三次元じゃだめなんだ。
シチュエーション


「ほら。」

そう言って奴は使用済みオナホールを渡してきた。

人類文明は崩壊した。
人間の激減と同時にその精をを餌にする淫魔も激減し
私たちは男を求めて旅立った。

そして出会ったのがこのシェルターで暮らすこの男
共存を申し出た私たちに男は賛成し、このシェルターに住まわせてくれたのだけれど…

「俺は二次専なんだ。」

いくら誘惑しても、魅力的な肢体を見せつけ、すり寄っても反応しない。
にも関わらずPCのモニターや紙の中の娘たちで抜いている。
オナホールの精で生き延びることはできるけれど、これでは淫魔としてあまりにも惨めだ。

私たちは滅んだ都市を駆け回り、あの男が好むシチュエーションを作ろうとした。
セーラー服、ニーソックス、ボーダー柄のパンツ
髪型も見よう見まねで整えてツインテールやポニーテール、黒髪ロングを演出。
さらにはアニメや漫画を参考しキャラの練習。妹、ツンデレ、ヤンデレ、クール
シェルター内に教室や部室を再現したこともある。

あらゆる努力を私たちは行った。そして全ては無駄だった。

「三次元じゃだめなんだ。」

今日もオナホールから精液を掻きだし分け合う。
こうしている限り死ぬ心配はない。
私たちがいればこの男が寿命以外で死ぬ可能性も低いだろう。
だが私たちが満たされることはない。満たされることはない。






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