ひさびさの戯れ
シチュエーション


06:15、駅の改札前。
ラッシュにはまだ早い時間、あたしはこうして篤志を待っている。今日は土曜日。一ヶ月ぶりに、あいつに会える。

会社に行くときは、なんか『OLさん』な化粧をするあたしだけど、篤志と会うときは今でも大学時代みたいな薄いメイク。
その方が似合うって言ってくれる。だから、あいつ専用のあたしでお出迎え。

駅のアナウンス。あいつの乗った夜行列車が到着したことを告げる声。篤志大丈夫かな。あたしが起こしてやらないと朝弱かったのに。寝過ごして降りそびれたら……あ。
あいつだ。ラフなジャケットとパンツ。シャツの襟は閉じずに、ネクタイだってしていない。今日と明日の分の着替えしか入ってないバッグを肩にかけて歩いてくる。
ざっくばらんな格好だけど、大学時代に見慣れたスタイル。あたしも、あの格好のあいつが一番好き。でも、寝癖は直した方がかっこいいかな。

「ただいま」
「おかえり」

きゅっ、て抱き寄せてくれる。本当はキスしてほしいんだけど、こんな場所でしてくれる篤志じゃないよね。

「行こうか」
「うん。って、どこに?」

今日のデートは篤志におまかせだから、何も考えてないんだよね。そこそこ大人しめに見えるワンピース、だけどそこそこスカートも短めだから活動的にも見えなくは無いから、あまりTPO気にしなくていいと思うけど。
こんな朝早くどこ行く気なんだろ。ま、いっか、おまかせおまかせ。

こんな時間だから色気のあるところが開いてるわけもなくて。コンビニで飲み物だけ買ってきて駅の側の公園へ。
木陰の下のベンチに並んで腰掛けたら、肩を抱いてきた。

「あ……」

そのまま抱き寄せられて唇を奪われる。案外照れ屋の篤志、駅とかそんな所では絶対にキスしてくれない。でも、いくら人がいないからって、朝の公園ってキスする場所なのかな。
だけど、なまめかしく動く舌に唇をこじ開けられるあたりからそんなことどうでもよくなって、あたしの方からしがみついて濃厚に歓迎しちゃう。
そのまま5分も10分もお互いに相手を受け入れて、入れ替わって、たっぷり。
ようやく唇を離したときには二人ともすっかり真っ赤になっちゃって。なんか今からホテルに引きずり込まれても逆らえないかも。

「……今ので、一週間分くらい?」
「三日分もしてないかな」
「もう」

そう言ってまた甘えてくる。昔から甘えん坊なんだよね。でも友達もそう言ってたかな。男って結局甘えん坊で、だから人前では強がるんだって。
距離が離れて、篤志と喧嘩する機会が減ったら、途端に甘えん坊な顔がよく見えるようになった。そんな篤志が可愛くて仕方ない。
でも、篤志も同じように考えてるんだろうな。

そのままたわいも無いおしゃべり。いつも電話であんなに話しているのに、こうして篤志の前にいるといくらでも話題が湧き出てくる。あたしの早口に頷きつつ、時々合いの手を入れて聞いてくれる篤志。
その間にも、肩に廻した手で時々髪を撫でてくれる。たまに耳の裏やうなじを擽られるから油断できないんだけど、好きにさせておく。
前に公園の芝生で膝枕してあげたときもさんざん照れてた。女のあたしの方が大胆というか落ち着いちゃって。小さな子をあやすみたいに寝かしつけたっけ。

「でさ、このあとどこ行くの?」
「市立博物館」
「?」
「確か今日から、幕末の特別展やってる筈」

うっわぁ、地元のあたしがチェックしてなかったことちゃんと調べ上げてる。あたしが新撰組とか好きなの篤志も知ってるもんねぇ。
そう言えば博物館も最近行ってないな。歴史クラブ時代はよく足を運んだのに。

「なんか久しぶりだね」
「……ん」
「憶えてる? 篤志が初めて奢ってくれたの、あそこの喫茶室」
「カフェオレだっけ?」
「そうそう」

二人して思い出話モード。
やれあの店のパスタは、あの店のコーヒーはって。名前の出てきたお店の中には、もう無くなっちゃったお店もあったりして、少ししんみりしちゃったりもしたけど。

何年ぶりかに訪れた博物館は、あのころと全く変わらないたたずまい。ロビーの壁の大理石にあるアンモナイトの化石もあのころと同じ場所であたしたちを出迎えてくれた。
幕末の特別展は、まぁ「こんなもんか」ってところ。見たことの無い写真は無かったし、これといって新しい情報もなかった。だけど、そこに置いてある刀や銃はその当時の「本物」なわけで、シンプルマインドなあたしはそれだけで感動。
篤志は五稜郭関係の展示が無いのを残念がってた。

そして、久しぶりに入った喫茶室。特に申し合わせた訳じゃないんだけど、あの時と同じオーダー。二人して吹き出しちゃったっけ。でもちょっとだけ違うのは、篤志がコーヒーに砂糖もミルクも入れなくなったことと、値段が150円高くなってたこと。

「この後はショッピングして、昼は軽くしておきたいんだ」
「どうして?」
「夕食を早めに食べようと思って」
「……ちょっと露骨じゃない?」

あたしたちがこうしてデートできるのはせいぜい月に一度。だから、一緒にいる時間を少しでも有効に使おうなんて考えちゃう。だから、その、Hする時間も長く確保したいって気持ちは解るけど。

「いや、そ、その、そうじゃなくて、食後にプラネタリウムに行きたくてさ」
「プラネタリウム?」
「うん。最後の上映時間は解説とかなくて、星空を上映してBGMを流すってプログラムだから、デートの締めにいいかなと思って」

どうしてプラネタリウムか、ってのが気になったから夕食の時に尋ねてみたら、この間七夕の時に曇り空で星が見れなかったからだって。なんというか子供っぽい動機。

「でもさ、篤志って星好きだったっけ?」
「い、いいじゃないか」

照れてごまかす篤志。後から思いついたのは、牽牛と織女も一種の遠距離恋愛だったってこと。そう思ったら、篤志をからかったのは悪いことしたなぁって思えちゃって。少し反省。
プラネタリウムっていうから科学館だと思ったら、そうじゃなくてPARCOの最上階にあるものだった。ドームが前に傾いていて、座席が雛壇になっている変わったレイアウト。

「……こんな座席だったんだ」

インターネットでプラネタリウムの上映時間とかはチェックしてたけどここまでは調べなかったんだって。

「椅子をリクライニングさせなくてもいいからこっちのほうが楽なんじゃないかな」
「そうだね」

眺めのよさそうな席は、先に並んでいた人たちが座ってしまっていたから、あたしたちは隅の方。雛壇の一番上の方の隅の席。それでも、こんなレイアウトの席だからドームを見るのに不都合はないみたい。よく考えてあるなぁと関心。
あたしの左隣に座った篤志の右手を握る。こんなところでいちゃいちゃするのは何かな、と思ったけどまわりもアベックばかりだから構わないよね、きっと。

満点の星空。静かに流れるBGM。星空が作り物だって解っていても、やっぱり見とれてしまう。そう言えば、最後に星空を見たのっていつだっただろう。帰宅途中に夜空を見上げても、光害とかで星なんてほとんど見えない。
まして、こうして篤志と星を見るなんて何年ぶりなのか。
もしかしたら、篤志もそう思ったから、今日ここにつれて来てくれたのかもしれない。そう思ったらとても嬉しくて、左手を「ぎゅっ」と握っちゃった。
そうしたら、篤志が優しく握り返してくれて。以心伝心って感じがしてすごく嬉しくて。だから、左側にちょっと傾いて、篤志の肩に頭を乗せちゃった。
また、篤志が手を握ってきた。何か用なのかな? そう思って顔を上げたら、間近で見つめられて。何も言われないのに目を閉じて。キスされた。
触れるだけのキスは、やがてディープなキスへ。周りに人がいるから音は立てないようにして、でも、熱い熱い交合。
唇を離して、肩に頭を乗せて。また星を見て。時々手を握って。キスをして。
そんな風にしていたんだけど、ふいに篤志が手を離して、あたしの膝に手を置いたの。

(……ひょええっ!?)

危うく声をあげちゃうところだった。篤志の手が、あたしの膝頭を撫でまわしてる。くすぐったくてたまらない。

(ちょっとぉ!)

抗議のつもりで顔を上げたら、さっきみたいに見つめられて、ウィンクひとつされてキスされた。そのまま、篤志の手が太股の方に這い上がってくる。あたしの脚を愛でるような感じで撫でてくる。そして、その手が次第に次第に、内股の方に近づいてきたの。

スカートをたくし上げるようにして、篤志の手があたしの内股を撫でてくる。ちょっと近づいては離れて、そしてまた近づいて……でもその手は確実に、じわじわあたしの弱いところに迫ってくる。

(だ、だめ、ああ……)

んん……なんて、甘い息がこぼれちゃう。こんな所で駄目、そう思っているくせに、自分から脚を広げてしまうあたし。

(ああ……っ!)

内股の一番柔らかい所にタッチされる。脚の付け根に沿って指を滑らせる。太股を軽く鷲掴みにされて揉まれる……篤志が何かする度に、あたしの体温が上がっていく。そして、遂に篤志の手が、パンストごしにショーツに触れてきた。

「んっ……」

甘い声が漏れるのを必死で押し殺す。篤志の手は、あたしのドテのところの曲面に沿ってそっと当てられたままで、それ以上触ってこないし撫でても来ない。

でも、そうされるだけであたしの心臓はバクバクしてて、次に何をされるのかという不安と期待でおかしくなっちゃいそうだった。
もし、今このままクリちゃんを探り当てられてくすぐられたら、あたし、きっと我慢できない。周りの人たちに聞こえるような声を漏らしながらイッちゃうと思う。
それだけは絶対駄目、という思いと、いっそそうされてみたい、という思いがせめぎ合ってわけがわからなくなってくる。そして、篤志の手がそこから離れて、またあたしの脚を撫で始めた。
安堵と失望の入り交じったため息をついたあたし。そんなあたしの気も知らないで、篤志がさっきのように太股の感触を楽しんでいた。

近づいて、離れて、また近づいて、また離れて。
篤志の手があたしのことをいいように弄んでいる。いつの間にかあたしのアソコはトロトロになっていて、ショーツどころかパンストの上まで滲み出しているのが自分でもわかっちゃう。
篤志の手がアソコに触れて、そこの湿り具合を確かめるかのようにそっと押してくる。じゅわっ、とジュースが零れて、ショーツとパンストに滲みが拡がっていく。

「ぁぁ……」

アソコがジンジン疼いている。ううん、アソコだけじゃない。ブラの中では、乳首もツンツンになっている。もう我慢できない。
あたしは右手で、自分の胸をワンピースの上から掴んでしまっていた。親指で乳首を転がすとすごく気持ちイイ。
篤志が何か言おうとしてるのが気配でわかる。
ばか。こんな風に意地悪するあんたが悪いのに。だからあたしはこんなにエッチになっちゃうのに。篤志の方を向いたあたしは、また唇を奪われた。
全身がビリビリ敏感になっているから、キスだけでもイッちゃうそうな気分になる。篤志の舌が、唾が美味しくてたまらない。

「ん……んふ……」

篤志の方に身体を向ける。胸を揉んでいた右手を伸ばして、篤志のズボンの前に手を置く。そこは、これ以上ないくらいに堅く大きくいきり勃っていた。

考えてみれば当たり前よね。恋人のことをこんな風に触って濡らしてるのに、自分だけ冷静だなんて、そんなのオトコじゃないわよ。だから、篤志のがこんなに熱くて堅いのが、あたしはとても嬉しかった。
ズボンの上からギュッと握って、アタマの所を撫でてやる。ズボンとトランクスごしでも、くちゃくちゃした感じで濡れているのが解る。うふふ、篤志もおツユ零している。
嬉しい。とっても嬉しい。もっと、もっともっと濡らしなさいよ。あたしばっかりこんなに濡れてるなんて不公平じゃない。そう思って先っぽを擽り続ける。
そうしたら、篤志の手が仕返しとばかりにあたしの先っぽに狙いを定めてきた。

「んっ……!」

必死で声を飲み込む。こんなのはっきり言って不公平だ! クリトリスとペニスじゃどっちが敏感かだなんて言うまでも無いのに、そのうえこっちは薄いショーツとパンスト、篤志はトランクスにズボン、布地の厚さの差も比較にならない。
あっと言う間にあたしはロープ際に追い込まれて防戦一方。篤志は容赦なくジャブを連発してきて、あたしのガードがどんどん下がっていく。
だけどボクシングと違ってタオルを投げ込むこともできないし、あと一息でKO負け確定……ってところで篤志が手を引いた。

(ここまでしておいて何よぉ!)

そう思って睨みつけた瞬間、周りが明るくなった。

「え……!?」

プログラム終了を告げるアナウンス。お気を付けてお帰りくださいという声を呆然として聞いているあたし。そうだ、ここはプラネタリウムで、ベッドの中じゃなかったんだ。

もう恥ずかしいやら怒れるやらで真っ赤になって、むんずと篤志の腕を掴んでズカズカと席を離れるあたし。
篤志は苦笑しながら謝ってる。もう、謝るくらいならあそこで止めない……じゃなかった、あんなところであんなことしないでよ!ただでさえいつも電話越しにしかエッチできなくて、その、篤志の指に飢えてるのに。

「機嫌直せよ。聡美」
「知らないっ」

そんな事言っても、腕をしっかり掴んでちゃ説得力ないよね。自分でも解っているけど、ばかだと思う。

「ほら」
「え?」

あごをしゃくり上げて何かを示す篤志。そこは、駅前のホテル。篤志がこっちに戻ってくる時に利用しているホテルだ。
もちろん篤志の実家もこっちにあるんだけど、ほら、プライバシーとかあれこれで、帰り際に顔を出すだけなの。だからいつもこうしてホテルを利用しているわけ。
でも、今までいたプラネタリウム、ホテルからこんなに近かったんだ!?

「おわびはきっちりするから。それに、電話で約束しただろ? 腰が立たなくなるまでサービスするって」

耳元で囁かれた瞬間、背筋がゾクリとした。
同時に、ショーツの中でジュン……と滴が溢れた。

篤志がチェックインしている間、あたしはロビーのソファで待ってた。
ううん、放置プレイ状態だった、って方が正しいかもしれない。そりゃ、ちゃんと服は着ているし露出とか何もしていないんだけど。
でも、あたしはプラネタリウムで火照った身体を冷ます余裕さえ与えられずにここまで連れてこられてしまった。周りにいる他のお客さんにばれているはずは無いんだけど、だけど、ドキドキが止まらない。
ショーツはぐっしょり濡れて、あたしが今どんな恥ずかしい状態でここに座っているかを思い知らされる。そう思うと、どんどん恥ずかしくなってきてますます鼓動が速くなる。

通りすがりのお客さん、カウンターのホテルマン、皆が見ているような気すらしてくる。実はあたしは全裸で座らされていて、ツンと尖った乳首も、塗れそぼったアソコも皆に知られているんじゃないかという錯覚。
プラネタリウムの座席で、あたし、自分から胸を揉んでしまった。他の人に見られるかもしれないようなところで恥ずかしいことをしちゃった。そして今も、あんな風にしたいと思ってる自分がどこかにいる。
ああ、篤志、早く来て。早くあたしを連れていって。早くあたしを独占して。他の人の目からあたしを隠して……!

「聡美」
「!」
「ごめん、前のお客さんになんか時間とられちゃってね。さ、行こうか」
「うん」

自分でも柄じゃないと思うくらいしおらしい声。篤志に手を引かれてエレベータに向かう。繋がれた手が温かくて、そして、蕩けるくらいに気持ちよかった。

エレベータのドアが閉まって、目的階へと昇っていく。今、あたしと篤志の二人きり。静かに上昇していくガラス張りの密室。

「あ……」

無言で抱き寄せられる。顎を持ち上げられて、唇を奪われる。あたしの方から腕を回してしがみつくようにして二人を近づける。もっと深く深くキスをする。
外から見られちゃうかもしれない。急にエレベータが途中の階で止まって誰かが乗ってくるかもしれない。
そんなスリリングなキス。でも、身体が熱くて、もっともっとと欲しがってる。
目的の階に近づいて減速したのを感じた篤志が唇を離す。しがみついてせがんだら、もう一度、チュッ、て軽くキスしてくれた。続きは部屋で……ってこと。

名残惜しいけど、廻していた腕を解いてさっきみたいに手を繋ぐ。もうこうなったら徹底的に甘えちゃう。今日のデートは篤志におまかせなんだからそれでいいよね。
そう思って軽く手を握ったら、優しく握り返してきた。指と指の間を愛撫されているみたいで気持ちイイ。
ふふ、でもいいんだ。だって、今のあたしって発情してるんだから。
篤志がプラネタリウムであんなことしなかったらこんなにはならなかったんだから、篤志が全面的に悪いよね。だから、いっぱい甘えて、この熱いのをなんとかしてもらう。
そう決めた。

いつも利用しているこのホテル。いつも篤志が予約するダブルの部屋。いつものこのフロア。そりゃ、部屋は違うんだけどね。でもまぁ似たり寄ったりの部屋だから、なんかこの部屋を見るとホッとしちゃう。
おかしな言い方だけど、ここに帰ってきたんだ、って感じ。
去年のクリスマスの時に利用したスィートは、なんか気恥ずかしくて。
部屋に入って、そんなこと考えてぼおっとしてたら、後ろから抱きしめられた。いつの間にか荷物を片づけてジャケットを脱いだ篤志が耳元で囁く。

「……ただいま」
「……お帰り」

同じこと考えていたのかな。ちょっと嬉しい。
抱きしめられたまま後ろを振り返る。
それを待っていたかのように唇を塞がれる。そのまま身体の向きを変えて、あたしからも篤志を抱き返す。エレベータの中とは違う、ずっとずっと深いキス。
篤志の舌があたしの中を隅々まで舐め回して、歯の一本一本を数えるみたいに丹念に攻められる。

「ん……」

そして、あたしの舌を絡めとって、優しく抱擁してくれる。篤志の滴を浴びせられてあたしはそれだけで天に昇るよう。
普通ならまだショットバーで飲んだりするようなくらいの時間なんだけど、時間が惜しいからこうして抱きあってるあたし達。でも、お酒なんていらない。こうして篤志が飲ませてくれて、あたしはそれに酔いしれることができるんだから。

「んんっ……」

強く抱きしめられる。身体を密着させて、全身で愛撫するくらいに。篤志の右手があたしのヒップを撫でている。一撫でごとに背筋を甘い何かが駈け上がって、あたしの体温はどんどん高くなっていく。

「ん……!」

お尻をぐいっと引き寄せられて、腰と腰を密着させられる。

……すっごく堅い。

ズボンの中でこれでもかと元気になってるものをぐりぐりとあたしに押し付けてくる。また姿勢を変えて、あたしのアソコを狙うようにして。時々ぴくぴくっ、と力の入る先っぽが、あたしのことを欲しがってるってアピールしてる。
ふふ、そんなにあたしのことが欲しいの? あたしのここを、奥の奥まで征服したいの? 求められてる、って思うだけで身体の疼きが激しくなる。ジンジンするのが止まらない。
篤志の想いに応えるために、あたしからも舌を使って篤志を舐め返す。篤志の舌が帰っていくからそれを追いかけて、舌を差し出してこっちから嘗め回しちゃう。

「!」

唇をすぼめるようにして舌を吸われる。乳首やクリちゃんにされるみたいに優しく吸われて、それがとても気もちいい。

「んん……ん……」

ヒップをしっかりホールドされて、腰を微妙にグラインドされて。堅いものが服越しにあたしを犯す。熱いのが溢れてくるのが止まらない。

「……脱がして……」

今日も、あたしの方から言わされちゃった。

壁際にあるサイドボードの側に立たされる。後ろ手にサイドボードで身体を支えるように立つ。あたしの前に跪いた篤志が、恭しいくらいの手つきで靴を脱がす。
両方の靴を脱がせた手が、足首からすすすっと上がってくる。ふくらはぎから膝の裏にかけて愛撫される。

「あ……」

ストッキングの感触が気持ちいいんだって前に言ってた。滑らかで、撫でているといい感じになってくるって。でもさ、こうして撫でられる方も気もちいい。
そのうち、手が太股に這い上がってくる。ワンピースのスカートをたくし上げるようにして、内股の濡れているところまでまさぐられる。
そのまま手が、ウェストまで上がってくると、スカートの前が持ち上がってあたしの大切なところが露にされてしまう。ショーツもパンストも履いているんだけど、それでも凄く恥ずかしい。ううん、濡れた下着を見られるのは、ヌードを見られるよりも恥ずかしい。

「ああっ……」

そのまま太股に頬擦りされる。ううん、頬擦りどころか薄いナイロンごしにキスしてくる。舌がツツツとショーツの上にまで攻めてくる。丘のあたりをチロチロと舐められて、同時に両手でお尻を鷲掴みされて。

「ん……!」

ひくんっ、とのけ反ってしまう。結果として腰を突き出すような姿勢になってしまって、余計しゃぶられてしまう。

そして、篤志の手がパンストを脱がせにかかる。ううん、ショーツも一緒に剥ぎ取られちゃう。まだ部屋の明かりを消していないのに、あたしの下半身は剥き出しにされてしまった。

「あ……」

再び這い上がってくる手。あたしを煽るだと思う。わざわざ足首からもう一度撫でてくる。ゆっくりと上下して、ふくらはぎや膝の裏を撫でる指先。太股に頬擦りしながら、内股にキスマークを刻まれる。

「や……恥ずかしい……」

スカートの中に頭を突っ込まれて、その下であんなことやこんなこともされてしまう。体重を手に回していないと立っていられない。でも、篤志の指先も舌先も、あたしの肝心なところにはまだ攻め込んでこなくて外堀を埋めるだけ。
いつも、こうしてじっくり下ごしらえをされてしまう。ううん、今日はいつもより丁寧な気がする。また、Hなこと言わされちゃう。脱がして、触って、キスして……もっと恥ずかしいことも言わされちゃう。

「ああン……」

篤志がスカートの中から出てきて立ち上がる。もう一度抱き締められてキスされる。舌を絡められていっぱいしゃぶり合う。十分茹で上がってるあたしは、また美味しく食べられてしまう。

「ふふ……」

唇を離した篤志。あたしの右側に立って、左腕を後ろから腰に廻してくる。そして、右手であたしの胸……左側の乳房を掴んでくる。

胸の膨らみをなぞるように撫で回される。次第に指先にかかる力が強くなってきて、やわやわと揉みしだかれる。

「あ……」

耳元でなにか囁かれる。Hな言葉。

「やだ……」

乳首を摘まれる。二本の指で挟まれて転がされる。ワンピースとスリップ、ブラごしなのに直に摘まれているみたい。

「はぁっ……あ……」
「可愛いよ」

油断したところに甘く囁かれる。いつもなら「ばか」とか照れながら返すのに、そんな余裕なんてない。ただ真っ赤になって頷くだけ。
そして、篤志の左手が背中のファスナーを掴んだ。ジイイィィ……と引き下ろされる。そのまま、マネキン人形よろしく服を脱がされてしまう。これで、残るはスリップとブラだけ。
スリップごしにまた胸を攻められる。左手はお尻を撫でてくるし。あたしはジンジン疼く身体をいいように弄ばれて、甘い声を漏らし続ける。パンストと同じでスリップも滑らかで気持ちいいんだって。
下着越しの愛撫は、ブラ一枚にされても続いた。右手でバストを、左手はお尻の方から廻されて会陰をそれぞれ愛撫してくる。こちょこちょと擽られて焦らされる。あとほんの少し強くしてくれるだけであたしは天国にいけるのに。
恥ずかしいのと気持ちいいのとで訳がわからないうちに、最後の一枚も奪われて、あたしは全裸にされてしまった。

まだ明るい部屋の中で、あたしだけが生まれたままの姿にされて、ジャケットを脱いだだけの篤志の前で立っている。胸も、あそこも視線で舐められて、それだけでゾクゾクしてしまう。

「綺麗だ」
「……やだ……」
「電話じゃ拝めないからね」

微笑んで、あたしを抱きしめる。そして、もう何度目かわからないキス。唇を、舌を貪りあううちに、篤志の手がまた乳首を弄び始める。ツンと尖った先っぽを欲しいままにされてしまう。

「ああ……!」

篤志の唇が、首筋に、鎖骨に触れる。舌先が肌をなぞって、ぬめぬめとした跡を残す。早く、早くきて。早くあたしのことを気持ち良くして。
舌が乳房の膨らみにを舐め回す。肌の色が変わる境界に沿って円を描くように責められて、あたしは、とうとう音を上げた。

「……いじわる、しないで……」
「どうして欲しいの?」

ばか、ばか、えっち、すけべ!

「……吸って……」
「うん」

にっこり笑って、あたしのこと……吸ってくれる。

「ああんっ!」

口の中のものをこりっ、と甘噛みされて、それだけでイッてしまいそうだった。

乳首への直接攻撃は、全面侵攻ののろしだったみたい。左手がまたお尻の方から攻めてきて、会陰じゃなくてその先……クレヴァスの切れ込みから入り口へかけて指先でなぞり始めた。
そして右手は、これまで手付かずだったクリちゃんへの集中攻撃。あたしの漏らした滴でぬるつかせた指先で、あたしの感じやすいところをこれでもかと愛撫してくる。
もちろん、唇は乳首に吸い付いて離れない。これまでさんざん焦らされたあたしは、なすすべもなく高いところに連れていかれてしまう。ううん、プラネタリムにいたときからずっとくすぶってた火が一気に燃え上がって、もう手がつけられない。

「ああっ! イイッ! もっと、もっとぉ!!」

恥ずかしいけど、だけど、そんなの構っていられない。気持ちいい。気もちいいのが止まらない!
篤志の唇が乳首から下半身に狙いを変える。早く、早く吸って! 舐めて! あたしのアソコを気持ち良くして!!
両手で左右に割り広げられて、全てを晒される。篤志の視線が突き刺さり、熱い吐息を浴びせられる。その全てが快感になってあたしを煽る。そして、指先で剥き上げられた先っぽに、篤志が吸い付いた。

「あああっ! ああぁああァーーーーーッ!!」

イッちゃった瞬間、そこに歯を立てられてもう一段階跳ね上がる。そのままぢゅううっ、と強く吸われる。もちろん、あたしはまた大声をあげてしまった。

じっくり下ごしらえをされてから一気に料理されてしまった、って感じ。あれから、今度は身体の向きを変えて両手をサイドボードに突き、こころもち前傾姿勢でお尻を突き出した格好でバックから愛撫されてる。

「ああ……やぁ……」

さっき立て続けに2、3回イかされた後、火照りを冷ます間も与えられずトロトロと煮込まれてる。背後から廻された手で乳房と腰を思うままに嬲られて、あの高いところから降りることを許されないまま責め続けられる。

「ああ……」

真下から割れ目を擽られて、クリちゃんを指先で弾かれる。あたしの漏らしたジュースで濡れた指先で、まるで舐めるように愛撫される。耐えきれずに自ら腰をくねらせて求めてしまう。
いっそこのままのポーズでバックから貫かれたい……そんな胸の中を見透かすかのように、二本の指を突き込まれた。

「あああーーーっ!」

両脚をびん、と伸び切らせて、爪先立ちになってお尻を突き出しながら絶叫する。胎内を掻き回されてそれだけで痺れるくらい感じちゃう。そして、バックからアソコに吸い付かれて、舌で犯される。
溢れるジュースを啜られながら、あたしは淫らなダンスを踊る。そして、耐えきれずにくずおれる。サイドボードに両手を置いたままがっくりとへたりこむあたしを、軽々と抱きかかえる篤志。いつものお姫さま抱き。

「あ……」
「可愛かったよ」

そのままベッドまで連れていかれて、そっと横たえられる。あたしは裸身を隠す余裕もなくて、篤志の視線に全てを晒していた。立ったままあたしを見つめていた篤志が、ようやく服を脱ぎ始めた。

あたしの見上げる先で、篤志が一枚、また一枚と服を脱いでいく。最近贅肉がついた、なんて言ってるけど十分たくましい。あたしはそんな篤志から目が離せなくて、自分の裸身を隠すことも忘れて見とれていた。
そして、最後の一枚。

「あ……」

さっきから知っていたけど、もうこれ以上ないくらいに元気なそれが、びょん、と跳ね上がった。あたしの視線からそれを隠そうともしない篤志。
ううん、篤志のものを見せつけられて、それだけであたしの体温が上昇する。
無意識に舌を滑らせて唇を湿らせる。
もちろん、フェラチオなんてしてあげる気はないんだけど、電話でエッチするときの習慣がいつの間にか身に付いてしまっていた。
そう、電話ごしのエッチでは、あたしの唇はもう何度も篤志を受け入れていて、熱いのを注ぎ込まれてた。あたしも次第に大胆になって、この間なんて手を使わずに口でトランクスを下ろして、剥き出しになったそれにむしゃぶりついたっけ。
だからどうしてもそのことを思い出して、エッチな気分になっちゃう。
そんなことを考えていたから、あたしの視線はその一点に集中していて。篤志が苦笑しながら身体を重ねてくるまで、じっとそこだけを見つめ続けていた。

「どこ見てるんだ?」
「ないしょ」

そう言われたら急に恥ずかしくなって真っ赤っ赤。からかうように微笑んで、篤志がキスしてくれた。

二人とも全裸になって、肌と肌を密着させてのキス。あたし達の間を阻むものは何もなくて、互いの鼓動を感じながらの行為。

「ん……んん……」

舌を絡めながら、篤志の手があたしの胸に再度挑みかかってくる。膨らみを揉みほぐして、先端を捻りあげて。さっきから敏感になりっぱなしのあたしの身体は、そんな一撫でごとにうち震えてしまう。

「……!」

篤志の手があたしの右手首を掴んで、自分のことを握らせた。
……凄い。熱くて、堅くて、どくんどくんと脈を打ってる。
さっきは衣服越しにしか感じられなかったけど、それでも篤志の欲情が伝わっていたくらいなのに。あたしの手の中のものは、ピクピクと震えてあたしのことを欲しい、あたしを犯したいって訴えてくる。
そして、それに応えるかのように、あたしの中心がドクンと疼く。
篤志のことが欲しい。篤志に犯されたい。奥の奥まで貫かれて、あたしのことを欲しいままにして欲しい。

「……どうなってる?」
「……すごい……熱くて……堅くて……やぁ……」

恥ずかしいことを口にして、後から羞恥心がついてくる。

「聡美も……熱い……」
「あ……」

篤志の指先が、あたしの中に侵入してくる。もうトロトロに融けてるそこを確かめるかのようにすみずみまでチェックされる。篤志の手があたしを貫いて、あたしの手が篤志を包み込んで。疑似的なセックスに酔いしれながら、あたしは目を閉じた。

「ああ……ん……あ……」

さっきからあたし、夢見心地でふわふわしてる。篤志の右手であそこを優しく愛撫されて、身体の火照りを冷ますことを許されないまま、でも決して激しい責めは与えられなくて、心地よい疼きを与えられ続けて。
そして、左手で髪やうなじを撫でられたり、唇や乳首にキスされたり。耳元でなにか囁かれたり、耳にふっと息を吹き込まれたり。
いつもりずっとずっと丁寧に愛されて、焦らされてるんだけどそれがとても気持ち良くて。

「あ……ん、やぁ、そんなとこぉ……はああんっ」

腋の下を舐められるなんて初めて。くすぐったくてどうしようもない筈なのに、それすら気持ちいいなんて信じられない。
確かに、一度イかされちゃった後は敏感になるけど、それでもこんなになったことなんてなかった。いつもの篤志だったら、あたしをイかせた後、本格的にインサートしてくるのに。今日はすごく意地悪。

「あ……あン……!」

また乳首を責められる。あたしの下半身をまさぐる右手も、クリちゃんから会陰までまんべんなく、中も外も丁寧にくすぐって。まるであたしの性感帯を改めてチェックしてるみたい。

「あ!」

甘い声を上げてしまう。あたしの弱点を見つけたと思ったのか、そこを重点的に責めてくる。もちろんそれに耐えられるあたしじゃなくて、面白いくらいに弄ばれちゃう。

篤志の責めが緩やかなものになって、あたしの呼吸もだいぶ落ち着いてくる。少し余裕を取り戻したところで反撃開始。右手を伸ばして篤志を掴む。相変わらずギンギン。
先っぽを撫で撫ですると、もうあたしと同じくらいにヌルヌル。男の人でこんなに濡らしちゃうなんて、よく「我慢汁」なんていうけどそんなに我慢してるのかな。
あたしのこと欲しい欲しいってこの子は訴えてるのに、篤志はいっこうにあたしにのしかかってこない。またあたしの口から「挿れて」って言わせたいんだろうか。
そりゃ、その、あそこの奥がジンジン疼いて、信じられないくらいに熱いんだけど、でも、でも、そんなこと言わされるなんていくらなんでも恥ずかしい。
だから、篤志のことをソノ気にさせるために、あたしの方からも責めてやるんだ。こうして、右手で扱いてあげる。いつも電話越しにしてあげているみたいに。

「ん……」
「……気持ちいい?」
「うん」
「このまま出させちゃおうかなぁ?」

シャフトを掴んだまま、親指で先っぽの切れ込みを責めてあげる。うふふ、篤志ったらぐちゃぐちゃ。あんまり意地張ってたら、本当にこのまま出させちゃうぞ?

「あ……」
「んっ……」

あたしがスリットを責めるのと同じように、篤志もクレヴァスを責めてきた。プラネタリウムの時と違って二人ともヌードだからハンデなんて無いはずだけど、身体が火照りっぱなしのあたしの方がやっぱり不利だったみたい。

「あ……ああ……ああン……」

泉の中心を擽られながらクリちゃんを押しつぶすようにぐりぐりされて、あっという間に形勢逆転。篤志のことを扱いたりする余裕なんかなくて、まるで縋るように握りしめるばかり。
そして、篤志はさっきまでと違って本格的にあたしのことを責めてきた。甘い快感に浸らせる為の愛撫ではなくて、あたしをヨがらせて狂わせる為の愛撫。そう、あたしを犯す為の愛撫。

「ああああっ!」

まるで舐め回すようにあたしのそこを指先で撫で続ける。そして、さっきみたいに腋の下をしゃぶってくる。ああ、駄目、こんなところで感じるなんて、あたし、変、変になっちゃう。
そして、篤志があたしの胸まで舌先を滑らせて、そのまま乳首を吸ったり、噛んだり。胸の膨らみに頬ずりされて、それがとても嬉しい。両手で篤志の頭を抱きかかえて胸に押し付けちゃう。

「あ! あ! あああ!!」

篤志の右手が容赦なくあたしのあそこを貫いて、クリちゃんの裏側を押しあげる。プクッと突き出たそこを親指で責められて、表と裏から挟み撃ちにされたクリちゃんが悲鳴を上げてる。もう、駄、目、ぇ……!

「あ、あ、ああーーーーーーーーーーーっ!!」

緊張のあとの弛緩。
あたし、また、イかされちゃった。うっとりするような恍惚。そんな余韻に浸って、このまま篤志に刺し貫かれてひとつになりたいって思った。

「あ……」

姿勢を変えた篤志。あたしの両膝を掴んで左右に大きく割り広げる。まだ明るいままの部屋の中で、あたしの大切なところが剥き出しにされる。それも、さんざん愛撫されて、イかされてとろとろになった淫らな姿を……。
でも、篤志の視線で貫かれて、それだけでも感じてしまう。

「綺麗だよ」

その一言で身震いしてしまう。そして、篤志が……あたしのそこに唇を寄せた。

「えっ!? あっ、やああっ!」

羞恥心ではなくて、半ば恐怖で叫んでしまった。こんなに感じて熱くなっているのに、その上クンニなんてされたら、どんなに乱れてしまうかわからない。
でも、必死に脚を閉じようとしても押さえ込まれてしまって、篤志の唇を阻むことはできなかった。

「あああぁぁーーーーーっ!!」

充血してプックラ膨らんでいるところを強く吸われて、最初の一撃だけで一回跳ねちゃう。身をよじって激しすぎる快感から逃れようとしても、がっちり押さえ込まれてしまってなすすべもない。
その間にも篤志は切れ込みにそって舌を這わせ、襞の一つ一つを確かめるように舐めて。さっき指で探り当てたあたしの弱点を確実に舌先で突いてくる。

「っ!! ああっ! ひいぃィッ!」

イく。イッちゃう。ううん、さっきからあたしイきっぱなし。高いところから降りることができなくて、そのままイかされ続けて。いや、駄目、許して、と叫んでも、篤志はクンニを止めてくれなかった。

「ぁぁ……んン……ぃぃ……ぃぃょぉ……」

もう目を開けることもできないまま、ゆっくりと左右に首を振って快感に酔いしれるあたし。
少し前まで、狂ったみたいにぶんぶん頭を左右に振って、髪を振り乱してやめて、許して、変になっちゃう、って叫んでいたのに、ギアがもう一段上に入っちゃったのかな。
もう抵抗もできなくて、さっきみたいに篤志の顔を遠ざけようと脚を閉じることもできない。むしろ自分から脚を広げて、腰を持ち上げて篤志に押し付けてすらいる。

「ぁぁン……ぁぁ……!」

自分からくねくねと腰を振ってる。意識なんてしていないのに、腰が勝手に動いちゃう。もっと吸って、もっとしゃぶって、もっと感じさせてあたしを狂わせて。
ツンと突き出た篤志の舌が会陰を擽って、鼻の頭でアソコをくすぐられる。舌が少し這い上がって、鼻先はクリちゃんに押し付けられて、あたしはまた弾かれてしまう。

「あぁあアアァアん!」

そして、また篤志の指があたしを犯す。二本の指で深々と抉られて、膣内を掻き回される。同時に、一番敏感なところを甘噛みされる。

「―――――――――!!」

もう何度目か、そして何段階目かわからない絶頂を感じながらあたしは声にならない悲鳴をあげつづけた。

「はぁ…………あぁ…………ン……」

熱病にうなされたような吐息。ようやく少し低いところに降りてきて、正気を取り戻したあたしが自覚したのは、息絶え絶えという感じの吐息だった。

「あ……あた……し……?」
「聡美」

篤志の声。あたしを呼んでる。

「あ……篤志ぃ……」

目を開けると、篤志のアップ。いつの間にかあたしに添い寝するような姿勢で、右手でわき腹のあたりを撫でてる。ソフトな、ソフトすぎる愛撫なのにそれがとても気持ちいい。
視線が絡み合って、お互い何も言わないのに、当たり前のように唇を交わす。

「あたし……どうしたの……?」
「ずっとイきっぱなしだったよ。ずっとね」
「ずっと……?」
「2時間くらいかな。もっと長かったかも」
「う、う、そ……」

驚いて起き上がろうとするけど、身体に力が入らない。なんだか本当に腰が抜けているような感じ。

「腰が立たなくなるまでサービスするって言っただろ?」

意地悪に微笑む篤志。


「電話で結構我が侭言っちゃったからね。だから聡美のこといっぱい感じさせたくて」

そう言いながら、右手でアソコを弄ってくる。未だにトップギアに入ったままのあたしの身体は、軽くアクセルを踏まれただけで加速されちゃう。

「あ……ん……」
「もう十分だろ?」

そう言って、またあたしにアレを握らせる。あ。もう準備できてる。

「今度は、こっちが感じさせてもらうから」
「あ、あっ」

がばっ、とのしかかられる。どのみち、足腰に力が入らないんだから抵抗なんてできるわけがない。
熱い熱い切っ先があたしに突き立てられる。文字通りまな板の鯉。なんかやだな。展翅台の蝶とかなら綺麗なのに。

「はァ……ン」

先っぽで入り口の周囲を攻められる。

「いくよ、聡美」
「…………うん……来て……挿れてぇ……」

次の瞬間、篤志のものが……あたしの身体が、アソコが欲してやまなかったモノが、あたしのことを貫いた。

「あああああーーーーっ!!」

篤志は、有無を言わさず一思いに挿入ってきた。ズン、と奥の奥まで突き込まれる。もうこれ以上ない位とろとろに蕩けていたあたしの身体は、難なくそれを根元まで受け入れる。
両ひざの裏に手をかけられてMの字型に脚を折り曲げさせられた姿勢で貫かれる。腰と腰が密着して、深々とあたしを抉るモノは、まるでこのままあたしの子宮口すら割り広げて奥に入ってきそうな勢い。
そして、胎内深くでそれがドクンドクンと脈を打っている。過敏になっているあたしのカラダは、その脈動だけでジンジンと感じちゃう。

「ああ……!」

熱い。凄く熱くて、そして堅い。そんなものでお腹をいっぱいにされて、あたしはただ喘ぐばかり。

「聡美……」

のしかかるようにしてキスしてくる篤志。繋がったままで唇を重ねて、舌を絡めあって。

「……いいよ……篤志の、したいようにして……」

あんなによくしてくれたんだもの。あたしの身体を、好きに使って欲しい。篤志が気持ち良くなれるように、思う存分にしてほしい。

「そうするって言っただろ?」

そう言って微笑むと、上体を起こしてあたしの足首を掴む。そして、ようやく腰を動かし始めた。でもそれは、予想してた激しいピストン運動なんかじゃなくて、上下方向への緩やかなグラインドだった。

深々と突き刺さったモノをそのままに、腰を上下に動かす篤志。篤志の根元の部分を支点にして、それが上下にスイングしてあたしの胎内を掻き回す。
そしてなにより、密着した二人の下腹部でサンドイッチにされたクリちゃんが挟まれたまま転がされて、この期に及んであたしに快楽の波動を流し込む。

「あっ、あっ、ああああーーーーっ!!」

もうとっくに気持ちイイのが飽和状態になってるはずなのに、それでもなお感じてしまうあたし。あまりの快感にのけ反るけど、それは却って腰を篤志に押し付けるような感じになってしまう。
次第に篤志の腰の動きが大胆になってきて、ゆっさゆっさと揺さぶられるように責められる。ううん、揺さぶられるように犯される。上下方向のグラインドが円運動に変わって、ますます激しくあたしを掻き回す。

「やああっ! す、凄っ、すごいのおっ!」
「綺麗だよ、聡美……」
「だ、だめぇ、へ、変に、変になっちゃ、う、あああ!」
「もっともっと感じて、もっと綺麗になるんだ……」
「あああああ!!」

パンパンパンッ、と腰が叩き付けられる。奥深くまで抉るようなストレートな突き上げ。篤志の先っぽが、あたしの奥の院の扉を乱暴にノックする。
そしてまた、ぐりんぐりんと腰を使ってくる。上下に、左右に、時に円を描いて、8の字を描いたりもして。ピストン運動と交互に与えられるそれは文字通りの奇襲攻撃で、あたしは身構える余裕もなく喘ぎ、悶え、のたうちまわる。

それでも、篤志の我慢も限界だったみたい。次第にグラインドの割合が減って、ピストン運動が中心になってくる。
それでも、浅くて速い突きを繰り返して、時々ズン、と深く突き込むのと交互にしてくるあたり、まだあたしを悦ばせることを優先しようとしてるのがわかる。

「ああ……篤志ぃ……きて……きてぇぇ……」

熱にうなされたような声で篤志を呼ぶ。あたしの想いが通じたのか、がむしゃらと言っていいくらいに乱暴な突きを繰り出してくる。

「そ、そう! そこ! ああっ! 奥に、奥にっ……!」
「聡美……さと……み……」
「篤志、あつしぃつ!」
「聡美……ああっ、あああっ!」
「あああーーーーーっ!」

篤志がびくっと震えて、ひときわ強く、深くあたしのことを抉った。あたしをくし刺しにしたまま、ぴくっ、ぴくっ、と震えて、その度にあたしの中のモノがドクンドクンと脈を打つ。
篤志が悦んでくれた。あたしの中で、気持ち良くなってくれた。それが嬉しくて、あたしも一緒にイくことができた。

「ぁぁ……ン……」
「聡美……」

ちゅ、とキスしてくれる。そして、もう一度上体を起こして、あたしの中から出ていく。でもそれはまだ全然勢いを失ってなくて。

「あ……!?」

甘い余韻に浸ろうとしてたあたしは、ごろん、と裏返しにされてしまった。

「え? あっ、あああっ!?」

気がついたら四つん這いにされて、篤志にヒップを掴まれてた。

「それじゃ、第二ラウンドにいこうか?」

う、嘘!? そ、そりゃ、篤志のまだ元気だけど、そんな……。

「あああーーーーーっ」

有無を言わさず、後ろから突き込まれた。そのまま、パンパンパンッ、とリズミカルに責められる。その一突きごとに全身が快感に震えているのがわかる。
今までだって、不感症だとか思ったことはなかったし、篤志とのベッドインでとても素敵な想いをしてきた。でも、今日のは違う。
さんざんに焦らされて、時間をかけて発情させられた肉体は、待ちわびた快楽を一滴たりとも逃すまいとしている。そこに連続して与えられる激しい刺激。
腰が立たなくなるどころじゃない。本気で死んじゃうじゃないかと怖くなってくる。でも、同時にそれが嬉しくて嬉しくてたまらない。
変になっちゃうんじゃない。あたし、生まれ変わるんだ。篤志の手で作り替えられて、淫らに生まれ変わるんだ。

「あっ、あっ、ああああっ!」

深く突き入れたまま、背後から廻した手で胸を揉みほぐす。四つん這いの姿勢だから、たぷんと下を向いた乳房を文字通り欲しいままにされる。

バストからウェストに手が移動して、また腰をホールドされる。
来る、そう思った瞬間、またあの激しい突き上げが襲ってくる。

「あああああーーーーーーーっ!」

文字どおりの翻弄。でも、もう怖くない。もっと、もっと突いて。もっと激しく、もっと強く!
無意識に腰をくねらせて、愛しい陵辱者を誘い、けしかける。

「くっ、聡美っ!」

乱れた呼吸が、下腹部の筋肉を痙攣させる。それが、あたしの中の篤志の分身を強く淫らに締め上げる。
篤志も負けじと、今度はグラインドで責めてくる。さっきと違ってクリちゃんへの刺激は少ないからこっちの方に分があるかも。そう思っていたら、手を廻されて薄皮を剥かれる。

「ああっ、だ、駄目っ!」
「ふふっ……」

きゅっ、と捻りあげられる。充血しきってパンパンに膨れ上がったそこを責められて、気を失いそうになる。

「―――――――――!!」

絶叫。そして再開される激しいアタック。

「あっ、あっ、ああっ」
「うっ……く、聡美っ……」

篤志も必死だ。あたしの中に全てを注ぎ込もうと、荒々しく腰を振るう。
そして、再び訪れる破局。

「ううっ!!」
「ああああーーーーっ」

さっきと同じ。篤志があたしの中で震えて、熱いものを送り込んでくる。もちろん、さっきから感じっぱなしのあたしも、一緒に達して、一緒に果てた。

「ああ……んン……」

四つん這いの姿勢からそのままベッドにくずおれる。
力なく横たわるあたしの隣に寄り添った篤志が、優しく髪をすいてくれる。

「あ……」

うっとりとした声が漏れちゃう。髪を撫でられるのって気持ちいいから。

「聡美」
「……うん」

篤志の方を向いて、もう今日だけで何度目かわからないキス。でも、こんな状態だからキスだけでも軽くイっちゃいそう。

「よかったよ」
「ばか」

そんなこと改まって言われたら恥ずかしいに決まってるじゃない。

「あン……」

髪を撫でていた手が背筋を滑って、ヒップを撫でてくる。

「もう……だめぇ……」
「そう?」

ヒップからさらに降りていって、まだ火照りの冷めやらない泉をくすぐられる。

「や、やぁン!」
「まだ元気そうじゃないか?」

そう言って、またあたしの手をとって握らせる。篤志のそこは灼けるように熱く、そして堅かった。

「ん……?」

うすぼんやりと目を開ける。
えっと、確か……そうだ、篤志とデートして、ホテルに入って。
あぁ、エッチしたんだ。腰が立たなくなるまでサービスするとかなんとか。

それで……。
そこから先を思い出して、あたしは瞬間的に沸騰した。
そうだ。さんざん焦らされて、そのあげくにあんなことやこんなことを……。
見ると、篤志はあたしの横でまだ寝てる。そりゃ、あんなにハッスルしたんだから疲れてるよね。

「あ……」

ベッドサイドのテーブルには、封を切られたコンちゃんの飽き袋が5つ。えっと、第3ラウンドまでは憶えてるけど……あの後無茶苦茶に感じちゃって、もう何も憶えてないまま失神させられちゃったの??
そう思ったら、また身体の奥が熱くなってきた。昨日「生まれ変わった」なんて思っちゃったけど、本当にエッチが身に染みついちゃったみたい。

「ん……」

篤志がもぞりと動く。もうすぐ起きるのかな。
げ。あ、篤志ったら朝っぱらから勃ってるぅ!
こ、これって、朝勃ちっての? うわ、昨日あれだけシたってのに……本当、篤志ってケダモノなんだ。

でも、それを見てたら愛しさが込み上げてきちゃって。
テーブルの上に残ってた未開封のを取って、ピッと袋を破る。

「むふふっ」

篤志のそれに被せて、根元まで包み込んじゃう。こんな感じだよね。うん、ぴったり。でも朝から元気よね。ほんとに寝てるの? そう思ったから、手で扱いてあげた。

「ん……ん、ん? さ、聡美?」

驚いて目を覚ます篤志。

「おはよ、篤志」
「おはよ……って、お前、何してんの?」
「うふふ、昨夜の復讐」

篤志の根元をきゅっと握る。

「昨日あんなに良くしてくれたから、お返ししたいの。そ、その、ナマはまだ抵抗あるから、これで許して」
「お、おい、聡美っ、おおっ……」

ぱく、って篤志の先っぽを咥えた。ゴムごしだからあの生々しい匂いとかしないけど、それでも、ペニスの熱さも、堅さも口の中いっぱいにひろがってる。
いつも電話越しにしてるみたいにしてあげる。だから、いつもみたいにいっぱい出してね。そう思って舌を絡みつかせる。
うふふ、以前のあたしだったらこんなことするなんて思いもよらなかったのに。電話でエッチして洗脳されちゃったのかな? でも、それが悲しいとか悔しいとかそんなことはなくて、こんなにエッチになれる自分が嬉しいとさえ感じてた。
口の中のモノがひくんと震えて、あたしは、口でセックスするのも気持ちいいんだって初めて知った。






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