もっとしてほしい
シチュエーション


瑠璃の唇の中で、熱いものが蠢いていた。
およそひと月ぶりのその感触を、躊躇いなく味わっている。

男を感じさせ、なおかつ飽きさせないように舌先を遣う。
射精しそうなほどにさせてもいけない。
これから、たっぷりこれを入れてもらうのだから…。
瑠璃の情熱的な口戯に、剛志は呻き声をもらして反応してくれる。

「……相変わらず、うまいな……。
口だけで、いきそうになっちまうよ……」

照れたように笑いながら、剛志は瑠璃の長い髪を撫でた。
口で男のものを愛しているだけで、彼女の秘唇は潤んでいた。

「ねえ……。ほしいの。」

我慢できなくなって、剛志の耳元に小さく囁く。

「もう、欲しくなっちゃったのか?」

驚きが混じった声でそう言われ、瑠璃は恥ずかしいと思いながら
うなずいてしまう。

「しょうがないな…」

言いながらも、剛志は嬉しそうに瑠璃を仰向けにさせた。

「どっちからがいいんだ?後ろからか?」
「後ろから…。バックから、お願い……」

自分からベッドに手を突いて、お尻を高く掲げて待つ。
背後で、彼がゴムをつけている気配がする。
それが終わると、すぐには入れないで先っぽを瑠璃の股間に押しつける。

「あん………」

声と同じに、そこは熱く溶けたように愛の蜜をこぼしていた。

「いくぞ……」

腰を抱えるようにされて、逞しいものが濡れた秘唇を貫きにくる。

「あっ……。あ、ああ………」

太くて固いものが、膣の内部を充たしていくと、瑠璃のそこは
全体が甘く痺れたような感覚に襲われる。

はじめての男性の剛志のものを受け容れ、はっきりと快感を覚えるように
なったのはここ数ヶ月くらいだった。
もう、二年近く体の関係が続いている。
この春から剛志は福島で二年間の出向が決まり、今は遠距離恋愛の最中だった。
剛志は1ヶ月に1・2回東京に戻ってくる。
そして瑠璃のマンションにやってきては体を重ねる。
半分同棲のような状態で、休日を過ごすのが二人の暗黙の了解だった。
やっと性の快楽をはっきりと自覚できた瑠璃にとって、一月にせいぜい
一日や二日のセックスしかできない。
それは辛い責め苦だった。

それに…剛志には言えないけれど、瑠璃にはもうひとつ不満があった。

「…瑠璃のここは、きついな……。バックからだと、俺のが吸い付かれてる
みたいだよ……」

そんなことを言いながら、彼が急に動きを止めてしまう。

「俺が上になって、いいか?」
「…………」

瑠璃は再び仰向けにされて、剛志に組み敷かれた。
足を広げて、思いきり彼を受け止める体勢になる。
ぐっと奥まで突かれて、瑠璃は思わず素直に快感を訴える。

「ああ……。気持ち、いい……。」
「俺も、いいよ……。瑠璃のここは、すごいよ…。奥までくわえ込まれて

いって、吸い尽くされそうだよ……」
剛志はゆっくりと、奥まで入れては出すことを繰り返す。
単純なその行為が、瑠璃の快感を引きだすことを知っている。

「ああ……。ああ、あ………。
いい……。ねえ、そこ……。ああ………、もっと………」

引き抜かれる寸前の部分、膣口の付近が最初に発見した感じる部分だった。
もっと、続けてくれたら……

……今度こそ、中でイける………?

瑠璃は膣内でイったことは、まだなかった。
いつもその手前で、瑠璃の望みは達せられない。

「……だめだ……。もう、イキそうだ……。」

また、今回も剛志は先にイってしまう…。

「いやぁ……」

もっとしてほしい…そう思いながら、瑠璃は首を振りたくった。

「次に、もっとしてあげるから……。
ほら、動くよ……」

言いながら、剛志は腰を早く動かし始めた。
太いものが、子宮口のすぐ下のあたりまで突いてくる。
そして入り口近くにまで引かれ、亀頭がそこを刺激する。
それが瑠璃にはたまらなく感じた。

「ああっ!あっ、あっ……。はあっ………」

これを、もっと……
もっと、して欲しいのに………。

「うっ……!いくっ………」

瑠璃の絶妙な秘奥の感触に耐えきれず、剛志は屈服した。
どっと、熱いものが内部でふくらむのを瑠璃は感じた。
同時に、そこまでに高まった性感は出口を失い、ただ彼女は剛志の
首に手を回して強く抱きしめた。

ゴムを外して始末すると、シャワーを浴びて二人は眠る。
瑠璃は軽く疲労しているのに眠れず、隣で寝息を立てる剛志の横顔を
見つめて溜息をついた。
昼食もろくにとらずに、まず二人はこうして互いの体を貪る。
最初は剛志の欲求が旺盛だった。
暫くして、瑠璃は自分の膣内の感度が徐々に高まっているのを知った。
出向が決まる前、週に何度も会っていた時にはこれほど感じなかった。
皮肉にも、月にせいぜい一回や二回しか会えない今になってから
瑠璃の女の感覚は熟成されていった。

今日も、また2回するのかしら……。
胸の中でそっと呟いて、瑠璃は布団に入った。
剛志が、無意識のうちに彼女の肩を抱きしめる。
温かな体に包まれながら、瑠璃は自分が濡れているのを知った。

まだ………ほしい。
まだ、足りない。もっと、もっと………。

剛志が隣で眠っているのに、瑠璃は自分を慰めようとしていた。
指で、潤んだはざまをそっと弄う。
いつも、彼にはクリトリスで一度イかせてもらってから入れてもらう。
最近は、クリトリスをいじっているだけで膣も感じてくるのがわかった。
それを知ってから、瑠璃は週に何度もオナニーをするようになった。
一度抱かれてるのに、こんなこと……。
いくら、満足できなかったからって……。
剛志に知られたら…どうしよう。

でも……止められない。

声をもらさずに唇を噛んで、密かなひとりの愉しみにふける。
指で濡れた秘口をまさぐり、愛液をクリトリスの上にそっと塗る。
指で、上からこねまわすように、突起を押しつけるようにして
こすりつける。
ああ………。
いきそうになるほど感じて、思わず口を開けて息をついた。

これをすると、余計に男のものが欲しくなる。
でもそれを、あとで充たしてもらえばいい。
イク瞬間……身体を突っ張らせて、つま先まで反らすようにしながら
快感を全身で受け止める。
クリトリスを中心に、下半身に電流が走るような、強烈な快楽。
でもそれは、一分もしないうちに醒めてしまう刹那的なものだった。






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