Freak Show
シチュエーション


『ねぇ、知り合いがイベントやるから行かない?』
金曜日の夕方、仕事をが終わってメールチェックをすると、マキからそんなメールが来ていた。
マキとは、高校の時に短期バイトで偶然一緒になったのがきっかけで遊ぶようになった。
学校も学年も違うあたし達だったけど、妙にウマが合って今では一番の親友だ。

『パス。そんな気分じゃない。』

仕事が終わって疲れていた直後だったし、クラブだなんてもう何ヶ月も足が遠のいていた。
今はあの人ごみよりも、ショットバーの雰囲気の方が肌に合うようになっていたし。

『なんでよ、いいじゃん!踊りたくなきゃカウンターで飲んでればいいんだしさ。
 てか、もう友達連れて行くって約束しちゃったのよ! 7時に”Red Lion”でね!』

やれやれ。マキの誘い方はいつも強引だ。でも、嫌いじゃない。
渋々ながらも、久しぶりのクラブに軽く胸が湧く。

「ショウコ〜!!おっまたせ〜!!!」

約束の時間をちょっとまわってマキが現れた。誘っといて遅刻をするのはいつもの事。
あたしもどちらかと言えば時間にルーズな方だけど、マキほどじゃない、と毎回思う。
階段を登って2階にあるその空間は、相変わらず大音量と煙草の煙で充満していた。
ステージでは様々なグループが思い思いのマイクリレーをかわし、フロアではそれに合わせて皆が身体を揺らしている。
あたしとマキはドリンクチケットを受け取ると、とりあえず空いてるカウンターに座って飲み物を注文した。

「ちょっとフロア行ってくんね」

早々とカクテルを飲み終えると、マキは人ごみの中へ進んでいった。
あたしはもともと踊るつもりはなかったので、そのままチビチビとグラスに口をつける。
バーテンはテーブルの端の客と話しているから、話相手もいない。
しばらく1人でボーっとしていると、不意に耳に不明瞭に流れ込んでいた音楽がはっきりしてくる。

今までに聞いたことない耳障りの良いビートとライム。
あ、なんかいい感じ。これ好きかも。
演者に興味が湧いてステージを見ると、MCの1人と目が合う。
すると彼はまるで自分たちのステージを自慢するかのようにあたしに片目をつぶるった。
思いがけない行動にドキッとしたが、彼はそのまますっとあたしから目線をそらし、
あたしを含めたフロアの客を虜にした。

何杯目かのグラスを空けると少し風に当たりたくなってきた。
あたしはトイレの隣の裏口のドアを開けて外へ出、螺旋階段の踊り場で煙草に火をつけた。
外に出た事で室内の音は消え、耳に再び静寂が訪れる。
ふと、さっきのステージを思い返す。身体が自然と揺れる感じ。あのグループ、何て名前なんだろ・・・
そんな事を考えながら二本目の煙草に火をつけようとすると、突然ドアが開いた。
びっくりして思わず口に咥えていた煙草を落としてしまう。

「あ、先客が居たんだ。ごめんね、びっくりさせちゃったね。」

そういいながらしゃがんであたしの煙草を拾って見上げた顔は、さっき、ステージであたしと目が合った顔だった。

「もったいないからこれ俺が吸うよ。代わりに、一本どうぞ。」

ステージで見せた迫力を全然感じさせない気さくな態度に、あたしは一瞬で彼の事を気に入った。
彼の名前はシンゴといい、あたしの勤めている会社の近所の服屋でバイトをしているらしい。
音楽で生活していくのが夢だけど、なかなか現実は上手くいかないと、軽く愚痴をこぼす。


「あ〜、でもやっぱライブ最っ高! 超気持ちいいよ。 特に今日はすげーよかった!」

「そうなの?」

「俺さ〜、ライブはセックスと同じだと思ってんのね。オナニーも気持ちいいけどさぁ、
 やっぱ相手も感じてるセックスの方がもっと気持ちいいと思うわけ。」

「今日は相手のことも感じさせられたんだ?」

なかなか言い得て妙だ、と感心しつつもあまりの興奮のしように苦笑しながらたずねる。

「うん、最っ高だった。だって・・・・
 ショウコちゃん、俺らのステージ見て感じてくれたでしょ。」

ドキ。
目が合ったこと覚えてるんだ。てか、あたしと目が合ったこと気付いてたんだ。
手すりにひじをつき、煙草を持った手のひらに顎を乗せてあたしを見下ろす視線に、思わず頬が紅潮する。

「俺ね〜、あんな感じで、興味なさそ〜にしてた客が俺らの音に喰いつく瞬間がマジ堪んねぇの。」

「・・・そ、そうなんだ〜・・・・」

動揺を抑えながら必死で答えるが、彼のまっすぐあたしを見つめる視線からは逃れられない。

「そうなの。 だって、まだ興奮してるよ。ホラ。」

そういってあたしの手をつかむと自分の股間へ導く。
・・・・固い・・・・
主張する彼の存在に、あたしの中心が反応する。頬は紅潮し、動悸もいっそう激しくなる。
そんなあたしを見て彼は手に持っていた煙草を手すりに押し付けて消すと、あたしの頭を抱いてキスをしてきた。
口の中に、馴染みの煙草の味が広がる。彼の舌はあたしの口の中で巧みに動き、
その舌の動きだけであたしの中から蜜があふれ出ていく。
自分に押し付けていた手を離すと服の下から滑り込ませ、ホックも外さずにブラジャーを押し上げる。
2,3回揉んだかと思ったら先端をキュッとつままれる。その衝撃で、思わず頭をそらしてしまう。

彼はあたしをドアに押し付けると服をめくり上げて、ブラジャーにおし潰されて卑猥な形に崩れたあたしの両乳房を露出させる。
片方の乳房が吸い上げられている間、もう片方の乳房は、乳首をつままれたり、指ではじかれたりと、両胸への刺激は休む間を与えられない。
彼が乳房から口を離しても、唾液で濡れた乳首に夜風が当たってその固さはいっそう強くなる。

再び口を合わせてお互いの舌を貪っていると、今度は彼の手がミニスカートの中へ入ってきた。
最初下着の上から縦になぞったが、その湿り気と下着の上からでも分かる突起を確認すると下着の横から直接指を差し込んでくる。
そのままぐっっと挿入され、中をぐるぐるとかき回される。
指を内側に曲げて一番感じるところを探り当てると、何度も何度も擦り上げる。
その慣れた手つきに中からはとめどなく蜜が溢れ出てきて、彼の指の動きをより滑らかにする。
いったん指を抜いた彼は、動きを制していたぐっしょりと濡れて意味を成していない下着をあたしの膝まで下げると、軽く膝を開けさせ、
赤くはれ上がった突起を捏ねまわしてきた。

「・・・フッ。
 ショウコちゃんも・・・興奮してる?」

彼が耳元で囁く。
この、目をぎゅっとつぶり頬を真っ赤に染めて愛液を腿までたらしているあたしを捕まえて今更何を尋ねるのだろう!
頭の中でそう言い返して答えないでいると、彼はあたしの中に指を二本挿入して抽挿を始めた。

「ねぇ・・・気持ちい・・・?」

あたしが答えるまで彼は問うつもりだ。そう観念したあたしは思ったままを口に出す。

「きっ・・・もち・・・い・・・い!!」

普通に答えようとしたのに、彼の指に突き上げられる度にあたしの身体と声が揺れる。

「気持ちいいんだ・・・
 じゃあ・・・俺も気持ちよくしてよ?」

すっと指を抜くとあたしをしゃがませる。
突然失われた快感に物足りなさを覚えたが、与えられた目の前の課題にすぐに集中する。
彼の・・・これを・・・・気持ちよくさせたら・・・・挿れてもらえる・・・・!
あたしはカチャカチャとベルトを外しジッパーを下げズボンを下ろすと、まず目の前の盛り上がったボクサーパンツの中心に手を添える。
下着の上からさすり上げながらもう片方の手でその下の膨らみをもみしだく。

「咥えてよ」

そういって彼は自らボクサーパンツをずりおろし、天を向いていきり立った彼のものを差し出した。
あたしは迷わず口に含む。
ステージで動き回っていた彼のそれからはほのかに匂いがしたが、嫌いではなかった。
まるで媚薬をかがされたかのように夢中で舌を動かす。
手を使い、角度を変え、彼を口いっぱいにほおばる。
あたしの唾液に彼のほろ苦い液が混じってなんとも言えない味が口の中に広がり、
鼻に加えて舌からも刺激が加えられたあたしは、夢中で彼のものをしゃぶっていた。

