シチュエーション
![]() あの日から仲野とは月に3回ほど会って寝る関係になった。 彼が電話をしてきて、彼の都合のよい日に寝る。彼にとって自分は全く都合のいい女だった。 でもそれで構わなかった。 彼との倒錯したセックスで、私はすっかり狂わされてしまっているから。 職場内でこの関係に気付いている者はいない。 二人だけの秘め事という甘い響きが、里香を酔わせていた。 彼の要求は本当に多種多様。今日はガーターを付けてこいと言ってきた。 なぜか彼はしつこいくらい、朝から着ていくことを要求した。会うのは仕事の後なんだか ら、行為の前にホテルで付けてもいいはずなのに…。 気にはなったが、前に何となく買ってしまった、繊細な黒いレースで出来ているガーター をクロゼットから取り出した。お揃いのブラとショーツもある。 朝食を終えてそれを身に付けると、ショーツだけ脱がされ、これを付けたまま彼に貫かれ ている自分の姿が頭をよぎり、朝から一人欲情してしまった。 今夜が楽しみで、仕事が手に着きそうにない。 3時過ぎ、休憩を終えて売場に戻ると、外出していた彼が戻ってきていて声をかけてきた。 「藤田さん、200万くらいのルビーのリング何点か応接に持ってきてくれる?」 「あ、はい」 「小塚様が応接室にみえてるんだ。奥様にプレゼントなんだけど…君、一緒に入ってモデ ルしてくれないかな?」 「わかりました」 仲野は微笑んで頷くと、そばにいる同僚達に言う。 「大事な商談だから電話とか取り次がないようにね。」 ケースの中から数点、美しいリングを選ぶ。 小塚様は仲野さんの客のなかでもかなりのお得意様だ。目も肥えていらっしゃるからいい ものをお見せしなければ。 しかし奥様はサロンが好きだといってよく来店されるが、ご主人様がいらっしゃったこと は今までない。仲野さんに言えばいくらでも持ってお宅へ伺うだろうに… 不思議に思いつつ応接室に向かった。 この部屋は売場の一角にある完全な個室で、高額な商品をお求めの方の為の部屋だ。 高そうなソファがあり内装は非常に豪華で綺麗だが壁は薄い。デパートなんてこんなものだ。 「失礼いたします」 リングの乗った盆をテーブルに置き一礼して彼の隣に腰掛ける。 「ほぅ、いいじゃないか」 なぜか小塚様はリングを一瞥もせず、私を見て感嘆の声を洩らした。 …?なんだろうこの人? 年は50位?食品会社の社長だと聞いたことがある。中肉中背で、スーツの似合う普通のおじさんだ。 「お気に召して戴けましたか?」 「ああ、いいね、早速始めてくれ」 なんのことやらわからずに仲野をみつめる。仲野は小塚に満面の笑みを浮かべて答えた。 「かしこまりました」 「きゃ…っ!」 里香はいきなりソファに押し倒された。体を圧迫され、仲野の舌が首筋を這う。 「な…なにするんですか…!?」 「静かに」 「んんっ…!」 仲野にくちづけられ、ものも言えなくなる。さらに頭が混乱する。 物凄い力で押しつけられて脚をばたつかせるだけで精一杯だ。 「仲野くん、それじゃこのお嬢さんもびっくりするだけだろう、ちゃんと説明してあげないと」 小塚の言葉に仲野の手が止まる。 キスを逃れて小塚を見ると、あろうことか小塚はスラックスからペニスを出し自らの手で しごいているではないか。 余りのことに叫びだしたいのを寸前で堪え、パニックに陥りそうになる頭で必死に考える。 何?なんなのこれは!? 「いや、いきなり襲い掛かってみるっていうのを一度やってみたかったんですよ」 仲野は小塚に笑顔で答える。 「ここでそれはまずいだろう」 「最も意外な場所でっていうのが燃えませんか?」 「はは、それはそうだ」 ソファに押し倒されたまま和やかに交わされる会話を聞いていて里香は泣きそうになっていた。 わけがわからない。私は一体何をされようとしているの!? 里香を荒々しく組み敷いたまま仲野が優しく話し掛ける。 「あのね、俺と君のセックスは200万なんだよ」 今にも泣きそうな里香に向かって仲野は続ける。 「小塚様は人のセックスを見て興奮する性癖がおありなんだ。