シチュエーション
ずっと昔に憧れていた幼馴染をようやく手に入れ、そのままベッドに拘束した後に気を失った エドウィンを見つめるリィナ。心なしか彼女の瞳には熱がこもっているように見える。 「……、まさか、また生きてあいつに会えるとは思っていなかった。」 その表情は幾多もの男性を魅了してきた女の表情ではなく、まるで恋する乙女の表情だった。 「ふふっ。幸せそうな顔をしおって」 と顔を指でつついてみる。だが彼はまだ目を覚まさない。 「よかった。本当によかった。手遅れになる前に助けることができて……」 と微笑を零すリィナ。彼女はエドウィンを助けるためだけに、 「処刑は偽の情報で死んだはずのこいつを使って我々に奇襲をかける可能性がある」 とまで嘘をついたのである。不確定要素をなくしたいと、魔王様に必死に頭を下げてまで、である。 そしてリィナは自分の胸を見る。大きくふくらんだ、たわわな胸を。 もう自分は悪魔になってしまった。それも節操なしのサキュバスに。 その証拠に自分の胸はこんなにも立派に成長した。そう考えるといたたまれない気持ちになる。 何人もの男が自分の上を通り過ぎていって、そして果てた。 そんな汚らわしい体で愛していた幼馴染を抱いていいのだろうか?と。 ふと思い立ったリィナは寝ているエドウィンに暗示をかけて操ることにした。 いろいろと聞いてみたら面白そうだと思ったから。 そして、エドウィンが何を好きなのかどうしても知りたかったから。 「ふふっ。いろいろ赤裸々に語ってもらうぞ」 そう言いながら暗示をかけると彼は目を閉じながらしゃべり始めた。 「ハイ、ナンデショウカ?」 「よしよし。順調だな。まずはそうだな……、大きいおっぱいは好きか?」 「ハイ、モミモミシタイホド、ダイスキデス」 「お前はおっぱいフェチなのか?」 「ハイ、オトコハミンナ、オッパイガダイスキデス」 「そうか。私は胸の大きさには自信がある。よかったな」 「ハイ」 と思ったことを正直に答えるエドウィン。このことを彼が知ったら後で発狂するかもしれない。 「女の人の裸は好きか?」 「キョウミシンシンデス」 「私の裸は?」 「ゼヒ、ミタイデス」 「やっぱり、こいつ、男なんだな。くくくっ、可愛いじゃないか……」 夢に出たときに二度とくるなと言われてしまったこともある。 裸に興味なんてないとも言われたこともある。だが本心を返せば結局は見たい。 もう少し素直になればいいのに。 「ありがとな。おかげで自信がついた。ふふっ、起きたらたっぷりと可愛がってやるか」 そう思って風呂場に行くリィナ。 服を脱いだところでよからぬことをいくつか思いついたようで、何もつけないまま戻ってきた。 「起きろ、エドウィン。後、三つ聞きたいことがあるのだが、いいか?」 「ハイ……」 「下着だが、布のパンツと、布と紐のパンツと、紐だけのパンツ、どれが好きだ?」 「ヌノト、ヒモデ、ヒモヲヒッパルノガ、スキデス」 「そうか、やっぱり脱がすの好きか。次にお前はパイパンと剃ってないのとどっちが好きだ?」 「パイパン、デス……」 「意外な返事が返ってきたな。それにしてもお前、マニアックだな」 と少し考え込むリィナ。 だけれどもサキュバスのリィナにとって、この程度のことは簡単に満足させられることの範疇だった。 「その……、だな。最後に一つ聞いていいか?」 「ハイ……」 「お前……、その、もし……幼馴染が生きてて魔族になってたらどうする?」 もじもじとしながら返事を待つリィナ。やはりそういったところは奥手なままであった。 そしてエドウィンが返す。 「ソノトキハ、コンドコソ、マモリマス、イノチヲカケテ」 「本当か!?」 「ハイ」 驚いて地に足が着かないリィナと落ち着いたエドウィン。そのうちにリィナも冷静になってくる。 「そうだな。この状態で嘘がつけるわけないものな。私もだ。ずっと昔から愛してる。エドウィン……」 と喜びのあまりキスをするリィナ。 そして裸であることにちょっとした肌寒さを覚える。 羞恥は平気なのだが肌寒いのはサキュバスでもどうにもならない。 「あいつが起きた時のために今日は体を念入りに洗っとかないとな。」 と、この上なく上機嫌なリィナ。そして、一言付け加えた。 「あと……、毛はちゃんと処理しないとな。パイパンが好みか」 その後、エドウィンが起きるのは3時間後の話であった。 そして手玉に取って遊ばれたのは言うまでもない。 SS一覧に戻る メインページに戻る |