その男、我侭につき
シチュエーション


「ただいま〜・・・・」
「おぉ、おかえり。どしたの?今日遅くね?」
「ん、ちょっとね〜。帰り際に仕事頼まれちゃって、それやってたら遅くなっちゃった。」
「ハァ?何それ。そんなん断って帰ってくりゃいーじゃんよ。俺マジで腹減ってんだけど。
 早くなんか作ってよ。」

・・・・もぅ。おなか空いたんなら勝手になんか食べてればいいじゃない。
それよりも、あたしこんなに疲れてるんだからねぎらいの一言くらい・・・

あたしと彼は一緒に住みだしてからもうすぐ半年になる。
最初の頃は何もかもが嬉しくって彼の我侭も全部がいとおしかったけど、
だんだんそれにも疲れてきた。

彼の職業はWEBデザイナーで、基本的に家で仕事をしている。
学生の頃からそういう関係が好きで、大学行かずに専門学校に行って
そのままそういう世界に足を踏み入れたって、知り合ったばっかの頃飲み会の席で聞いたっけ。
だから彼は一度もまともな会社勤めをしたことがない、自由人だ。
一方のあたしは女子大を出て、有名な大企業ではないけれどそこそこの大きさの会社に勤めている。
今年で3年目。やっと、仕事が面白く感じてきた頃だ。
だからこそ、頼まれた仕事はやりぬきたいし、専念したいのに・・・

とりあえず部屋着に着替えてエプロンをつけて、適当に冷蔵庫を漁って夕飯の支度をし始める。

「ねぇねぇ、今日の夕飯何?」
「え?あぁ、旬の筍買ってあったから青椒肉絲でもしようかと・・・・」
「えー!?俺筍きらーい!なんか別のもんにしてよ。」

・・・ぶち
何かがあたしの中で切れる音がした。

「じゃああんたが作んなさいよ!!あたしおなか空いてないからいらない!!」

そういい捨てて、あたしは手に持っていたピーマンとエプロンを投げつけて
バスルームへ走り去った。

着ている物を手早く脱いで乱暴に洗濯機の中へほおると、バスルームのドアを乱暴に開けて
ザブンと湯船につかる。

・・・もぅ!!何で我侭ばっか言うのよ!!!

イライラが募って、悔し涙が出てくる。体育座りした膝に顔を押し付けて鼻を鳴らしていると、
風呂場のドアをノックする音が聞こえる。

「・・・・何よ」

あたしは鼻声のまま答える。

「・・・・言い過ぎたよ。お前も疲れてんのに。悪かった。ごめんな?」

あたしがふてくされて答えないでいると、彼は風呂場の前から立ち去っていった。
そのまま湯船につかりながらさっきの彼の声を思い出す。

彼・・・ほんとに反省してた感じだった・・・。
あたしもいくら疲れてたからって、ちょっと言い過ぎちゃったかな・・・。

彼の入れてくれたお湯につかりながら、疲れとともに怒りもほぐれていく。
よし、お風呂から上がったら謝ろう。そう決意して、湯船から立ち上がり、身体を洗い始めた。

お風呂から上がって、台所でミネラルウォーターを飲みながらチラ、とリビングを見ると、彼の姿がいない。
もう寝ちゃったのかな・・・・

コップを流しに置いてベッドルームに行くと、いた。
ドアに背を向けて寝ている。
あたしは彼の横にもぐりこむと、ちょっと、猫なで声を出して声をかける。

「ねぇ〜・・・」

・・・・無言だ。寝てんのかな?でも、謝るなら今のうちに言わなきゃ。

「ねぇ〜・・・、今日さぁ、あたしこそ・・・ごめんね?
 その・・・ちょっとイライラしてて・・・・・・・」

よし、言うだけ言ったぞ。罪悪感から逃れて、ほっとしながらあたしも寝る体勢に入る。
さ、これで明日の朝から元通り・・・・・・・・

「・・・・ほんとそうだよ」

え?
一瞬あたしは自分の耳を疑った。恐る恐る自分の右側にいる彼を見ると・・・
彼はいつの間にか身体を反転させて肘をついてあたしを見下ろしている。

「お前1人が疲れてんじゃねーっつーの。俺だって家で仕事してんだよ。
 だいたい、俺が家でお前の帰り腹すかせて待ってるなんて昨日今日始まった事じゃねーじゃんかよ。
 それを何?あの態度。 お前何様だ?っつーの。」

さっきのしおらしい態度からのあまりの豹変振りにあたしは凍りつく。
ガバッとあたしの上に馬乗りになると、あたしの両手首をつかんで頭の上で固定する。
目を見開いて固まっているあたしを見てニヤリ、と笑うとあたしの耳に口を寄せ、

「仕返ししてやるからな。覚悟しとけよ♪」

低い声で、ボソッとささやいた。

彼はそのままあたしの耳たぶに口付けると、耳たぶを吸い始めた。
耳に直接ピチャピチャという音が響いて、ゾクリ、とする。
そして口に移動したかと思ったらいきなり舌をねじ込ませてくる。
ねっとりと奥まで絡み付いて来る長めの舌。そして幅も広めなので、
あたしの舌にまるで吸いついてくるようだ。
彼のキスは、それだけであたしをボゥっとさせる。
キスだけであたしの中心が熱くなっていくのがわかる。
吐息を漏らしながらふと目を開けると、彼と目が合った・・・!!
いつから見てたんだろう・・・!もしかして・・・・ずっと・・・!?
彼は、あたしがだんだんと頬が紅潮し息が荒くなっていく様をずっと見ていた・・・
視姦されていたと分かるとより一層内股の間が熱くなっていく。
そのむずがゆい感覚に、思わず膝を摺り寄せてしまう。

それに気付いた彼は口を離し、ニヤニヤと笑いながらあたしを嘲る。

「何?感じちゃっのた?」

そういって彼は、両手で組み敷いていたあたしの手首を片手にまとめると、
あいた手であたしの内股をパジャマの上から触り始めた。

「うわっ・・・すっげ・・・」

あたしでも明らかにわかるほど、パジャマの内股部分は下着と一緒にぬるりと動く。

「ねぇ・・・何でこんな濡れてんの・・・・?」

・・・そんなの知らない!!羞恥心で顔から火が吹きそうだ。
彼は片手で器用にあたしのパジャマの下の部分と下着と一度にずり下ろすと、
身体を脚の間に割り込ませてきた。
これであたしの敏感な部分は彼の手から逃れる事が出来なくなった。

彼はまず指をそろえて全体を揉むように刺激しはじめた。
緩やかな、でも確実な快感であたしの中での感度はどんどん上がっていく。
何回か揉んだかと思ったら、そのまま中指があたしの中へ沈んでいく。
あたしの中で軽く指を曲げて、前壁の一番感じるところを刺激している。

あたしの頬はどんどん熱くなる。薬指も挿入され、膣壁がググッと横に広げられる。
中をかき回され、とめどなくあたしの中から熱いものが流れ出ている。
彼はわざと音を立てるように乱暴に勢いよく抽送を繰り返す。
彼の指の動きに加えて自分が放つ淫らな音に耳も刺激されて、
何かがあたしの下のほうから押し寄せてくる感覚に身を任せようとした時
彼が不意に蕾を親指で押し潰した。

「あぁぁっぁぁああああ!!!!」

ビクッと身体が痙攣し、あたしは達してしまった。

「すげっ・・・ おまえん中、ビクビクいってんだけど・・・」

軽く息を荒げながら言うが、彼はまだあたしの手を離さない。
あたしの中から指を抜くと、たっぷり指についた蜜を
いったばかりで普段の何倍も敏感になっている蕾に塗りつける。
名残の残っているあたしの身体は、触れられるたびに反応して跳ねる。

「・・・っねがい・・!・・・も・・・ぅ・・・ゃめてっ・・・!!!」

身体をビクビクと跳ねさせながら彼に懇願する。

「・・・言ったろ?・・・覚悟しとけよって・・・」

興奮して息を荒げながらもそう言い放つと、あたしの手首をつかんでいた手を離し自分のパジャマと下着を脱ぎ捨てた。
両手が自由になったあたしは、頭では動こうと思うのだが身体が言う事を聞かず、
ただただその場に寝転がっているのが精一杯だった。
彼はあたしの両脚を自分の肩に乗せいきり立ったものをあたしの十分に濡れそぼったそこに押し当てると、
一気に奥まで押し込んできた。
いつもなら脚を下ろした状態での正上位から始まる挿入なのに、今日はいきなり、一番奥に当たる体位でついてくる。
しかも、まるで陰毛をただでさえ敏感になっているクリトリスに擦りつけるかのような腰使いをする為、
あたしの頭の中は激しく火花が飛び散っているかのような感覚に陥る。

「やだ!!やめて!!!お願い!!止めてェェええ!!!」

「・・・っに・・・言ってん・・だよ・・・!!仕返し・・・だっ・・・て言ったろ!!!!」

「駄目!!ほんとに!!やめて!!!やめて!!!あぁぁあぁあぁあああああああ!!!!!!」

さっきの快感とは比べ物にならないほどの大きな波に呑まれ、あたしの意識は途切れた。



気がつくと、あたしの横に腰掛けてニヤニヤ笑っている彼がいた。

「・・・・何よ」

照れくさくて、あたしはちょっとふてくされた顔をした。

「・・・いや? ・・・可愛かったなーと思って♪」

寝転がったままのあたしをぎゅーっと抱きしめて、あたしのほっぺにキスをする。

「明日は早く帰ってきてね?」

・・・・・あたしの負けだ。
明日は彼の好きなロールキャベツにしよう、と、かなり我侭だけどいとおしい彼の顔を見ながら思った。






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