手だ。こいつの目的は俺の魔力だったのだ。
そんな俺を見ながらサキュバスの方は余裕そうな顔をしながら、

「はっはっは。すまんな人間。気にしていることを言って。
だが恋人すらいないとは、さてはお前は童貞か?」
「うるさいっ!!お前には関係ないことだ!!」
「おぉ、荒っぽいなぁ…。溜まってるんじゃないか?
人生の最後にお前の童貞を捨てさせてやろうと遠い遠い魔界からはるばるやって来たのに。」
「むっ…。」

熱くなってはやつの思う壺である。
ここは冷静にいこう。
冷静に、冷静に。
あらためて女としてのサキュバスを見つめてみる。
食い込みのきついハイレグにいまにも零れそうな胸。
おまけに各所から見えている白い肌。
予想以上の体つきだ。
いかんいかん。

「どうせ俺はお前は魔王軍の内通者だ。なら一発ヤッて私に魔力を捧げてみないか?
お前の敵討ちに有効に使わせてもらうぞ?」

確かに俺は内通者だ。ヤッても罰は当たらないだろう。
サキュバスの身体はそれほどに魅力的だった。

「それとも魔王軍に降伏するか?そうしたら私直属の部下にしてやろう。
待遇は要相談だな。世界の半分はさすがに無理だが、
3食、お酒つき。昼寝もないが私がときどき一緒に寝てやろう。
どうだ?悪い話ではなかろう。死刑囚?
ハッ〜ハッハッハッハッハッハッハ。」

その言葉を聴いて、俺は少し考えてしまう。
もしかしたら、そこは俺を暖かく迎えてくれるかもしれない。
少なくともこの牢獄よりマシだということだけは分かる。
また、あのサキュバスも味方になれば案外いいやつだということを俺は知っている。
あいつの言葉は挑発的だが、俺を騙す意図はない。
いずれ処刑される俺に騙す価値など皆無だし、
魔力などあのバカの部隊からあまりあるほど手に入るだろう。
もしかしたら、今の言葉だってあいつの仏心かもしれない。

いかん!!
俺は何を考えているんだ!!

危うくサキュバスの口車にのせられるところだった。
俺は何を失おうと騎士の誇りだけは失うわけにはいかないのである。
死んだ幼馴染のためにも…。

「ダメだ!!俺は濡れ衣を着せられても騎士だ!!俺は自分の信念を貫く!!」
「やれやれ、男のツンデレはみっともないぞ?もうちょっと素直になったらどうだ?ほれっ!!」
「おのれっ!!うわぁぁ!!」

ウインクしたサキュバスの瞳から魔力が迸る。やつの得意な魔法の「魅了」だ。
魔力の充実した普段なら余裕で対抗できる。だが今は違う。
俺は簡単にやつの魅了にかかってしまったのだった。
そして俺は無意識のうちに抑えていた欲求に抗えなくなってしまった。

モミタイ

ミタイ

ズリオロシタイ

オンナ

ヌガシタイ!!

ミセロ!!

理性が失せた俺の手は、わきわきといやらしい動きをしながら
サキュバスの服の部分に両指をかける。
やわらかい感触とサキュバスの肌触りがとても心地よい。

「だっ!!だめだっ!!相手はあれでも女なんだ!!そんなことしたらっ!!」

俺は理性で必死に押しとどめようとするが、サキュバスの方も瞳に力を込める。
その差は歴然だった…。
そして、俺は圧倒的な乳房で支えられただけの布を一気に捲り上げた。

ぽよんっ

あっけなく曝される乳房。

「ほぅ…。なかなか勢いのある脱がしっぷりじゃないか。」

どうせ不特定多数の男性と交わっているんだろうから黒ずんでいて汚いんだろうという予想に反して
サキュバスの乳首は、鮮やかなピンク色をしていた。乳輪の大きさも完璧である。
ただ残念なことはそれが勃起していなかったことだけである。

「どうだ。奇麗だろ?最後にいいものを見たなぁ!?人間。」

乳房を曝されたというのにサキュバスのほうは全くをもって冷静でいた。

「……。」

片方で、俺は人生で初めて見た女の生乳の美しさに言葉が出ないでいた…。
まじまじと欲望の赴くままに、サキュバスのおっぱいを見つめる俺。
相手の方は、ニヤニヤしながら俺を観察していた。
なんだか全てがどううでもよくなってきた。

もうこのままでいいかもしれない…。
そう思った俺はサキュバスの魅了に落ちていった…。

「どうした?人間。やめろと言っていたから魅了は解いてやったが、
どうして私の胸をまじまじと見つめているのだ?」
「!!」

どうやら、Hの駆け引きは相手の方が何枚も上手だった。
ついさっきの行動は相手の魔法のせいだったが、
これはどうやら自分の意志らしい。
俺はこの時ほど自分の欲望がどうしようもないものだと思ったことはない。
だが、見つめるなというのも無理な話であろう。

「見たいか?」

満面の笑みで聞いてくるサキュバス。

「見ない。絶対に。」

俺は目を背けた。せめて抵抗できるうちは騎士らしくありたいと思う。
だが、気にならないというわけではない。
ときどきチラっとあっちの方を向いてしまう。
鮮やかなピンク色を見るたびに、俺の精神は高揚していった。

「そうか。興味が無いのか…。非常に残念だ。
だが、興味が無いならしかたないな。」

そう言うなり、サキュバスは自分の胸を手で隠した。
さっきの丸出しよりいやらしさが数段と上がっている。
しかも大きすぎる胸が手からはみだしてるのがけしからん。

「なんだ、興味が無いのだろう?
どうしてそんなに恨めしそうな顔をする?
見せて欲しいなら頼めばいいだろう?
お願いします。お姉さま、本当は美女の裸が大好きです。
手で隠さないで見せてくださいと。」
「ぐぬぬ…。」

俺は完全にサキュバスに背を向ける。
これ以上、奴のペースで物事を進ませないためにも…。
だが、後ろから声がする。

「お〜い、人間?にんげ〜ん?下も脱いだけど、こっちを向いてくれないか?」

あからさまな発言をするサキュバス。
これは絶対に罠だ。
だが、後ろが気にならないという訳ではない…。
しかも、こうやって敵に背を向けているというのも不安だ。
後ろからあいつに何をされるかわかったものじゃない。

そう思った俺は後ろを振り向いた。
後ろには胸を隠しているサキュバスがいる。

「人間。脱いでなくて残念だったな。」
「期待してない…。」

まぁ、そんなことだろうとは思っていた。

「だが、脱げといわれたら脱ぐぞ?
さすがに童貞のまま、死んでしまうのは哀れだからな。」
「ふん…。」

俺は再び後ろを向いた。もう振り向くものか。
そう思った矢先である…。

ふにゅ…。

何か柔らかいものが俺に押し付けられる…。

「!!」
「はっはっは。人間。さっきは悪かったな。
だが、ここまでからかいがいのある人間はそうはいない。
どうだ?柔らかいだろ。なんたって自慢の一品だからな。」
「ほっといてくれ…。」

俺は手を振りほどいて、そう言い放った。
すると、サキュバスは俺の両手を掴んで自分の乳房に押し当てた!!

「なっ!!なにをする!!」

不意の出来事と生乳の感触にびっくりする俺。

「これで元気が出たか?人間。」

俺は胸から手を離した。揉んだ感触がまだ残る。

「出るわけないだろ…。」

どうせ三日後に俺は処刑されるんだから。

「そうか…。まぁいい。投降の件、考えておけよ?
アレは少し本気だから。」
「俺は最後まで騎士だ!!味方を裏切るような真似はしない!!」
「そう…、だろうな。今はそれでいい。あと二日残ってるからな。さてと…。」

ギュッギュッ

俺にずり下ろされた着衣に、大きな胸を無理やり押し込むサキュバス。
胸が大きいのも苦労するんだな。

…。
いかん。つい、見とれてしまった。

「人間。今日はここまでにしておこう。さらばだっ。」

俺の視線を釘付けにしたのが嬉しかったのか、
サキュバスは笑顔で去っていった。

「二度と来るな!!」

俺は立ち去るサキュバスに対して叫んだ。たぶん無駄だろう。

そして、一人になってまた考え始めた。
果たして、俺はどうなるのだろうか。
人は死んだ後にどうなるのだろうか?
そして、名誉を守って死ぬことに意味はあるのだろうか…?

こうして俺の夜は明けていった…。

明日に俺は処刑される。だから、今日が俺の最後の一日である。
死にたくないとは、もはや思わなかった。
誰が俺を嵌めたかなんてのも実は興味がなかった。
俺の興味は情けないことにサキュバスが今日、来るか、来ないかに向けられていた。

昨日見た、あのバストが忘れられない訳ではない。
あいつは俺の唯一の理解者だったからだ。
昨日、二度と来るななんて言わなければよかった。

そう後悔していたところである。

ん?誰か来た様だ。
そう思ったら、来たのは俺の後任のフォーリル卿と、軍事大臣の娘のグリン姫である。
グリン姫といえば、軍では憧れのアイドルのような女性である。
それに引き換えフォーリル卿は、たいした能力もないくせに、
プライドだけは高い最悪な奴だ。どうせ俺を見下しにきたのであろう。

「下品な庶民の分際で騎士を気取り、魔族に寝返った恥知らずめ」
「本当、最悪ですわ」
「明日、お前は処刑される。命乞いはしないのかね」
「……」

何も言い返す気にはなれなかった。
言い返しても、見苦しいだけだったからだ。

「そうか。汚らしいやつめ。安心しろ。
お前の肩入れした魔族は私の軍が八つ裂きにしてやる。
魔族に味方した己の愚かな判断を悔やむがいい」
「まぁ、頼もしいわ」
「は〜はっはっはっはっ」

もはや、なにもかもに希望が見出せない。
そうやって、牢獄の中で最後の一日が過ぎた頃であった…。

「人間。来るなといわれたがまた来てやったぞ」

俺の夢の中に再び、サキュバスがやってきたのである。

「また来たのか。懲りないやつめ」
「まぁ、最後の日だからな。今日は特別サービスだ。
お前の命令を出来る限り、聞いてやろう。
中出しでもパイズリでもフェラチオでも好きなことをしてやるぞ?」
「……」
「わが心そこに在らずという奴か、人間。お前を嵌めた奴を知りたくないか?」

サキュバスはニンマリ笑いを浮かべている。

「どうせ、フォーリルの奴が賄賂でも送ったのだろう。興味がない」

と、俺は言い放つ。
すると、サキュバスはこれでもかってほどに声を上げて大笑いを始めたのだ。

「人間。本当にそう思っているのか?」
「あぁ。思っているが何か?」
「お人よしにも程があるんじゃないか?くっくっく。いや、失礼」
「何が言いたい!!」
「お前の冤罪を直接でっち上げたのはフォーリルじゃない。」
「誰だというんだ!!」
「あのグリンという女だ。なにしろ、父親に密告したらしいからな。」
「なんだとっ!!口を慎め!!」

俺は怒りのあまり、サキュバスの首輪を吊るし上げる。
だが、相手は平気な顔をしていた。
あの高名なグリン姫がそんなことをするはずが…。

「人間。認めたくないだろうが事実だ。証拠も見せてやろう…」

そう言って、サキュバスは呪文を唱える。
すると、スクリーンが俺の前に映し出された。
そのスクリーンにはフォーリルとグリンの様子が映し出されていた。

「あら、今夜も私を選んでくださるの?嬉しいわ」
「あぁ。俺はお前を愛してるからな。それで、あの平民騎士はどうなった?」
「お父様に密告したわ。魔族と裏で通じてるって」
「それでいい。愛してるぞ、グリン」
「あぁ〜ん」

あまりにも非情な受け入れがたい事実。

「嘘だっ!!」
「事実だ。受け入れろ、人間。この呪文は捏造に多大な労力を使う。
それに、今の魔力のないお前だって真贋を見極めることは出来るだろ?」
「……」

確かにサキュバスの言うとおりだった。
俺の人生はくだらないあんなやつらの為に終わるのだろうか…。

「人間、今からでも遅くない。
今から私がお前に魔力を貸してやる。それで脱出しろ」
「駄目だっ。そうしたら本当に魔族と密通していたことになる」
「密通すればいいじゃないか。なんだかんだで、お前は我が部隊では人気者なんだぞ?」
「駄目だ…」
「強情な奴だな、お前という奴は」
「まぁな」
「人間。どうしてお前はそこまで強情でいられるのだ?
死ぬ前に聞いておきたいのだが。」
「……、サキュバス。お前は最後でいい理解者でいてくれた。
俺が魔族だったら間違いなくお前に惚れていた。」
「そうして何人の男が精気を奪われていったことか」
「茶化すな。それで最後に聞いて欲しいことがある」
「なんだ?」
「この話を聞いたら黙って、俺を抱いてくれ。分かったな」
「あぁ。分かった」

俺は過去の話をした。よほど親しい人でなければしない過去の話を…。

「俺には幼馴染がいた。そいつは魔族に殺され、村は魔族に全滅させられた。
だから俺はこんな悲劇を繰り返さないために騎士になった。
もうあいつのような犠牲はださない…と」

言ったとおり、サキュバスは大きい胸で俺のことを抱きとめてくれた。
それは優しくって、柔らかかった…。

「人間。よく頑張ったな。お前は人間にしてはすごい奴だ。
よし、死ぬ前に名前を聞いてやろう。
そして、私が強敵だったお前のことを語り継いでやる。どうだ?」
「エドウィン、俺はエドウィンだ」
「エドウィン?」

サキュバスが聞き返す。

「そうだ。俺はエドウィンだが?」

俺が言い返すと、サキュバスの態度が明らかに変わる。
今までは柔らかそうだったのに、急に荒立ちはじめた。

「そうか。その名前を聞いては殺すわけにはいかなくなったな。
そして…、あいつらも生かしとくわけにはいかなくなった。
すまないが、少し眠ってもらうぞ?」
「やめっ!!」

逃れようとする俺に無理やりキスをするサキュバス。
必死に抵抗する俺に舌を絡ませていく。
なんだか、力がどんどん抜けていくような気がする…。
こうして、俺の意識はなくなっていった。

「悪いな、人間。だが強情なお前が悪いのだぞ?」

これが俺が聞いた最後の声だった。

そして、数時間後。

「ん!?ここはどこだ!!」

俺が目を覚ましたのは処刑場だった。
だが、周りにいる連中は明らかに魔族だ。人間じゃない。
しかもどれも有名な将軍ばかりだった。
俺が寝ている間に、何か一騒動あったようだ。
その中にサキュバスがいた。いつになく真面目な顔をしていた。
そしてサキュバスは少女の姿をした魔族にに報告をしていた。
だがその少女の魔族は、このなかで一番強い魔力を持っていた。
俺なんかでは比べ物にならない魔力を…。

「ついにやりました。魔王様。
我が軍に甚大な被害を与えた人間をついに生け捕りにしました。」
「なるほど。褒美が欲しいの?」
「はい。」
「他にも言いたい事がありそうですが?」
「ふふっ。そうですね、捕らえた人間の件ですが、
私の自由にさせて貰えないでしょうか?」
「なんで?」
「こやつは人間の割に高い魔力を持っています。
調教を施して精神を歪ませれば、きっと我々の心強い味方となるでしょう。」
「そう?あなたには調教が楽しみのように見えるけど?」
「あっはっは。バレてしまってはしょうがないな。さすがは魔王様といったところか。」

なに、こいつが魔王だと…。
俺達人間は、こんな少女の率いる軍隊に存亡を賭けていただと言うのか!?
だが、俺の口は動かなかった。きっちりと処刑台にくくりつけてあったのだ。

「いいでしょう。しっかりと調教を施すのですよ?あとやりすぎて殺さないように。」
「前者は約束しきれるが、後者は難しいな。善処しよう。」
「ふふふっ。あなたは相変わらずね。」
「魔王様っ。あの人間を処刑しないでよろしいのでしょうか?」

真面目な騎士といった感じの女魔族が魔王に進言している。

「大丈夫でしょ。」

魔王はそれ吹く風かと言っている感じである。

「それでは、魔王様。この人間をもって帰ってもよろしいでしょうか?」
「えぇ。成果を楽しみにしていますわ。」
「あぁ、死なせない程度に努力はするさ。」
「それでは、解散!!」

魔王の号令で各将軍はみなこの場を去っていった。
そして、俺のいる処刑台はゴーレムによって運ばれていった。
なんで自分はこんなことになっているのだろうか?
そして、俺はこれからどうなるのだろうか…?

ゴーレムは俺を運搬し終えたらしい。

「褒美だ。今日は機嫌がいい」

サキュバスは、ゴーレムに俺を部屋に運ばせるとそいつに人形を投げて渡した。
ゴーレムは嬉しそうに去っていった。
そして、俺の口に巻かれているロープを外した。

「どうして俺をわざわざ捕らえた!!」
「さぁな。女の行動は常にミステリアスなものだ。
行動が欲望に直接的な女に魅力はない」
「そんな話はしていない!!」
「おっと。起きたばかりだったなぁ、人間。朝勃ちを静めてやろか?」
「くっ!!」

どうやら、人間の意志はときどき体に勝てないことがあるらしい。
俺の意思とは反対に、俺のアレは元気そうである。

「遠慮するな。私とお前の仲だろう。口と胸どっちがいいか?」
「ふざけるなっ、俺はお前と恋仲になった憶えはない!!やめっ!!」
「ふふっ、ならどちらも試してみるか」

サキュバスは俺のズボンのチャックをずり下ろすと、
俺のアレを取り出した。
当然、女に見せるのは始めてである。
サキュバスの言うとおり、ギンギンに立っていてかなり恥ずかしい。

「見るなっ!!」
「いいじゃないか。一昨日は私のおっぱいを丸出しにして喜んでいたじゃないか」

男慣れしているのか、サキュバスは俺のアレをペロペロ舐め始めた。
歴戦の舌使いは、着実に俺に快感を与えてくれる。
柔らかい唇での甘噛みをするのもこの世のものとは思えなかった
当然、そんな経験のない俺は与えられる快楽になすがままになっている。

「やっ、やめろっ!!」

そんな俺の言葉とは裏腹に元気になっていく俺のアレ。
静めるつもりが逆効果になっている。

「そうか。口より胸がいいか。確かにお前はおっぱいフェチだったなぁ」
「誰がおっぱいフェチだっ!!」
「認めろ。そして素直になれ。ほらっ、証拠だ」

ぽよんっ

サキュバスは惜しげもなく自分の服をずり下ろす。
露になる大きい乳房。形も整ってとても綺麗だ。
少なからず、触ってみたいと思ってしまう。

「分かっている。皆まで言うな。私はお前の良き理解者だからな。
これであそこをすりすりして欲しいのだろう?
安心しろ。私にだって慈悲くらいある」
「違う!!」

そういいながら必死にジタバタと抵抗する俺に、
サキュバスは俺のアソコに胸をすりよせる。
だが、悪い気分はしない。あいつの胸は優しくて、柔らかかった…。
そして、簡単に気が抜けた俺は簡単に射精してしまった。
でかいおっぱいはもろに精液を被ってしまう。

「エドウィンといったな。満足か?」
「……」
「そうか、そういえばそうだったな。手が使えないのは不便だなぁ。
だが、安心しろ。私はお前の望むことくらい全て熟知している。」
「だから違う!!」

