ちっちゃいサキュバス
シチュエーション


そいつを拾ってしまったのは、とある金曜日の帰り道だった。
最初はコウモリの赤ちゃんが、顔見知りのデブ猫に食われかけているのだと思ったんだ。
で、そこに生えていたマタタビの実2個と引き換えに助けてやった。
太りすぎて木に登れないデブ猫は、日がな一日この木の下で、実が落ちてくるのを待っている。
そんなデブだから、取引はあっさり成立した。
ところが拾い上げてみると、どうも様子がおかしい。
コウモリなのは翼だけで、ミニサイズながら人間そっくりの頭と胴体に手足までついている。
きれいな金髪に白磁のような肌。胴体部分の黒いのは、どうやら衣服のようだ。
なかなかよくできた人形?…いや、どうも生きているようだ。

「やはりコウモリ?…珍種だな」

自宅に持ち帰って、泥を洗い落とす。ボロボロ泥だらけの胴着をはぎ取ったところで、珍種コウモリは目を覚ました。

「………ええと……キャアアァァァァ!!」

珍種は、ちょっと悩んでから悲鳴を上げた。ちっこい割に声はでかいな。

「ああ、取りあえず言葉はわかるか?」

珍種はうなずいた。

「ふむ。人語を解する珍種コウモリ…学会発表ものだな」

学名を何と付けようかなと思案中に、珍種が問題発言した。

「誰がコウモリだ! このド変態!」

違ったのか?

「コウモリ以外の何だというのだ?」

珍種は反り返った。胸を張ったつもり、かな?

「聞いて驚け。わたしはサキュバス、魔界の悪魔だ」
「嘘こけ」
「即座に否定するか、このド変態!」

だって、サキュバスってあれだろ? 男を色仕掛けでたぶらかす怖いお姉さんな悪魔。
こいつは見事な手乗りサイズに加え、縮尺を考慮しても明らかに不足した出っ張り…はっきり言ってつるぺた。
たぶらかされるのはかなり特殊な趣味の男だけだろう。とはいえ妖怪変化の類ではあるようだな。

「ふむ。ホモ・モンストローズスか。和名はテノリインマってところかな。新種発見でないのは残念だが、
やはり学会発表ものだな。
ところで、なんで俺がド変態?」
「気絶した女を家に連れ込んで服を剥ぎ取るのは変態というのだ。知らんのか?」

俺は珍種改め自称サキュバスに、軽く洗った彼女の着衣を渡した。デブ猫の爪跡が見えるように。

「気絶するまでの状況は覚えているか?」
「ええと…木の枝に止まって休んでいたら、その木の実がすごく良い匂いで、なんか良い気持ちになって
…枝から落ちて猫に襲われて……ひょっとして、アンタは命の恩人?」

重々しくうなずいてやる。しかし、マタタビはコウモリにも有効なのか。知らなかった。

「ならば…恩返しする!」

自称サキュバスは俺に向かって飛翔し…パンツの中にもぐりこむなぁ!

…………

不覚、3分と持たずに出してしまった……。いや、実に快感ではあった。自称サキュバスは伊達ではない。
いや待て、パンツの中の動きが変わった。なんというか…じたばたしてる。異常事態が発生したようだ。
パンツの中に手を突っ込み、粘液に浸った全裸の少女をつまみ出す。第三者から見たら、まごうことなき変態と
認定される光景であろうな。
自称サキュバスは激しく…と言ってもサイズの関係で結構かわいく…咳込み、ピクピクしている。
もしかして、こいつ…溺れてた?

考えてみれば、目測16分の1スケールだから体積は4096分の1。つまりこいつにとっての1CCは、
人間サイズなら5リットル弱に相当する。1回の射精で出る精液の量は5〜6CCだから…うん、飲み切れるわけがないな。

全身白濁粘液にまみれた自称サキュバスを目の高さまでつまみ上げ、しばしにらみ合う。限界まで飲んだのだろう。腹が膨れ上がっている。
俺の視線が腹に向いているのに気付いたか、ちょっと赤面した。いや、膨らましてるブツは俺が出したアレだと思うと、俺も汗顔の至りなのだが…

「…ええと…」
「……とりあえず状況を改善しよう…」
「…うん…」

なし崩しに合意した。

手近の腰高シャーレに湯沸し機の湯を注いで、即席の浴槽にする。手乗り淫魔にはちょうど良いサイズだ。
…う〜ん、目玉おやじ。

「ぬるい」
「その液体は、高温にすると固まって取れなくなる」
「なるほど…着替え、ない?」
「悪いが、お前さんのサイズに合う服は常備してない」
「人形の服とか…ごめん、有ったらその方が怖い」
「仕方ない。しばし待て」

一張羅のハンカチをちょいちょいと縫って、1/10スケールのワンピースと、ついでにパンツを急造する。
俺の技術ではブラは無理だ、許せといって渡す。いや、ブラは必要ない気がひしひしとするが、口にすべきではなかろう。

「あら、悪くないわね。でも真っ白じゃ…天使みたい」
「済まんな。わが家にある絹地はそれだけなんだ。化繊じゃ、お前の肌を荒らしてしまうだろう」
「……ありがとう…」

素直に感謝されるのが一番怖いな。

有り合わせのキムタオルを重ねて、即席の寝床を作成した

「とりあえず寝よう。お互い疲れたし」

手乗り淫魔は翼をばたばたさせる…が浮かない。顔を真っ赤にしてさらに激しく羽ばたくが、結果は変わらない。

「どうした?」
「あの…その…お腹一杯で、重くて飛べない…」

さらに真っ赤になる手乗り淫魔。
つまみ上げて寝床に運んでやる。

「ハイ、お休みなさい」

俺も疲れた。後先考えず、そのまま寝入ってしまう。

目が覚めると、手のり淫魔はいなくなっていた。夢だったのか? と思ったら、置き手紙が残っていた

【こんどくるときには おおきくなって おまえなんか ひものにしてやる】

ああ、ちょっとだけ期待しておくよ。

おしまい






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