daily work−dusk−
シチュエーション


寝室のドアを開けるとかすかな寝息がきこえる。

「また寝ちゃったの…?」

数分前まで一緒に話していたんだけどな。うちの奥さんは寝つきがよすぎる。
のび太くんもびっくりの、おやすみ3秒だ。
呆れ半分、実はよろこぶ俺。今日も日課を欠かさない。

起きないようにそ〜っとふとんに入る。
新婚当初リクエストしたとおり、奥さん――藍は一糸纏わずに寝ている。
シーツとか毛布とかが直に肌にふれる感じが気に入ったらしい。
横向きに後ろからそっと抱きしめ、細いうなじに口づける。

 まだ起きない。

少し離れて背筋をすう〜っと撫でてみる。

 びくっ

 お、反応アリ。

そのまま背中をさわさわ撫でまわす。

くすぐったいような、気持ちいいような感触がする。
少しひやっとする大きな手。……一樹ね?
その触れるか触れないかぐらいのタッチの心地よさにまどろんで、また眠りに戻ってしまいそう…。

背中を撫でていた手が前へのびてくる。
そっと胸を包んだ。…気持ちいい。でもまだまぶたが重い。
その手がやさしく揉みはじめる。あぁ、起きれないのに、感じちゃう。
首筋に熱い息がかかる。そこはだめなの…。

「…あんっ」

一樹の手が胸の先端をかすめ、思わず声を漏らしてしまった。



「ん? 起きた?」

からかうように声をかけると、まだ眠そうな、困ったような顔をして振り返る。

「もう、なにしてるのよぅ…」
「いいこと」

そう言ってキスをする。どんなに不機嫌でもキスをするととろけてしまう、
うちの奥さんはかわいいと思う。今もまたうっとりとしている。
それに反応する俺もなかなかのあほっぷりだ。
愛しくて愛しくてしかたがないんだから、しょーがない。
やわらかな口唇に誘われるまま、キスしつづける。

「…ん……ふぅ…」

キスがだんだん深さを増し、漏れる吐息にも艶が増す。
口唇を首筋に移動させると、びくっと反応する。ここが弱いのだ。

首筋をきつく吸われて、あわてて離れる。

「明日仕事なんだから…だめ!」
「なにが? キスマーク?」

すっとぼけた事を聞いてくる。わかってるくせに、わざとね?
キスマークもだけど、その、これ以上はだめだって!

「毎晩、おんなじこと言うなぁ〜、おまえ」
「毎晩、おんなじことするからでしょ!」

怒ってみせたけど、完全にわたしの方が劣勢。一樹は余裕の笑みを浮かべてる。
だけどここであっさり負けるんじゃ、悔しすぎる。
何かひとことぐらい、言ってやらなきゃ。

「フランス人だってブラジル人だって、毎晩やんないわよ!?」



まったく。ムードも何もないじゃないか。
どうしてこんなに負けず嫌いなんだ、うちの奥さんは。
それが余計に征服欲を煽ってるんだとわかってないんだから、すごいよ。
だけどからだは至って素直だ。耳に息を吹きかけただけで、動けない。
耳の後ろから口唇を這わせると、びくっびくっと反応する。
一応見えるところは避けて吸い付き、跡を残す。
徐々に下りてゆくと、かすかに胸をふるわして、ぎゅっと目を瞑る。
かわいい。

「もう、抵抗しなくていいの?」

最初っから抵抗なんてしていなかったが、あえて聞いてみる。

「……うん…」

一瞬、怒ったかなと思ったが、真っ赤になって頷いた。
やっと本人も(からだ以外も)素直になってきた。

一樹がそっと離れて窓を閉めに行った。
それはこれからすることの合図になっている。
わたしの声が外に漏れてしまわないように、という事だから。
恥ずかしくなって、背を向けたとき、もう一度かちゃりと音がした。
振り返ると、閉めた窓をもう一度開け、こっちを見ている。

「今日は暑いし、開けとこうかなって思って。」

信じられない!聞こえちゃったらどうするの?
わたしを組み敷くと、いたずらっぽい目で囁いた。

「だから声を出さないように、がんばってね?」



細いからだとは対照的な豊かな胸に顔を埋める。
陶器のように白くなめらかな肌に溺れそうだ。
衝動に駆られるように、胸にむしゃぶりつく。

「ああぁん!」
「大きな声だすなって…」

自分でも意地悪だなぁ〜と思いつつも、必死に耐える様がなんともそそるのだ。
両手で揉みしだきながら、口唇で先端を弄ぶ。
そろそろと藍の手が俺の頭を抱え、髪の中に指を入れてきた。
胸を愛撫されると、かならずこうしてくる。

「…ぁ…っ……ぁん…」

堪えても堪えきれずに漏れる声がたまらない。

声を抑えると快感の逃げ場がなくなる。
意識がそこに集中していっそう感じてしまう。高められてゆく。
一樹はたくさんの跡を残しながら、下へ下へと口唇を這わせ、腰骨に歯をたてた。

「ひゃん!」

びくんっと大きく背が反り、一樹がびっくりして見上げる。

「なに?」
「あ、なんかね、だめみたい…そこ」
「それはぜひ攻めよう」

目を輝かせてそこを攻め立ててくる。いじわる、いじわる、いじわる!!
暴れる腰を押さえつけ、口唇はさらに降下していく。



やっと柔らかい茂みに辿りつき、脚を左右に割った。

「いや、見ないで…」

そう言って藍は脚を閉じようとするけど、俺が許すはずがない。

「どうして?」
「どうしてって…恥ずかしいの……」

ふりではない。本当に顔を赤くして訴えてくる。

…余計、いじめたくなるじゃないか。

べちゃべちゃと、わざと大きな音をたてて舐めまわして聞いてやる。

「毎晩こんなふうに舐められてるくせに、まだ恥ずかしいの?」
「それともさわられる前なのに、こんなに濡らしてるのが恥ずかしいの?」

一樹が言葉で辱めれば辱めるほど、わたしのそこは熱くなり、蜜を溢れさす。
とめどなく溢れ出るそれを、一樹が噛むほどに舐め上げ、吸い尽くす。

「…やっ…ぁぁんん!…はぁっ…」

だめ。無理。気持ちよすぎるの!声が出ちゃうの!

「お…ねがい…窓、閉めてぇ……」
「んー…?」

どうしようか考えてる?だけど愛撫は止まらない。わたしの声も止まらない。

「いやだ。」

きっぱりと拒絶したかと思うと、突然いちばん敏感な芽が口唇に捕らえられた。



「ぁぁああっ!」

声を堪えさせようと、断ったのに…意味ないじゃん。叫んでるよ。
でも堪えきれないほどの快感を俺が与えてるんだと思うと、もっともっと叫ばせたくなる。
蕩けきった芽を舌で転がしたり、潰したりして反応をみる。

「ん…んっ……ぁあ…」

藍は口唇を噛んで、首を振って必死に戦っている。でも勝てずに漏れる声。
芽をさらに弄びながら、指を熱いぬめりの中へ押し込んだ。
じゅぷっという音に続き、一際高い嬌声があがった。

もう窓が開いてることなんてどうでもよかった。
いまここにある快感に身を任せ、上りつめたかった。
感じるままに声をあげ、一樹に快感を伝えたかった。
そんなわたしに興奮したのか、ますます一樹の指の動きが激しさを増す。

「や…そ…んなに…したら、こわれ…ちゃう!」
「ここ…が?…藍…が?」

一樹の声もうわずっているように聞こえる。
あぁ、おねがい、もうイキたいの。
一樹が欲しいの!!

「……お…ねが…ぃ、きて…えぇっ!」



本当はもっともっと焦らしてよがらせたいんだけど…

「しょうがないな…」

そんなことを言いつつ、実は俺自身がもうがまんできない。
早くこの熱いぬめりの中に己を埋めたい、埋め尽くしたい。
指で花弁を開き、その中心へ今にも張切れんばかりの己を据えた。

「…はぁっ!…あ!…あぁっ!」

白いのどを反らせ、全身が強張らせる。いまにもイッてしまいそうだ。

「藍、まだだめだ。力を抜いて…」

一樹はイクことを許さない。だが休む間も与えずに攻め続ける。
じゅるっじゅるっと肉襞を摺り上げ、どんっどんっと子宮口を突き上げる。
意識が白く遠のきそうになると、一樹はわたしを呼びとめる。

「藍、藍…」

イクな。――意地悪で言ってるんじゃない。一緒にいこうと言ってる。
ふたりで与え合い、分かち合って、一緒に眠りたいって。
だから毎日こうして愛の営みを繰り返す。
なんて…しあわせなんだろう。



熱い…。藍の纏わりつく柔襞に焼き尽くされそうだ。
蠢くそれに締めつけられすべてを奪われてしまう、そんな錯覚に陥る。

「か…ずき、かずき……」

うわごとのように俺の名を呼びながら、待っている妻。
もう意識をつなぎ留めておくのは辛いはずなのに、それでも待っている。
俺と一緒になるために。
ふたりで…。

「…かず…き……」

――もう、だめなの。おねがい、いっしょに……。

「あ…い…」

――うん。いっしょにいこう。



ふと、夜中に目が覚めると俺は愛しい妻の上に覆いかぶさったままだったことに気付く。
これじゃ苦しくて眠れなかったんじゃ、と心配するも、
すやすやと眠る奥さんの顔をみて、安心する。
なんとも満ち足りた、幸せそうな寝顔…。
思わず照れてしまった。
額に張りついた髪をそっとはらってやり、くちづけて呟く。

「フランス人やブラジル人なら毎晩1回じゃすまさないぞ。」

日本人の俺は休みの前夜にがんばる事にして、眠る。

――今度の金曜日は覚悟しとけよ。






SS一覧に戻る
メインページに戻る

各作品の著作権は執筆者に属します。
エロパロ&文章創作板まとめモバイル
花よりエロパロ