シチュエーション
![]() 朝のホーム。七実は考え事をしていた。 彼氏の大志とはもうすぐ5ヶ月の付き合いになる。 キスはするけどその先はまだ。高3にしては遅い方だけど、恐いのだ。 大志は最近焦っているのか、旅行に誘ったりしてくる。 だけど、七実はキス以上のことをしようとしている時の大志が恐かった。 目がギラギラして、体中から熱を放っている様な…。 電車が来た。 七実は考えを中断して、眼鏡を上げた。コンタクトが恐くてずっと眼鏡。 結局、臆病なんだ。私は…。コンタクトも、大志の事も…。 電車内はいつも通りすし詰め状態で、軽く溜め息を付く。 少し息を吸って気合いを入れると、車内に乗り込む。 あ、ラッキー。ドア近くの角が取れた。 こっち側はしばらく開かないし、痛い位の満員電車でも、壁と言う逃げ場が出来た。 しばらく、息も出来ない程の圧迫感と戦っていると 腰骨の辺りに生暖かい手の感触を感じた。 痴漢だ。毎日通学してるんだから初めての訳がない。 思いっきり睨み付けながら振り返ると、少しびっくりした。 若い男の人。いや、若い男にもよく遭うけどなんて言うか 痴漢なんてわざわざしなくても良さそうな…。 でも、七実がいちばんびっくりしたのは、彼の表情だった。 まるで悪びれてないのだ。 それどころか七実に向かってニコッと笑って見せた。 痴漢をされて、睨み付けた以上、それなりの反応をしてくれないとこっちが困る。 どうしたものかと躊躇していると、彼は七実の黒く伸びた髪の毛を すうっと優しく指でとかして、更に優しい仕種で抱きすくめてきたのだ。 七実の混乱は最高潮だ。 『何!?何!?何っっ!?』 すぐ近くに立ってるおじさんが、あからさまに嫌な顔をする。 恋人同士が朝からイチャイチャしてる様に見えるのだろう。 彼は一瞬、きゅうっと七実を抱き締めると頬や耳にソフトなキスを降り注がせる。 まるで恋人にする様な、優しい仕種で…。 彼の唇がそっと耳に触れると、七実は『ぴくんっ』と震え上がった。 くすぐったい。でもその中に、少し甘い痺れがあって…。 大志と違う。欲望の対象物にではなく、「私」に直接響いてくる感じ…。 馬鹿な。何を大志と比べるの。何でこの人の方がいいと思っちゃうの。 もうヤダ。やめて。このままじゃ私、変化してしまう。恐いよ…。 瞬間、七実は『痴漢への恐怖』ではない事に気付き、困惑する。 彼の手が、制服の中に入ってきて、思わず七実はその手を抑える。 でも、それだけだ。自分の中の2つの感情に対処しきれず、振払う事は出来なかった。 1つの感情が勝っているのかもしれなかった。手は、震えていた。 彼は七実の手を取ると、自分の顔へ持っていき、手のひらをぺろっと舐めた。 「…あっ…」 予想外の彼の動作と、予想外の自分の感覚に、七実は思わず小さな声を漏らす。 彼はそのまま七実の手を自分の頬に当てて、猫が擦りよる様な動作をして見せた。 いつの間に制服の中に入り込んでいたのか彼のもう片方の手が、七実の脇腹辺りで ポン‥ポン…と優しく動く。その手がゆっくり上に動いても、七実はもう止めなかった。 ブラ越しに乳房を掴まれる。いつも乗ってる電車の中で、見知らぬ人とこんな格好を している事が、たまらなく恥ずかしかった。情けなかった。けれどもう、何も考えられない 程に感じていた。それが自分で分かるから、余計に恥ずかしかった。 ブラを押し上げて手が入ってくる。思ったより、ごつごつしてる‥男のひとの手…。 乳首を指の間に挟まれて、ゆっくりと乳房を揉み回されて 「‥ふ…ふぅぅ‥んぅっ…」 と、押し殺した、消え入りそうな声を上げてしまう。こんな事をされたのは初めてなのだ。 きゅっ、と突然乳首を摘まれ、七実の躯は跳ね上がる。 そうかと思えば、手のひら全体で優しく乳首を転がされ、立っていられなくなり 彼にもたれかかってしまう。彼の意思で、この躯は動いてるみたいだ。 もう一本の手が、制服のスカートをそっとたくしあげ、七実の太股をなぞっていく。 躯が、歓喜の声を無言で上げていた。悲鳴に近かった。 触って欲しかったのだと、その時気が付いた。 膝の裏…外股…内股…もっと、上へ…!! ぐちゅっ… 『えぇっ?!やだ私…!!』 「ごめんなさ…私、汚な…」 七実は小さな小さな声で呟いた。大量の愛液を、おしっこと間違えてしまったのだ。 