シチュエーション
幼なじみの少女とけっこういい仲になって、告白して初デートまでこぎつけた。 だけどこれまで気にしていなかったけど変な噂が聞こえてくるようになった。 曰く、あの子が援助交際していると。 曰く、あの子が何人かの男子生徒と乱交していたと。 曰く、あの子が○○先生とデキていると。 信じられない。信じたくない。 だけど目撃してしまった。あの子が他の男と腕を組んでホテルに入って行くのを。 泣いて、泣いて、だけど最後の望みにすがりつくかのように彼女を問い詰めた。 「そっか、バレちゃったんだ……」 目の前で彼女が化ける。血のように紅い髪。蝙蝠のような翼。黒く尖った尻尾。 彼女はサキュバスで、生きる為に男の精を啜る必要があるのだという。 まして思春期、育ち盛りゆえに沢山の精が要るのだという。 「だったら、ぼくを」 「だめ!そんなのだめ!!」 恋しい人の精は何よりも美味しいのだと。あまりの美味さに理性を失い、 最後の一滴まで啜り取り、干からびさせて殺してしまうほどに。 成人する前には発育も収まり、「食欲」を我慢もできるようになるという。 それまでの数年間、キスまでしかできない。いや、キスでさえもそれ以上のコトに 及ばないようこれまでも我慢に我慢をかさねていたのだという。 泣きながら全てを告白した彼女を、僕は許した。 : 「まさかあの告白から初めてのエッチまで10年かかるなんて」 彼女と一戦交えた痕、ピロートークのついでにボヤく僕。 「うふ。待ってくれるって言ってくれたとき私8歳よ?」 「10年も待ったんだよぉ。いろんな噂ばかり聞かされるのに」 「5年目あたりから、私から直接話を聞いて電話ごしに興奮してたもんね?」 「……」 「すっかり寝取られ趣味に目覚めちゃって……ふふ、でもそうじゃないと サキュバスの夫になんてなれないわよ?今でも、ううん、これからもずっと 『外に食事』にいかないといけないんだから」 「早まったのかなぁ」 数年痕、幼い娘にも『外に食事』をさせなければならないと知って心底 苦悩することになろうとは、彼はまだ知らない……。 SS一覧に戻る メインページに戻る |