そう言うなり、サキュバスは俺の手の辺りに自分の胸をもってきた。

「満足するまで揉むといい。落ち着くぞ?」
「……」
「冗談だ。人間、何か聞きたいことがあるんじゃないか?」
「冗談で胸を男に見せびらかせれるお前が信じられない」
「慣れだ。エドウィン、お前の質問に答えるが?」

そうニンマリ笑うとサキュバスは手ブラで胸を隠した。
俺は完全に奴の遊び道具にされている。男として悔しい…。
だが、気を取り直して聞いてみることにする。

「なぜ俺を捕獲した。あのまま放っておいても死んだはずなのに」
「そうだな…。」
「言えないのか?」

俺の質問を聞くとサキュバスは考え出したようだ。
そして、自分のしている石の指輪をみせる。
花の彫刻なのだが、俺はそれに見覚えがあった。
それは俺が最後の日にリィナに作ってあげた花の指輪と同じものだった…。

「まさか!!そんなバカなっ。リィナは死んだはずだっ!!そんな訳がないっ!!」
「エドウィン。一人の女の子の話をしよう」
「……」
「昔、ある一人の女の子がいた。そいつは奇跡的に生き延びることができた。
だが女の子は一人で生きていくことはできない。
それを見かねた、あるインキュバスがその子を引き取った。
そのインキュバスは妻のサキュバスと共にその子を育てたそうだ。
そして魔界の瘴気に長い間、触れていた女の子は…」
「サキュバスになったんだな。リィナ」
「ご名答だ、エドウィン。会いたかった。」
「俺もだ。」

リィナは俺に抱きついてくる。俺も抱き返したいが、体は動かなかった。

「しっかし、死んだ幼馴染のために騎士になったのに、
その幼馴染と殺し合いとは運命は皮肉なものだな」
「もう言うな。俺はお前にこんな形でも生きて、
また会えた事に感謝をしているんだから。それと…」
「?」
「おっぱい、見えてるぞ」

語るのに夢中になっていたリィナは、
自分の胸を隠し忘れていることに気がついていなかった。

「おっと」

だが、動じないで隠すリィナ。
その辺はサキュバスになってしまったのだろう。

「エドウィン。前に聞いた問いだが、気は変わったかね?」
「……」
「お前はあっちから裏切られた。そして、大切な幼馴染は魔族陣営だ。
もうお前には人間に尽くす義務はないし、裏切っても幼馴染に恥じることはない。
そもそも、幼馴染が恥知らずのアパズレ女になってしまったからな。はっはっはっ」
「あぁ。俺をお前の騎士にしてほしい。昔は守れなかったが、今は違う。
今度こそ、お前を守り抜いてみせる。」
「いいだろう。あと、私はお前に一つ謝らなくてはならないことがある。」
「なんだ?あのとき思いっきり殺そうとしていたことか?」
「違う。もっと大切なことだ。」
「大切なこと?」
「あぁ。実は、私はお前がエドウィンだと知る前から好きだった。
多分、エドウィンじゃなくても告白して好きだと言って、拉致していただろうな…。
それに関して謝りたかった。別の男に気持ちが心から傾いた私を許してくれるか?」
「何、言ってるんだよ。俺は俺だろ?」
「だが、お前は私に心を傾けなかった。
お前は最後までリィナを愛してくれていた。違うか?」
「いや、そんなことはない。あのまま続いていたら俺も嘆願してただろうさ。
サキュバス。最後に一回、お前とやらせてくれ…と」
「エドウィン、お前は昔から変わらないな。
優しくてお人よしで、そしてどこか抜けている」
「ひどいなぁ……」
「だから私はあの二人を許さない。そんなお前を靴で踏みにじったのだから」

リィナは殺気立った。昨日のあの時と同じ表情だった。
そこまで俺を愛しているということなのだろうか?
だとしたら、リィナも心の奥底では変わってないのかもしれないな…。

「それで、エドウィン。私と寝てみないか?」
「えっ!?」
「私はサキュバスだ。もう何人もの男が私の体の上を通り過ぎた。
今更、お前にだけ抱かせないというのは不公平というものだろ?」
「でも…」
「安心しろ。経験豊富な私がしっかりと教えてやる。」
「えっ!!」
「縄は解けている筈だ。ささっ、ベッドに行こうか?」
「おっ、おい、リィナ!!」

いつの間にか縄はほどけていたらしい。
だが、まだ魔力は戻らない。だから俺は強引にベッドに連れて行かれる。
リィナはこころなしか嬉しそうだった。
そして、リィナは着ているレオタードを脱ぎ捨てた。
レオタードの下から現れるガーターベルトと、派手な黒の紐で留められたショーツ。
こころなしか布面積も小さく、隙間からいろいろ見える。
完全にサキュバスになっていた幼馴染の艶姿に俺はハッと息を呑んだ。

「エドウィン、まだ始まったばかりだぞ?」
「うるさい……」
「さて、下着を脱ぐのを手伝ってくれないか?」

ゴクッ

「俺がリィナの下着を脱がす!?」
「あぁ。好きな脱がし方で構わない。ずり下ろすのがいいか、
それとも紐を解くのがいいか、選ぶがいい。」

もういままでサキュバスの幻惑攻撃に惑わされっぱなしの俺に理性は残っていなかった。
あるのは、早くリィナと一つになりたいという気持ちだけだった。

するするっ すとんっ

俺はリィナの腰にある左右の紐を一気に解いた。
するりと脱げ落ちるリィナのショーツ。
俺はショーツが床に落ちるまでの一部始終を見ていた。
リィナのショーツはふわふわと落ちながら、床に柔らかい音をたてて着地した。
それを見たリィナは、

「ほう。下着フェチでもあるのか。好きならたくさん余ってるから一枚くれてやろうか?」
「いらない!!」
「そうか。で、お前も脱いだらどうだ?」
「うっ、うるさ、やめっ!!」

俺の服の下に手を入れてくるリィナ。
リィナの手馴れた手つきで俺もリィナと同じ格好にされる。
なんだか恥ずかしい。
リィナは意地悪な目つきをしながら俺の方を見ている。
一糸纏わぬ自分の裸体を隠す気は全くないようだった。

そう思っていると俺はリィナに押し倒され、ベッドに倒れこまさせる。

「ささっ、こんなに立派なおっぱいがお前の前にあるんだ。
両手で揉んでやることが敬意を払うことだと思わないか?」
「いままでの仕返しだ。思いっきり揉んでやる!!」

そう言うと俺はリィナの背後を取って二つのおっぱいに手を掛ける。

もみゅ もみゅ

大きくってとてもさわり心地がいい。いつまでも揉んでいたい気分だ。
そう思うと、俺はリィナのおっぱいを上下に動かす。
そして、下乳をギュッ、ギュッと締め付けてみる。

「本当に好きだなぁ。幼馴染が巨乳に育ってよかったな?」
「……」
「本当に素直になれない奴だなぁ。愛してるの一言も出ないのか」
「ごめん」
「気にするな。ベッドのそんな言葉はむなしいだけだ。
さぁ、前戯も終わったし本番といこうか?」
「あぁ、頼む。」

リィナは俺の方を向くと俺はリィナの秘所に自分の性器をペッティングした。
始めのうちは固まったアレでリィナの秘所をツンツンと突くだけだったのだが。

「もう頃合だ。入れていいぞ」
「なぁ、精気とか取られたりしないような?」
「安心しろ。お前を殺しはしない。それくらいは加減できる」
「信じるぞ」
「あぁ」

俺はリィナの上に乗る。
そしてリィナの秘所を一気に突き刺した。
男性経験の豊富さからリィナの秘所はガバガバなのかと思っていたが、
予想に反してリィナの秘所はガバガバではなく、かなりきつく締まっていた。

「おまえ、もしかして経験少ない?」
「違うな。私の種族のは特別製なんだ。ヤッても次の日には元の細さに戻る。
それが性を搾り取る相手に対する礼儀というものだろう?」
「そうだったのか…。処女は?」
「それは諦めてくれ。申し訳ないな」
「あぁ。お前と生きてこうしていられるだけでも幸せだからな」
「言ってくれるな」

腰を上手にリズミカルに振るリィナ。
俺にも快楽が上手に伝わってくる。

「何をやっている。上下に動かないのか?」
「すまない」
「気にするな。誰もが始めは童貞なんだから」
「むっ」

言われたからにはやってやろうじゃないか。
こうして俺はリィナの膣で激しい上下運動を繰り返した。

「おっ、おいっ!!エドウィン、暴れるな!!」

少し動揺するリィナ。
なかなか締め付けが気持ちいいじゃないか。
当然、両手はリィナのおっきなおっぱいだ。

「へへっ。いままでのお返しだ!!」
「やめろっ、調子に乗るな!!やめっ」
「すげぇな。おいっ。おっ、おっ!!」

リィナの膣は想像以上のものだった。
ヒダヒダが俺のアレを締め付けるのだが、それがかなり気持ちいい。
しかも奥へ奥へグイグイ食い込んでいく。

「あっ、あっ、あっ、あっ!!」

しかしそこから引き抜こうとするところで俺の限界が来てしまった。
俺はリィナの中で思いっきり出してしまったのである。
なんだか申し訳の無い気分になってくる。

「ごめん」
「だから調子に乗るなといったんだ」
「大丈夫か?」
「平気だ。サキュバスはこんなことでは子供を孕んだりはしない。
さっき出したものは私の栄養分になるだけだ。
しかし、よくも一人で楽しんでくれたな?」

ジト目でこっちを睨んでくるリィナ。

「ごめんってば」
「しょうがないな、許してやろう。
次は二人で楽しもうな?」
「あぁ。約束する」

そう言うとリィナは俺に抱きついてきた。
温かいリィナの体温。

「エドウィン。幼い頃からずっと好きだった。愛してる」
「リィナ。俺もだ」

リィナは俺にキスをしてくる。

だが舌が入っていなかった。

「なんで舌を入れないんだ?」
「舌を入れると純粋さが薄くなる。他の男とするときはたいてい舌を入れてるからな」
「なるほど」
「後、どうしても言いたいことがある。
まぁ、これでは言い訳にしかならないだろうがな」
「なんだ?」
「私とHをして生きていた男はこの世に二人しかいない。
後は全部、精気を吸い尽くされて死んでいる」
「!!、まさかお前、そこまで……」

サキュバスになってもリィナはリィナだった。
心までは相手の男に捧げてなかったのである。
だが残りの一人が気になるのだが……

「一人はおまえ、後の一人は……」

ゴクリ

「父上だ。私達サキュバス、インキュバスは幼い頃に、男なら母親、女なら父親から精気を貰う。
だから私の初体験、いやサキュバスの初体験は父親になる。」
「そ…そうか……」

リィナの初体験は父親か……。
つかリィナってもしかしてかなり貞淑?
と思っていると

「これだけはどうしても言っておきたかった。
しょうもない話をしたな」
「リィナ……」
「ん?」
「愛してる」
「そうか…おっ!!」

いきなりリィナが声を上げる。
それもそのはず俺が裸のリィナに奇襲をかけたのだから。
まずは手始めにおっぱいと秘所を手でまさぐってみることにする。
相手も結構、気持ちよさそうだった。

「はっはっは。懲りない人間め。サキュバスにHで敵う訳がなかろうに」
「やってみないと分からないだろ?」
「そうだな」

こうして俺達は一晩中愛し合った。
これからどんな事があろうとも俺はリィナを守るつもりだ。
今度こそ、絶対に!!

「ふっ、ふぉっ!!」
「はっはっは、甘いなエドウィン!!安心しろ、何度でもイカせてやるぞ?」
「くっ、くそ〜!!」






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