シチュエーション
「あら……素敵な姿ね」 満月が地上を妖しく照らす深夜。呟きと共に一匹のサキュバスが現れた。 シルクのような金のロングヘアーと、月光に照らされて白く輝く肌。思わず見とれてしまう豊かな胸とくびれた腰。 それを包む淡い水色のドレスは背中の部分が大きく開き、そこから淫魔の証である一対のコウモリの翼が生えている。 誰かが夢の中で望んだ姿は、サキュバスである彼女自身でも満足のいくような美女であった。もっとも、誰かがこの姿を思い描いた時には、悪魔の証である赤い瞳と黒い翼は無かっただろうが。 自分の姿を確かめたサキュバスは、今度は周りに目をやった。ふかふかの絨毯と品の良い家具に囲まれた、ムードのある部屋だ。 窓際に置いてある天蓋付きのベッドに目を留めた彼女は、音も無くそれに歩み寄るとベッドのへりに優雅に腰掛ける。 そこで眠っているのはまだ若い青年、いや、少年といったほうが差し支えのない年頃の、金髪の人間だった。 「……可愛い子」 あどけない顔で眠る少年の姿を見て、彼女はペロリと唇を舐める。少年の体から毛布を剥ぎ取ると、パジャマのズボンに手をかけ、下着ごとずり下ろした。 少年のペニスがサキュバスの目に晒される。ふにゃふにゃの子供らしいペニスだが、サキュバスが手を添えて数往復ほどしごいてやると徐々に大きくなり始めた。 「う……んん……」 サキュバスの手淫に合わせて熟睡していた少年の眉がぴくぴくと動く。それが面白くて、彼女はどんどん手の動きを速めていく。 夢中になって動かしていたので、少年のペニスはすっかり屹立して硬くなった。大人のソレには見劣りするが、これはこれで可愛らしいと彼女は感じていた。 「それじゃあ……そろそろ起きて貰おうかしら」 赤い瞳を妖しく細めると、彼女は大きく口を開けて少年のペニスを咥えこんだ。一際大きい刺激を受けて、少年の体が飛び跳ねた。 「ふあぁっ!……あ、う?」 フェラチオまでされてようやく少年の目が開く。その目が最初に捉えたのは、自分のペニスを口の中でねぶる女性の姿。彼女を見た時、少年の口から呟きが漏れた。 「かあ……さま……?」 (あらあら。この子、夢の中でお母さんと会っていたのかしら?) どうやら今のサキュバスの姿は、少年の母親のものらしい。母が子の肉棒を咥えて奉仕しているというシチュエーションに、サキュバスの情欲が燃え上がった。 「ひあぐっ!か、かあさまっ。そんなのらめぇっ!」 舌でねぶるだけだったフェラチオを止め、頭を上下に動かして口全体でペニスを刺激する。鼻先が少年のお腹に当たるほど激しいストロークに、少年は悲鳴を上げる。 しかし彼女は動きを止めない。空いた左手を陰嚢に添えてさわさわと揉みしだくことで一層射精を促す。 「ああっ、駄目ぇ!出ちゃう、なにか出ちゃう!」 未経験の、しかも寝起きの少年にサキュバスの熟練の責めを耐えることなど不可能であった。 叫びと共に精液が彼女の口の中に放たれていく。粘っこい精液を喉に直接叩きこまれても、彼女は苦もなくそれを飲み込んでいく。 やがて射精が終わると、尿道に残った精液を吸い出し、そして彼女は顔を上げた。 「ふふ。初めてにしては、随分出したじゃない?」 口から涎を垂らして呆けている少年に囁きかける。その一言で自分を取り戻した少年の体が、彼女の背中の黒い翼を捉えた。 「え……」 自分の母親だと思っていた人物の背中に、悪魔の証が生えていると気付いた少年が身を強張らせる。それに対して彼女は優しく微笑みかけた。 「安心しなさい、殺しはしないわ」 「……ほんと?」 純情そうな少年の緊張が、少し緩む。その顎に片手を添え、彼女はニッコリ笑った。 「ええ。ちょっと遊んであげるだけ」 未だ硬さを失わない、少年の若々しい剛直を掴み、自分の秘所にそっとあてがう。 「え、か、母様?」 まだ事態が飲み込めていない少年の声はとりあえず無視して、サキュバスは腰を落としてペニスを飲み込んだ。 「あ、ひあぁっ!」 「んっ……全部、入っちゃった」 サキュバスの膣は、何の苦労もなく少年のペニスを根元まで飲み込んでしまった。膣内でビクビクと震えるペニスが震え、彼女を愉しませる。 一方、何の心の準備もなく童貞を奪われた少年は、唐突過ぎる巨大な快楽に悲鳴を上げるしかなかった。 「かあ、さまっ、やめ、はあぁっ!」 「っは、可愛いわね、ホント……!」 口では拒絶をしながらも、未知の快楽に抵抗できない少年。まるで少女のような反応が、サキュバスの嗜虐心をそそる。 「ほおら、こんなのはどうかしら?」 上下ではなく、円を描くように腰を動かし、少年のペニスを柔肉に絡みつける。無数の襞が絡みついたペニスから、脳髄に直接叩きこまれるような快楽が生まれる。 「あっ!ふあっ!んあうっ!?」 余りの快感に、少年の抵抗の意思はあっさり霧散してしまった。更にペニスをこすりつけようと、無意識のうちに腰を突きあげる。 「あんっ!……いい子ね、んっ」 不意打ちされたサキュバスの口から嬌声が漏れる。それすらも情欲の糧として、彼女は腰の動きを一気に早めた。お互い、限界が近い。 「はぁっ、は、むぐっ!?」 「ん、くちゅ……んみゅ」 本能のままに少年を抱きしめ、その唇を奪う。少年は一瞬驚いていたが、すぐに彼女を真似するように舌を絡ませる。 そのまま、二人は同時に絶頂を迎えた。 「む、ぐ、んんーっ!」 フェラチオの時よりも激しく、ペニスが大量の精を吐き出す。貪欲なサキュバスの膣はそれを一滴たりとも逃すまいと、あるいは更に多くの精液を吐き出させようと、ペニスをねぶる。 ガクガクと腰を震わせる射精を終えると、少年の体から力が抜けた。激しすぎる初体験は、少年を気絶させてしまったようだ。 「……ふふ」 そんな少年の髪を彼女は愛おしげに撫でていたが、体の火照りが収まるとその手を止めてベッドから抜け出した。 「本当にけなげで、可愛い子……また来てあげるからね」 少年の頬にキスをすると、サキュバスは翼を一度羽ばたかせ、それから夢のようにその場から消え去った。 後に残された少年には、久しぶりに愛する者の腕に抱かれて眠るような、穏やかな寝顔が浮かんでいた。 SS一覧に戻る メインページに戻る |