「・・・もういいよ。・・・それ以上やったら出ちゃうよ。」

頬を紅潮させ苦笑いをしながら彼があたしを引き剥がす。
彼はあたしを立たせ、ドアに手をついた前かがみの状態にさせると、スカートを捲り上げあたしのお知りを剥き出しにする。
そして自分自身に手を添えると、あたしの割れ目に沿って上下に擦り付ける

「ははっ。さっきより濡れてるよ?そんなに待ち遠しかった?」

ぎゅっ、ぎゅっ、と入り口に押し当てる。でも、決して入れるつもりがまだない事が伝わってくる。

「・・・・っねがい・・・」

耐えられなくなったあたしは口を開いた。

「何がお願い?はっきり言ってくれなきゃわかんないよ?」

面白がってる事は十分分かってる。でも、意地を張って強がれないほどあたしは欲していた。

「・・・・お願い・・・・挿れて・・・・」

「了解♪」

切ない声で呟いたあたしに彼のものが一気に突き刺さる。

「ぁああ!!!」

その衝撃に耐えられず、叫んでしまった。

「っと。」

その声に反応して、彼があたしの口を後ろから塞ぐ。

「・・・ここトイレの真隣なんだからでかい声だしちゃ駄目でしょ?」

耳元でそう囁くと、あたしの口を押さえたまま腰を打ち付ける。
一枚ドアの向こうからはトイレにやってきた客の声がする。

”ね〜、なんかいまさけびごえきこえなかった〜?”
”え〜、しらな〜い。てか、ここ裏口のドアあったんだね〜”

今声を出したら、このドアが開けられてしまう。この痴態が見られてしまう。
必死で声を抑えようとするが、打ちつけられる度に漏れる声をとめる事は出来なかった。

「・・・・ぐっ!・・・・ふぐっ!・・・んぅっ!・・・」

彼の大きな手で口を押さえられ、くぐもった声があたしの頭の中で響く。
抑圧された状態は、開放されているよりもよりいっそう「秘め事」を感じさせ、
頭の芯を痺れさせる。

「・・・やっ・・・べっ・・・・・もぅ・・・・で・・・そう!!」

彼の声に消えそうになっていた意識が戻ってくる。
こくん、とうなづいたあたしを受けて彼の動きがいっそう激しくなる。
奥に強く突き当たる衝撃で戻ってきた意識がまた遠のいていく。
口で息が出来ない酸欠状態の中で下から波が押し寄せてくるのを待っている。
早く・・・早くあたしを飲み込んで・・・・・!!!!
ぎゅっとあたしの中が収縮し、彼の全体を握りしめる。
慌てて彼はあたしの中から引き抜くと、あたしの紅潮したお尻に向かって精を放つ。





「・・・すっげー気持ちよかった・・・・」

彼は1人でさっさと服装を整えると、手すりにもたれかかって一息ついている。

「ちょっと!何1人でくつろいでんのよ!!」

あたしはお尻に精液をかけられ、ショーツを上げる事もスカートを下ろす事も出来ず、
お尻を突き出したまんまの格好で情けなく立っていた。

「いーじゃん、いい眺めなんだからもっと楽しませてくれたって。」
「よくない!!!」

分かったよ、というと彼はドアの向こう側からトイレットペーパーをとってきて、あたしのお尻にかかった
自分の分身をふき取ってくれた。

「ほぃ、一丁上がり!」

ぺちん、と叩く。よけいだっての・・・
苦笑しながらあたしも身支度し、彼の隣に並ぶ。
お互いの煙草に火をつけてひとふかしすると、彼があたしの肩を抱いてこう言った。

「ねぇ、次いつ会える?」

「さぁね。機会があったら会えんじゃない?」

なんだよそれ・・・と苦笑する彼に抱かれながら、
月曜日にでも会社帰りに彼のバイトしてる店に寄ってみようと、そう思いながら彼の胸に頭を預けた。






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