シチュエーション
![]() うちの嫁は人間じゃない。淫魔とかサキュバスとか呼ばれる妖魔の類だ。 「聞くと見るとは大違い」というのは実によくある話だが、我が愛妻もその例に漏れない。 特に驚いた点が二つあるので、以下観察報告。 第1は意外に小食というか、毎夜頑張れば俺一人で出せる量の精で満足することか。 妻いわく 「毎日干物製造? 下手すれば複数? そんなに私をメタボにしたいの?」 だそうだ。ただし「絶食」には弱い。数日お預けとなると、取り戻すために干物を 製造する…こともあるようだ。この辺は個人差があるのかも知れない。何しろ 人類の食い物は別腹だと…いかん、こっちを睨んでいるので以下自粛。 第2は、ベッドの中では人間の姿でいることを好むことか。 嫁の正体は伝承通り曲がった角、コウモリの翼、とがった尻尾を持つ典型的な サキュバスだ。化けっぱなしは疲れるらしく、正体丸出しでゴロゴロしてることも あるが、寝る時はわざわざ人間に化ける。 「だって、角があるとキスするとき貴方に刺さりそうだし、ベッドの中で翼を出してたら くしゃくしゃになっちゃうし…」 だそうだ。 今、妻はダーウィンの著書を難しい顔をして読んでいる。 顔を上げた彼女の第一声は 「ねぇ、サキュバスって…どう見ても環境に適応していないような気が…」 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |