犬の反乱
シチュエーション


ぃや、と一声啼いて女が身を強張らせる。

普段ならばわずかな拒絶にもおののくが、今宵こそはこちらが組み敷いた側。
構わず触れたくても触れられなかった柔らかな乳房を手で犯してゆく。
五本ある指と汗に塗れた手のひらが先駆となって、女に触れている細胞のすべてで好き勝手にカタチを変えられる乳房を楽しんでいる。

愛しげに、憎しげに、また愛しげに。

痛みと紙一重の甘みが次第にしろい身体を侵してゆくのを、他の細胞が焼け付くような嫉妬をたたえて眺めていた。
たまらず中心の泉にもう片方の手指を付き立てる。
いやらしくぬかるんでいることを知り、全身が総毛立って歓喜する。

そら、犬の反乱は始まったばかりだ。






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