シチュエーション
![]() 「キスしていい?」 壁にもたれて座っているヤツに馬乗りになって、みつめながら聞いた。 返事をしないから頭を抱えてキスしてやった。 乗らないような顔しておいて舌は絡ませてくるのね、ずるいヤツ。 そのうち手がセーターの上から胸をまさぐり出す。何度も繰り返し続けてきた手順。なのにあ たしは感じてしまう。下半身がもう濡れはじめてる。悔しいけどこいつが好きだから。死ぬほ ど好きだから。 パタンと押し倒される。この瞬間が一番好き。床に倒される時だけこいつはあたしのこと考え てる。乱暴にセーターとブラを一緒にあげる。露になった胸にヤツは吸い付く。 おっぱいが好きなのよね、あんた。子供みたい。そう、もっとねちっこく吸って。この胸見れ るの今日で最後なんだからね。 スカートの中に指が伸びる。触られるとつい声が出ちゃう。胸よりこっちのほうが好きなの。 もっと指、いやらしく動かして。クチュクチュいってる。もうベタベタに濡れてる。ここであ んまり濡れてなければクンニしてくれるんだけど。 ショーツを足から抜かれる。あれ?してくれるの?めずらしい…。あ、そこそこ…もっとねっ とり舐めて…。気持ちイイ…。自分で擦り付けたくなっちゃう。チュウって吸われて舌で押し つぶされるのが一番好き…そう、それ。いきたくなっちゃうよ…。 あ、もう入れちゃうんだ。やっぱりゴムなしなんだね…。いいよ、忘れらんなくなるくらい締 め付けてやる。あぁ…入ってくる瞬間も好き…。ちょっと苦しそうなあんたの顔が好きなの。 この顔が一番かっこよく見える。最後ぐらいお互い服脱いで抱き合いたかったな…。裸の胸も 好きだったから。全部入れてちょっと止まるんだよね。ギューッて絞めてやる。ねぇ気持ちイ イ?あたしの中。ああっ…突かれるともう何も考えられなくなっちゃう。我慢してても喘いじ ゃう。だって堪らないんだもん、あんたのが奥に当たる感触。 すごい乱暴なピストン運動だよね。でも体ごと揺さ振られると、いつも馬鹿みたいに感じちゃ うんだよ。 あんたがあたしで感じてるのがすごい幸せだったの。でももうダメ。付き合いきれない。 ああ…だんだんわけわかんなくなってきた…。あたし今すごいヤラシイ顔してるよね、きっと。 ねぇ好きなの、大好きなの、どうして同じ気持ちを返してくれないの?背中を抱えあげられた。 この体位好きだよね。あたしも好き。あんたに思う存分抱きつけるから。下から突かれるのも 堪らない。あたしゴム鞠みたいに跳ねてる。…なんか泣けてきた。気持ち良すぎて?ううん切 なくて。繋がってるのに遠い。抱きついてるのに独りぼっち。ああぁもうわからない。また押 し倒される。いきそうなんだね、あたしも。やばい、すごい激しい…ああもういく!いっちゃう!! お腹に出された。息があがってる。ティッシュを渡される。わかってるよ、自分で拭くよ。 暫らく床に転がってて、決心が付いた。 またこいつ壁にもたれてる。何もなかったみたいな顔して。服を直して、帰り支度を始めた。 なんか言ったら?もう。玄関を出ていこうとするあたしに目を向けた。死角になってる靴箱の 上に合鍵をそっと置く。きっと明日まで気付かないね…。 「じゃあね。」 バタンとドアを閉めた。こら、泣くなあたし。頼むから泣かないでよ。でもよかった、ヤツの 前じゃなくて。絶対忘れてやらない。こんなに好きだったこと。 「バイバイ」 ちっちゃい声でドアに向かって言った。早足でマンションの階段をかけおりる。タクシー捕ま るかな?あぁ早くシャワーが浴びたい…。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |