シチュエーション
――あなたは、可愛い女の子は好き? あぁ、またこの夢かと、まどろむ意識の中で呆れたようにため息をつく。 毎夜のように、頭に語りかけてくる可愛らしい『声』。 女の子が好きかどうかを聞いて、僕に何をしろと言うのだろうか。 ――あなたは、綺麗なお姉さんは好き? あぁ、大好きだとも、と返してやる。 同い年の女子など、子供っぽすぎて苦手なのだ。 やはり女は、色気と艶となんとも言えぬ円熟味が増したお姉さんがいい。 人妻や未亡人のように、熟れた肢体の女性も捨て難いのだが、それは理想論に過ぎない。 ――そう、お姉さんが好きなのね? 僕の欲望に答えるが如く、ふわりと甘い香りを纏う風が吹いた。 そこで、僕ははっきりと目を覚ました。 父親が単身赴任で家におらず、母がそれに付いていく形で出ていってしまった、一人で暮らしている家ではない場所に、今いるのだと理解出来た。 恐る恐る、僕は目を開く。 そこには、褐色の身体に銀髪の美女がいた―――最も羽や尻尾があったり、耳がアニメやゲームによくあるエルフみたいに尖んがっているため、人間ではなさそうだが――。 SS一覧に戻る メインページに戻る |