復讐少女第5話
シチュエーション


「あなた〜晩御飯の準備ができたわよ〜」

明るい女性の声が聞こえる。俺の妻の声だ。

「おっ!!この匂いは…!」
「ふふっ。今日はあなたの大好きなとんかつにしたのよ」

妻はそういって微笑んで、少し茶色味を帯びた髪に触れる。
俺の妻は……本当は2ヶ月前に交通事故で、亡くなっている。でも、俺はそのことが信じられなかった。
もしかしたら、玄関から『ただいま!!』って元気よく帰ってくるのではないかと考えたりして、妻が
この世からいない事実を必死にごまかしていた。
しかし、3日前にその叶うことの無いはずの夢が……現実になった。
初めは疑ったが、姿、声、しぐさ…まちがいなく俺の妻のものだ。
しかも帰ってきてからは、本当に俺の為に尽くしてくれている。俺が何をして欲しいのか、何をしたいのか…
すべて自分の思った通りに動いてくれる…まるで、心を読まれているようだ。
夕食を食べた後、2人であとかたずけをしていると、妻が口を開いた。

「あの……あとかたずけ終わったら…そ、その……えっち……しよ」

顔を赤らめ、目線を反らしながら恥ずかしそうに俺に話しかける。そのしぐさがかわいくて堪らない。
今にも襲い掛かろうかという衝動に駆られたが、俺は寸前でその気持ちを抑えた。

「わかった。じゃあかたづけ終わったら、ベットにいこうか」

俺がそういって優しく微笑むと、妻は嬉しそうにゆっくりと頷いた。

あとかたづけが終わり、寝室に行くと妻がいきなり俺の唇を奪い、自分の舌を俺の口のなかに入れ、激しく絡め合わせる。

「んっ……んっ…ハァ…ハァ…。ごめん…。私が戻ってきてから、あなた…忙しくてなかなか時間がなかったでしょ?
だから…大好きなあなたと…できると思ったら…がまん…できなくて」

その甘い言葉と激しい接吻に俺の気持ちは一気に昂り、妻をベッドに押し倒した。
そして今度は妻の口のなかに俺の舌を入れ、絡め合わせながら、妻のズボンに手を掛ける。

「ハァ……ハァ…。俺もがまんできねぇよ。俺もおまえの事が好きだから……よ!!」

俺は話終わると同時に妻のズボンを下着ごと脱がし、下半身を裸の状態にした。
妻の脚は、相変わらず綺麗な曲線を描いている……俺が妻を好きになった要因のひとつだ。
俺がその美脚をしばらく眺めていると、妻は微笑みながら自分の脚を垂直に突き上げた。

「あなたって本当に私の脚が好きだよね……ふふっ。いつもの……しよっか」

俺は満面の笑みで頷き、自分のズボンと下着を脱ぎ捨てた。俺のモノは既に固く、熱くなっていた…
こんなに甘く激しく求められて、勃たないわけがない。

「よし…いれるぞ…」

そういうと、俺は妻の足を軽く肩に掛け、自分の亀頭と妻の陰部をあてがい、ゆっくりと挿入した…

「ウッ……!!」

自分のモノを根元まで入れた瞬間、得もいわぬ快感が体中を駆け巡り俺は妻の中で果ててしまった。

「アッ……、ハァ…ハァ…。久しぶりなのかな……いれた瞬間に……いっちゃったよ…ごめん…」
「ううん、いいの。私の方こそごめん…すごく淋しい思いをさせちゃって……。
でも、もう絶対にあなたから離れないからね…ぜったいに」

妻がそういって優しい笑みを浮かべた。
その言葉に俺の気持ちの昂りが頂点に達し、腰を振り、自分のモノで妻の中を突いた。
何故か射精が止まらない…。しかし、そんなことはどうでもよかった。
妻と一緒に居られて、一緒に繋がっていられるのなら…

「ハァ……ハァ…。俺だって、離れ…ないよ…
ゼッタイニ……ハナ……レナイ……ウッ!!…ハァ…ハァ…」
「うん、わたしも絶対に離れないよ。あなたの愛をすべて貰うまでは……クスッ…」

11月も半ばに入り、寒さも一段と厳しくなってきている。
バドミントンの新人戦は、ゆかりたちのダブルスチームが地方大会で優勝したものの
実力差のある都大会ではベスト8止まりとなってしまい、全国大会へ駒を進めることはできなかった。
放課後の練習はこの頃から、日が短くなるせいか、練習時間が2時間程しかなく、ゆかりの帰宅も早くなっていった。

「今日の午後、東京都目黒区内にあるマンションの一室で男が倒れているとの通報があり、救急隊員が駆けつけたところ
既に死亡していることが確認されました。警察は、先週にも似たような事件が起きていることから、関連性を調べており…」

またこのニュースだ。11月に入ってからこれで4件目となる。

「また男性の怪死事件?なんか物騒な世の中になったわよねぇ……ねぇゆかり?」

ゆかりの母の聡子だ。ゆかりは聡子と一緒にソファーに座り、テレビに映っているそのニュースを見ている。

「うん。そうだねぇ〜」

ゆかりは聡子に目線を合わすことなく答える。

「……あんたって子は相変わらずねぇ〜。さ〜てと、そろそろ晩御飯の準備をしないと」

ゆかりのその返答に聡子は、ため息をつき夕食の準備をしにキッチンに向かった。

「ねぇサタン?この事件ってもしかしたら…」
「そうだな。サキュバスが犯人の可能性が高い。証拠が全く残らないのも」
「でも殺すのは納得いかないかな……」

ゆかりは繭を吊り上げ険しい表情になる。

「そういえば、ゆかりはあれ以来人を殺していないな。。」
「だってサタンが言ってたでしょ?性には性をって。たしかに女の子に酷いことをする男は許せないよ。。。
でも、命まで取ることはないんじゃないのかなぁ…私を殺した男はまだしも、他の男達は殺そうとは考えてないんだからさ」
「まぁ次々と男を殺すとこの世界で生きづらくなるからな。。それにゆかりはあの能力が上手く使えない」
「あの能力?」

ゆかりがサタンの言葉に反応する。

「『幻惑』の能力だよ。ゆかりの性格からして、上手く使えないのは納得できるのだが」
「どういうこと?それ?」

ゆかりは表情を曇らせ、少し怒った口調で言う。

「…では、男から精を搾り出すために、その男の理想の姿になってその役を演じ、男の欲望を満たすことができるのか?」
「やだ。めんどくさい」

ゆかりが即答する。

「そんなことするよりも、『催眠』で目を赤く光らせて相手を眠らせるか、精力剤飲ませた方が早いから」
「だろう?『幻惑』を使いこなすには、相手の欲望に答えるマゾの精神が必要なのだ」
「マゾの精神ねぇ……」

『幻惑』は人間の五感を狂わせる能力だ。ゆかりはサタンにその能力の存在を教えてもらったが、
姿を変えるどころか、空を飛んでいる時に人から身を隠す程度しかできない。

「う〜ん……使いこなすことができたらもっと面白い調教ができるんだけどなぁ……」
「……調教に使うことを考えてる時点でゆかりには無理だ」
サタンはゆかりに諭すように言った。

「あの女の、あの女のせいで……」

一人の男が校舎の廊下を歩きながらぼやいている。拓海だ。
拓海はゆかりと定期的に性交をし始めてから、徐々に他の女性に対する性欲が削がれていき、最近ではサッカーや勉強に対するやる気、
情熱までもが無くなりなじめている。ゆかりがもたらす強い刺激に慣れてしまったせいで、麻薬などの中毒に似た症状を引き起こしているからだ。
受験を目の前に控えている拓海にとって、この症状はかなりの痛手だ。勉強の成績もサッカーと同じく優秀だったが、秋頃になって急激に落ち始め
今では学校の平均値を下回っている。親や先生に注意されるものの、ゆかりの感触が常に頭をよぎり、勉強に全く手がつかないからだ。

「ぁ……おはようございます。伊藤先輩!!」

拓海がその声に反応し目線をその方角に向けると、ゆかりが満面の笑みでこちらを見ている。

「今日は金曜日ですね……。ふふっ……今夜も一緒に楽しもうね……タ・ク・ミ君」

ゆかりは拓海のそばに近づき、耳元で囁く。拓海はその言葉に顔を歪ませ、左手でゆかりの肩を押し軽く突き放す。

「クソッ!!」

拓海はそう言い捨てると、ゆかりの方を振り返らずにそのまま教室に向かった。

学校の授業が終わり、拓海は家の近くの商店街をぶらついていた。脳裏に焼きついているゆかりの感触を振り払うかのように視点を様々な方角へ動かす。
今夜も校舎へ行きゆかりとセックスをすることになっている。行ってはいけない……ゆかりのせいで自分がおかしくなっていることは十分に理解している。
しかし、ゆかりの体を求める本能がそれを軽く上回り、気がつくと毎週時間通りに校舎に向かってしまっている。

「あの女とこれ以上は……でも、あの女と触れていたい、エッチしたい……」

校舎の廊下を歩いていた時と同じように俯き、ぼやく。

「ぁ〜〜っ、久しぶり〜!!」

髪を派手な茶髪に染めた少女が大きな声で拓海に声をかける。
拓海は顔を上げると一気に表情を曇らせ、少女を無視し、そのまま通り過ぎようとした。

「ち…ちょっとまってよ!!」

少女は通り過ぎようする拓海の腕を掴む。

「離せよ!!今更俺になんの用だよ!!」

拓海が怒るもの無理は無い…この少女、遠藤 真理奈は拓海が初めて付き合った女性であり、拓海が女性に対して歪んだ感情を持たせてしまった原因でもあるからだ。
拓海は真理奈の手を振り解こうとした。しかし、真理奈は両手で懸命に拓海の腕にしがみつく。

「いたっ!!」

拓海が強引に真理奈を突き放すと、真理奈の体が地面に叩きつけられる。その2人の激しいやりとりに周りにいる人達の目線が一気に拓海達に集中する。
拓海は、地面に叩きつけた真理奈の姿と、たくさんの人の視線に罪悪感を感じたのか、顔を曇らせながらも倒れている真理奈に手を差し伸べる。

「チッ…待っててやるから、早く立てよ」

真理奈は嬉しそうにその手をとり立ち上がると、制服のスカートを整える。

「もぉ〜乱暴なのは変わってないのね…そうだ!!せっかくあったんだし〜近くのサ店でいろいろ話そうよ!!」

真理奈のその軽い言動も中学生の頃と変わっていない…拓海はそう思った。真理奈の一言で自分はどれだけ傷ついたかも知らずに……
拓海は真理奈の誘いの言葉に全く反応せず、ただ真理奈を睨みつける。

「ちょっと聞いてるの?ねぇ……たくみ?」

真理奈はその拓海の表情に同調するかのように顔をこわばらせる。

「たくみ…そんな睨んでばっかじゃ、何が言いたいのかわからないよ…」

拓海はそんな真理奈の表情が見たくないのか、睨むのをやめ目を逸らす。

「話してよ…いろいろさ。そうすれば…」
「うるせぇよ!!!」

拓海は真理奈の話をさえきるように声を荒げ、その場から走り去っていった。

午後8時を回った。ゆかりはいつも通りに、家をこっそり出て時計台の下に到着した。

「あれ……たくみ君は?」

ゆかりは時計台の下を再度確認したがやはり拓海以外の4人しかいない。
ゆかりは拓海の携帯電話に電話をしてみたが、繋がらない。

「おかしいなぁ…」

ゆかりが不思議がるもの無理はない…会う約束をして以来、拓海たちは一度も来なかったどころか、約束の時間を破ったこともない。

「ゆかりさん…あんなやつ放っておいて俺達4人で楽しみましょうよ…」

仲間の1人がゆかりに話しかける。その仲間はうつろな目をしている…拓海と同様、ゆかりに毒されているのだ。

「だめだよ。5人揃わなきゃ、しないって約束だったでしょ?」
「でも…」
「でもじゃないの。わがまま言うと、お仕置きだよ…クスクス」

ゆかりのその言葉に、仲間の一人は黙り込む。

「う〜ん……たくみ君がいなきゃしょうがないなぁ……今日はもう解散ね。また来週〜」

拓海の仲間達は、残念そうな顔をしながらも、ゆかりの指示に従い、校舎から離れていった。

「これは…なにか嫌な予感がするな…」

サタンがゆかりに話しかける。

「なんで?ただの風邪とかじゃないの?」
「ゆかりはまだサキュバスの中毒性がいかに強力か分かっていないな…どんなに自分が辛い状況でも、
毒された男達はサキュバスを求めて来るのだ…風邪や病気くらいでは来ない理由にはならないな」
「じゃあなんで来なかったの?」
「おそらく、ゆかりの刺激よりも強いものに触れたのだろう…もしかしたら例の事件のサキュバスかもしれない」
「いくらなんでも、それは考えすぎじゃない?」
「でも、可能性はゼロじゃないはずだ。それにゆかりも他のサキュバスがどんな奴か興味が沸かないか?」
「クスクス…それもそうだね。どんな風に男の子を堕としているのか、気になるかも」

サタンの問いかけにゆかりは笑みを浮かべる。

「でもたくみ君、どこにいるんだろ…携帯つながらないし、わかんないよ」
「学校から家までの帰り道に居る可能性が高いのでは?」
「そうだね、面倒だけど調べてみますか!」

そう言うとゆかりは、黒い羽を広げ、空を飛んだ。

ちょうどその頃、拓海は家の裏側にある公園のブランコに腰掛けていた。

「まりな……」

拓海の脳裏には、ゆかりの感触よりも今は真理奈との思い出でいっぱいになっていた。
中学3年生の時だった。初めは部員とマネージャーの関係…そして真理奈の告白。
交際期間は半年だった。初めてのキスもセックスも真理奈から貰った。そしてあの言葉も。

『なんでたくみはいつもそーなのよ!!これでもあたし、たくみのこと尊敬してたのに…がっかりしたわ!!』

付き合い始めてからは、度々ケンカはしていた。しかし、真理奈のその一言が拓海の心に深い傷をつけた。
その日から拓海は真理奈に対して一方的に連絡を断ち切るようになり、高校生になってからは、別々の学校だったこともあり、真理奈との関係は完全に無くなった。
高校生になり拓海は、サッカーにのめり込むようになった。部活が終わっても1人で夜遅くまで走りこみやドリブルの練習をしていた。
その甲斐があってか、2年生からフォワードのポジションでレギュラーとなり、地方大会では得点王に輝き、チームを優勝まで導いた。
それから、拓海はサッカー部のエースストライカーとして学校で有名となり女子からの人気が集まった。
デートの誘い、誕生日プレゼント、バレンタインデーのチョコレート…学校の女子から様々ものを受けたり、貰う度にあの女の思い出が蘇る…
こいつらは真理奈と同じだ……いや、それ以下だ。どうせ、俺の表面しか見ていないのだろう。こいつらを調教しなければ……
拓海に女性に対する憎悪が芽生えた始めた時、一人の女性が俺に告白してきた……ゆかりの親友である鈴木 和美だ。
和美はサッカー部のマネージャーで、サバサバした性格と器量の良さから男子部員には人気があった。
ただ、拓海は表面上は好意的に装っていても内心は和美のことを嫌っていた。男子部員に好かれるマネージャーの姿が、真理奈と被るからだ。
和美はそんな拓海の感情も理解することなく、拓海に思いを寄せ、積極的にアプローチを仕掛け、告白をした。
拓海はその時、この女を『調教』することを決めた。告白を受け入れた後、拓海は夜の校舎に和美を呼び出し、サッカー部以外の仲間とレイプをした。
『調教』が終わりぼろぼろと涙を流し、陰部から精液をドロドロと垂れ流している和美の姿を見て、拓海は得もいわぬ快感を感じた。

『堪らない…この調子で女どもを次々と…』

拓海はその後、ゆかりも『調教』しようとしたが、逆に調教されてしまった。

「クソッ……!!」

拓海はゆかりに調教されたことを思い出してしまい思わず声が出る。

「何が『クソッ…』なのよ。なにか嫌な事でも思い出したの?」

傍から声が聞こえる。拓海がその方を向くとそこには真理奈の姿があった。

「やっぱりここにいた…たくみは悩んでる時、いつもこのブランコで考え事してるもんね」
「……」

拓海は、そのまま黙り込んだ。考え事をしすぎたせいで脳が疲れ切ってしまい、真理奈を突き放す言葉も出なかった。

「ねぇ…悩み事があるんならあたしに言ってよ…」
「なんでだよ……」

拓海が重々しく口を開く

「さっき俺を必死で引き止めたり、話そうと誘ったり…もう、俺達は終わった仲だろ?」
「そんなの決まってるじゃない……」

真理奈が恥ずかしそうに目を逸らして言う。

「たくみの事がずっと忘れられなかったのよ……」

たくみはその言葉に一瞬はっとした表情になる。

「あたしね、高校に入ってからいろんな男と付き合ってきたの…もちろん、たくみの事を忘れるために。
でもね、男と付き合ってる時にいつもたくみの事、思い出しちゃって比較するんだよ…やっぱりたくみよりダメだなぁ〜って」
「確かにたくみは乱暴だったり、思いやりがなかったりするところ、あるよ。でもさ、ひた向きにサッカーやってる姿みると
なんか許せちゃうのよ…そ〜いうマジメなところは、他の男には絶対にないし」

すると真理奈は拓海の目の前に立つ。

「さっき思い出したんだけどさ…最後にケンカした時あたし酷いこと言っちゃったよね……ごめんなさい」
「あたしにとってたくみは最高の人だよ…」

真理奈はそう言って拓海に軽くキスをした。
拓海は真理奈のキスを受けた後、何か熱いものがこみ上げてくるのを感じた。ゆかりによって封印されていた感情が解けたのだ。
興奮した拓海は真理奈の口のなかに舌を入れ、激しく絡め合う。

「んっ……んっ……。たくみ、そんな焦らないで。続きはあそこで……しよ」

真理奈は悪戯っぽく笑うと、たくみを例の場所へ誘った。

拓海と真理奈は公園の真ん中にあるドーム状の遊具の中に入ると2人は熱いキスを交わした。
ここは拓海たちが初めてセックスをした場所でもある。
拓海はキスの後、真理奈の上着に手を掛ける。。上着を脱がすと、紺色のブレサーの制服が見える。

「寒くないか?」

拓海はそういい、改めて真理奈の顔をみる。描かれた眉毛、派手な茶髪以外は昔の真理奈のままだ。奥二重の瞳、小さな鼻と細い口元。
拓海がしばらく真理奈の顔を見ていると、真理奈がニッコリと微笑む。

「大丈夫だよ、だって、たくみが暖めてくれるでしょ?」

拓海はその言葉に更に興奮し、一気に真理奈の制服と下着を脱がし、上半身を裸の状態にする。

「じゃあ、望み通り、暖めてやるよ…」

拓海はそういうと真理奈の首筋にキスをすると、乳房を激しく舐め回す。

「んっ……ああっ!!ハァ……ハァ…気持ちいい…」
「ペチャ……まりな、お前少し胸がでかくなったか?」
「うん…でも、たくみって胸がでかい方がいいんでしょ?」

真理奈の言葉に拓海はゆっくりと頷き、固くなった乳首を手でやさしく触る

「んっ…んんっ!!ハァ……ハァ……ねぇ…そこばっかりじゃなくて、下の方も……」
「分かった…」

拓海はそういうと真理奈のスカートと下着の中に手を入れる。その手が陰部まで辿り着くと、そこがかなり濡れているのが分かる。
そしてそこを激しくかき回すと、いやらしい音がドームの中に響き渡る。

「ああっっ!!ハァ…ハァ……」

真理奈は拓海に抱きつくような形で体を密着させる。拓海も真理奈と同様に息遣いが荒くなる。

「ハァ……ハァ……。ふふっ、たくみの、興奮して大きくなってる…」

真理奈はそういうと右手で拓海のズボンのチャックを外すと、拓海のモノを取り出した。

「!!」

拓海は、自分のモノが固くなっていることに驚いた表情をした。最近では、自慰行為でも勃起しなくなったからだ。
拓海はこの時確信をする。真理奈を好きでいることが、ゆかりの性の呪縛から解放する唯一の道だと。

「ハァ…ハァ…まりな………好きだ」
「あたしも……大好き……」

2人は互いの気持ちを確認しあうと、もう一度熱いキスを交わし服を脱ぎ、真裸の状態になった。

「ペチャ……ペチャ…チュッ……気持ちいい?」

仰向けの状態の拓海の上から真理奈がうつ伏せになり、
寒さから守るように体を密着させ、舌を使って拓海のモノを亀頭の先から裏筋の部分まで丁寧になめる。
その舌使いに拓海のモノは更に固くなる。

「ペチャ……ハァ…ハァ…ねぇ…あたしのも気持ちよくしてよ……」

すると真理奈は自分の尻を突き出し、手を使って自分の陰部を拓海に見せ付ける。
真理奈の陰部は既にびしょ濡れで、ドームの穴から差し込んでくる月明かりに反射し、うっすらと光っている。
拓海はその陰部が放つ不思議な香りに吸い寄せられるように顔を近づけ、真理奈の陰部に舌を入れ激しく動かす。

「あっ…ああっ!!いいよ…ハァ…ハァ…すごく気持ちいい。たくみのも…もっと気持ちよくしてあげる…」

すると真理奈は拓海のモノを咥え込み、激しく上下させる

「んっ……んっ…クチュ……」
「うっ……!!イクッ……!!」

あまりの激しさに、拓海は一気に絶頂に達した。

「んっ…んんんんっ!!…ゴクッ……ゴクッ……んっ…パァ…。ハァ…ハァ…たくみのせいえき…全部飲んじゃった…ふふっ」

真理奈はそう言うと、拓海の方を向き、ニッコリと微笑んだ。拓海は精液が付いている真理奈の顔をみて更に気持ちが昂り、背中に面している土の冷たい感触を
忘れるぐらい体が熱くなっていくのを感じた。

「今度はおまえのいやらしい液を全部飲み干してやるよ…」

拓海はそういうと再び真理奈の陰部へと顔を近づけ今度は、吸い付くように口を動かした。

「ズズッ…チュッ…チュッ……」
「ああっ!!!そんなにされると…ハァ…ハァ…いっちゃうよ……あっ…あっ、あっ、ああああああああっ!!!!」

真理奈は絶頂に達し、涎をたらしながら全身を痙攣させ、そのまま拓海の体の上に倒れ込んだ。

「ハァ……ハァ……」

真理奈の体が寒いのにも関らず火照っているのが分かる。

「まりな…俺……」

拓海モノは真理奈の愛液で興奮し、ギンギンに反り返っている。

「うん……来て……」

真理奈はそういうと仰向けに倒れ、股を開き、拓海のモノを受け入れる体勢を取る。

「よし…いくぞ……」

拓海はそう言うと、真理奈の陰部に自分のモノを近づけ、いやらしい音を立てながらゆっくりと差し込んでいく。
真理奈の陰部が濡れていることもあり、まるで吸い込まれていくかのように拓海のモノを飲み込む。
差し込んでいる間、拓海は激しい快楽の波に襲われ、拓海のモノは今にも射精しそうなほど赤く腫れ上がっていく。

「ハァ…ハァ…動くぞ……うっ!!!」

拓海が腰を動かそうとした瞬間、拓海は真理奈の中で果ててしまった。真理奈の膣にドロドロと精液が流れ出しているのがわかる…

「中で出しちまった……まりな…どうしよ……」
「ふふっ……今日は大丈夫な日だから全然心配しなくていいよ。好きなだけ、出して…」

真理奈の言葉に、拓海は頷き真理奈と体を密着させながら腰を動かした。
腰を動かす度に自分のモノから精が吐き出される。
そう言えば、前にも似たような感覚を経験した事が……拓海は不安を感じ、腰を動かすのを止める。

「ハァ…ハァ…ん?どうしたの?」
「いや……ちょっと、ね……」

すると真理奈は拓海にキスをし、自分の唾液を拓海の口の中に流し込んだ。

「んっ……ハァ。止めちゃだめだよ…もう一度あたしをイカせて?」

真理奈のキスと唾液のおかげでその不安が消し飛んだ。

「わかったよ。お前がイクまで、俺は腰を止めないからな…」
「ふふっ……大好き」

拓海は真理奈の言葉に再び気持ちが昂り、再び腰を動かし始めた。

それから、十数分が過ぎたのだろうか…拓海は狂ったように腰を振り続ける。

「マリナ……マ…リナ……」

拓海は弱々しい声で、真理奈の名前を呼び続ける。

「ハァ……ハァ……ふふふっ…あと持って2、3分ってところかな」

真理奈は拓海がもたらす快感を受け止めながら、薄ら笑みを浮かべる…

「伊藤 拓海さんって言いましたっけ……クスッ…ごめんなさいね…わたし、2つくらい嘘付いてたんです」

真理奈は拓海に話しかけるが、反応が何も無くただ腰を振り続ける。

「1つは…わたしの本名は『遠藤 真理奈』じゃなくて『浅野 美穂』って言う名前」
「もうひとつは…さっきあなたがクンニした時、わたしイっちゃてましたよね…でも、あれは演技だったんです」
「ハァ…ハァ…でも、もうそろそろイッちゃいそう…あなたが天国に逝っちゃうのと同じくらいに…クスッ」

そういうと真理奈…いや、真理奈の姿をした美穂が拓海のモノから一旦離れると、拓海を仰向けにした。
衰弱しきった拓海は、なんの抵抗もなくそのまま倒れこむ。

「マリ……ナ……」

拓海は真理奈を呼ぶ声をやめない。

「ふふふっ。あなたのクンニ、なかなか気持ちよかったですよ…」

美穂はそう言うと、真理奈の姿から自分本来の姿に戻る。

「くっ……やっぱり、醜い……」

美穂は自分本来の姿に戻ると、自分の体を見て顔をしかめ、嫌悪感を示す。そして、目線を拓海の方に向けると、傍まで近づき
自分の陰部を拓海のものに近づける。

「たくさんの愛をありがとう。そして、さようなら…」

美穂がうっすらと笑みを浮かべ、拓海のモノを自分の中に入れようとした瞬間、

「お取り込み中しつれいしま〜〜〜す!!!!」

ドームの外から大きな声が聞こえる。声のする方を見ると一人の女が笑みを浮かべ、
ドームの穴からこちらを覗いているのが見えた。。。ゆかりだ。

「そんな寒いところでやってたら、風邪ひいちゃうよ〜」
「ぇ……わたしたちが見えるの?」

美穂は、自分の姿がゆかりに見えることに驚いた表情を見せる。

「そんなの…ありえない…わたし、ちゃんと『幻惑』の能力で他人から姿と声が分からないようにしたのに…」

美穂は目を凝らし、月明かりに照らされているゆかりの姿を注意深くみる。

「あなたは…城本 ゆかりさん…ですね。ずっと…この人の、脳裏に焼きついていた女性」

美穂は拓海の方に視線を落とす。

「ちょっと待ってくださいね。すぐに気持ちよく、逝かせてあげますから…」

そう言うと、美穂は拓海の額に軽くキスをし、ドームの外に出た。

ゆかりは美穂の姿を改めて見る。真希と同じくらいの小柄な女の子だ。腰の位置まである長い灰色の髪、くっきりとした二重まぶた、
整った鼻と口元…まるで生きた人形のようだ。真っ暗な空に輝く満月が放つ明かりが、より彼女のミステリアスな雰囲気を演出している…

「あなた…サキュバスですね?」

美穂がゆかりに問いかける。

「そうだけど、あなたもね…クスクス」

ゆかりは薄ら笑みを浮かべながら、美穂の問いかけに答える。

「用件は、何でしょうか?」
「たくみ君を殺すのやめてくれないかなぁ〜あと、わたしのペットになってよ…」
「すいぶんとわがままな用件ですね…残念ですけど、2つとも従うことはできません。
帰ってください…と言っても無理でしょうけど」

美穂の目つきが鋭くなり、殺気を放つ。

「困った子だなぁ…あんまり乗り気にならないけど、あれをやるしかないかな…クスクス」

ゆかりは美穂との距離を一気に縮め、両手を美穂の背中に回してがっしりと固定し、美穂の動きを制した。

「ぇ……」

美穂はゆかりの素早い動きに対応することができなかった。美穂は力を振り絞って、ゆかりから離れようとするが脱出できない。

「クスクス…じゃあ、わたしの目をじっくり見て…」

そういうとゆかりは肌が触れ合うくらいに自分の顔を美穂の顔に近づけると、いつもよりも強く、目を赤く光らせる。

「うっ………」

ゆかりの目を見てしまった美穂は、意識が遠のき、全身に力が抜けていくのを感じた。
ゆかりが両手を離すと、美穂はふら付き、その場に座り込む。

「至近距離でやっても気を失うまではいかないか…やっぱりサキュバス同士だと、効き目悪いなぁ…」

ゆかりはそう言うと、美穂の額に人差し指をつける。

「クスクス…じゃぁ、始めようか…」

そういうと、ゆかりはうな垂れるように座り込んでいる美穂の腕を掴み、立ち上がらせようとする。

「あっ……ああっ!!」

美穂はゆかりにつかまれるだけで、甘い声を出した。

「どうしちゃったの?腕を掴んだだけで感じちゃって…いやらしい子ね…クスクス」

ゆかりは薄ら笑みを浮かべ、美穂を立たせると、美穂の陰部を手で触る。

「くっ…んっ…んっ…ハァ…ハァ…」

美穂はゆかりの愛撫に抵抗するかのように、顔を歪ませ、必死に歯を食い縛る。

「ふふっ…抵抗してるの?可愛いわねぇ〜」
「うっ……かわいくなんか…ない…ハァ…ハァ…」
「クスクス…そんなことないわよ…もっと激しくしてあげるから、さっきみたいに可愛い声で喘いでよ…」

そういうとゆかりは美穂の陰部に人差し指を入れ、激しくかき回す。

「んっ……ああっ!!!あっ、あっ…」

その激しさに、美穂は思わず声を出してしまう。

「ホントに可愛い声で喘ぐなぁ…」
「なんで…ハァ…ハァ…なんでこんなに感じる…の?」
「ふふっ…PSASって病気、しってる?」
「ぇ…なに…それ?…あ、ああっ!!」
「…イっちゃうのが止まらなくなる病気で、あなたをそれに近い状態にしたの…
わたしの『命令』の能力で…クスクス」

ゆかりは中指も美穂の陰部に入れ、ほじくるように美穂の中をかき回す。

「あっ、あっ、ああああっ!!!!」

美穂はゆかりのもたらす快感に屈し、涎を垂らしながら絶頂に達すると、全身を痙攣させた。

「あははっ!!いっちゃう顔も可愛い……クスクス」
「ハァ…ハァ…だから…かわいくなんか…ないって…」
「クスクス…そんなに否定されちゃうと、余計に『可愛い』って言いたくなるじゃない…」

ゆかりは満面の笑みで、美穂を見つめる。

「さてと……さっきの条件をのまないと『命令』を解除しないけど、どうする?このままだと、イキっぱなしで
まともに生活できなくなっちゃうよ……クスクス」

美穂はゆかりに従う以外に方法が思いつかなかった。

「うっ……。はい…したがい…ます…」

美穂は、絶頂の余韻のせいか、おぼつかない口調で答える。

「ふふっ…いい子ね…」

ゆかりはそういうと、人差し指を美穂の額にあて『命令』を解除した。

その後、ゆかりは救急車を呼び、拓海はすぐに病院に運ばれた。
拓海は衰弱しきっていたが、命には別状はなく、1週間で退院できる程のものであった。

「伊藤さん。お見舞いに来ましたよ…」

点滴を受けながら病院のベッドで眠っている拓海の元に、ゆかりともう一人の女性がやってきた…和美だ。

「……」

和美は怒るわけでも、哀れむわけでもなく、だた黙ったまま拓海を見つめる。

「そういえば…病院に運ばれた時ずっと『マリナ』って言ってたんですけど、誰ですか?一体?」

ゆかり自身は、真理奈の事については既に知っているのだが、敢えて和美の前で質問をしてみることにした。

「…まりな」

拓海はゆかりと和美の方を向くことなく、天井を見つめながら話し始める。真理奈との出会い、思い出、ケンカしたときに言われた言葉、
そして女性に対する憎悪…
和美は拓海の話を一通り聞き終わると、拳を握り…全身を震えさせる。

「ばっかじゃないの……」

和美は小声で呟く

「ばっかじゃないの!!!!」

今度は大声で同じ言葉を繰り返し、その声が病室中に響き渡る。

「あんた、ただ自分のプライドを守りたくてカッコつけてるだけじゃない!!その真理奈って女に未練があるんなら
必死に電話なりメールしたりして仲直りしなさいよ!!!」
「しかもね、わたしがあんたを好きになったのはあんたがエースって理由じゃなかったのよ…」

和美の目から涙が溢れ出てくる…

「べつにあんたが試合で100得点入れようが、0点でも関係なかった…あんたがいつも何か思い悩むかのように一人で練習してるから
力になろうと思って、あんたの事考えてるようになって、そしたら好きになっていって……」
「…なのにあんたは…あんたは!!」

和美の涙が目から滴り落ち、拓海のベットの布に染み込んでいく…

「もう顔も見たくない……さようなら、伊藤先輩」

和美はそう言うと、後ろを振り返って走りながら病室を去っていった。
ゆかりは去っていく和美を見たあと、視線を戻し、拓海の顔を一瞥する。

「ホントに哀れな男ね」

ゆかりは吐き捨てるように言い、拓海の額に人差し指を当てる。

「しょうがないわね……和美の言う通り、真理奈って言う人ときちんと連絡を取るつもりがあるなら、
あなたの脳にこびり付いているわたしのエッチな記憶を消してあげるわよ…それに定期的に会う約束も無しにしてあげる」
「でも約束破ったら…死ぬまでわたしの奴隷にさせるからね」

ゆかりは強い口調で言う。

「ああ、分かった……絶対に連絡する」

条件をのんだのを確認すると、ゆかりは拓海の額から人差し指を離し、後ろを向く。

「もうレイプなんてバカな真似はしないことね…そこで反省していなさい」

ゆかりは病室を後にした。

ゆかりが家に帰ると聡子が驚いた表情をする。

「ちょ、ちょっとあんた!!その歩いている黒い猫…どこで拾ってきたの!!」
「違うよ…友達から貰ったものだよ」
「はぁ〜貰ってきたのはいいけど、あんた飼えるの?しかも、爪研ぎとかいって家の壁を引っ掻いたりしないんでしょうね?」
「大丈夫だよ。この子はとっても賢いもん」
「賢いって…ちょっと、ゆかり!!待ちなさいよ!!」

ゆかりは母の制止を無視し、そのまま自分の部屋の中に入った。

「みほちゃん…もう大丈夫だよ」

ゆかりがそう言うと、黒い猫は黒いセーラー服を来た少女の姿に変わった。

「猫の姿になるよりも、完全に姿が見えないようにした方が、いいような気がしますけど…」

美穂は納得いかない顔をする。

「猫でいいんだよ…その方がわたしたち家族の一員になれるし、淋しくないでしょ?」

ゆかりは美穂に微笑みかける。

「そうですね……」

その返答に、今度はゆかりが納得いかない顔をする。

「も〜〜みほちゃん。敬語なんか使わなくていいんだよ。同じサキュバス同士、仲良くしよ。
あっ、そうだ!!今度の週末、一緒に買い物に行こうよ!!みほちゃんに似合った、可愛い服、選んであげる」
「うん…ありがと、ゆかりおねえちゃん」

美穂は幸せそうな笑みを浮かべ、ゆかりの家族の一員となることを決意した。






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