シチュエーション
…病院の地下の一室で、一人の看護婦がナース服のまま、部屋の中心にある鉄製のベッドに縛られている。 その光景を、部屋に居る男が薄ら笑みを浮かべながら眺めており、一方看護婦は怯えた目で男を見ている。 「では、『オペ』を始めようか…ククク」 男は傍にある医療用のハサミを取り出すと、その鋭利な刃先を看護婦の首元にあてがう。ハサミに視線を向けている 看護婦の目から涙が滲みでてくる。 「いいねぇ…クク…そんな顔されると、『オペ』にもやりがいがでてくるよ…」 ハサミをなぞるようにして首元から制服の部分まで持っていくと、そのまま制服を裁断し始める。 布が切れる音が、部屋に響く。 制服の上着を裁断し終わると、看護婦の下着があらわになる。男はその姿に生唾を飲み、更に下の制服も裁断し始める。 「ん〜〜〜!!」 看護婦は体をじたばたさせ、抵抗するが、その行為は男の欲情を助長させるにすぎない。 完全に制服を真っ二つに裁断し終わると、さらにブラジャーの中心部分にもハサミを入れる。 「んっ……」 看護婦の目から涙が溢れでてくる…男はその表情に興奮を覚え、引きちぎるようにして、ブラジャーを裂いた。 「クク…誰も僕には逆らえない…逆らえないんだよ。。」 男は満面の笑みで看護婦の胸に手を掛けた。。。 12月に入り、美穂がゆかりの家に猫として住み始めて3週間が経過した。 初めは、ゆかりが猫を飼うことに家族全員が抵抗感を示していたが、猫とは思えない賢さに家族の不安が一気に消え 今ではすっかり家族の一員として定着していた。 「みぃちゃん〜こっちにおいで〜」 姉のめぐみがしゃがんだ体勢で猫を手招きする。めぐみは目尻がほんの少しつり上がってあること、髪型がセミロングであることを除けば ゆかりにそっくりである。 猫はめぐみの居る方向に一直線に走り、そのままめぐみの胸に飛び込む。 めぐみは猫を抱いて首の部分をさすると、気持ちよさそうにゴロゴロと喉を鳴らすのを見て、笑みを浮かべる。 「ほんっとこの子は賢いし、素直よね〜。ペットは飼い主に似るっていうけど、あれ嘘だよねぇ〜」 めぐみは猫を抱きながら、ソファーに座ってテレビを見ているゆかりに視線を送る。 「そうだよねぇ〜おねぇちゃんにも似てないし」 ゆかりはめぐみに目もあわせずに、嫌味をそっくりそのまま返す。 その言葉にめぐみは顔を曇らせる。 「むっ……そういえば、あんた勉強大丈夫なの?部活もやってるんだし、3年生から受験勉強やってたら間に合わないわよ」 「大丈夫だよ。この前の模試で第一志望がA判定だったし…それに、おねぇちゃんだって全然してなかったじゃん、受験勉強」 「わ、わたしはいいのよ!!看護婦になるっていう夢があったし、今はその夢を叶えているんだから」 めぐみは八分寺市にある大学病院の看護婦になって2年目となり、ゆかりとは歳が5つ離れている。 この病院の看護婦の勤務時間は不定期であり、特にめぐみは夜勤が多いため、こうしてゆかりと会話ができるのは 一週間に一度くらいしかない。 「ブルルルル、ブルルルル」 居間のテーブルに置いてあるゆかりの携帯電話のバイブレーションが作動する。 「ん?…かずみからだ」 ゆかりは携帯電話の表示部分を見て、相手を確認すると受話ボタンを押す。 「もしもし〜」 「ゆかりん!!大変なの!!まきが……」 「…どうしたの?そんなに慌てちゃって」 「まきが車に撥ねられたらしいの!!」 ゆかりの表情が一気にこわばる。 「…いま、病院で手当を受けているみたいなんだけど…」 「かずみ、どこの病院か分かる?」 「さっきまきのお母さんと電話してたんだけど、近くの大学病院に運ばれたみたい。今そこに向かっている途中だけど、ゆかりも行くよね?」 「うん。病院の入り口で待ってて。今から急いで行くから」 「わかった」 ゆかりが深刻な表情をして電話を切るのと同時に、めぐみがゆかりに話しかける。 「ねぇゆかり、電話で『病院』って言ってたけど何かあったの?」 「友達が事故で病院に運ばれたらしくて…」 めぐみは驚いた表情をする。 「ちょっと!!それは大変じゃない!!それでどこの病院に運ばれたの?」 「おねぇちゃんの働いてるところ…とにかく急がなきゃ」 ゆかりが慌ててドアに向かう。めぐみはゆかりの行動を抑えるかのように腕を掴む。 「ちょっとおねぇちゃん!!何するの!!」 「まぁまぁ慌てないで。あんたまで事故したら大変でしょ。あたしが病院まで送っていってあげる。道は慣れてるしそっちの方が早いでしょ?」 めぐみは優しい目つきでゆかりを見る。 「うん…ありがと」 「じゃあ、あたしは車出すから、その間に上着を取りに行きなさいよ」 めぐみはキッチンのテーブルにおいている車の鍵を手に取り、家の車庫へと向かった。 「ゆかりのおねぇちゃん。優しいね」 猫の姿をした美穂がゆかりに話し掛ける。 「うん…ちょっと嫌味なところはあるけど」 「ねぇ、ゆかりおねぇちゃん。ちょっとお願いがあるんだけど…」 「ん?なに?」 「わたしも、一緒に病院行ってもいい?」 「姿さえかくせば大丈夫だけど、どうして?」 「ゆかりおねぇちゃんの友達、どんな人達なのか興味があって…」 「べつにいいけど…でも紹介どころか話すこともできないし、退屈すると思うよ」 「大丈夫…見てるだけでいいから」 美穂はそう言うと、猫の姿から人の姿に戻り、自分の気配を隠した。 ゆかりはそれを確認すると自分の部屋に行って、上着を取り、美穂と一緒にめぐみの待つ車へと乗り込んだ。 ゆかりたちは病院に着いて和美と合流した後、すぐに真希の居る病室へと向かった。 和美の話によると、ちょっとした用事で真希に電話を掛けた時、母親が電話に出て事情を知ったらしい。 病室にたどり着くと、真希が左足を固定され、うつろな目をしてベットに寝ているのが見えた。それを見た和美は、 足早に真希のいるベッドに向かい、心配そうな目で真希を見つめる。 「まき…大丈夫なの?」 「だいじょうぶ…だよ」 真希は心配している和美の気持ちを少しでもやわらげるかのように、笑顔をつくる。 「あれ…まきのお母さんはどこにいったの?」 ゆかりが病室のあたりを見回す。 「お母さんは……わたしを見捨てたの……」 「!!」 真希のその言葉にゆかりたちの表情がこわばる。 「まき…それって…どういうこと?」 ゆかりたちの表情をみて、真希は悪戯っぽく笑う。 「へへ…冗談だよ…お母さんは塾にいってるひろゆきを迎えにいったみたい…また、ひろゆきと一緒に戻ってくるって」 浩之は真希の弟で、歳は2つ離れている。浩之はゆかり達と同じ高校を志望しており、受験勉強に追われている。 「はぁ〜。。。あんたねぇ、そんな状態で言われると、本気に聞こえちゃうじゃない」 和美はため息をつき、呆れた表情で真希を見つめる。 「…お友達の方ですか?」 後ろから声がしたので、振り返ると赤色のフレームの眼鏡を掛けた看護婦がカルテを持ってこちらへ向かってくる。 「ぁ…久保田さん、お疲れ様です」 めぐみは看護婦に軽く会釈をする。この看護婦…久保田 直美は、めぐみの直属の上司で大学病院に勤めて7年目になる。 直美は、患者に対して丁寧でしっかりとした対応をするので、患者はもちろんのこと めぐみをはじめ看護婦や医師にも信頼されている。しかも、整った顔つき、スレンダーな体型、母性本能を感じさせる性格から 退院間際の若い男性患者から告白されることもしばしばある。 「こんばんは、城本さん。そちらは妹さん?」 「はい…初めまして。城本ゆかりと言います。姉がいつもお世話になっております」 ゆかりはあたりさわりのない笑顔で直美に軽く会釈をする。 「こちらこそ初めまして。ふふっ…おねぇちゃんに似て美人ね」 「いえいえそんな…久保田さんの方がもっとお綺麗ですよ」 「まぁ、お上手な子ね」 本当に表面を取り作るのは上手いな…めぐみたちはゆかりと直美のやり取りを横目で見て思った。 「…神崎さん。坂下さんの容態はどうでしょうか?」 めぐみは、そのやり取りに割り込むように言う。 「左太ももの靭帯が完全に断裂してるから、完治するには4、5ヶ月ぐらいはかかりそうね。でも鞭打ちとかの症状はないから 数週間入院して、その後しっかりとリハビリすれば、後遺症は残らないわよ」 ゆかりたちはそれを聞いて、安堵の表情を浮かべる。その後、真希と直美によって事故の詳細が語られた。 真希が自転車で横断歩道を渡っていた途中で右折した車にぶつかったらしいのだが、幸い車があまりスピードを出していなかった為、 大事には至らなかったようだ。 「坂下さん。左足が痛むようだったら我慢しないで、わたしに言って下さいね」 直美は、真希の苦痛を癒すかのような優しい笑みを浮かべながらで言う。 「…ありがとうございます。久保田さん。」 真希もその笑みに答えるかのように笑顔をつくる。 「じゃあわたしは別の患者さんを観てくるからこれで…」 そう言って、直美が振り返ろうとした瞬間、病室のドアから白衣を身に纏った小太りの男性が現れた。 直美はその男を見た途端、表情が固まった。 「…久保田君。ここにいたのかね。探したよ…」 「はい…大沢先生、どのようなご用件でしょうか?」 「用件って…あれの相談に決まってるじゃないか」 大沢は薄ら笑みを浮かべる。 「あれ…ですね。分かりました」 直美は表情を固めたまま、大沢の居るドアの近くまで来る。 「じゃあ、いこうか…」 大沢は直美の腰に手を回し、一緒に病室を出た。 「なにあれ、気持ち悪い」 和美がドアを閉じる音を確認して、顔を歪めて言う。 「大沢先生はここの病院を管轄してる石松大学の学長の息子なの。よく若い女性患者や看護婦にセクハラまがいのことするから 評判よくないんだけどね」 めぐみは、大沢が通ったドアを睨みつけた。 真希が入院してから1週間が過ぎた。 「坂下嬢!!!大丈夫ですか!!」 久田を初め複数の男達がベッドを取り囲んでいる。 「あはは…大丈夫だよ」 さすがの真希も、男達の威圧に圧倒され、苦笑いをする。 「今日も足の痛みと必死に戦ってる坂下嬢にプレゼントを…」 「こらこら〜君達。まきちゃんを取り囲むのやめなさいってば。困ってるじゃない」 めぐみが久田達に注意をしながら、真希のいるベッドに近づく。 「おお…流石ゆかり様のおねぇ様。ナース姿がお美しい…」 久田のとなりにいる木下の目が輝く。めぐみはそんな木下を見てため息をつく。 「…それにプレゼントって、またエルモンの人形?これで3体目じゃない!!」 「これは俺達の魂の一部なのだ…3体でも足りぬ!!」 久田が真剣なまなざしでエルモンの人形を見つめる。 「まきちゃん、別に無理して貰わなくてもいいんだからね。。。」 「あはは…でも、せっかく買ってもらったし、枕元においておくよ。ありがと…久田君」 真希のその言葉に久田は満面の笑みで敬礼をする。 「有難きお言葉!!それでは皆の衆、撤収だ!!」 久田の一声により、男達は足早に病室を去っていった。めぐみはそんな男達の行動を呆れた表情で見ていた。 「…まきちゃん。友達を作るのはいいけど、選ぶこともした方がいいんじゃない?」 「…でも、久田君と一緒にいると楽しいですよ。違う世界にいるみたいで」 真希は久田から貰ったエルモンの人形を見つめながら、微笑む。 ゆかりはこんなにいい友達に恵まれている…なのになぜ、2ヶ月の間家出をしたのだろうか… 友達にもいえない悩みを抱えていたから? 今は大丈夫みたいだけど、また家出をするかもしれない… めぐみはゆかりが家出をしていた間のことを思い出し、表情を曇らせる。 「そういえば、久保田さんってどうされたんですか?3日前ぐらいからまったく姿を見ていなんですけど…」 今度は真希の言葉に表情が凍りつく。直美は、ここ3日間病院を無断欠勤している。 勤務態度が優秀な看護婦なだけに、めぐみを初め、病院のスタッフ全員が直美の欠勤に驚き、困惑している。 「…久保田さんはね、今長期休暇をとっているの。どんなに仕事ができる人だって、休みは必要でしょ?」 めぐみはその場しのぎの言い訳をし、真希に真実を隠す。 「そうなんですか…じゃ〜しょうがないですね。うん、しょうがない!」 真希は自分は何も気にしていないとアピールするかのようにめぐみに笑みを見せる。めぐみは真希の気持ちを察したのかのように 無理に笑みを浮かべた。 「コンコンコン」 2人のやりとりに割り込むかのように、ドアのノック音が聞こえる。 「はーい。どうぞ〜」 「失礼します」 ドアから一人の少年が入ってきた…優太だ。 「ぁ、朝倉君だ〜」 「なかなかお見舞いにいけなくてすみません」 「いいんだよ〜コンクール近いんでしょ?そういえば、わたしの代役は誰がやるか決まった感じ?」 「それがですね…」 この朝倉という少年、見覚えがある…めぐみは優太の姿をじっと見ながら自分の記憶を掘り返した。 「あ!!思い出したわよ。君って、ゆかりと付き合ってた子でしょ?」 「え〜〜っ!!そうなの?朝倉君?」 真希は驚いた表情をする。 「えっ…そ、それは、ご、誤解ですって!!ゆかりさんの部屋に入っただけで、付き合ってるって……」 優太は、慌てふためき、顔を赤らめながらしどろもどろに弁解をする。 めぐみたちは、優太のそんな姿を見て、悪戯な笑みを浮かべる。 「部屋に入っただけねぇ…わたしは、男女2人でマイルームに入ってやることと言えば、あんなことやこんなことしか 思い浮かばないんだけどなぁ〜。ねぇ『ゆうくん』?」 「フフフ…確信犯ですなぁ〜あ・さ・く・ら君」 「えっ…ちょ……う……」 優太は返す言葉出ず、そのまま俯いてしまった。 「あはははは!冗談だよ。あんたみたいなマジメそうな男の子が、いきなりゆかりを襲うなんて考えられないよ。 むしろ逆に襲われちゃうんじゃない?ゆかりってちょっとSっ気があるから」 「うっ…………」 優太の顔を赤らめながら表情が固まる。 「ん?もしかして図星?」 「い、いやっ、そんなことは……そ、それより、足の治癒に励んでいる坂下さんに渡したいものがあるんです。 喜んでくれるかどうかは、わからないんですけど…」 「まさかエルモンの人形じゃないでしょうね?」 「………」 めぐみの一言にゆうたが黙り込んでしまった。 「……まさか。。。」 「……すいません。後日出直してきます。坂下さんの看病よろしくお願いします」 優太はそういうと、手提げ袋を持ったまま、足早に病室を去ってしまった。 「べつに貰ってもよかったのになぁ〜4体目」 真希は、残念そうに優太の通った後のドアを見つめていた。 真希の容態を確認した後、めぐみは階段を上り、用意した点滴を載せたキャリアーを運びながら別の病室へ向かった。 その病室には痩せこけ、呼吸の補助の為に鼻からホースを注入されている老婆が横たわっている。 「山中さん〜気分はどうですか?」 めぐみは、自分の元気を分け与えるかのように老婆に話しかける。老婆は穏やかな表情でゆっくりと頷く。 「では点滴の交換を致しますね〜」 めぐみは慣れた手つきで老婆の点滴を交換する。すでに老婆の手首は点滴の跡で穴だらけになっている。 この老婆の担当になってから3ヶ月になるが、誰も見舞いに来ない。兄弟は既にこの世からいない上に、 結婚もしておらず、子供がいないためだ。めぐみは、この孤独な老婆に対して笑顔を絶やさないように心がけている。 自分には温かい家族がいる。その温かみをせめて『笑顔』という形で分けてあげたい…その思いからだ。 点滴の作業が終わるとめぐみは、空の点滴を回収し、その病室を後にした。 …それから1時間後、めぐみは事務室で書類の整理をしていると、同僚の看護婦が血相を変えてこちらへ向かって来た。 「城本さん!!」 「はい…なんでしょうか?」 「506号室の山中さんの容態が…急に悪化して…」 「ぇ………」 めぐみの表情が凍りつく。 「とにかく急いで山中さんのところへ!!」 「は…はい!!」 めぐみと看護婦は医師を呼び、老婆を集中治療室へと運んだ。 …しかし、懸命の処置もむなしく老婆の命はそのまま消えてしまった。。。 よる7時を回り、ゆかりと聡子はめぐみの帰りを待ちつつ、晩御飯の準備をしていた。 「めぐみ遅いわねぇ〜もう帰って来てもいいころなのに…」 「ちょっと寄り道しているんじゃない?」 「そうであればいいんだけどねぇ…ちょっと電話してみようかしら?」 聡子が携帯電話に電話しようとした時 ガチャ… ドアの開く音がした。めぐみが帰ってきたのだ。 「ぁ、おねぇちゃんおかえり」 「………」 居間へと入ってきためぐみはゆかりの声にも反応せず、俯いたまま自分の部屋へと繋がるドアに向かう。 「…ちょっと!!おねぇちゃん、どうしたの?」 「…晩御飯、いらないから…」 めぐみはそういい残すとそのまま居間を出てしまった。 「めぐみどうしのかしら…」 聡子が心配そうにドアを見つめる 「ちょっと様子みてくるね。みぃちゃんも付いてきて」 ゆかりがそういうと、猫と一緒にめぐみの部屋へと向かった。 めぐみの部屋にたどりつくと、猫になっている美穂は元の少女の姿に戻った。 美穂の服装は、今まで身に付けていたセーラー服ではなく、ゆかりに買ってもらったリボンの付いた黒のワンピースを着ている。 「たぶんおねぇちゃんは、わたしに悩みは打ち明けないと思うから、みほちゃんおねがいね」 「うん…」 美穂は頷くと、部屋の『透視』をした後、めぐみがベッドに横たわっているのを確認すると 今度はめぐみの頭の中の『透視』し始める。美穂の『透視』はゆかりのよりもより深い思考を読み取ることができ、使用する妖力も 少ないため、頭の透視でも一日に100回くらいは使うことができる。 『透視』が終わると、美穂は真剣な顔つきでゆかりを見つめた。 「…で、どうだった?」 ゆかりも美穂につられるかのように、真剣な顔つきになる。 「ゆかりおねぇちゃん、携帯貸して」 「うん、いいけど…どこかに電話するの?」 「ううん…ちょっと、携帯の画面を使うだけ」 「わかった」 携帯電話を渡すと、美穂は人差し指と中指を携帯電話のディスプレイの上端に当てるとそのままなぞるように指を下ろす… すると、なぞった部分から映像が浮かびあがる。ゆかりが携帯電話の画面を見ると、そこには男の姿が映っていた。 この男には見覚えがある…直美と一緒に真希の病室を出た、大沢だ。 「山中さんが亡くなった原因は…わかっているな」 大沢がこちらを向いて話しているのが見える。 「はい…用意した点滴の種類が間違っていたから…です」 (でもどうして…点滴は取り替える直前まできちんと確認したのに…) 大沢とめぐみのやり取りとは別に、少しエコーのかかった声が聞こえる。 「この声って…」 「めぐみおねぇちゃんの心の声だよ」 ゆかりは美穂に確認をとると、再び携帯電話の画面に注目する。 「そうだ。それでこれが明るみにでたらどうなる?看護婦である君への信用が無くなって、どこの病院も雇ってくれないだろうなぁ…」 (そうだ…これがバレたら、私はもう看護婦なんかやってられなくなるし、普通の会社に入れるかどうかも怪しい…) 「…でも、それはこの病院も同じこと。最近はマスコミが医療ミスになるとうるさいからねぇ…だから山中さんは衰弱による心不全ということで、無かったことにしよう」 「でも、それは…」 「ん、なんだね?君は看護婦を辞めたいのかね?」 (くっ…こんなこと、許されるわけが無い…でも、この男に従うしかない…) 「はい…わかりました…」 「でもその代わり、取引をしないか?」 「ぇ…取引って、なにをですか?」 「このミスと…君の体をだよ」 「それは…どういうことですか?」 「このミスを無かったことにする代わりに、週に1回君の体を僕に捧げるのだよ…簡単なことだろう?」 (!!…なにをいいだすのこの男!!そんなことできるわけないじゃない!!) 「……」 「どうした?できないのか?できないから、君の妹でもいいんだがねぇ…この前見たが、君に似てなかなかの美人だ」 「それはだめです!!ゆかりには…ゆかりには手をださないで!!」 「じゃあどうする?このまま辞めるか?」 (…なんて卑劣な男なの!!いやだけど…わたしに選択肢はない…) 「うっ……はい……わかりました」 「ククク…素直でいい子だ。じゃあ早速今夜の11時に、病院の裏口で、待ち合わせをしようか…」 (いやだ…いやだ…こんな男と…だれか……助けて……) …ここで画面の中の映像が終わった。 ゆかりはその映像を見終わるとすぐに、めぐみの部屋へと入っていく。 「おねぇちゃん…」 「…ノックぐらい、しなさいよ…」 めぐみはそっぽを向いたまま話す。 「おねぇちゃん、わたしに話してたよね…なんで看護婦になりたいかって…」 「私が小学生…おねぇちゃんが中学の時だったっけ、死んだおばあちゃんが入っていた病院の看護婦さんの態度がそっけなくておねぇちゃん怒ってたよね、 『おばあちゃんが苦しんでいるのに、なんでそんなに冷たい態度がとれるのよ!!』って」 「おばあちゃんが死んじゃった後も言ってた、『わたしがなるんだ…どんなに辛くても、いつも親切で笑顔でいられる看護婦になるんだ!!』って」 「だからね、そんなに強い思いを持ってなった看護婦の仕事、辞めなくていいよ。あの男のところにも行かなくてもいい」 「!!」 それを聞いためぐみは驚いてベットから起き上がり、ゆかりのところまで近づく。 「なんであんたがそれを知っているのよ…どこで聞いたの?」 「おやすみ、おねぇちゃん…」 ゆかりはめぐみの質問を無視し、目を紅く光らせめぐみを眠らせた。 「ゆかり…めぐみの記憶を消すのを、忘れずにな」 サタンがゆかりに注意を促す。 「わかってるって」 ゆかりは、めぐみの額に人差し指をあて紅い目の記憶を消すと、そのままベッドに寝かせ、布団をかけた。 夜の11時を過ぎ、大沢は病院の裏口に向かった。冬に入ったせいか、寒さが一段と厳しくなり、吐く息も白くなっている。 病院の裏口に向かうと、大沢は驚いた表情をした。めぐみだけではなく、妹のゆかりもそこにいたからだ。 「ククク…2人とも来てくれたのかね」 「大沢先生、初めまして…っといっても以前お会いしましたよね?ちょっと先生に質問があるんですけど…いいですか?」 「…なんだね?」 「大沢先生って別の看護婦にもこういうことやってらっしゃるんですか?」 「つまらないことを聞くんだな」 「ちょっと興味がありまして…」 ゆかりがそういうと大沢の表情がいやらしいものへと変化する。 「ククク…君は、僕がこのポジションに着くまでにどれほど苦労したのか、知っているのかね?」 「さぁ…分からないですね」 「ククク…そうだろうな。僕の親父はね『一流大学の医学部に入らないと、おまえを見捨てる』って言われたから必死に勉強したんだ。 それで2浪してやっとはいったのはいいけれど、また6年間、地獄のような勉強をしたよ。大学を卒業した後、やっと親父に認められてこの病院の医者になることができたんだ。 だけど周りの連中は『父親の七光りがあるからなぁ』とか『楽して昇進できていい』とかぬかしやがるんだ…ろくに努力もしてないくせに!!」 「だからよぉ…院長になった今、そういうやつらに分からせてやるんだよ…僕の『オペ』でね」 「そういえば質問に答えていなかったなぁ…前は久保田という女の『オペ』をしたんだが、すごく楽しかったよ…僕の長年描いてきた『夢』が叶った瞬間だったからね」 「…おまえらみたいなろくな努力をしていない連中の体を支配し尽くす、それが僕の『夢』なんだ…」 「くだらない夢ね」 ゆかりの一言に大沢の表情が一変する。 「…なんだとぉ?」 「『オペ』を受けるのはあなたの方よ」 ゆかりはそう言うと目を紅く光らせ、大沢は気を失った。 大沢が目を覚ますと、すぐに自分が全裸で鉄製のベッドに縛られていることに気づいた。 この部屋は…自分自身がよく知っている。病院の地下にある、拷問用に自分が作った部屋だ。 「ぁ、大沢先生おめざめですか?…クスクス」 声のする方に目を遣ると、ナース服を着た二人の少女が薄ら笑みを浮かべながら、こちらを見ている…ゆかりと美穂だ。 「クスッ…サキュバス病院へようこそ、大沢八郎さん」 サキュバス?それとゆかりじゃないもう一人の少女は誰だ?…縛られているせいもあってか、大沢の頭は混乱している。 「では…診察を始めますね…みほちゃん、『患者』の頭の診察をお願い、わたしは…」 「ここの診察をしようかな…クスクス」 ゆかりはそういうと大沢のモノを掴み、親指で裏筋の部分を絶妙な力加減でグイグイとこすりあげる。 「うっ………」 ゆかりの神の手…いや、悪魔の手つきによって大沢のモノは一気に固くなる。 「クスクス…手で摩っただけでこんなにしちゃって、じゃあ玉袋の方も…」 「んっ……くちゅ…んっ……」 ゆかりは大沢の玉袋をそのまま口の中に頬張ると中の舌でかき回す。 「ぁ……うっ……」 その感覚に大沢の体中に快感が駆け巡る。大沢のモノは赤く腫れ上がり、射精の瞬間を待ちきれない様子だ。 「クスクス…もういっちゃいそうだね…」 ゆかりは、大沢のモノに自分の唾液を数的落とすと、それをローションを扱うかのように沢村のモノにまんべん無くのばす。 そして、激しくこすり上げ、大沢のモノにとどめを刺す。 「がはっ……!!」 ゆかりの愛撫に耐え切れなくなった大沢は、体を反らしゆかりの顔やナース服に大量の精子をぶちまけた。 「あはっ!!すごい出てるっ!!…ふふっ」 ゆかりは満面の笑みを浮かべながら、ナース服についた精子を人指し指で掬うと、いやらしく舌で舐めとる。 「これじゃあ白衣の天使じゃなくて白濁の天使だね…クスクス」 「ふふっ…こんないやらしいおちんちんは、手術しないといけないね…ねぇみほちゃん、頭の方はどう?」 「頭の中も手術したいとダメみたい…クスッ…だって、さっきからいやらしいことばっかり考えてるから…」 「それは…おまえらが…」 「患者さん、うるさいですよ〜」 ゆかりは口を尖らせながら、大沢の額に人差し指を当てた。 「……!!」 すると大沢の口からは荒い息遣いしか聞こえなくなり、声が一切出なくなってしまった。 「じゃあ『オペ』を始めようかな…クスクス」 ゆかりはテーブルの上にあるゴムホースをとる。 「ぇーと、これをこうして…」 ゴムホースを大沢の腕に巻き付け、ピンで止めて固定をする。 「ぁ!!しまった!!」 「どうしたの?ゆかりおねぇちゃん?」 「アルコール用意するの忘れてた」 「大丈夫だよ…あれは拭いてもあんまり意味ないらしいから…」 「ぁ、そうなんだ。じゃあ注射の方を…」 こいつら、医療の『い』の字も分からないと思ったが、意外と知識はある。大沢はほんの少しだけ安堵感を覚えた。 しかし、その安堵もゆかりの発言で一気にかき消されることになる。 「血管が3つ浮き出ているんだけど、どこに打てばいいんだろ…」 「ごめん…わたしも分からない」 「まぁ〜適当でいいか!!」 ふざけるな!!大沢はそう叫びたいのだか、ゆかりの『命令』のせいで声を出すことができない。 大沢はゆかりを鬼のような形相で睨みつけ、その思いをアピールする。 「クスクス…そんなに睨まないでよ…大丈夫、そんなに危ない薬じゃないから、死にはしないでしょ」 ゆかりは薬品の入った注射器を手にとると、軽く押して空気抜きをする。 「う〜ん…この血管が一番太くて打ちやすそうだから、これでいいかな」 静脈を選んでくれた…。大沢は先ほどと同じような安堵を感じたが、また表情を固くした。 …この薬品が何であるのかわからないのと、全く知識のない素人の注射であるからだ。 「じゃあいくよ!!えいっ!!」 大沢が予想した通りだった、注射された部分に痛みが走る。ゆかりは薬液をすべて血管に注入した。 大沢は痛みに耐えていると、急に体全体が熱くなるのを感じた。 「おおっ!!すごいっ!!」 大沢のモノが、なにか別の生き物のように直立し、血管が浮き出ている。ゆかりはそれを楽しげに見つめている。 「これはね、最近でまわってるバイバイアグラの液状タイプのものなの。普通は口から入れるんだけど 血管から入れたほうが、もっと効果があると思って…クスクス」 「じゃあこのいやらしい注射針を、みほちゃんの中に…」 「うん…わかった」 美穂はナース服を着たままパンツとストッキング脱ぐと、笑みを浮かべながら大沢のベッドに跨り、自分の陰部と大沢のモノとこすり付ける。 大沢は美穂の陰部がもたらす快感に身を捩らせる。美穂はその反応が楽しいのか、しばらくこすり付ける行為をやめない。 「クスッ…気持ちいいですか?じゃあそろそろ入れますから、いっぱい出して下さいね…」 美穂はそういうと、大沢のモノを手で掴んで固定しながら、ゆっくりと自分の膣に挿入する… 「あっ…熱い!!すごいよ…これ…」 自分の膣に入ってくる、大沢のモノを感じながら根元まで挿入する。 大沢は、あまりの快楽に顔全体の筋肉が緩み、だらしなく美穂のなかに射精する。 「んっ…いっぱい…入ってきてますよ…」 美穂はだらしの無い顔をしている大沢の頬をやさしく撫でる。 「すっごく気持ちよさそう…じゃあ、動きますね…」 美穂はゆっくりと腰を動かし、大沢の射精をさらに促す。 「クスッ…ハァ…ハァ…乳首がたってますよ…」 隆起している大沢の乳首を舌で丁寧になめる。 大沢はそれに気をよくしたのか、わずかに動く腰を使い美穂の中を突きあげる。 「ああっ!!…ハァ…ハァ…気持ち…いい…」 美穂は子供のように、人差し指を咥えながらその衝動を受け止める。 「もっと…いっぱい…突いて…出して……」 「ちょっと…なにやってんの、ストップ!!」 そばで見ていたゆかりが言ったが、美穂たちは聞く耳を持たず快楽をむさぼり続ける。 「こら!!やめなさい!!」 ゆかりは大沢を睨みつけ、『命令』で腰を動かなくした。ピクリとも動かなくなった大沢をみて、美穂は残念そうな顔をする。 「せっかく気持ちよかったのに…」 「みほちゃん、あのね、これじゃあどっちが『オペ』やってるか分かんないじゃない…それに今の勢いだと、最後まで絞り尽くすつもりだったでしょ。 ほんとに独占欲が強いんだから…誰に似たんだろうね…クスクス」 「ペットは飼い主によく似るからじゃない?ゆかりおねぇちゃん?…クスッ」 こいつらの会話は狂気に満ちている…美穂の中から離れ、気を取り戻した大沢は少し恐怖感を覚えた。 「さてと…こんどはわたしの番なんだけど…」 「ちょっとしぼんじゃってるからまた注射しようかな…クスクス」 こいつは何を考えているんだ…ゆかりの一言に大沢は更に恐怖感を覚えた。 ゆかりが再び注射を打つと、再び大沢のモノが隆起した。 「クスクス…わたしはみほちゃんみたいに、甘くないわよ…」 ゆかりはナース服のスカートを脱ぐと、パンツとストッキングも脱ぎ、下半身が裸の状態になる。 そして、美穂と同じくベットの上に跨り自分の陰部と大沢のモノをあてがう。 「じゃあ…始めるわよ…」 ゆかりは一気に大沢のモノを入れると、人間離れしたスピードで腰を振る。 大沢のモノは次々に押し寄せる快楽の波をただただ感じながら、大量の精を出し続ける。 脳みそが沸騰してしまそうだ…大沢は、徐々に何も考えられてなくなっていく。 「ふふっ……気持ちよすぎて、意識飛んじゃいそうでしょ?」 「ハァ…ハァ…でもこんなに速く腰振っちゃうと、わたしもすぐにイッちゃうかも…ハァ…ハァ…あっ、ああっ!!」 「ハァ…ハァ…やだ…もう、いっちゃう……あっ、あああああっ!!!」 腰を続けて1分もしないうちにゆかりは絶頂に達し、全身を痙攣させながら、大沢の体にもたれた… 「ハァ…ハァ…どう?ちょっとは悪いところ、治ったかしら?…クスクス」 大沢は、あまりの激しさに意識が飛んでしまった。 「すごい…ゆかりおねぇちゃん…速すぎる」 美穂はその光景をただ呆然と見ているしかなかった。 大沢が意識を取り戻すと、そこにはゆかりと美穂の姿が無く、代わりに一人の女性が立っていた。 その女性は、冷たい表情でこちらを見ている。 「君は…久保田君かね」 相変わらず全裸でベッドに縛られているが、声はでるし、腰も動かすことができる。 …あの悪魔のような女共はいなくなったのだ。これで外にでることができる…!! 「いやぁ〜酷い目にあったよ。。すまんが、この拘束を解いてくれないかね?」 「…いやです」 直美の思わぬ返答に、大沢は顔を歪める。 「なにをいっているんだ?君はあのミスを…」 「だって、まだ『オペ』は終了していませんから…クスッ」 そういうと直美は、薄ら笑みを浮かべながら1本の注射器を手に取る。 「君は…そんなことをして、許されると思っているのかね!!」 大沢は声を荒げるも、直美はまったく聞く耳をもたない。 「…この注射器に入っている薬剤は、睾丸をほぼ永久的に機能不全にする効力をもっているんです」 「まさか…それを…!!」 「そう、あなたのあそこに直接注射します…二度と…二度とあんなふざけたまねをしないようにね!!」 直美は血相を変えて大沢のところに近づく。 「やめろ…そんなことしたら、僕は…僕は…」 「さようなら…」 「うああああああああああああああああああ!!!」 直美が大沢のモノに向かって薬剤を注射すると、そのまま意識を失ってしまった。。 「みほちゃん、ナイス!!」 ゆかりが姿を現す。 「ん〜もうちょっと、欲しかったかな…大沢さんの精液」 直美…の姿をした美穂は、『幻惑』の術を解き、元の姿にもどると残念そうな表情でぐったりしている大沢を見つめる。 「べつにいいじゃない…もっといいモノをもってる男なんて山程いるんだから…クスクス」 「そうだね…」 「その話は置いといてさ…この男の後処理はどうしようかな…」 「確かにこのままだとまずいかも…」 「とりあえず『命令』で記憶だけ消しちゃえば、なんとかなるでしょ!!」 ゆかりはそういうと『命令』で大沢の今日1日分の記憶をすべて消した。 「…おねぇちゃんの『夢』はね、あなたみたいな人間が簡単に奪えるものじゃないのよ。そこで自分の醜さに反省していなさい」 ゆかりはそう言い残し、病室を後にした。 病院の前にあるベンチで、一人の男がため息をついている…大沢だ。 大沢は記憶がなくなっているあの日から、1週間の間自分の性器が勃起しなくなっていることに悩んでいた。 EDに似た症状かもしれないと思い、思い切って仲間の医師に相談したが、見に覚えのない薬剤投与によるものだと言われ 疲れやストレスが原因でないことからますます困惑する一方だった。 大沢がうつろな目で病院の外を見ていると、なにやらパトカーが数台止まっているのが見えた。 そのパトカーから警官が何人か降りてきて、足早にこちらに向かってきている…まさか!! 「大沢八郎さんですね?」 刑事の一人が大沢に確認を取る 「はい…」 「あなたを、殺人と強姦の容疑で逮捕します」 「ぇ……」 大沢は驚き、開いた口が塞がらなくなる。 「あなたは、同じ病院の看護婦を脅迫する材料として、貧しい患者に金を渡して、 点滴などをすり替えさせて擬似的に医療ミスを起した。あなたにお金を渡された患者が自首して丁寧に説明してくれましたよ… しかも、強姦の証拠も持ってきてくれたので、いくら優秀な弁護士をつけても、無罪にはならないと思います」 「うそだろ…」 大沢は突然ベンチから立ち上がる。 「ありえない…これは…だれかが仕組んだ罠なんだ!!」 「自分のアレが勃たないのも、警察に逮捕されるのも…だれかの陰謀だ!!」 大沢が叫び、暴れだすも警察は、彼の動きを抑え、手錠をかけた。 「クスクス…仕組んだ罠だとか、陰謀だとかどこかの政治家みたいなこといわないでよ…」 「クスッ…淫棒の間違いじゃないんですか…」 警察と大沢のやり取りを、ゆかりと美穂の2人は、病院の外からほくそ笑みながら眺めていた。 SS一覧に戻る メインページに戻る |