告白
シチュエーション


「最近尚子は元気?」

 香りのいいホットコ-ヒ-がテーブルに運ばれてくる。

「ああ、元気なんじゃない?」

 ここは最近一花(いちか)が見つけたお気に入りの欧風料理のお店だ。コース料理の一通り
を食べ終わって、二人は食後のコーヒーを味わっている。

そういえば今日尚子の話を出すのって初めてなんじゃ・・・。

俊也はいつも一花と一緒にいると、何かしら彼女である尚子の話をする。一花は尚子のことを
直接知っているわけではないが、彼がいつも尚子の話をするせいで彼女のことはよく知ってい
た。もっとも俊也の知っている一面だけなのであるが、それは言い換えれば、彼が持っている
尚子像そのものといえた。

「クリスマスあそこ行ったんでしょう、えっとほら・・・」
「ああ、インターコンチネンタルね、行ってきたよ。」

一花も一度泊まりたいと思っていたホテルだった。クリスマス前に尚子にせがまれてディナー
と泊まりの予約をしたと自慢していたのだ。

「どうだった?」
「うん・・・。楽しかったよ。」

俊也は言葉とは裏腹にちっとも楽しそうな顔をしていない。そう言ったきり黙りこくってしまった。
こんなことは初めてである。

そもそも俊也とは、建設会社の先輩と後輩という関係だ。といっても一花は経理事務、俊也は
建設の現場監督でお互い顔を合わせる機会も少なく、それほど仲がいいわけでもなかった。
ある年の忘年会、たまたま近くの席に座っていて、話が合い、電話番号を交換した。しかしか
なり酔っぱらってからの出来事で、交換したことを二人とも忘れ、数週間後その場にいた同僚
から交換していたことを教えられたくらいだ。先に同僚から教えられたのは俊也で、すぐに一
花に電話してきた。二人でばかだねー!と笑いあった。

ふたりは友人として仲良くなった。俊也はかなり一花のタイプなのだが、一花にも俊也にも恋
人がいる。お互いフリーだったらな、と惜しいような気持ちもあるが、一花はこの関係がまあま
あ気に入っていた。そんな友人関係がもうすぐ一年経とうとしていた。
今日はいつものようにどちらから誘うともなく仕事を終えた後、二人で食事をしていたのだった。

「そろそろでようか。」

俊也が伝票をつかんで席を立つ準備をはじめた。

「はーい。」

一花もそれに従う。会計はいつも俊也がすべて出してくれる。払うといっても決して受け取らな
いのだ。今日もいつものようにゴチソウサマを言って車に乗り込む。10時半過ぎ・・・。まだ帰
るには少し早い時間だ。いそいそと助手席に乗り込む。

「これからどうしよっか?」

もうちょっと遊ぼうよという意味をこめて問い掛ける。いつもならもう一軒飲みに行くくらいの時間だ。

「送ってくよ。」

一花は一瞬耳を疑った。送ってくよ?。

「何、明日早いの?仕事?」
「や・・・。そういうわけじゃないんだけど、今日は。」
「あ、わかった、尚子と会うんだー気がきかずにすまんかったあ。」
「会わないよ。」

それは妙にきっぱりとした答えだった。なんだか俊也の様子がいつもと違う。

…なんか気に障るようなことしたのかな…?

気にはなったがそれ以上のことは聞けず、一花は黙ってシートにもたれた。つけっぱなしの
FMが妙に響いている。さっから会話が途切れたままになっているからだ。
気まずい空気が車の中に広がる。この狭い空間、こんなにそばにいるのに一言も口をきかな
いなんて、俊也とはなんだかしっくりこなかった。
ずっと黙りこくっていたのでそのうち眠ってしまったらしい。ふと気がつくと車は止まっていた。
信号待ちかと思ったが、どうやら公園脇の道に止まっていいるようだ。

「ごめん、寝ちゃったね。ここ、どこ?」

俊也は答えない。ハンドルの上に腕を乗せて、そこに顔をうずめている。

「どうしたの?悪酔いした?」

肩に手をかけようとした瞬間、俊也はまるで見えているかのように一花の手首を右手でぐっと
つかんだ。虚を衝かれた一花は驚いてそのまましばらく動けずにいた。俊也はつかんだ手首
を離そうとしない。

頭の中をいろんな考えがぐるぐる回った。
これから迫るつもりなの?。
さっきまでの不機嫌な態度は女を引っ掛けるポーズ?。
彼女はどうしたの?。
浮気はお互いやばいよ。
これで今までの友達関係が崩れちゃったら・・・。

長いような短いような張り詰めた空気を破るかのように、俊也はいきなり一花を胸の中に引き
寄せた。全てのことが突然過ぎて固まったままの一花に俊也はくちづけをしようとしてきた。

「やめ・・・っ。」

本気になった男にどんな抵抗を試みても、まったく歯が立たないのはわかっている。それでも
一花は信じられない気持ちと、俊也ならやめてくれるのではないかという思いで、精一杯あが
らってみた。しかし、俊也は片腕でしっかり一花を抱きすくめ、片手で逃げようとする頬を捉え、
熱く火照った唇を押し付けてくる。どれだけ一花が突っ張ろうとした腕に力を込めようとびくとも
しない。
俊也は助手席のシートに一花を押し付けながら、ガクン、とリクライニングさせた。

「俊也やだっ・・・。」

俊也は一花の上にかぶさって、逃げ場をなくした上で、くちづけを繰り返す。だんだん抵抗す
る気力が萎えてきたその時、俊也は一花をしっかり抱きしめ、こう言ってきた。

「彼女とは・・・尚子とは別れた。俺・・・好きになっちゃったみたいなんだ・・・もうどうしていいかわからない。」

すべての思考がキャパオーバーして、飛んでしまったかのような感覚だった。

え・・・?別れた?好きに・・・?あたしを・・・?

信じられなかった。そんな対象に思われてるなんて考えたこともなかった。

「俺のこと・・・どう思ってる?・・・いやならやめる。」

不意に至近距離でじっと目を見つめられて、頬が一気に紅潮していくのがわかった。ここが暗
くてよかった。
見つめられる瞳に吸い込まれそうになる。
なんて答えていいかわからず、しばらく黙ったまま二人はただ見つめあっていた。ただ、こんな
ことをされているのに、一花は少しもこの男を、いやだとは思えなかった。

ごく自然に、二人はまた唇を重ねた。今度はさっきまでと違い、やさしい、丁寧なキスだった。
一花の唇の間に熱い舌が差し入れられる。なぜか何の抵抗もなく、一花はそれを受け入れ、
絡めあった。
俊也は首筋から耳に唇をはわし、一花の腰のあたりからやわらかな胸のふくらみにかけて、
ゆっくりと撫ではじめた。ピクン、と一花の体が反応する。
再びくちづけを交わし、俊也は一花の目をじっと見つめた。

「いいんだよな・・?」

一花はみつめあったまま答えることができなかった。いいとは言えない。自分にだって彼氏が
いる。でもいやだとも言えない。それはナゼなのかわからない・・・。

俊也はシートのリクライニングを直すとエンジンをかけ、車を走らせた。一花はどうしていいか
わからなかった。自分の気持ちもよくわからない。しかし体ははっきりと俊也を求めていた。
すでに女の部分が熱くうずいているのだ。

あのキス・・・。今までしたどんなキスより感じた。なんでこんなにまで・・・。

車が止まった。毎日通っている会社のビルだ。ここの8階の寮に俊也の部屋がある。俊也は
無言で車から降りるよう促す。一花はそれに従う。
抱き合うようにしてエレベーターに乗り込み、8階のボタン押し、小さな密室はゆっくりと上昇す
る。こんな風にこのエレベーターに乗るなんて考えたこともなかった・・・。
8階に着き、エレベーターの扉が開く。誰かに見られるんじゃないかと少し警戒したが、幸い廊
下には誰もいなかった。

部屋に入ると、俊也は立ったまま一花を壁に押し付け激しいキスをしてきた。じらすように、手
は腰のあたりをさまよっている。

「シャワー先に浴びる・・・?」
「・・・後でいいよ。先に行ってきて。」

言葉通り、俊也は先にシャワーを浴びに行った。床に打ち付けられる水音だけが聞こえる。一
花はバッグから煙草を出すと火をつけた。細い煙が音ない空間を漂っている。
灰皿はすぐ手近にあった。よく見るといたるところに灰皿がある。口紅付の吸殻なんてあった
らまずいよなあ、と思い、さっきの言葉を思い出す。

別れたってホント・・?。

考えがまとまらないうちに俊也はバスルームから出てきた。上半身裸で、トランクスだけの姿
だ。思わず目をそらしてしまう。一花のそんな様子を見て俊也はふうっとため息をつき、隣に
腰を下ろした。

「ごめん,少し先走ってたかもしれない・・・。でも、ここんとこずっと考えてたんだ・・・。好きなの
 は本当だよ、彼女と別れたのも本当。一花に彼氏がいるのもわかってる。でももう自分でも 
 押さえられなくって・・・。」

それだけいうと俊也は一花の目をじっと見つめてきた。一花だって俊也を嫌いなわけではない。
彼女がいるのを知っていて遠慮していた部分があるのも事実だ。
それにさっきのあのキス・・・。今でも思い出すまでもなく、感触が唇に残っている。

「シャワー・・・浴びてくるよ。」

やっとそれだけいうと一花は立ち上がってバスルームに向かった。
服を脱ぎ、下着を取って置こうとすると、真新しいタオルがおいてあった。コックをひねると熱
い湯がざあっと飛び出す。さっきまでのほろ酔いがすべて流されていくようだ。
シャワーを浴びながら、一花はまだ迷っていた。
でもこれから起こることを思うと・・・。すでに濡れてぐしょぐしょの部分を念入りに洗い、いつも
より長めのシャワーを浴び終えて一花はバスルームから出た。ショーツだけをつけ、上からタ
オルをしっかりと巻く。
脱衣所からでるとすでに電気は消えており、暗闇の中で煙草を吸っている俊也をTVのモニタ
ーの明かりだけがぼんやり照らしていた。俊也は一花が出てきたのに気づき、TVの電源を落
とし、煙草を灰皿に押しつけた。

突然視界が暗くなり、歩いていくのを躊躇していると、俊也は一花のところまでやってき、手を
引いてベッドに座らせた。灯りはもはや月灯りしかない。青い光に照らされて俊也が自分を見
つめているのがわかる。俊也は座ったまま一花の肩を引き寄せ、優しく唇を重ねてきた。
体中がほどけていくような、長い、長いキスだった。
俊也の手が固く巻いたはずのタオルをいとも簡単にはずす。露わになった胸を、俊也の温か
い手が優しく撫でまわす。唇を重ねたまま押し倒され、裸の胸と胸が密着しあう。
俊也の暖かい肌…気持ちいい・・。
俊也は車の中と同じように、一花の首筋に唇をはわし、手は形のよい乳房を確かめるように
揉みしだいた。首筋を這っていた舌は、鎖骨を通って乳首にたどり着く。唇にしっかり乳首をと
らえると舌で転がすようにして吸う。

「ん・・・っ」

一花の息づかいが次第に荒くなっていく。手はゆっくりと太股を押し開き、ショーツの中のすで
に濡れている部分に到達した。割れ目に指が滑るように入ってくる。

「すごい濡れてるよ・・・感じる・・・?。」

俊也の指は割れ目からクリトリスをゆっくりと何度も往復し、一花の愛液を指にからめるように
してクリトリスに塗り込む。円を描くようにしてゆっくり、優しく何度も何度もそこだけを撫でさする。
たまらない・・・。
指だけでこんなに感じてしまっている。一花の頭の中はすでに真っ白だった。
俊也はそんな一花の様子に満足したかのように耳元でささやいた。

「もっと感じさせてあげるよ・・。」

ショーツを抜き去り、一花の両脚を折りたたむようしてにしっかり広げ、その間に深く顔を埋める。

「あっ・・・。」

俊也の熱い舌が割れ目に差し込まれる。舌は、まるで別の生き物のように意志を持って蠢い
ている。秘所に唇を密着させながら花びらを丹念に舐め吸い上げる。静かな部屋の中で淫ら
な水音だけが響いていた。

その音を立てているのはほかならぬ自分自身なのだ・・・。たまらなく恥ずかしくなり、思わずぐ
っと足を閉じたが、舌はそんなことはお構いなしというように、密着した割れ目の間を強引に
割って入ってくる。その刺激がまたたまならく感じてしまい、足を閉じている力が抜け落ちてい
く。すかさず俊也はしっかりと一花の太股を開き、音をたてて舐めまわす。

今までこれほど感じたことがあっただろうか・・・。舌だけで一花はもういってしましそうだった。
しかしこんなに感じているのに、まだクリトリスは愛撫されていない。ずっと崇之は花びらから
一花の入り口の間をねぶり続けている。

どうしたの・・・早く・・・早く舐めてほしい・・・。

「足りない?」

俊也はまるで一花の心の中を見透かしているかのように突然そう言ってきた。

「なっ…なにが・・・?」
「わかってるんだろ?ここ、舐められたい…?」

言いながら指で一花の敏感な突起を舌先でちろりと触れる。

「はっ…」

一花の羞恥心は完全に消えつつあった。襲ってくる快感に理性を失いかけていた。

「…ほ…しい…」

一花の答えを聞いて、俊也はクリトリスを唇でしっかりととらえ、ぬめった熱い舌を押しつけた。

「ああっ・・・」

俊也の舌は、クリトリスを執拗に円を描くように舐めまわす。ゆっくりと、ゆっくりと、丁寧に。熱
く、柔らかい舌が、一花の一番敏感な部分にねっとりとまとわりつく。俊也は舌を離さない。一
花の快感のすべてを知っているようにクリトリスを舐め続ける。決して強く激しく舐めるわけで
はない。あくまでソフトで、優しい愛撫だ。だが、その方が女は激しく感じるのをきっと俊也は知ってる。

「き・・・もちいい・・・っ。」

聞かれてもいないのに一花は思わず口に出してしまっていた。それならもっと、とでも言うよう
に俊也は二本の指を入り口にゆっくりと差し入れてきた。相変わらずクリトリスにはぬめった舌
が絡みつき、二本の指は一花の中をかき回している。

「…っあぁ…・もう…だめ…っ!」

舌と指だけで一花は一度目の絶頂を迎えた。

脱力感に襲われている一花の目の前に、俊也のそそり立った男性自身が現れた。一花の顔
をまたぐようにして、体位で言うシックスナインの格好になっている。一花は何の抵抗もなくそ
れを口の中に受け入れた。すでに張りつめているそこは一花の口内にはあまりあるほど大き
い。舌を使って丁寧に舐めると、俊也の息づかいもだんだん荒くなっていった。

一花が愛撫している間も、俊也は茂みに顔を埋めたまま、指と舌を使って愛撫を続けている。
さっきとは逆の位置から舐められることで、一花はまた違った快感を得ていた。唇で秘所すべ
てを包みこみ、舌はクリトリスの回りにねっとりと絡みついている。流れ出る愛液をからめるよ
うにして指は一花の中をゆっくりとかき回す。
声を出したいが口は俊也自身にふさがれ、くぐもった喘ぎと二人の荒い息づかいが静かな部
屋の中に響いている。

ああ・・・またいってしましそう・・・っ

そう思った瞬間、俊也が愛撫をやめて一花に向き直った。そして一花の身体をいとも簡単に
ひっくり返すと、腰を持って四つばいの姿勢にさせた。俊也は一花の後ろに回ると、またしっか
りと足を開かせ、再び一花の秘所に顔を埋めた。

「んん・・・っ」

腰が不安定な状態で、女の部分だけがしっかりと俊也に捕らえられている。感じている一花が
少しくらい腰をよがらせても、俊也は埋めた顔を離そうとはしない。唇で花びらを柔らかく吸い
上げ、クリトリスを舐めあげる。そうかと思うと、クリトリスだけを唇で吸い上げ、舌先を使って
チロチロと舐める。二本の指は根本までずっぽりと一花の中に収められ、グラインドをしなが
らピストン運動を繰り返す。溶けてしまうんじゃないかというほどの快感だ。ぬめった、熱く柔ら
かい舌は飽きることなく何度も何度もクリトリスにまとわりつき、どこにも逃がさないとでもいう
かのようにしっかりと捕らえ、弄び続ける。
一花は半ば悲鳴のような声を上げていた。周りに聞こえてしまうかも、などど気にする余地は
もはやない。感じすぎて膝はガクガクしてきている。その様子を見て、俊也は一花をまた仰向
けに促し、太股の間に腰を割り込ませてきた。ベッドサイドのテーブルからゴムの箱を取り出す。

「つけずに…して…」
「え?」
「あたしピル飲んでるから…」

俊也の顔が曇る。

「それって…彼氏のために…だよな?」

まずいことを言ってしまったかもしれないと思いながら、一花は仕方なく答える。

「……うん…あ…でも」
「いいわけすんなよ!」

怒鳴りつけられてびくっと縮みあがる。
はっとした俊也は、一花の上に倒れ込み、ぎゅっと抱きしめた。

「それ…わざわざ病院で貰って来るんだろ…?」

耳元で囁くように俊也が問いかける。

「……うん」
「ごめん、俺が怒る筋合いないよな…。でも一花…が…」

抱き締められる腕が力を増す。痛いほどだ。
嫉妬、してるんだ…。私のことそんなに…。
一花も抱き締める腕に力を込める。
私、好き…。俊也が好き…。
少しだけ体を起こして、一花の額の髪を俊也が優しく梳く。

「一花…一花が欲しい…」

俊也はまた一花の唇をふさぎ、ゆっくりと確かめるように、一花の中に入ってきた。

「んんん・・・っ!」

張りつめた俊也自身は簡単に一花の狭い入り口には入れず、少しづつ、しかし確実にそのす
べてを埋めようとしていた。熱い固まりが一花の中に入ろうとしている。やがて一花は俊也の
根本までをしっかりと飲み込み、押し包んだ。
口づけをしたまま、俊也は腰を使い始める。ゆっくりと、力強く、一花の身体の芯を揺さぶるよ
うに突き上げる。その度に淫靡な音が繋がった腰から創られ、塞がれた唇の端から声になら
ない喘ぎが漏れる。やっと唇が離れた、途端我慢していた声が、部屋の中に響く。俊也は一
花の腰をしっかりと抱きかかえ、ますます淫らに、激しく一花を突き上げ始めた。
体中を駆けめぐるような快感に、一花はすっかり我を失っていた。いつの間にか腕を俊也の
腰にしっかりと絡め、自ら腰を動かしてより深いところに導いている。

快感を貪りたい・・もはやそれだけになっていた。
まるで体中が性感帯になってしまったかのように、俊也に反応している。
俊也は一花の背中をそのままかかえ起こして、自らの上に座らせた。仰向けに寝ている時よ
り上半身の密着度が増し、さらに俊也自身もさっきまでより深く奥まで突き上げられる格好だ。
片方の腕は一花の腰をしっかりと押さえつけ、もう一方の腕は背中から頭へ回し唇を吸い上
げる。愛液で濡れそぼった下半身が、俊也の腰に突かれる度に、淫らな音をたてる。一花は
もう自分の力では起きあがっていられないほど感じていた。俊也に腰を突き上げられる度に
体中が感電してしまったかのように感じる。

「い・・・いっちゃうっ・・・っ」

もう限界だった。快感の大きな波が訪れようとしていた。

「だめだよ・・・まだ・・・一緒にいこう・・・」
「だって・・・もおっ・・・がまんできなっ・・・」

俊也はふっと一花から離れ、横向きに寝かせた。

 ・・・なにをする気・・・?

そう思った瞬間、ぴったり寄り添うように後ろから抱きかかえられた。
左腕を身体の下から回し、乳房をしっかりと鷲掴みにし、右手はまた割れ目をまさぐり、舌は
一花の首筋を這いまわる。足は閉じているが、秘所はまったく無防備な状態だ。くの字になっ
ているため敏感な部分だけがどうぞいらっしゃいとでも言っているかのように突き出ている。
俊也はその露わになった柔らかい入り口に俊也自身をしっかりとあてがうと、ズブッと一気に
突き上げた。根本までしっかりと挿入すると、ゆっくりと腰を突き上げ始める。足を閉じている
ため、入り口は狭く、より締め付け感が増す。そこをしっかり突かれているばかりか、愛液です
っかりぬるぬるになったクリトリスを、俊也の指がまたまさぐっているのだ。腰を突き上げるリ
ズムに合わせて、3本の指でゆっくりとクリトリスを愛撫し続けている。さっきまでよりさらに
淫靡なクチュクチュという音が一花の聴覚までも刺激する。

指は愛液を絡め取り、クリトリスへ優しく塗り込め続ける。男の少しざらついた指の腹に、粘液
の絡みついた感触はたとえようもない。その指が、これでもかというほどクリトリスを舐め続け、
弄び続ける。それだけでも十分たまらないというのに、胎内には俊也自身が激しく突き立てら
れ、一花の一番深いところを攻め続けているのだ。

「一花…感じるか…?」

 これで感じない女なんていないよっ・・・。

一花は自然と閉じた足を宙に開き、俊也の指を俊也之自身を、受け入れていた。
ひときわ激しく奥まで突き上げられ、クリトリスはあくまで優しく、舐めるように弄られ続けていく。

「い・・・いく・・・っ…いっちゃうぅっ…!」
「俺も・・・・・・っ」

二人の絶頂を迎えた声が部屋に響く。
一瞬の空白の後、一花は体の中に、俊也の鼓動を聞いた・・・。


さっきまでの高ぶりが嘘のように引いて、二人は裸のまま抱き合っていた。
俊也の手が一花の髪を優しく撫でる。

「一花…俺にしろよ」

逞しい腕に頭をあずけて、月光に照らされた俊也をみつめる。

「俺だけの一花にしたい……ってこんなくさいセリフ言わせんな」

きゅっと抱きしめられて胸の中が幸せでいっぱいになる。

「…うん…」

これから彼氏と修羅場になることを考えるとちょっと気が滅入ったが、今はこうして俊也を感じていたい。二人は優しく唇を重ねた。恋人のキスだった。






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