幼なじみの少女 後日談
シチュエーション


リーシャと優也が出会い、一夜にして結ばれ、リーシャが人となった運命の日から、数年後の話である。

「旦那様、リーシャはどうしました?」
「今は食事を作ってくれていますよ」

シルバーのボブカットに、サキュバスの証である羽と尻尾を持つ妖艶な美女の声に、優也は微笑んで応える。
イルーネと名乗った彼女は、リーシャの実の母親だそうだ。

「リーシャとは、もうしばらくフェラとクンニだけしかしていないのでしょう?」
「そうですよ。さっきも言いましたが、リーシャさんの身体に障ると困りますから」

優也はそう言って、料理中のリーシャを想う。
二人が結ばれてより数年後、彼女は遂に子を授かった。
優也とリーシャは最初驚いたが、やがてその意味を理解し、生まれ来る命のために、セックスをどちらからともなく控えるようにしていたのだ。
最も、搾乳プレイのようなマニアックなプレイをやりたいとリーシャは望んだりしていたのだが。

「旦那様は優しいのね」
「サキュバスの人達には負けますよ」

優也が苦笑すると、イルーネも釣られて美顔を微笑み色に染める。

サキュバスが人となる時に、問題となるのが戸籍のことである。
サキュバスたちは、仲間が人になるたび、何人かで国を動かす偉い人の夢に襲撃し、快楽に堕とした後、架空の戸籍を作らせる。
最近は手間ゆえ、何年も前に作った架空の戸籍を使い、名前を変えて姿を変えて、同じものを使いまわしたりするようだが。

「それよりも。リーシャとしばらくヤッてないのなら、私の尻穴を使う?」
「ちょ、イルーネさん!?」
「ママ、ダメよ。・・ヤッてもいいけど、程々にしてよ?」
「ほら、リーシャもこう言っているわ」

穏やかだったイルーネの顔が、一瞬にしてサキュバスのそれになる。
リーシャは料理をしながら苦笑するばかりである。
リーシャの友人のサキュバスたちも、優也との初対面で彼にアナルセックスをさせてあげるとふざけふざけに言い、やがて優也の奴隷になることを望むほどにイカされまくっていたのだ。
きっとイルーネだってそうなる、とリーシャは笑いつづけた。

「それに、どうのこうのと言っても、もう勃起しているじゃない?ほら、私のアナルヴァージンをあげるわ」
「・・・リーシャさぁん・・」
「構わないわよ、優也さん。ママを『コワして』あげて?」
「・・・・解りました」

リーシャの悪戯な声に止めて貰うことを諦めたか、優也は全裸になったイルーネを押し倒し、リーシャとの性交でよく使うローションをイルーネの尻穴に注いだ。

「ひゃんっ!?」
「我慢してください。濡らさずに挿入すると、互いに気持ち良くなれないんです。痛いだけは嫌でしょう?」
「そ、そ・・だけど・・・・」

急に雰囲気の変わった優也に、イルーネは困惑を隠せない。
これは優也に堕とされたね、とリーシャは鍋の中のシチューをかきまぜながら思う。
そして、リーシャの予測通り。
1時間程の後、ベッドの上にはビクンビクンと痙攣し、尻穴から白濁をトロトロと吐き出すしか出来ない夢魔が出来ていた。

「リーシャさんは、僕が他のサキュバスの人とセックスするのが嫌じゃないんですか?他の人も人間になっちゃったりしたらどうするんです?」

イルーネを散々に凌辱した後、優也はリーシャの作ったシチューを食べながらそう言った。

「私は、元夢魔だからね。優也さんが私のことを一番に見ていてくれるなら、他の誰を犯して孕ませようと気にしないわ。特に今は子供がお腹にいるもの、私じゃ優也さんとセックス出来ないしね」

スプーンでシチューを少しずつ口に運びながら、リーシャは笑む。
普通なら向かい合って座るものだが、リーシャは優也の隣席がいいと言い、結果二人で並んで座っている。

優也も、リーシャも、自分のこんな幸せな姿を想像したこともなかった。
数年前に、優也が偶然幼なじみにフラれ、リーシャが偶然そのフラれた日に優也の元に訪れ、偶然優也の優しさに触れ、そして一夜で心と心を繋げ、愛にした。
全くもって偶然の多い愛だが、二人に不満はなかった。
なぜならば、今ここで二人が並んでいることこそが、二人にとって何よりも大事なことなのだから。

「ね、優也さん」
「ん?どうしましたリーシャさん」
「キス、して欲しいなって」

リーシャが顔を突き出すと、優也は何も言わずに彼女の唇を奪う。
普段よくやるディープキスではない、唇を触れ合わせるだけの、有り触れたキス。
それだけで、互いに幸せを実感出来るのだから。

「・・・あ、誰か来た」

二度、ドアホンがピンポンと来客を知らせると、優也は席を立って玄関へと向かう。
その背中を見ながら、リーシャは思う。
もしもあの出会いから今までが運命なのなら、きっとこの先も優也は多くのサキュバスと出会い、そして彼女たちを堕とすのだろう、と。
あんなに優しくて、そして激しい性交に耐えられる夢魔などいるわけがない。
リーシャもイルーネも堕ちたし、リーシャの友人の何人かも堕とされた。
もう、考えるのが面倒なぐらいにサキュバスは彼に弱いのだ。

「ふふ。大好きよ、私の、私たちの最愛の御主人様っ♪」

リーシャの友人たちを連れて廊下を歩いて来る最愛の人を、リーシャは最高の笑顔で迎えたのだった。






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