濡れる、という事は知ってはいても、自分の躯に起こったのは初めてだった。 彼は、モジモジする七実を少しの間きょとんと見ていたが、やがて 「それとは違う。大丈夫…もっと綺麗なものだから…」 と、笑いながら耳元で囁いた。七実には、彼が何を言おうとしてるのか よく分からなかったが、彼の反応に取り敢えずホッとした。 「いい?」 ぐちゅ…‥ぴちゃっ… 「あ……あぁ…」 ぴちゃぴちゃっ………ぐちゃっ…… 「…!……っっ…!!‥ぅう…んんっっ…」 「そういう気持ちになるとね…こうなるんだよ。 …可愛いなぁ…食べちゃいたい…」 囁きながら、首筋に噛み付かれた。 「は…ふぅっ……」 いつの間にか七実は、彼の腕にしがみついていた。 彼の腕に爪を立てながら、快楽の波が襲い掛かるのをひたすら待ち、 気付かれないように声を逃すことに集中していた。 快楽の波の途中で、大志の顔がチラチラと浮かんだが、すぐにそれを掻き消した。 『ごめん…』と心の中で呟いたが、今はそれ以上の事を考えたくなかった。 そんな七実の心を知ってか知らずか、彼は何故か切なそうな声で囁いた。 「こっち、向いて……お願い…」 切なそうな声に引かれるように七実が向きを変えると、肩に掛けてた通学鞄を 彼に落とされた。わざと落とした…ように見えた。 スッと下に手を伸ばし、すぐに取って肩に掛け直してくれたが、その瞬間 七実は彼の真意を知った。 太股に、熱いものがある。 「君がわるいんだ…あんまり可愛いから、だから……」 今までの余裕とは裏腹に七実の肩に顔をのせ、ふてくされたような、きまりが 悪そうな顔の彼に、突然愛おしさが込み上げた。 『これ全部、計算だったらすごいなぁ…』 と思いつつも、背中に手を回してきゅっ、と抱き締める。 彼は肩に顔を載せたまま七実を見ると、子供みたいな顔で笑って七実を抱き締めた。 少しの間、そうして抱き合っていたが、彼が口を開いた。 「…いい?」 コクン… 「全部は、無理だと思うけど…」 コクン…‥? 「足、ちょっと開いて…」 「………あ…」 熱い、と思った。 彼のものは七実の、まだ誰も入ったことのない場所へ、少しだけ入り込んで止められた。 もっと、プラスチックみたいに固いものだと思ってた。これは、熱くて、弾力があって…。 電車の揺れが、結合部に不安定な振動を送る。 未開発の七実には、それだけで充分過ぎる程の刺激になる。 「…ん……はっ…」 電車の揺れは時に細かく、時にガタン!と結合部に響く。 「……ぅ…あ…っ!」 電車がカーブを曲がり、結合がまた少し深くなる。 くちゅっ……ちゃぷ…ぴしゃっぴしゃっぴしゃっ………… は…あ…ぅん……はっ…はぁ…… …ちゅくっ…ちゅくっ…ズズっ… ぅ……あ…あぁ…っっ!! も…もうだめぇ…!だめだよ声でちゃうぅっ……!! もうヤメテ…ヤメナイデ…ヤメテ…ヤメナイデ…!!! 七実は彼にイヤイヤ、という素振りをした。彼は頷くと 「いっぱい我慢したんだね。もう、ないてもいいんだよ。大丈夫…」 と、さっきまでと違って普通の大きさの声で言い聞かせ、七実を自分の胸に掻き抱いた。 「うっ…ぅう…ぁ…ぁ…ぁあっっっ………」 抱かれたまま、壁の方へグッ‥と腰を打ち付けられる。 「ひぁ‥ふぅぅぅっ…んっっ………あっ…んっ…んんんぅ〜…っっっ!!!!」 …しばらく七実は頭の中が弾けたまんま、ボーッとしていた。 足もガクガクしてるから、きっと彼が支えてくれてるんだろう。 ふわふわして、疲れてて、気持ち良い。眠ってしまいそうになる…眠って…… 不意に、髪の毛を手でとかされて上を見上げる。 「落ち着いた?」 …コクン 「…………」 なんとなく、2人で照れ笑い。 電車のアナウンスが割って入る。次、こっち側空くのか…。 フッと唇にキスされた。髪、耳、頬、鼻の先、いつの間にか本当に 泣いていたらしい…涙にも。そして長い長い、キス。 「ごめん、マジになりそうでヤバい…これ以上は…」 「…え?」 その瞬間、ドアが開いて彼はするっと抜けていってしまった。 ここの駅は、降りる人が割と多い。 彼はもう消えてしまった。七実は動けない。 かろうじて自分をぎゅっと強く抱き締める。 そこには、彼がいた証が刻まれているから…。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |