正統派な新婚さんエプロン
シチュエーション


友美の目の前にさしだされたのは白いひらひらの−新婚さーんってかんじの−エプロンだった。
肩紐のところにレースがついていて、裾にもぐるっとフリルが縫いつけられている。ご丁寧にハート型の
ポケットが左右についていて、後ろで結ぶリボンもふわっとなるように太めにつくられてる、そんな
正統派な新婚さんエプロン(勝手に命名)だった。

「あの…これをどうしろと」

友美はおずおずとそれをひっつかんで黙り込んでいる慎一に尋ねてみる。愚問だとは思ったものの、
一応確かめておきたかったようだ。

「友美につけてほしいんだっ」

慎一は切々と今まで自分の抱いていた白いひらひらっとしたエプロンについての願望を語り、いかに
友美にそれが似合いそうかということ、また友美に似合うであろうよりすぐりのエプロンを買ったこと等を
訴え、ようするに友美にこれをつけてくれ、とすがるように頼むのだった。

「…いいけどさ。前回デートに遅刻したお詫びになんでも一つだけ言うこときくっていう約束だもん」

友美は溜め息をつくとそのエプロンのフリルにそっと触れた。友美だって普段はあっさりカジュアル派で
通しているが決してこういうオンナノコしたアイテムが嫌いなわけではない。

「本当にかっ?本当につけてくれるのかっ?」

慎一の顔がぱぁっとよろこびの色に輝く。

「う、うん。でもなにもそんなに大げさに喜ばなくても…」

と言いかけた友美の肩を慎一はつかんで壁に押し付けた。

「ただしな、このエプロンをつける恰好に条件があるんだよ。もちろんきいてくれるよな?」

そういって妙な気迫ですごまれて友美はつい頷いてしまった。

そしてその条件に目を点にしてしまうのであったが…。

「ねー本当にこれで一日過ごすの?」

友美はエプロンの紐を後ろで蝶結びにすると往生際悪く慎一にきく。

「もちろんだよ。ああ…やっぱりいいなあ…」

慎一は友美の恨めしそうな視線などものともせずに目を細めて友美のエプロン姿を
みつめている。見つめているというよりは舐めまわすように視線をはわせていると
言った方がいいのだが…。

「あんまり見ないでよ。恥ずかしいじゃない」
「何をいう!裸エプロンは男のロマンなんだ!これを見つめずにいられる男はいないね」

きっぱりはっきりと言い切る慎一に本日何度目かわからない溜め息をつく友美。

慎一が出したエプロンをつける恰好とは−お約束というかなんというか、全裸に
エプロンだけの、裸エプロンというやつだった。

(すうすうして落ち着かないし…恥ずかしい…)

「もう充分みたでしょ〜。服着てもいい?」
「ダメ。お楽しみはこれからじゃん」

慎一はそう言うと友美を背後から抱きしめた。

「や、やだっ。昼間からそんなことしないでよぉ」

首筋を這う舌の感触にぞくぞくしながら友美はそれを必死でさえぎろうとする。

「やだね。そんな裸エプロンだけして終わりだじゃあお仕置きにならないじゃん」

慎一の手がエプロンの胸当ての脇からするりと入りこんで友美の胸をすっぽり
と包み込む。

「いつからお仕置きになったのよ〜」
「さっき。ていうかたった今」

しれっと乳首を指でつままれてこりこりと刺激されて、友美は思わず甘い溜め息を
もらしてしまった。

「や、ダメ…」
「友美は胸弱いもんな」

慎一の手が脇腹をすべりおりる。

慎一の、男性にしてはほっそりとした指のはらが友美の肌をなぞってゆく。
ウエストのリボンをひとなでして丸みを帯びた曲線をなぞり、エプロンで前面だけは
おおわれた太股の付け根をなぞる。

「慎…や、やめ…」

友美は身を震わせると指の進入を阻止しようとして太股をこすりあわせた。

「もう濡れてる」

慎一はそう友美の耳元で囁くとわざとくちゅり、という音を立てて花びらを愛撫する。

「嘘…」
「嘘じゃないよ。ほら、もうクリちゃんだってこんなになってる」

敏感な突起を軽く爪先ではじかれて友美はのけぞった。

「さんざん文句つけたわりにはこの恰好で興奮してるんじゃん?」

そう意地悪く言うと慎一は突起を軽くつまんだ後、友美の身体から離れた。

「…慎一?」

友美が怪訝そうな顔で名前を呼ぶと、慎一はにっこりと微笑む。

「ところで俺はこれから買い物に行ってくるからいい子で留守番しているんだよ。もちろん
今日一日はその恰好のままだからね」
「えーーーっ」

あんまりにあんまりな条件が立て続けに掲示されて思わず非難の声をあげると
慎一はお仕置きだから、とよくわからないことを言ってエプロンを入れてきた紙袋を
手にとった。

「ちゃんと留守番の間、友美の身の安全を守るものは持ってきたからさ」

友美は紙袋をうけとり、中身を取りだしてみる。

出てきたのはなんだかものものしい女性用の下着、のような形をしたものだった。
黒い革と金属とチェーンでつくられていて、ご丁寧に小さな錠がついている。

「あの…これって?」

友美はとりあえずウエストっぽい両端をつまみ、慎一に疑惑のまなざしをむける。

「貞操帯。名前くらいは友美もきいたことあるだろ?」

慎一はそれを手にとりてきぱきと錠をはずして呆然としている友美のウエストに
まきつけた。

「ほら、これでもし俺の留守中に誰かがきてそれがもし男だったりとかしても
犯されないだろ?」

ぱちん、と錠をしめて慎一は満足げに一人うなずいている。

「そーゆう問題じゃないっ!」
「じゃあ夕方には戻るからいい子で留守番しているんだよ〜」

はっと我に返った友美の怒声をかわすように慎一はさっさと出かけてしまった。

「この恰好じゃ追いかけることもできない…か」

ふう、と溜め息をつくと友美は仕方なく自分の脱ぎ捨てた洋服を拾い集め、適当に
たたんでベッドの上に置いた。

「しょうがないからたまってる洗濯物でも片づけよっと…」

と一人ごちたもののよく考えてみれば洗濯物を干すにはベランダに出なくてはいけない
わけで、アパートの5階で向かいの3階建てアパートからは覗かれないとはいえ今の
状態で白昼堂々洗濯物を干す気には友美はなれなかった。

一時間後−−−

ピンポーン

部屋から出られないため部屋の掃除をしているとチャイムが鳴った。

(やだ…どうしよう)

友美は身をすくませて手に雑巾を持ったままじっとインターホンを見つめる。もしかしたら
留守だと思って通り過ぎてくれるかもれない、という期待を裏切るようにチャイムはさらに鳴った。

ピンポーン・・・ピンポーン

(中村せんぱーい、佐藤でーす。いらっしゃらないんですか?さっき電話があったから
借りてた本返しにきたんですけどー)

ドアノブをまわすがちゃがちゃという音と共にきこえてきた声には友美も聞き覚えがあった。
何回かしか会ったことはないが慎一の大学時代の後輩で、近くのアパートに住んでいた
はずだ。友美より二つ下の、わりと大人しそうな人だったと思う。

「はい、中村です…」

友美は意を決してインターホンの受話器をとった。

「あれ?中村慎一…さんのお宅ですよね?」

受話器から訝しがる声が流れてくる。

「あ…、私です。友美です。覚えてる?」
「ああ、先輩の彼女さんの。ご無沙汰してます。先輩に借りてた本を返しにきたんス
けど、ちょっと本人以外には渡せないっていうかー」

あくまで明るいその声にほっと胸をなで下ろした途端に友美の下腹部に振動が走った。

(!)

友美のつけている貞操帯には陰核にあたる部分にリモコンバイブのようなものが仕掛け
られていたらしい。最も弱い部分に予想もしなかった刺激をあたえられた友美は思わず
息を呑み、出そうになる声を必死でこらえようと口を押さえた。

「…あの、友美さん?」

受話器から佐藤の声が聞こえる。

(ここはとりあえず佐藤君を帰さないと…)

友美は容赦ないバイブの刺激に耐えながらなんとか平静を装おうとした。

「あ…ご、ごめんなさい。慎一さんなんだけどちょっと出かけて…て……私も今ちょっと
手が…離せないの。悪い…けど本は新聞受けに入れてくれないかしら」
「いいっすよ。じゃあ入れておきますねー」

すぐにドアについている新聞受けにがたん、という音がして慎一が貸していたというもの
が放り込まれたようだった。そして受話器から囁くような佐藤の声がきこえた。

「それにしても、友美さんの声って色っぽいっスね。じゃ!」
「えっ…あ、あの…」

カンカンカン、とわざとらしくアパートの階段を降りる音が遠ざかっていくのをききながら
友美はへなへなと床に座り込んだ。

(なんなのよっ……慎一とグルだったんじゃない!)

貞操帯に仕込まれているバイブはなおも執拗に友美の陰核を刺激してくる。友美は
先ほどまでの慎一の愛撫をふと思い出してしまっていた。
ふと玄関の脇の姿見をみると自分の非日常な姿が目に入る。

「全裸にエプロンだけで、その下には黒い革の下着…か。AVじゃあるまいし…」

そう呟く友美の瞳はうるんでいて、鏡の中の自分がなんだか別人にみえる。
そっと胸に手をのばすとピンク色の乳首はもう固くとがりきって親指で転がしただけで
ゾクゾクと背筋を快感が走った。

「やっ…」

バイブの刺激をもっと強く味わおうと左手で貞操帯全体を押し付けるようにして、右手は
エプロンの下の胸をもみしだく。

「…あっ……だ…めっ……イッちゃ……ああっ…やっ…とまんな……あああっ…」

友美は床に座り込んだまま、何度も絶頂を味わうことになった。

かちゃ、と鍵がひらく音がした。

「ただいまー。友美、どうだった?」

脳天気な慎一の声に友美はがく、とうなだれて答える。バイブの振動はしばらくして
おさまり、太股まで伝うほどの大量の愛液は先ほどトイレで始末してきたから慎一に
オナニーがばれることはないはずだ。

「…どうだったもこうだったも。佐藤君がきて恥ずかしか…ったわよ」
「なーんだ。結局きたのは佐藤だけだったんだ」

慎一はつまらなそうにそう言うと、ニヤリと笑って小さな鍵をとりだした。

「はずしてほしい?」

慎一の手にあるのは友美がつけている貞操帯の鍵だった。

「…あたりまえでしょ!」

ひらひらとその鍵を見せびらかす慎一を友美はにらむ。

「よくないなあ、そんな反抗的な態度は。まだお仕置きがたりないんだね」
「……!」

友美の顔がさっと青ざめた。

「今までだって充分ヘンタイなことしてるのにこれ以上なにをするっていうのよ…」

弱々しい声で反論する友美をぎゅっと抱きしめて慎一は冗談だよ、と慰めた。そして
慎一は友美の耳元で低く囁いた。

「でもまあ、新たな楽しみを発見したってことで」
「え?」
「まんざらでもなかったろ?裸エプロンでの一人エッチとかさ」

かぁぁ、と赤くなる友美の頬に慎一は軽くキスをして、かちゃ、と貞操帯の鍵をはずしたのだった。






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