シチュエーション
![]() 朝、なぜか目覚ましが鳴るはずの時間よりも早く目が覚める。 もう少し眠ろうと寝返りをうつと、肩にふれるぬくもり。――藍が眠ってる。 細い肩、華奢な鎖骨、豊満な胸、それらを目の前に晒されて、 俺だけでなく、分身までもが本格的にお目覚めに…。 だが奥さんは、眠れる森の美女さながら深い眠りの中にいる。 昨日の夜の事を思うと、このまま寝かせてあげなきゃなぁ…と思うのだが、 そのあまりにも魅力的な姿に、またも惹きつけられてしまうのだ。 静かな寝息を繰り返す口唇に軽く口づけし、自分が付けた跡を辿る。 朝陽を浴びて、白い肌が眩しいほど輝いていて、 そのなかでひっそりと淡い桃色の蕾が、呼吸とともに上下している。 こちらが緊張してしまうほど、それは犯しがたい雰囲気をまとっていた。 そっと口に含み、舌で輪郭をなぞる。しだいにはっきりとした姿へと変わる。 口唇をはなしてみるとそれは紅く色付き、俺の中の獣を刺激した。 こうなるともはや朝の生理現象だけですませられない。 未だ眠る妻にいますぐ挿し貫きたいという凶暴な衝動に駆られる。 だがそれでは彼女に痛みだけを与えてしまう。そんなことはしたくない。 かろうじて俺は暴挙を踏み止まったが、獣は一向におさまらず、 妻を求めて手が彷徨いつづける。 内腿に手を滑らせると、ざらっとした感触に気付く。 見ると白く乾いた残渣。 脊髄反射とも思えるほどの反応で、指を彼女のなかへ押し込む。 とろっとした液体が指に纏わりつき、零れ出てくる。 脳内で何かがスパークした。今度こそ止められない。 「……っ!?」 無理やりからだをこじ開けられる感覚で目が覚める。 眠りから覚めた、ということすらわからないほど混乱した。 一樹が、わたしを抱いている。 やっと理解できた矢先、また思考不能な状況に追いやられてゆく。 息も出来ないほど激しく突かれ、もうイッてしまいそう…。 だけど、だけど、こんなの… 「……だめぇ…」 獣に化した俺はいつもよりも嗜虐的になっている。 「じゃあ、やめる?」 動きを緩やかにして問う。もちろんやめてやるつもりなんか、さらさらない。 藍もやめて欲しくないであろうことは、わかってる。 あえて藍に求めさせたいのだ。 「………」 恥ずかしいのか悔しいのか、藍は無言で見つめ返す。 絶対、意地でも言わせてやる…。 「やめていいんだ?」 そう言って一樹はわたしのなかから分身を抜き、ごろんと横になる。 いいわけがない。もうわたしのからだは火を付けられているのだから。 「……いや」 聞こえるか聞こえないかの声で呟く。 言って自分のいやらしさに恥ずかしくなり、一樹の腕に顔を埋めた。 だけどこのままなんて、耐えられない! お願い、これ以上意地悪しないで! 一樹はわたしの顎をつまみ、自分の方を向かせて言う。 「……自分で乗って」 真っ赤になりながら泣きそうな顔で、おずおずと跨ってくる。 ふるえる手で俺の分身を自分の入口へと導き、そこで動きが止まった。 ふるふると首を振り、これ以上はできないと目が助けを求めている。 「…そのまま腰をおろすだけでいい」 目をおよがせ迷っていたが、口唇をきゅっと噛み目を閉じて下ろし始めた。 「……んんっ」 半分ぐらい埋めたところでやっぱり止まってしまう。 仕方なく腰をつかみ、下から一気に貫く。 「……ああぁぁ!」 白い喉を反らせ、悲鳴をあげた。 再びからだの中を一樹に埋め尽くされる。 ベッドのスプリングを使って猛然と突き上げる。 腰を掴んで上体を激しく揺らされる。 白い胸が大きく揺れ、誘われるように鷲?みにする。 荒々しく胸を揉みしだかれ、息が弾む。 熱く蠢く柔襞が己に絡み、吸い付いてくる。 ものすごい音をたてて掻き混ぜられる。 頭の芯が痺れだす。 意識が白く反転する。 藍が締め上げる。 一樹が精を放つ……。 ぐったりと気を失い俺の上に倒れこんだ奥さんを横に寝かし、自分も隣に横になる。 やっと正気を取り戻した俺は、ふぅっと溜息をついて、反省。 どうして毎朝、毎朝、獣になってしまうのだろう…? ジリリリリンッ! ジリリリリンッ! 藍の目覚ましが鳴る。俺のより30分早い設定になっている。 朝食を用意する為だったのだろう。 だけど奥さんが起きれるハズもなく、俺が止める。 そして今日もお詫びに朝食を用意する。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |