サキュバスVS少年
シチュエーション


「くそ、油断した・・・!」

舌打ちと共に、Xの字の石で作られた物に磔にされた少年が吐き捨てる。
辺りは漆黒の闇に包まれ、少年の視界は数メートル先すらままならなかった。
少年は非常に小柄であり、華奢で見るからに頼りないが、彼は町から依頼を受けた者だった。

名はシグ、薄い水色の髪の毛に非常に小柄な見た目が特徴的である。
腰には一本の短刀が携えられているが、両手両足首を鉄の手錠でXの石に繋がれていては何も出来なかった。
何とかして抜け出そうとはするものの、手錠が乾いた音をあげるばかりで抜け出せるような気配はない。
元よりシグは魔族なる異端のあふれるこの世界で、力ではなく短刀術と圧倒的な敏捷性を武器にして戦ってきた。
その敏捷性と短刀術を封じられてしまえば、もはやシグはただの人でしかない。

するとその時、不意にシグは自身の正面に怪しげな気配を感じ、顔をあげる。
そこにいたのは一人の少女、その容姿は非常に美しくシグが今まで見た中で、間違いなく最高の美少女だった。
右手には小さな灯を灯すろうそくの乗った燭台があり、その明るさのみでシグは少女の容姿を見る。

艶やかでクセの全くない肩辺りまで伸びる橙色の髪の上には、何かしらの角を模した髪飾り。
つぶらながら少しばかりくりくりっとした目は愛らしく、柔らかな唇は優しくシグに向かって微笑んでいる。
やや尖っている耳を見るところ恐らく人ではないのだろうが、珠のような白い肌に漆黒の下着のような服をまとっている。
胸もCカップほどだろうか、少女のわずかな動きにつられて動く辺り、相当な柔らかさが伺える。

しかしその容姿に漆黒の下着のような粗末な服を着ている者に、シグは心を許しはしなかった。
するとシグの敵意のこもった視線を読んだのか、少女はほほを膨らませて口を開く。

「もぉ、キミつまんなぁい。何で理想の女の子とかないのぉ?私、結構素の容姿で出てきちゃったじゃなぁい」

「あいにくサキュバスに欲情するほど、性欲に溺れてはいないからね。何しに来たの?僕を拘束したのは君なの?」

「ピンポーン!知っての通り、私達ってさぁ、標的の望む姿になって精を取りに来るのは知ってるでしょう?でもそれだと芸がないから、ちょっと強引にいただこうかなぁって。それぇ」

サキュバスはキャッキャと擬音が出んばかりに明るくそう言うと、パチンと指を鳴らす。
それと同時にシグの両手両足を戒めていた錠が音を立てて開き、シグを戒めから解き放った。
わずかに地面から浮いて拘束されていたシグは、そのまま重力に引かれて着地すると、とっさに腰の短刀に手をやる。
サキュバスは基本的に精を搾る技術は圧倒的といえど、戦闘になればシグは負ける気はしなかった。

しかしサキュバスは先ほどと変わらずニコニコしており、むしろシグが自由になってから元気になっている。
ぴょんぴょんとわずかに跳ねるサキュバスの胸はその度にも上下に揺れ、凄まじい性的アピールを繰り返した。
シグは解せなかった、サキュバスの戦闘能力が低いのは自分だけではなく、シグの世界では周知の事実

ましてやシグ自身の戦闘能力は年齢や見た目に反して非常に高く、サキュバスには負けたことはない。

その時、ぴょんぴょん跳ねていたサキュバスがその足を止めて、自分の腰元にあるヒモを摘まんだ。
そしてその場に屈んで、ろうそくの燭台をわずかな金属音と共に下ろして口を開く。

「キミ、シグって言うんでしょ?有名だよぉ、私の仲間も何人かキミを狙ってたし。でもみんな返り討ちにあってたから、どんなもんなのか試してみたいなぁ」

「試してみたいのは自由だけど、手加減しないからね。それこそ死ぬことになっても恨まないでよね」

「あはははは!いいねぇ、そういうのってぇ。キミの強さは知ってるよ、大層美味しいんだろうなぁ。ふふ、行くよぉ!」

「君も返り討ちに・・・なっ!」

シグが声をあげながら腰元の短刀を引き抜こうとした瞬間、シグは我が目を疑った。
スピードだけなら負けない自信があった、スピードしかなかった自分が動くより速く、サキュバスが目の前にいる。

「ふふ〜ん♪捕まえたぁ」

サキュバスは嬉しそうに微笑みながらそう言うと、シグの両手首を掴んで背にある漆黒の翼を広げる。
それと同時にシグの両手首を掴んだまま床を蹴り、翼をはためかせながらシグもろともふわりと飛んだ。
まだ握りきれていなかったシグの短刀は、不意の衝撃により手からこぼれ落ち、床に当たり金属音を鳴らす。
しかし何故飛び上がったのかというほど、サキュバスはすぐに高度を下げて地面に近付いた。
そしてシグのカカトが床に引っ掛かり、背中からシグが床に倒れ込むのに合わせて、サキュバスはシグの手を離す。
シグは背中から地面に落とされ、二、三度むせはしたもののすぐに立ち上がろうとした。

瞬間、サキュバスは自身の腰元に出ていた漆黒のヒモを摘まみ、勢い良くそれを引く。
シュッとヒモがほどけるのと同時に、サキュバスのアソコを隠すための下着がヒラリと取れた。
そしてそのまま翼を閉じて重力に逆らわず降下し、立ち上がろうとしたシグの顔面にアソコを押し当てる。
シグはそのままサキュバスに押し倒され、後頭部は地面に、顔面にはサキュバスのアソコを押し付けられた。

「んく!?ふむぅ!ふうぅ、んんんん〜〜!!」

「淫魔流拘束術、おまんこ落とし。なんちゃってぇ、えへへ。名前なんかどうでもいいけどさぁ、動けないでしょ?」

サキュバスの言葉など意に介さない、侮辱は万倍にして返してやるという怒りがシグの中に込み上げる。
今まで襲い掛かってきたサキュバスには、精を奪われるどころかシグは歯牙にもかけてこなかった。
それはサキュバスの戦闘能力が低かったことと同時に、シグがそれだけ強かったことに起因する。
しかしあろうことか、今のサキュバスには自身の性器さえ押し付けられ、あまつさえ完全に優位に立たれていた。
何より早く、シグはこのサキュバスの拘束から逃れることが最優先である。

シグは素早くそう結論付け、腕を自由に動く位置まで動かし、自分の顔面に跨がっているサキュバスの太ももを掴む。
シグの細い指ならばすっぽりと包み込みながら沈んでしまいそうな柔らかさに、思わずシグは手を止めてしまいそうだった。
だがそんな劣情を抱かせられたことさえも屈辱、シグはサキュバスのももの内側に手をかけ、強引に開かせる。

その時、サキュバスは恥ずかしそうにはにかみながら脇を締めて胸を寄せ、わざとらしく艶かしい声が上げた。

「いや〜ん、女の子のおまんこなんて見ないでぇ〜!」

「う、うううるさい!嫌なら拘束を解け!だいたい誰が見るか、魔族の股間なんて!」

「ぶ〜、心外だなぁ。人間とか魔族含めて、女の子なら最高級のおまんこなのにぃ・・・いいよぉ、見ても」

「誰が見るかぁ!」

シグはそう言って抵抗しようとするものの、サキュバスは完全にシグの顔面に跨がっている。
目を開けばそこにはサキュバスの性能が広がり、シグが赤面して目を逸らせばサキュバスはおかしそうに笑った。
その度にサキュバスは――見たいなら無理しないでぇ?――と悪魔の囁きと共に、足を開いて性器を晒す。
事実、サキュバスの性器は形や色、肌のハリなどからシグも認めざるを得ない秀逸なもの。
言うなれば花と形容するにわずかな劣りすら見られないそれは、サキュバスの言う通り最高級である。

そしてシグがサキュバスに拘束されてもがくこと十分、全く進展もないままシグはもがいていた。
サキュバスの太もものみならず、サキュバスの足首を掴んで動かそうとしたり、首を左右に振ってみたり。
身体を左右に振ってみたり、サキュバスの脇を掴んで引きずり下ろそうとしたり、あらゆる手段を試した。
しかしどんな抵抗も効果のある兆しすら見えぬまま、脇を掴んだ時などはサキュバスは面白おかしく笑ってさえいたのだ。
サキュバスはいかにも退屈したようにまゆを下げ、拘束されたままのシグを見下ろして口を開く。

「ねぇ、もう諦めたらぁ?シグ君の上に跨がるのも飽きたよぉ、ねぇってばぁ?」

「うるさい!嫌なら下りろ!」

「それもやだぁ、分かったよぉ。諦めついたら教えてねぇ」

そう言ってサキュバスは両手を突き上げながら、大きなあくびをして見せた。
気持ちサキュバスの頬が赤くなっている気がしたが、シグはそんなことは気に掛けていない。
サキュバスはどうやら本当に退屈しているらしいが、そのあくびの隙をシグが見逃そうはずはなかった。

シグは歯を食いしばり、目一杯右手で拳を握ってサキュバスの腹部に狙いを定める。
いくらシグの取り柄が敏捷性だけでも、密着状態からの渾身の一撃ならば効果がないはずはないと踏んだのだ。
力がなくても、最悪サキュバスの身体がわずかに浮けば抜け出せるだけのスピードはある。
シグは一瞬の溜めを経て、サキュバスの左の腹部を目掛けて拳を突き出した。

「隙あり!」

「遅いよぉ、シグ君」

「?な――!?」

シグは唖然とした。
完全に隙が出来たと踏んで拳を突き出したにも関わらず、サキュバスは容易にシグの拳を止めたのだ。
シグの右手は逆手に構えたサキュバスの左手に包み込まれるように止められ、がっちりと掴まれている。
シグが右手を引こうにも全く離れる様子もなく、サキュバスの表情には余裕が見えていたが、シグには戸惑いが見えた。
しかしその時、サキュバスの表情はこれみよがしに怪しげな表情が浮かび、なおシグを震え上がらせるのだった。

サキュバスは自分の土俵に引き込めば、魔族の中でもかなりの強さを誇る。
それは夢の中で拒絶しようのないシチュエーションを作り出し、相手が自らサキュバスに精を捧ぐからだ。
しかしシグの経験上と言い伝えからすれば、サキュバスは戦闘能力という点においては大したことはない。
何度もサキュバスを相手にしてきたシグ自身、サキュバスに苦戦した覚えはなかった。
ならば既に今のシグも夢の中、そんなことも浮かんだが夢か現かも分からないほどシグは未熟ではない。
シグは怒りとは違う悔しさが込み上げるのを感じ、残された左腕で同じようにサキュバスを殴り付けた。

「くっそ、この魔族め!」

「あははは!甘甘だよぉ!」

しかし効果はない。
シグの左腕は右腕同様、サキュバスの左手に包み込まれるようにしてあっさりと受け止められてしまった。
シグの万策は尽きた、同時に自ら両手の自由を投げ捨てたことに気付くには遅すぎたのだ。

サキュバスは何とか抵抗しようと両手の自由だけでも取り戻そうとするシグの手を握ったまま、クスッと笑みを浮かべる。
その笑みはシグを錠の拘束から解き放ったときの無邪気な笑みとは違い、底の見えない妖艶さが含まれていた。
暴れるシグをものともせず、サキュバスは妖艶な微笑みを浮かべたまま、丁寧にシグの腕を膝の裏に挟み込んでいく。
その間も抜け出す隙を探すシグだったが、大した効果も見られないままにシグの両腕はサキュバスの両膝の裏に挟まれた。
シグの両腕が汗ばんでいながら、心地よい温かさと柔らかさを持つサキュバスの膝の裏に包まれる。

両腕の自由を奪われ、サキュバスの性器を眼前に突き出されながらも、シグの疑問は消えなかった。

「何で、くそ!何でサキュバスの力がこんな・・・!」

「不思議そうだねぇ。サキュバスは魔族の中でも力はない、そう思ってるでしょ?合ってるよぉ、魔族の中のサキュバスは確かに弱いよぉ」

「じゃ、じゃあ何で・・・!?」

「“魔族の中で”だからねぇ、人間には別に劣ってる訳じゃないんだぁ。特にシグ君は力ないし、クスッ。形成ぎゃくて〜ん!」

「ふ、ふざけ・・・!」

そこでシグの言葉は途切れ、同時にシグの顔面に腰をグラインドさせたサキュバスの性器がぶつかる。
むにゅむにゅとした何とも形容しがたい柔らかさを誇るサキュバスの性器が、シグの口にぴったりと重なっていた。
同時にシグの鼻はもちろん、口の中にまでそれはそれは濃い女の匂いが染み込んでいく。

「ぐ!ん、んんんん〜〜ぐ!ふぅ、むぐ!んぐっ!ふ、ん、ぐむううぅぅ!」

「んん、いいよぉ、シグ君!もっと、もっとしてぇ!んあぁ!気持ちいい、あぁ、んん!」

「んぐぐぐ、むぐぅ!ぶは、やめて、息が出来な、むんん、んぐ〜〜!」

「あぁ、すっごくいい!んん、はぁん!らめ、スイッチ入る、スイッチぃ・・・ん゛ん゛ん゛!」

サキュバスは意味深な言葉を残すのと同時に、その場でまるで絶頂でもするかのようにビクビクと痙攣した。
しかし性器からは愛液こそ流れているものの、絶頂に達したとき特有の液体が飛び出しては来ない。
シグはシグで懸命に性器から口を離して呼吸をしながら、サキュバスの様子を静かに伺っていた。

痙攣こそしているものの力が抜けているわけでもなく、シグの両腕が自由になったわけでもない。
サキュバスはしばらくの間、力が抜けきったかのようにうなだれていた。

するとその時、サキュバスの背中の翼が勢いよく左右に広がり、軽い風を巻き起こす。
それに続いて今まで見られなかった、先がスペードのような形をした漆黒の尻尾が揺れながら姿を現した。
サキュバスが言っていたスイッチが入るというのはこの事だったのか、両腕の自由が効かないシグに戦慄が走った。
そしてゆっくりとサキュバスの顔が上がり、顔を隠すような前に垂れた髪の隙間から見える表情。
そこにはさっきとは比べ物にならないほどの妖艶さはもちろん、Sっ気を含んだ金色の瞳が輝いている。
サキュバスの覚醒などシグは聞いたことがないが、すぐにシグの直感が働いた。

――食われる――

――僕は食われる――

――それは誰に?――

――目の前の女に――

――そう、そうだ――

――性的な意味で――

シグの背筋に悪寒が走る。
その時、シグの不安を拭い去るような温もりが優しくそっとシグの頬を撫でた。
サキュバスの手のひらはその冷たい瞳からは想像も出来ないほど温かく、優しく心地よい。
しかしその手がシグの後頭部まで回った瞬間、サキュバスは勢いよく腰をグラインドさせて、シグの顔に性器をぶつけるように動かした。

「んん!ぐ、んんん〜〜、うぅぐ、ぶは!ごふんぶぅ、むぅ〜〜!」

先ほどのように何とか呼吸を確保できるような生易しい抑え方ではなく、抗える気がしない圧倒的な力だった。

サキュバスの性器に唇がぶつかるばかりだったのは先ほどのこと、今やシグの口はサキュバスの性器の中にある。
咳き込んでも口を離すことは許されず、シグの咳の声はサキュバスの膣内から響いていた。
暴れようにも先ほどですら歯が立たなかった両腕の拘束は強くなるばかり、シグはひどい量のサキュバスの愛液を飲んでしまう。
その度に暴れようにも暴れられず、完全にシグはサキュバスの支配下にあった。

一方で、曰く完全にスイッチが入ったサキュバスはそんなシグを見下ろしながら、たまらないように恍惚の表情を浮かべていた。
先ほどのようにシグを少しは気に掛けていた様子は微塵も残されておらず、苦しむシグを見て悦んでいる。
アソコから流れ出る愛液の量も比較にならず、既にシグの頭が床につけば髪がびしょびしょになるくらいの排出量だった。
すっかり自身の愛液で汚れきったシグを見下ろしながら、なおも腰の動きを激しくしながらサキュバスは性器を押し付けていく。
自由に動くサキュバスの両の腕は既にシグの後頭部、両手で性器にシグを押し付けながらサキュバスは口を開く。

「あははは!息ができないのぉ?私のもっとなめてくれたら許してあげる、ほら!もっとよ、もっと!」

「んん!ぶぇ、んぐぅ〜!むううぅぅ、ふんううぅぅ〜、んんんん〜〜!」

「あはははは!みっともない、散々魔族のおまんこなんか見ないって言ってたのにねぇ!ほら、感想はどう?」

「ん、ぶ、んん、ぶは!むぐ、ぷぁ!は、ぶはぁ!はぁ、はぁ・・・こんのぉ・・・!」

やっとサキュバスの性器から解放され、上と下とは言えどサキュバスと向かい合うシグの顔はひどかった。
顔面は既にサキュバスの性器から溢れ出した大量の愛液で隙間なくびしょ濡れで、髪もシャワーを浴びた後のよう。
窒息寸前だったのか、目は曇って焦点があっておらず、サキュバスの顔もしっかりと見れていないだろう。
怒りを放った口もひどく、開いているだけなのに口の中からは尽きない愛液が溢れ出てきていた。
加えて端から見ては分からないものの、相当の愛液を飲んだシグの精神的なダメージは大きい。

もちろん愛液をシグが大量に飲んだことはサキュバスは知っている、むしろサキュバスがそうしたのだ。
むせても性器に押し付け、離れようとしても性器に押し付けては、シグの口に愛液を流し込んだのだから。
サキュバスを最初に見たときのシグの目と今のシグの目は完全に違い、敵対心が強いのは火を見るより明らか。
しかしそんなことしか見抜けないサキュバスではなく、サキュバスは確実に性的にいただく対象の心を抉る。
サキュバスは今度は先ほどの乱暴な動きとは打って変わって、クスッと優しく微笑んで口を開いた。

「あんっ、顔が濡れちゃってるわ。でも・・・もっと飲みたいでしょう、シグ?私のおまんこ汁、どう?」

「だ、誰が!いい加減離せ!離せってば!」

「“嫌”とは言わないのね、思った通り。快感と苦痛は表裏一体、ましてやサキュバスの性器に触れて苦痛を味わって、快感を覚えないはずはない。シグは今、被虐心と被虐を求める気持ちで一杯のはず」

「な、なんのことだ?」

「フフフ、シグ。顔が濡れちゃってるわ、でも・・・私のおまんこ汁、もっと飲みたいのぉ?」

サキュバスはそう言って自身の指で性器を広げて、シグの顔に突きつけて奥まで見させるように腰をグラインドさせる。
たらりと性器を伝ってシグの顔に伝うサキュバスの愛液が何とも淫靡で、シグはうっと表情を歪ませた。
しかしその一方で、シグは自分の身体が言うことを聞かなくなっているのを確かに感じていた。
自分がサキュバスの性器などに気を取られるわけにはいかない、拒絶しなければいけないのに。
そう自分に言い聞かせても、シグは目の前な迫るサキュバスの性器を拒絶しきれないでいたのだ。
しかも拒絶はおろか、気を緩めれば舌を伸ばしてしまいそうな自分に、シグは嫌悪感すら抱いた。

しばらくの間、性器を突き出した体勢でいたサキュバスだったが、シグが何もしないのを見ると腰を引く。
シグはそれにどこかむなしささえ覚えてしまい、それを圧し殺すだけで精一杯だった。
魔族に心を奪われるなどあってはならない、シグが改めてそう決意を固めたその時、サキュバスは不意に身を翻す。
シグの腕は相変わらず器用に片方ずつしっかりと拘束されていたが、今度はサキュバスの視界にシグがいなくなった。
逆転のチャンスが見える、シグはそう思いつつも冷静を装う。
しかしそんなシグの希望は、すぐにサキュバスに潰えさせられることになる。

サキュバスはシグの腕を固定したまま、シグにのしかかって両足首を掴むと、そのまま身体を引き起こす。
同時にシグの足の膝の辺りを脇で挟むようにして、シグの陰茎がサキュバスのすぐ前に来る体勢になった。

言わばシグの体勢はおむつを変える赤子のような体勢で、眼前には白くて形の良いサキュバスの尻がある。
するとその時、サキュバスはシグの足を脇に挟んだまま角を模した髪飾りを外すと、角の部分を左右に引っ張った。
同時に髪飾りが真ん中で割れ、中からピアノ線のようでありながら鎖のようでもあるものが伸びていく。
シグの疑問をよそに、サキュバスは相変わらず妖艶な笑みを見せながらシグの両手足にそれを巻いていった。

その時、シグは気付いた。

「あぁ、や、やめろ!」

「フフフ、もう遅いわ」

サキュバスの冷酷な言葉と共に、髪飾りによる新たなシグの拘束が終了した。
サキュバスの髪飾りにより、シグの右手と右足首、左手と左足首がほぼ密着状態で拘束されたのだ。
いわゆる完全なおむつを替える体勢でシグが拘束され、サキュバスは今まで以上に自由にシグを責められるようになった。
同時にサキュバスはシグの両足の隙間から立ち上がり、シグを見下ろしながら高笑いしつつ口を開いた。
「あはははは!どう?さっきまでの私の拘束と段違いでしょう?もうあなたは私の玩具同然よ、あはははは!」

「お前、絶対許さないからな!拘束がほどけたら覚悟しててよ!」

「何を言ってるのぉ?もうあなたのターンは来ないわぁ、あなたのこれからの運命教えてあげる。あなたは私の玩具になって、永遠に精を貢ぎ続けるのよ」






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