シチュエーション
![]() 「ぎゃああああ!うぐわぁあああ!」 男の野太い叫び声が、館の一室に響き渡る。 「あらあら…凄い悲鳴ね」 豪奢な寝室のベッド上で、一組の男女が全裸でまぐわっていた。 …いや、まぐわうと言うよりも、女が騎乗位になって、スキンヘッドの男を一方的に犯している。 彼は、手足を縄でベッドの支柱に縛られ、身動きが取れないのだ。 「ふふふ…昨日までの威勢は、どこに行ったのかしら?」 女が長く艶やかな黒髪を振り乱して腰を動かす度に、 「ひぃっ!」 「あひゃあぁっ!」 と、男の情けない声が漏れた。 日焼けした筋肉隆々の身体には、無数の傷跡がある。 スキンヘッドの男は、数々の死地をくぐり抜けてきた、歴戦の猛者だった。 とある山奥の館に棲むという妖魔を討伐するため、王都から勅命を受けてやって来たのだ。 途中、彼は山の麓にある小さな集落で、その妖魔が度々人をさらって喰うのだと聞いた。 男は、名立たる剣の使い手だった。 どんな魔物や猛獣と戦っても、勝利する自信があった。 だからこそ、単独で妖魔を狩るべく、やって来たというのに… 「ひ、卑怯だ…!こんなっ、騙し討ち」 訪れた館には魔物などおらず、先の戦争で未亡人となった貴族の女性が、数人の従者とひっそりと暮らしているだけだった。 そんな彼女の身の上話を信じ、勧められるがまま出された夕食を摂った後の事だった。 しばらくして猛烈な眠気に襲われ、気が付いた時にはこの豪華な寝室の中にいた。 両四肢をベッドの支柱に縛られ、監禁されてから二日が経とうとしている。 「何を言っているの?私が貴方とまともに戦っても、かなう訳がないじゃない」 言いながら、彼女はグリグリと腰を動かした。 その刺激に男が悶絶するのも構わず、言葉を続ける。 「か弱い女性を、力に任せて斬り伏せる…。その方が卑怯じゃない?」 ぐり、ぐりぐり… 「あうぅっ!いひゃあああっ!」 腰を大きくグラインドさせ、確実に快楽を送り込んでくる。 「それに…。これも立派な戦いでしょ?私にとっては、食べるための…。貴方にとっては、生き延びるための…ね!」 さわ、さわさわ… 彼女の両手の指先が、今度は優しく男の皮膚を愛撫する。 ぞわぞわと、背筋を這い上がるような刺激が男の身体中に伝わった。 「さあ、それじゃ…今夜も美味しく頂くわ」 彼女の両瞳に、妖しげな赤い光が灯った。 「!」 それまで半分は夢見心地だった剣士は、それを見るなり激しく身悶えした。 「あああああっ!お願い!やめて!吸わないで!」 恥も外聞もない男の懇願に、彼女は薄く微笑む。 そして、目を閉じた。 「ひぃいいいっ!嫌だ!死にたくない!こ、殺さないでぇ!」 半狂乱になって泣き叫ぶ男とは対照的に、女は冷静だった。 目を閉じたまま、 「ふふふ…殺さないわ。私は、ただ吸うだけ」 と、言った。 「い、嫌だ!またあんな風に吸われたら、今度こそ…俺…、俺!」 「死んじゃう?それとも、狂っちゃう?…ふふふ、そうかもね」 女の目が開かれた。 その瞬間、女は本来の姿を現した。 赤い瞳に、蝙蝠のような黒い翼、しなやかに蠢く尻尾。 彼女の正体は、夢魔サキュバス。 男の夢に入り込み、精を搾り取る妖魔である。 どびゅるるる! ずびゅ、びゅぶぶぶぶ! 激しい音を立てて、男は射精した。 「あぎゃあああああぁぁぁっっ!おっぎゃあああああ!で、出てる!精液、いっぱい吸われてるぅっ!」 「あぁ…、美味しい。出てるわ。たくさん…」 女妖魔は潤んだ瞳で、自分の薬指をペロリと舐めながら、甘く耳元に囁いてくる。 サキュバスの持つ、正しく人外の蜜壺が、徹底的に男の精を搾り上げた。 それは快楽を通り越し、もはや暴力に等しい刺激である。 「ひぃいいいいぃっ!ふぁああああっ!」 「ふ…ふふふ…気持ち良いでしょ?まだまだ、たっぷり味合わせてあげる」 ぐじゅ、ぐちゅるるっ! サキュバスは上から下へ腰を打ち付け、剣士のペニスをより深く咥え込む。 「おぉおおおおぉっ!ふ、深いぃ…」 膣内部の襞一枚一枚が、まるで意思を持っているかのように蠢いてくる。 ずちゅる、ぐぢゅぐじゅ、じゅぶぶぼぼ… 「あっ!あっ、あっ!」 深く挿入した後は、女は腰を小刻みに震わせるだけで、それ以上動かしてはいない。 にも関わらず、愛液と精液が混じり合う淫猥な音が、止めどなく続くのだった。 「ふふふ…。私も、気持ちいい」 サキュバスはそう呟くと、横たわって身悶えし続けている男の肉体に、そっともたれ掛かる。 ちゅ、ちゅっ。 男の乳首を二度三度吸ってから、今度はペロペロと胸と首筋に舌を這わせるのだった。 「は、はわぁ…」 「たくましい身体…大好き。…ぁん!」 ずびゅ、びゅるるるっ! そうしている間にも、射精は続いている。 やがて、徐々に勢いが無くなってきた。 ぴゅるっ、ぴゅっ… 最後の一滴をサキュバスの中に弱々しく注ぎ込むと、そこでようやく射精が終わるのだった。 「あ…あ、あぁ…」 男の身体は、今もなおピクン、ピクンと痙攣を繰り返す。 「ぬ、抜いて…も、もう…」 射精が終わって、過敏になっている亀頭に、サキュバスの熱い体内は刺激が強過ぎるのだ。 「うふふ…」 男の哀願を聞くのが心地良いのか、サキュバスは嬉しそうに微笑う。 秘部を結合させたまま、すりすりと甘えるように男の胸元に頬ずりをするのだった。 きゅぅうううっ! 「うわっ!」 突如、サキュバスの膣が収縮し、剣士の逸物を締め上げた。 びゅく、ぴゅるっ。 尿道に残っていた精液まで搾り取られ、男は思わず仰け反った。 「名残り惜しいけど…それじゃ、抜いてあげる」 「!?ちょ…そんな!締め付けたまま…と、ひ、く!あぁああああぁっ!」 どちゅっ! 凄まじい膣圧で、全てを出し切り萎え果てた肉棒が外へ押し出された。 「あ…あぁ…」 男のモノを排出した後、陰唇の合間からポタポタと白濁液が零れ落ちる。 女の姿は、何時の間にか人間に戻っていた。 「…」 「…」 束縛された剣士にピッタリと寄り添い、彼の汗ばんだ身体の匂いを嗅いだり、唇を寄せて愛撫する。 それから、どのくらい時間が経っただろう。 やがて、女は獲物の耳元に唇を寄せ、もう一度囁いた。 「もう、貴方は私のものよ。どこにも逃がさないわ」 「あぅ…う…」 「大丈夫よ。 ちゃんと一日三回、栄養満点の美味しい食事をさせてあげるわ。 よく調教して、私とのエッチの事以外何も考えられなくなったら、縄も解いてあげる」 彼女は指先で、敏感になった男の乳首を撫で回しながら、言葉を続けた。 「そうしたら、トイレで用が足せるし、お風呂にも入れられるわ。 うふふ。死ぬまで可愛がってあげる」 一生、逃さない。 その無慈悲な言葉に、かつて勇者だった男は恐怖に震えた。 「ひ…ゆ、許して…もう、許してくれ…」 「吸い尽くすまで…そうね、貴方の体力なら一ヶ月くらいは保ってくれるかしら?」 「ひぃっ!」 「それまでは一緒に、幸せに暮らしましょ。ねぇ?愛しいア・ナ・タ」 「あ…あぁ…」 男は、絶望の余り言葉にならない呻き声を上げた。 自然と涙がこぼれ落ちる。 この剣士が堕とされた快楽地獄は、まだまだ幕を開けたばかりだった。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |