ゴッドマンVSテレジア
シチュエーション


シリストラの町の外れの断崖絶壁の小高い丘の麓に、一人の修道女が営む、小さな修道院があった。
鼠色の修道服に頭から足の先までを包み、その瞳もベールの後に隠された修道女は、名をテレジアといった。
その修道院で、彼女は4人の身寄りの無い子供たちを育てながら暮らしていた。

彼女がその小さな修道院の前で一人の創身の傭兵を見つけたのは、
もう雨期の暮れかけた頃のことだった。
深く立ち込める雨間の薄暗い夜明け前、傭兵の男は血塗れのミドルソードを土に突きたて、
まるで地獄から這い出てきたかのような格好で、修道院の前の花壇の脇に突っ伏していた。
息は、絶えかけていた。
伏したままの彼の前に修道女テレジアは屈みこみ、脈を確かめることもせず、
すぐさま翳した両手のひらから、癒しの術を振りまいた。

相手の素性のわからない。食いはぐれた野盗のたぐいかもしれなかったし、
そうでなくても安全な人物かどうかは、彼女には判断しかねた。
返り血やその跡にくすんだ赤銀の鎖帷子を纏った、荒々しげな黒髪の、筋肉質ではあるが細身の青年。
彼女は聖職者のつとめとして、ひとまず院にてこの男の手当てをすることにした。
いざとなれば、この身をもって戦う。
その心決めをしながらテレジアが傭兵の身を抱き起こした時、彼女は驚愕した。

「アレキス……!?」

苦悶のまま目を閉じた傭兵のその風貌を見て、彼女は思わずその名を発した。
透き通った、柔らかな声だった。忘れるはずも無かったその名。ずっと、覚えていたかったその名。
自然と溢れるように、雨が、しとしとと降りはじめた。

雨は、止まない。
修道院の一室で、テレジアは傭兵をベッドに横たわらせると、彼女は彼を看た。
傷は浅い。しかし、その創口は身体のいたるところに開き、
まるで死体の様に変色したそれは、明らかに何らかの毒にまみれたものであった。

「……誰の名だ」

不意に男が口を開いた。すぐさま男は立ち上がろうとする。

「動いてはなりません」

テレジアは男の傷に触らぬように彼を寝かせた。
男は彼女を見ず「アレキスというのが、俺を殺しにきた奴の名か」と問うた。
彼女は男を再びベッドに据えさせた。

「いいえ、ただの人違いですわ」

テレジアは、ただそう答えた。

「捨て置いてくれ。この毒は俺を蝕みきっている。つまらん生き恥を晒しても面白くはない」
「そうは参りませんわ。神が与えてくださったものを、無碍にはできません」

それ以上言わず、テレジアが解毒の術をかける。男は舌打ちした。

「飼い殺しはもう沢山なんだよ。もう飽きた。殺すのも殺されるのも」
「西国の戦はまた激しくなってきたと聴きました。……あなた、傭兵ですね。」
「違う」
「では?」

あんたに答える義理はない。男の目が、そう語った。

「……それにしても死に急ぐのはご遠慮願いますわ」
「俺の命だ。あんたが決めることか」
「ここは私たちの家。子供たちがいるのです。
子供たちに、掛け替えの無い命を見捨てるような真似は、教えられません」
「…………」

ベール越しのテレジアの瞳が、まっすぐに男の瞳とを結んだ。
僅かに見えるテレジアの頬の色は雪のように白く、
その潤いに満ちた肌と柔らかな声から、顔の見えない彼女の若々しい齢が、男に垣間見えた。

「ねえフェデリクにいちゃん。おれ、勇者になりたいんだ!」
「あたしねあたしね、ドラゴンナイトになりたい!ねえねえ、あたしたちに、剣のつかい方を教えてよ」

雨間の夜明けから、1週間がたった。修道院の前に倒れていた男は、誰もが驚くほどの回復力を見せた。
雨期は終わりを告げ、この頃は暖かな日差しがこの修道院を包んでいた。

始めは口を閉ざしていた男は、後からフェデリクという名を明かした。
物珍しい外の人間に興味津々な子供たちは、彼につきまとうようにしては、テレジアを困らせていた。
フェデリクは、寝たふりをしてごまかしてばかりだったが、
ときおり不器用な答えを返しては、子供たちを笑わせていたのだった。

「戦いたがる奴から死ぬぞ」

フェデリクはぼそりと答えた。

「じゃあ、にいちゃんはどうして生き残れたの?」

勇者になりたいと言った少年、トッシュが尋ねた。

「昨日襲ってきた魔物、みんなあんなに一瞬で倒しちゃったじゃない!」
ドラゴンナイトになりたいと言った少女ジーネは、そう言って目を輝かせている。

(俺はただ、なんとなく憎かったから殺し続けただけだ。そうしなければ殺されていたし、
殺されていれば、ここにもいない……)

テレジアの見ている手前ではなかったが、フェデリクはそう答えるわけにもいかなかった。

「せいぜい殺されない程度に身を守る技なら、教えるだけ教えてやる」

かわりに、そう答えた。

「わぁっ」
「やったあ!」

彼なりに、借りを返すつもりであった。まさか、殺しの業を教えるわけにもいかない。
フェデリクがテレジアに礼として渡せるようなものは、売ればこそ金になる血塗りの剣ぐらいしかない。
もちろん彼女がそんなものを受け取ると、彼は思っていなかった。
ならばこのしばしば魔物に襲われる修道院にしてやれること。それが彼なりの借りを返す方法だった。
子供は手加減を知らない。傷ついた身体を慣らすのには彼にも丁度よかった。

「トッシュ、ジーネ、いけません!」

外でお遊び程度に稽古をつけていると、洗濯物を大量に抱えたテレジアが大きな声でそう言った。
フェデリクは木の棒で遅い来る二人がかりの子供を軽くいなしながら、顔の向きを変えずに言う。

「また魔物がくるかもしれない。ガキはなにをしでかすかわからん。
自分の身ぐらい守れるようにさせておいたほうがいい」
「子供たちは、私が守ります」

テレジアは戦いの術にも覚えがあった。しかし、先日魔物が襲ってきたときは、
その術の威力を見せる間もなく、フェデリクの刃が魔物達の全てを仕留めていた。

(太刀筋まで、あんなに……。ううん、違うのは解ってる。400年よ……もうすぐ)

フェデリクに向かうベール越しの瞳が愁いに滲みかけたのを、誰も気づくことはなかった。

「へへっ!おれはエルジみたいに!しょんべんチビらせて隠れてるなんて!ガラじゃないぜっ!」

トッシュが思い切ったかぶりを、何度もフェデリクに振りつけながらそういった。
造作も無くかわしながら、フェデリクは答える。

「……あの赤毛の小僧か。あいつは生き残るな。素振りに行動が滲み出ない。
倒せもしないが、殺されもしない。武器を手にすればどうだろうな」
「えっ?うわぁっ!!」

トッシュの腕が軽々と掴みあげられ、彼は軽く草むらに放り投げられた。

「……今、自分がいつ捕まったかを覚えておけ。裏を返せば相手の動きに繋がる」
「いてて……。い、いまのでいいんだね、にいちゃん。わかったぜ!」
「大丈夫トッシュ?技、わかったの!?」
「おう!……いや、わかんないけど、投げ飛ばされてもあんまり痛くなかったぜ!」
「ハァ……」

ジーネはげんなりした。

フェデリクと稽古をつけるトッシュとジーネを、もう二人の子供であるエルジとアナは、
洗濯物を干しながら、横目でみつつ語り合っていた。

「あ〜あ。ぼくもトッシュみたいにチカラもちだったらなぁ……」
「エルジは魔法系でしょ。テレジア先生から、いろいろ教えてもらってる上に、
あたしたちと違って使えるんだから、いいじゃない」
「でも先生、あぶないからって攻撃の魔術、教えてくれないもん。
ぼくだって戦わないと、またはずかしいめにあうのに……」
「先生が守ってくれるんだからいいじゃない」
「やだよ!ジーネの奴ボクのことおもらしデンチってよぶんだぜ」

時々襲い来る魔物との戦いのとき、テレジアに魔力を送ることが、エルジにはあった。
アナは、つい噴出してしまった。

「アナまでひどいや。よし、ぼくもフェデリクにいちゃんにケイコしてもらうぞ!」
「あっ、まってよ、せんたくもの……。はぁ、しかたないね。あとチョットだし、やっちゃいましょ」

アナはひとり、洗濯物の残りを手にしてから、台の上に上りなおした。

初夏の日差しの中で、フェデリクは子供たちに囲まれていた。

(子供に好かれるところもそっくり……。あなたは……)

テレジアは、ふと『彼』のことを思い返した……。

『っしゃぁ!全軍撃破!見たかオレ様の実力を〜。ぎゃはははは!』
『アレキス、調子に乗ってるとまた背後からやられるわよ』
『ああ、そんときゃ回復よろしくナ。死ぬ前にw』
『……貴方が命の恩人じゃなかったら、吸い殺してやったのに』
『惚れた弱みって奴かね?くぅ〜モテる男はつらいゼ!なはははは!』
『お莫迦……。淫魔の私がエサのお前に惚れる訳ないでしょう』

(やっぱり、似ているのは姿だけか……)

彼女が覚えていた『彼』の時折しか見せなかった表情は、フェデリクには常にあった。
代わりに『彼』のいつもの表情は、フェデリクのどこにもなかった……。

(あぁ、アレキス……アレキス……!)

そうでありながら、彼女は疼きを感じずにはいられなかった。淫魔の証しが、彼女を少し濡らした。

魔物も現れず、その日は何事も無く暮れ、その晩も、もう更けた。
子供たちも寝静まった時分、フェデリクは月明りを頼りに、そっとベッドを後にした。

「行ってしまうのですね……」

修道院の裏口に、テレジアが待ち受けていた。ベールが外され、彼女の顔が月明かりのもと晒されていた。

「世話になった。魔物には気をつけろ。西が荒れて、じきにこの辺りも危なくなる」

それだけ言って立ち去るフェデリクの手を、テレジアが掴み止める。

「行かないで……」

フェデリクの背中を、不意にテレジアが包んだ。フェデリクの胸を強くだきとめるテレジアの腕を、
彼は振りほどこうと触れた。が、その感触に、彼は思わず動きを止めた。
誰かに捕まれれば、咄嗟にその殺気に応じて身体が動くフェデリクの、いつもの動きではなかった。
暖かさを感じた。しばしの時が流れた。
フェデリクの首筋に、テレジアの唇が触れる。少しして唇を離すと、テレジアは彼を放した。
フェデリクを振り向かせると、テレジアは、400年振りにその戒めを自ら破った。

「覚えてるわけ、ないよね……」

修道服の下に、肌の露出の激しい紫の衣姿があった。
バランスのとれたスレンダーさとグラマラスさを兼ね合わせた肢体と、
ふくよかな胸の膨らみがよくわかるシルエットであった。
頭にはオックスの様な形ではあるが拳大ほどの小さな角が対に生え、
背中からは、蝙蝠のような形の一対の赤黒い翼が一間ほどに広がっている。
月下に晒された彼女の美しいストレートの銀髪が、生暖かい風に少しだけ靡いた。

「サキュバスか」

たじろぐ様な様子を見せず、フェデリクは呟いた。

「見てのとおりです……」

答えるテレジアの瞳を、フェデリクはただ見つめ返した。

「あなたは……そう。あなたはあなたじゃありませんものね……」
「なんの話だ」
「少し、付き合ってもらえますか?」

「いいだろう」

と、フェデリクは答えた。

丘の上まで、彼らは歩いた。その間に、テレジアは語った。
400年前の、神と地上人の戦いのこと。その戦いで出会ったアレキスという男のこと。
その男の最期のこと。彼を弔い、欲を封じ、人と共に暮らす自分のこと……。
ひとしきり語り終えた頃、彼らは丘の頂上へついた。

「俺が、その男に似ているというのか」
「いいえ。あなたは、たぶんあの人……。貴方の太刀筋、我流でしょう?それが何よりの証拠です」
「俺は俺だ。英雄でもなければ勇者でもない。ただ、殺し続けるだけの屑だ」
「それでもいい。それでもいいの……」

テレジアがフェデリクの腕に寄り添う。
テレジアの頬を伝ったものが、フェデリクの腕に、流れ落ちた。

「耐えられなかった。たった、1週間だったのに。あなたがあなたであると気づいてしまってから!
……認めたくなかった。彼の為に封じた欲望が、こんなにも簡単に暴れだしてしまうなんて……!」

テレジアの瞳が、哀しくも淫靡に赤い光りを帯びる……。

「主よお許しを……。私はこの者を、誘惑せしめんとしております。どのような罰でも受けましょう。
ただ、今は……今だけ私に私の種族であることを、お許しくださいませ……」

フェデリクは初めてたじろぐ。

「くっ、なんの真似だ……!?」
「誘惑……してるのよ。私、貴方がほしい……。ずっと、貴方が欲しかった」
「やめろ……!」
「貴方が前生きていた間からずっと、私は貴方を手に入れられなかった……。
あなたがいなくなってからも、ずっと貴方が欲しかった。ずっと、アレキスが欲しかった!」
「やめろ!俺は、アレキスじゃない」

テレジアの唇が、そっとフェデリクの唇を奪う。

「!!」
「……愛してるよアレキス。今なら言える。
ずっと一緒だったのに、こうして愛してるなんて言ったの、初めてだね。
もう、伝えられなくなるなんて嫌だよ。あぁっ…アレキス、愛してる…愛してるのぉっ……!」

テレジアの爪が光って尖る。彼を脱がせと、彼女自身が輝き叫ぶ。
真空刃の術力の込められた彼女の爪に、フェデリクの服は鎖帷子ごと瞬時に切り裂かれた。
彼の身体には傷ひとつつけず、テレジアはフェデリクを裸に剥いた。

「く……!」

瞳の魔力に力を抑え込まれたフェデリクは、そのまま仰向けに押し倒される。
フェデリクの横に身体を重ね、テレジアは、彼のペニスへ手を伸ばした。

「いっぱい愛してるの……。あっ……硬くなってる。私の身体、見てくれたんだね……。
うれしい。私の『愛』、たくさん感じさせてあげるね……」

テレジアの滑らかな手つきが、フェデリクのペニスゆっくりと扱い始めた。
親指の腹と人差し指の腹で亀頭を掴み、こねる様な手つきで、テレジアはペニスを愛でた。
すぐにカウパー腺が反応を示し、彼のペニスはその先端から透明の粘液を染み出させた。

くにっ…くにっ…

「ふふ……。アレキスのここ、もう私の物だよ……」
「っあっ……!」
「あっ。貴方、まだ傷が癒えきっていなかったわね。今癒してあげる……」

そう言うと、テレジアはフェデリクの上に馬乗りになり、彼の体の傷に下の先を沿わせた。
唾液に濡れた治りかけの創口を、癒しの術の淡い光りを纏った指先がなぞった。
唾液に含まれる催淫物質が、そこからフェデリクの身体に染みる。フェデリクは、思わず歓喜の声をあげた。
しかし、フェデリクの口から発せられる言葉は、彼女の望むようなものではなかった。

「くぁぁぁっ!……ぐっ!……す、すまない。俺は、あんたとこれ以上する気にはなれない」
「分かってる……。分かってるわ」

テレジアは俯いてしまった。

「……愛してくれなくていいの。愛してなんかくれなくていい。ただ……」


ダイナシガイストがあらわれた!

テレジア「ただ、私の、おいなりさんをたべてほしいのだー!」
フェデリク「なにその唐突なふたなり設定」
テレジア「生えてねえよwいや、お前が望めば生えるけどな」
フェデリク「望みません」
テレジア「望めよ。作者的にも読者的にも多分需要あるぞ」
フェデリク「うるせえ死ね」
テレジア「まあいい。食え、普通のいなり寿司だ」
フェデリク「おお、ホントに寿司だ。いただきまーす」

もぐもぐもぐもぐぽきっもぐもぐ

フェデリク「……なんかぽきっていったよ?」
テレジア「隠し味じゃね?たぶんチョロQ」
フェデリク「んなもん食わすな!ごっくん。ごちそうさま」
テレジア「あー、エロいところ、ちんこさわったぐらいでおわっちまったよ」
エロなし部こんだけ長い時点で萎えてるだろみんな」
フェデリク「萌えててほしいorz」


「ただ、貴方を愛させてほしいの……」

横たわるフェデリクの上で、テレジアは彼を見つめながら自らの着衣に手をつけはじめた。
豊満なバストが露わになり、つんと立った乳首が空のほうを向く。
彼女は腰に巻いたを薄布を解しきると、その下半身の全てをも月下のもとに露わにした。

「こっちで精気を吸うのも、初めてだね……」

そう言って、テレジアはフェデリクのペニスを自らのクリトリスにあてがった。

「あぁっ…フェデリクさん…ごめんなさい……。私は、貴方が望まないことをしてしまいますわ。
この身体で誘惑し、あなたの精を……。でも…それはあなた愛しているから。
あぁん…あぁぁん…!吸わせて……ください……!」

テレジアは既に濡れつくしていた、彼女はその膣口にフェデリクを誘い込むと、彼の股間に腰を沈めた。

ずにゅっ……!

「あふぅっ……!あぁ…貴方を…感じる…!」

テレジアは、ゆっくりと腰を動かし始めた。

(ぐっ……身体が……俺の身体が感じているのか。これがサキュバスの魔力か……!)

「あぁん…あぁぁっ…あんっあんっあんっあんっ!

淫魔の私が……こんなに……感じてしまうなんて……」
テレジアの秘肉がねっとりと、フェデリクのペニスを包み込み、吸い付いた。

ぐちゅっ…ぐにゅっ…ずぬっずぬっ!ぐちゅぅっ!

サキュバスの人ならぬ愛液がフェデリクのペニスに染み込み、少しずつ精気を溶かし、吸い取ってゆく……。

「あはぁっ…!今まで…男を興奮させるためにしかあぁっ…喘ぎなんて…出せなかったのに……!
あっ…どうして……?声が……勝手に漏れちゃう……!あぁぁ…誘惑…できない…!
あぁぁん…あっあっあはぁん!好き…好きなのぉぉっ!」

400年振りの精の味にして始めての感覚に……テレジアは我を忘れて腰を揺らし続けた。

「貴方を誘惑したいのに……私が…気持ちいい……あぁん…アレキス…
……フェデリクさん。……愛してるわ。……私の中で、もっと硬くなってぇっ!」
「だ、だめだ……。テレジア……すまない、出る!」

どくぅっ…!どぷ…どくどく……!

淫魔の膣の感触は、戦いばかりで女慣れしていないフェデリクを、すぐさま絶頂に導いてしまった。

「貴方の精が……。ぁぁ……なに……?この感覚……。んぁっ……。
男を果てさえる悦びとは違う……。あぁぁあん…ぁぁあぁ…ぁぁっあはぁぁぁっ……!」

身体をひくつかせながら後手に身体を反らせて、テレジアは悶絶した。

(イヤ…私のなかに染み込んで……。あぁっ……私……、イってるのね……。
いいわ……。これが……愛……。アレキスが……教えてくれた……)

「うっ……すまないテレジア……。……!?俺のものが……!」

淫魔の力だった。エサとなる男から搾りつくすために、性器の代謝を狂わせる淫魔の体液。
その力で、射精により半勃起状態になったフェデリクのペニスは、すぐに完全な勃起状態を取り戻した。
多く淫魔はこの、膣内での再勃起の感触を好んだ。
それは長らくの禁欲生活を送っていたテレジアにとっても、変わりはなかった。

「あぁ……。もっと勃起して……私のなかで、おっきくなって……!あぁん!」

オーガズムの引いてゆく感覚と入れ違いに、テレジアは再び腰を動かし始めた。
混ざり合った液に濡れながら、テレジアの秘肉はフェデリクのペニスを抱きしめるように愛した。

「ぁぁ……精液の味が……。あぁん…」

400年ぶりの男の体液の味は、テレジアにとって慣れないものであった。
増してや、愛してしまった男の、400年思い続けた男の液である。その味は長きをいきる彼女を以ってしても、
筆舌には尽し難かった。ただの男の液と違うのは間違いない。
ひたすらに、テレジアはフェデリクを通じてアレキスを感じた。
彼女は身を起こした。『彼』への愛おしさが、たまらなくなった。
フェデリクの胸板寄り添い、テレジアは吐息を漏らした。テレジアは甘えるような声で尋ねる。

「アレキスは……。私のこと、どう思っていたのでしょうか」

フェデリクは黙った。黙ってから、彼女の背中に手を添えた。

「私のことを……男を吸いたいだけの、はしたない女だと思っていたのでしょうか……」
「……仲間だったんだろう?」

フェデリクが、不意に口を開いた。

「……俺には400年も、そいつのことを思えるような奴なんて、いない」
「フェデリクさん……」
「あんたを俺はよく知らないが、あんたは多分いい女だよ。子供たちも、懐いている。
400年も待ったんだ、待てるだけの思いを持った女だってことには、間違いない……」
「でも、ただの片思いかもしれませんわ」
「ただの命を精にかえて吸う女に、俺なら命を預けられない。それでも、あんたのような女なら、俺でも考える」
「でも彼、莫迦なところがあったから……」
「それなら俺も同じだ」

テレジアが、フェデリクの顔を見た。

「俺と同じ顔で俺と同じバカなら、たぶんそいつは、無条件で、お前に惚れている」

フェデリクはテレジアの髪に触れた。

「気が変わった。テレジア、……抱いていいか」

テレジアは、小さく頷いた。

「あぁっ…ああぁんフェデリクさん……!もっと…優しく…あぁぁん!」

サキュバスであるテレジアならば、その魅力に狂った男に激しく身体を弄ばせることには慣れているはずだった。
たとえ何百年経とうと、その性質に変りはない。しかし今、テレジアは生娘の如く身じろいでいた。

「悪いが無理な話だ。あんたの魔力に冒されている俺では、自分の制御などできない……!」

フェデリクはテレジアの横からペニスを挿入したまま、片足を上げさせて激しく腰を突いた。

「あっあっあっあぁぁあぁぁん!ぁぁっぁはぁっ!あぁぁぁんッ!」
「テレジア……俺を愛せ……。俺でもアレキスでもかまわない。とにかく、俺に捧げろ」
「あんッ…!愛していますわ……愛して……あぁぁん!」

めちゃくちゃに胸を揉みしだきながら、フェデリクはテレジアの首筋を獣のように嘗めまわした。

「ぁぁ……ぁはぁぁぁぁん!」

元来挑発するような喘ぎを見せるサキュバスであるテレジアが、ここまで乱れたのは初めてのことであった。
吸うことより、交わることに激しく感じていた。もちろん、本能的に精を吸ってはいる。
だがその吸ってはいる精が、あまりの快感のために乳房の先端からエキスとして漏れ出してしまっていた……。

ぷちゅっ…ぴうぅぅっ

「や、やめてぇ!優しくして……。ああっ…好きぃ…。私……おかしくなっちゃう……!」

フェデリクは激しく突き続けた。突きながら、何度か射精に到った。
射精の感覚はフェデリクをより攻撃的・煽情的にさせ、彼にテレジアの身体をより求めさせた。

「テレジア……俺もあんたが……ぅっ!」

びゅるびゅるっ!

何度も放った精液が溢れ、テレジアの太ももをどろどろにしていた。

「はぁっ…はぁっ…これが…愛…。アレキスの……フェデリクさんの情愛なのですね……」

フェデリクの動きが止まった。テレジアはうっとりとしながらフェデリクの傷跡だらけの手を握った。
フェデリクは、ペニスをテレジアから引き抜いた。

「あぁ……やめないで。もっと……愛し合わせてください……」
「俺を上にしてくれ。そのまま横になっててくれ」

今度はテレジアが仰向けにされた。股を大きく開かされ、彼女は親指の爪を噛む様な仕草をした。
彼女の身体に自分の身体を重ねるようにしながら、フェデリクは股間で股間をまさぐる。

「あんっきて……。抱きしめさせてください……」

ずぬっ…ずり…ずり…

「あはっ…フェデリクさんのが、私の入り口を……あぁんあぁん!」

ぺろっ…ちぅちぅ…

挿入が済むと、フェデリクはテレジアの腰の括れに両手を当て小刻みに腰を動かしながら、
テレジアの乳房から漏れた精のエキスを味わった。

「ぁぁぁ…もっと吸って…突いて……!」
「テレジアの入り口が気持ちいいんだ……。俺の先の方を感じさせてくれないか」
「ええ……貴方の好きなようになさって……あぁっぁあ…んんっ…!」

膣口から亀頭を出し入れしながら、フェデリクは吐息を漏らした。

「ハァ…ハァ…テレジア……。どうして……俺は…お前を求めているんだ?
あんたの妖力のせいじゃない……」
「フェデリクさん……」
「お前に惚れていたのは……アレキスじゃないのか……?」

フェデリクはテレジアの胸にむしゃぶりついた。膣口の締まる感触を滑ったペニスの先で感じながら、
彼は彼女の目を見ることが出来ずに、問いかけた。

「私にも、分かりませんわ……。でも…私たちは…互いを求めているのは…確か。
そして私は、あなたを愛して…ぁんっ!愛しています……。
私……イってしまいました……。淫魔なのに…こんなところを責められてイくなんて……」
「400年ぶりなんだろう。感度が高まっていてもおかしくない」
「あっ…おまんこのいりぐち…いい……。硬いのが…出たり入ったりして…アはぁっ!」

ぷりゅっ…ぴぅっ…

テレジアの乳房が、再び精を漏らした。また獣のように、フェデリクはその精を啜った。
幾度にも重なる行為を、彼らは夜明けまでつづけた……。
夜が空ける前に彼らは修道院へもどり、テレジアはフェデリクの服を拵えた。

――次の朝

「わぁい!それじゃあ、しばらくここにいてくれるんだね、フェデリクにいちゃん!」
「やったぁ。これでどんな魔物が来てもこわくないよ!」

子供たちは、テレジアの伝えたことを多いに喜んだ。

『僕たちは、それから幸せに暮らした。……そう、あの日がくるまでは。
……7年後・エルジ編に続く』






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