俺たちのセックスをここで 見せたら、このリングをお買い上げ戴けるってこと」 そんなばかな! 里香が悲鳴を上げる一瞬早く仲野の手が里香の口を塞いだ。 「ここがどこかわかってるだろ?お客様に恥かかす気か?」 仲野の目は真剣だ。怖い…。堪えきれなくて目尻から涙が零れる。 「大丈夫、小塚様は君に何もしない。安心して…」 唇で涙を吸い、くちづける。いつもこのキスで何も言えなくなってしまう。 里香にのしかかったまま、仲野は制服のベストのボタンに手を掛ける。いとも簡単にそれ を外すと続いてブラウスのボタンを外し、ブラの上から胸をまさぐる。 「なんだ…固くなってるじゃん」 「やっ…ちがっ…」 慌てて否定するも無駄なことだ。体は確実に反応している。 「しっ…聞こえたらどうするんだ。」 今までの会話が筒抜けでドアの外で皆が聞き耳を立てているかもしれない。 やっぱりいや、こんなのはいや…! 「ふ……っ」 仲野はブラを押し上げ裸の胸を露出させると、固くなった蕾を口に含んだ。 里香の鼓動と荒い息遣いで白い胸がフルフル震える。 「や…めて…」 擦れた声で請うても、効き目などあるはずもない。 仲野は双の乳房を揉みしだきつつ尖った先端に舌を這わし続ける。 こんな状況なのに仲野の愛撫で体の芯は潤んでいく。 いや、逆にいつもより感じてしまっているくらいだ。次第に腕の力が抜け落ちていく。 「そう、いつも通り、俺に任せて…」 胸に舌を這わせつつ、手は太股の内側に伸びる。 ショーツの中の潤んだ部分に到達すると、クチュ…と水音が起きた。 「う…っ」 堪えていても低く呻くことは押さえられない。 ショーツの中の指が割れ目をなぞる度、里香の体はソファの上をビクンと跳ねる。 「これがいやな人の濡れ方か…?」 指で里香を弄びながら唇で唇を塞ぐ。くぐもった喘ぎを止めることができず、里香は仲野 にしがみつく。小塚はそんな里香の様子に興奮して自分の物を激しくしごいている。 仲野は小塚によく見えるよう里香のスカートを腰までたくし上げ、里香の下半身を剥き出 しにした。スカートを戻そうとする里香の手を仲野は頭の上で束ねて押さえる。 「ちゃんと付けてきたんだね、これ…。」 仲野の指がガーターをなぞる。ゾクゾクと里香の肌が波立つ。 「いいか?今大声出せばこの格好みんなに見られるってことだよ?いやだっら大人しくす ること。わかった?」 仲野の唇が里香の口を封じる。 「ま、あんまり無抵抗なのも面白くないけど…」 唇の中で仲野が呟く。 姿を晒すという人質をとられて大声を出せない里香を、仲野はさらに指で凌辱する。 相手は仲野であってもレイプと変わりなかった。しかも一方では目で犯されている。 しかしこんな行為にいつもより高ぶり、悦んでしまっている自分がいた。現に指で愛撫さ れるだけで太股に伝わりそうなほど愛液は溢れかえっていた。 「ん…っ」 仲野の指がショーツの縁を引っかけ、脱がそうとする。 咄嗟に押さえられた腕を振り解こうとし、身を捩ってしまう。 「小塚様申し訳ありません、腕、このまま縛って頂けませんか?」 「んんっ…!」 里香の抗議を予測して仲野の手が再び口を塞ぐ。 「それもいいね」 小塚はバッグから用意してあった縄をいそいそと取り出すと、里香の腕を頭の上で手早く 縛り上げた。 「ついでに口も塞いじゃおうかねぇ?」 「そうですね、お願いします」 やめて!やめて!! 里香の口内にハンカチが詰められ、固く縛られる。止まっていた涙がまた零れだす。 手は両手を纏めて縛られた上、ソファの背側の脚に繋げられてしまった。 「大丈夫、気持ち良くしてあげるから」 ガーターの上のショーツが引き抜かれ、濡れそぼった女陰が露になる。 「いいねえ…」 小塚が上擦った声で呟く。 黒いガーターとストッキングの間に桃色に色づいた肌。 そしてその中心には濡れてライトに光る艶々と黒い茂みが、淫靡に美しい。 仲野はソファに仰向けに倒されている里香の片足を持ち上げ、片足を床に落とすと、小塚 見せつけるようにそこを舐め上げた。 「んんんっ!」 とろけだした柔肉に仲野がしゃぶりつき、愛液を啜り上げる。 いつも通りの巧みな舌技に里香の体中が痺れだす。 腕を拘束され、猿轡を噛まされ、職場の一角で客に見られながら嬲られるという考えられ ない状況に、里香の性感は研ぎ澄まされ、激しく反応してしまっていた。 そしてガーターとストッキングの感触が、更に里香を感じさせる。 腰には柔らかなレースがフィットし、太股のストッキングを吊り上げている。 ショーツを取り去られたことで、一番覆いたい部分だけが無防備になっていた。 なんて卑猥な姿。 そこを仲野が執拗に舐めまわしている。何も纏っていない時よりも、仲野の舌の感触を敏 感に感じていた。 里香の微妙な心の変化を読みとり、仲野は更にそこを責め立てる。 気持ち…いい…。 仲野の舌が里香を深く抉るたび、心のたがが外れていった。 小塚の方を見てみると、今にも達しそうな切羽詰まった顔で、里香の股間を凝視しながら 自分のものをしごいている。 舌で嬲られている自分を見られていることに、ビリビリと興奮してくる。 身動きできぬよう拘束されて、快感を強要され、そんな姿を目で犯される…。 かつてないほどの高ぶりだった。なんて…なんて淫らで甘い感覚だろう…。 うっとりと仲野を見た。 仲野は陶酔しきったその瞳を見て、里香が自分の手に落ちたことを確信する。 仲野はスーツの上着を脱ぎ捨て、スラックスから張り詰めた自身を出すと、里香の肉襞の 中に押しあて一気に貫いた。 「…ううぅっ!…っん…んんっ…!」 仲野が里香の体を深く抉る度、くぐもった喘ぎが喉から零れる。 「あぁ…里香…いいよ…」 快感が里香に一気に押し寄せる。 「もう…暴れたりしないな…?」 腕と口の戒めが解かれた。 自由になった腕で自ら太股を持ち上げ、より深いところへ誘導する。声を堪えながら律動 を受け止める。 秘裂を抉られるたび、恐ろしいほど快感が駆け上がってゆく。 仲野は里香を離し、スラックスも脱ぎすてるとソファに腰掛けた。 里香を同じ向きにして自分の上に座らせる。 背後から抱き抱えながら、自分の股を跨がせるように里香の脚を開く。 半ば脱力した里香は仲野のされるがままになっていた。 小塚の目に自分の秘所を晒されてる。黒い紐の間に、桃色の肉がはっきり見えているだろう。 身震いする。おぞましさではなく、嬉しさから。 仲野は背後からそこに再び熱い固まりを押し当てる。里香の秘壺がよどをたらしながら、 押し広げられ、太いものを食わえ込んでいく。 「…っふ…うっ…」 「声…堪えて…」 仲野は股の上で里香をしっかり抱え、荒腰を使う。 き…もちい…い… 目の前で繰り広げられる痴態に小塚の興奮は最高潮に達していた。 「いいよ仲野君…!そのまま…!」 小塚が掠れた声で呻く。 ねえ…見えますか…?私のものを彼のものが貫いているさまが…。 小塚にはっきりと見せたくて、里香は自分の肉襞を指で広げる。 泡立った白い粘液を纏いながら、仲野の幹が水音と共に現れては消える。 里香の完全な変化に、仲野は笑みを浮かべた。腰使いが更に荒くなっていく。 里香は荒い呼吸の間に低く喘ぎながら、小塚に囁きかける。 「見…て…」 「うぅっ!」 里香の艶めかしい声に耐えられなくなり、小塚は自ら果てた。 しかし仲野はなおも里香を背後から犯し続けている。 エスカレートしていく快感に里香の体は震えだしていく。 仲野の手が里香の手を掴み、里香と繋がっている幹の根本へ誘導した。 「…あっ…」 指からも自分が貫かれているのを感じる。 「わかるだろ…?」 耳元で囁かれ、里香は再び快感の海へ落ちていく。 小塚のペニスはそれを見て再び固さを取り戻そうとしていた。 仲野は里香の乳房を背後から揉みしだき、里香を高みへ押し上げようとさらに深く強く突 き上げ続ける。 絶頂が訪れる直前の、白い光が弾けだしていた。 …ああっもうだめ…!! 「くっ…うぅっ…!」 里香の体が仲野の上で大きく跳ねあがった。 荒く肩で息をする里香を休む間もなく立たせ、壁に押しつける。 「は…あっ…あ…」 向かい合って片脚を持ち上げながら、仲野が里香の中へ侵入する。 激しく突き上げながら里香の唇を吸う。 奥まで貫かれるたび、里香の胎内を快感が疾走していく。 互いに唇で声を押し殺し、苦しく喘ぎながら求め合う。荒い息遣いと腰が発する水音が部屋に響く。 和やかな店内放送の音楽とひどく対照的なその音に、頭がおかしくなってしまいそうだ。 「…っ…んっ…は…」 仲野に縋りついて今にも崩れそうな体を支えた。今いったばかりの体が再び頂点へ駆け上 がっていく。 「も…だめっ…!」 ガクガクと脚が震えだす。崩すまいと仲野はさらに激しく突き上げる。 つま先から頭の先へ突風が吹き抜けていった。 「…あ…」 カクンと床にへたりこむ里香の口内に、仲野は肉の先端を埋める。 脈打ちながら粘液が里香の口内に注ぎ込まれた。 「…っ…んん…!」 最後まで放出し終わるとそれを唇から引き抜く。 里香の唇の端に溢れた液体がつうと伝わった。 快感に潤んだ瞳で見上げる里香の頭を撫で、仲野は言う。 「…飲んで」 里香は白い喉を上下させてそれを飲み下した。おい…しい…。 そこで小塚も再び果てたのだった。 「ありがとう。商談は成立だ、これを頂くよ。」 小塚はテーブルに並べられたリングの内、一番高額な物を手に取り、バッグから札束を取り出した。 「こちらこそありがとうございます」 すっかり息も落ち着き、何事もなかったようにスーツを着込んで仲野が答える。 「300万ある、残りははチップだ。」 「チップが多くありませんか?」 「多くないさ、君だけじゃなく彼女の分もだからね」 「ありがとうございます。改めさせていただきます。」 仲野がつい今まで里香を嬲っていた長い指で、札束を次々数えていく。 里香は朦朧としながら、その美しい指を見ていた。 用意のいい小塚は、里香のためにペットボトルのレモンティを持ってきてくれていた。 いや、もしかしたら仲野が言って用意していたのかもしれない。今日の計画が出来上がっ た時から、里香の口内へ放出するつもりで…。 「藤田さん、これ包装して、レジ通してきて。」 「は…はい…」 乱れた制服をなんとか直し、まだ紅潮する頬を押さえて、商品と現金を手に応接室を出る。 扉を開けるといつもと全く変わらない風景。今あったことが白昼夢だったように思う。 しかしショーツを仲野に奪われてしまったせいで、歩くたび太股に溢れ出した粘液が擦れ、 水音がしそうな気がする。それが現実にあったことだと里香に告げる。 応接から出てきた里香を見て、麻美が寄って来た。 「238万!?スゴイの売れたねーしかもキャッシュ!さすが仲野さん。」 「ああ…うん…。」 「どうしたの?なんか顔紅くない?…仲野さんと一緒で…のぼせた!?」 「…っ!…ちょっと、ね…。」 「ずいぶん籠もってたもんねーうらやましーい。」 麻美が里香をわざとらしく肘でつつく。 咄嗟に返す言葉が出なくて、かろうじで微妙に笑顔を作る。 「包んどくからさ、レジ行っておいでよ。」 なんとか包装と会計を済ませ部屋に戻ると、小塚は里香の手から紙袋を受け取り、 よかったよ、ありがとうと告げて去っていった。 応接を出て二人で深々と頭を下げ小塚を見送った後、再び部屋の中に促された。 里香を閉じこめるかのようにドアを後ろ手でパタンと閉める。 「…よかったか…?」 仲野に真っ直ぐ見つめられて一気に恥ずかしさが蘇る。 「や…っやめてくださいっ」 「こんなになってるくせに…」 「ぅうっ…」 スカートの中をまたまさぐられる。 逃れようと思えば出来るはずなのに、指がそこへ到達するのを待ってしまう。 望んだ通り指の腹が触れ、肉の溝をなぞる。 仲野はわざと音が立つように、里香の割れ目を掻き回した。 「はぁ…っ」 肉芽をぬるっと摘まれ、また甘い声が出てしまう。 閉じられたドアにもたれ、仲野の首に腕を絡みつかせながら、再び快感の渦に巻き込まれ そうになるのを必死で堪えた。 「は…早くここから出ないと…みんなが…。」 「大丈夫、仲野と藤田は、今大事な打ち合わせ中。」 何のことかわからなかったが、指が蜜壺の中に進入してくる心地よさに、何も考えられな くなっていった。 「片脚、さっき俺がしたみたいに、自分であげて…。」 スカートをたくし上げ、太股を腕で吊り上げる。 ああ…また貫いてもらえる…。 里香は再び悦びを得られる幸福に陶酔する。 仲野が里香に跪いて、開かれた太股の間に顔を埋めている。 「美味しいよ…もっと…溢れさせて…」 蜜の溢れ出す泉を、唇が塞いで啜り上げている。 喉を仰け反らせ、喘ぎ声を押し殺した。 閉じた瞼の裏がチカチカと光り出す。体重を支える脚が震え出す。 「いれて…下さい…」 薄い扉一枚だけ隔てた向こうで、靴音が幾度も近づき、遠ざかっていく。 仲野は里香をその扉に向かわせ、腰を引き寄せて手を突っ張らせた。 流し見るように肩越しに視線を寄越す里香は、彼が最初に抱いた女とは明らかに違う。 「ふ…うぅっ…!」 すっかり硬さを取り戻した肉の棒で、里香を貫いていった。臀部を押さえつけ、全てを埋 め込む。 里香の鼓動を感じる。胸ではなく、ひくつく肉壁で。 バックから見ると更に淫らな姿だ。制服をかっちりと着込み、スカートを捲り上げ、白い 尻を突き出している。黒いガーターに白い肌、桃色の肉襞のコントラストが堪らぬ。そこ に男のものを突き立てられている卑猥さ。繋がった部分には透明な蜜がたっぷりと絡みつ いている。 目で見るだけで充分刺激的な光景なのに、熱い柔肉に締め上げられているのを感じるのが、 仲野を更に高揚させる。 仲野は性急に腰を使い出す。 「は…あ…あぁ…っ」 もっと焦らしてやりたいのに、激しく打ち付けることをやめることが出来ない。 とろけきった肉襞が、蠢きながら吸い付いてくる感触に、仲野は我を忘れてしまいそうだった。 突き上げる度、扉が衝撃に揺れている気がする。 …気付かれやしないか…。 そのスリルが二人の興奮をどんどん煽っていく。 「…っは…」 あっという間に限界が近づいてきた。 体中の血液が里香と繋がっている部分に集中する。 「……っはぁ…っ!!」 里香の中がきつく収縮し、背が弓なりにしなる。 「…くっ…!」 いきそうになった瞬間、里香が向き直り、仲野のものに吸い付いた。 「…あっ」 里香は跪きながら喉の奥までそれを銜え込み、舌に貯めることなく注がれる物を飲み込ん でいく。 最後の一滴まで舐め取り、唇から離すと、手で包んだまま仲野を見上げた。 「…美味しい…もっと…」 「お…前…」 背筋を愛しさがゾクゾクと駆け上がる。 思わず里香を抱き寄せると、里香の荒い吐息が耳を擽る。 「私…どうしよう…こんなふうになっちゃって…」 「俺がそうした…」 自らの手で里香を変えた充実感が、体を震わす。 里香を縛り付けたい。誰にもやりたくない。 これは、俺だけの物だ…。 「とりあえず、50万弱あるし、どこか旅行でもする…?。」 「旅行なんて…彼女いるくせに…。」 「…?いないけど…?ずいぶん前に別れたきりだし」 「嘘…みんな言ってるもん。スゴイ綺麗な彼女いるって。」 「はは。」 体だけじゃない、心まで俺の物らしい…。 「噂を信じるならご自由に。」 「いじわる…。」 すねる里香が可愛くて堪らないから、もう少しこの話はお預けにしよう。 「とにかくここ出よう、これは今夜返してあげるよ。」 目の前でさっき奪ったショーツをひらひらさせる。 「返してっ。」 「こんなびしょぬれの履いたって気持ち悪いだけだろ?」 真っ赤になってうつむく里香を再び抱き寄せる。 里香…手放せそうもないな…。 「ずいぶん長いお籠もりでしたねー。何話してたんですかあ?」 おどけて聞く麻美に仲野が答える。 「小塚様を藤田さんの担当にするって話。今日の接客でずいぶん気に入ってくれたみたい だったから。」 「へーすごーい。売り上げ増えるね、やったじゃん里香。」 「うん…嬉しい。」 曖昧に笑う里香に仲野が言う。 「当分は俺が一緒に接客するから、心配いらないよ。」 二人にしかわからない暗号が、言葉に隠れている。 「今日みたいにね…。」 あの快感をまた得られる期待に、里香の中の女が、また潤み出す。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |