紫煙の人
シチュエーション


目が覚めると、まず見慣れない天井が視界に入ってきた。

(・・・・・?ここ・・・どこ・・・・・??)

それ以前に、今が何時なのか、今日が何日なのか、なぜ自分が眠っていたのかが
全く思い出せないでいた。
どこかから紫煙の匂いがする。煙草を吸わない笑美はこのにおいには敏感だ。


「目が覚めたみたいだね」


声をかけられてその方向を見る。
そこにいたのは・・・・・


「!!!!!」


あの男!!!
名前は知らない。男は数日前から何かしら自分の周りをうろついていた。気味が悪かった。
友人にも相談はしていない。自分の思い過ごしかもしれなかったからだ。
近くにも来ない。ちょっと離れた場所から、気がつけばこちらを見ていた。

叫ぼうとして、初めて気付いた。
口にガムテープが張られていること。そして、手足が動かない事。

「こんにちは、本橋笑美さん。その様子だと僕の事は覚えてもらってるみたいだね。
 光栄だなぁ」


男は心底嬉しそうな顔で笑美を見下ろす。笑美は全身の毛穴が縮むのを感じた。
混乱しながらも笑美は少しずつ記憶を取り戻していった。

今日は特別帰りが遅くなってしまった。
その為、いつもなら家のすぐ側まで居てくれる友達は先に帰ってしまい、一人で帰らなければならなくなったのだ。
自宅まで後もうすぐ、という曲がり角のところで誰かにドスンとぶつかった。
スイマセン、と謝ったところまで覚えている。
だが、その後の記憶がない・・・


「まさかこんなに早く笑美ちゃんとこうなれるとは思ってなかったよ。
 嬉しいなぁ。」

男はニコニコと笑いながら自分の衣類を脱ぎ捨てていく。
逃げようにも、ベッドの四隅に手足を大きく広げるような形で固定された身体は
波打ちこそすれど、移動は全く出来なかった。

ギシ、とベッドが軋み、全裸の男が自分に覆い被さろうとしていた。
得体の知れない男が中心部を隆々と屹立させている。

「ーーーーーーー!!!!!」

気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い。
笑美は恐怖のあまり涙がこぼれ始めた。

「泣き顔も可愛いね」

男はそんな笑美の様子ですらいとおしそうに見つめる。

「大丈夫だよ、優しくするから」

男はそう言って、そっと笑美の目尻に口付けた。



男が笑美の服のボタンを一つずつ外していく。
あぁ、何で今日に限ってシャツなんか着たんだろう。
笑美は絶望で打ちひしがれた頭でぼんやりと考えていた。
やがて、シャツの前がはだけられた。
気温の高かった今日はシャツの下にはキャミソールを着ていなかった。


「想像以上だ・・・なんて綺麗な肌なんだ・・・」

男は心底感動したような口調で溜息をこぼし、笑美の鎖骨や胸を撫で回した。

「ブラジャーもすっごく可愛い。下着にもこんなに気を使うなんて笑美はすっごくお洒落なんだね」

両手を使って下着の上から胸を中心に寄せるように揉みしだく。
やがて男の指先がゆっくりと胸のふくらみを登ってきた。
そして、下着の縁に指が到達する。

「ここは・・・どうかな・・・?」

男の息が荒くなった。ゴクリ、と咽喉を動かす音が聞こえた。
そろそろと指が下着をずり下げる。
緊張で固く尖った蕾が外気に晒された。

「あぁ・・・笑美!!・・・・あぁ!!!」

興奮しきった男は言葉にならない声を漏らして笑美の蕾にしゃぶりついた。
左右のふくらみを両脇から中央に寄せ、交互に頂を口に含む。
舌先で弾くように舐めてみたり、強く吸ってみたり。
はたまた、腋の下まで舌全体を使ってねっとりと舐めあげた。

気持ち悪い・・・
さっきまでそう思っていたはずの笑美に変化が起きはじめていた。
現実逃避するために目を固く瞑っていた事が逆に与えられる感触に神経を集中させてしまっていた。

(駄目・・・・こんな奴にこんな事されて感じちゃ駄目・・・!!)

頭で一生懸命に自分を制そうと理性に働きかけたが、男の指が、舌が、腰を熱くさせた。


そんな笑美の様子を察したのか、男が愛撫の手を止め口に貼ってあったガムテープを外し、口内に含ませていた布を引っ張り出した。


「嬉しいな・・・笑美も感じてくれてるんだ・・・」

男は上気した顔で笑美に微笑みかける。

「そんな事・・・!あるわけないじゃない!!!」

同じく笑美の頬は上気してしまっているのだが、残っている理性で強気に言い返した。


「へぇ・・・・・・・そうなんだ・・・・・」

途端に、男の顔から笑みが消えた。
その表情の差に笑美は再び背筋が凍った。

殺されるかもしれない。
恐怖に蒼ざめた顔を見せると、男は再び微笑む。

「確認してみようか」

そう言って男は笑美の両脚の間へ体の位置を移動させた。
履いていたスカートはいとも簡単に捲り上げられ、下着姿の下半身が剥き出しになる。

「さて、どうかな」

男が開かれた中心をそっと指で上下に撫でた。

「ん?ここはちょっと湿ってるかな??」

そう言って一番下、笑美の入り口を下着の上から何度も指で押した。
そしてその指を少しずつ上にずらしていく。

「あれ?」

男はわざとらしく不思議そうな声を出す。

「ここなんかコリコリしてるよ?」

粒石を見つけた男はその上を円を描く様に刺激した。
決して押し付けず、あくまでも撫でるように。だが、執拗に。

「じゃあ次は匂いチェックだ」
「やっ・・・!!」

笑美の制止の声に従うはずもなく、男は笑美の下着に顔を近づけた。

「う〜ん、これが笑美ちゃんの匂いか〜」

男はそう言ってクレバスに鼻を思いきり押し付けて匂いを嗅ぐ。
顔を揺らすたびに男の鼻が笑美の粒石を刺激し、暖かい鼻息が入り口を刺激する。

「いい匂いだ。ずっと嗅いでいたいよ」

やがて、暖かい何かが押し当てられた。舌だ。
舌でクレバスの溝を舐めあげられ、粒石をつつかれる。
湿った下着は男の唾液か笑美のものかわからなくなっていた。

「あらら。こんなに濡れちゃったら気持ち悪いでしょ。脱いじゃおうか」

男は片脚だけ足枷を外すと、下着を抜き取った。

「綺麗だ・・・・」

男は押し上げるように笑美の足を広げさせると、露になったその部分をマジマジと見つめた。
「そんな・・・見ないで・・・」

笑美は羞恥で顔が真っ赤になった。
しばらく恋人がいなかったため、異性にそんな場所を見られること事態久しぶりだった。
ましてや、こんな格好で見られるだなんて想像だにしていなかった。

「艶々して・・・なんて美味しそうなんだ・・・」

独り言ともとれる程の小さな声で呟きながら男は引き付けられるようにそこに口を寄せた。

「あっ・・・・」

始めは丁寧に、やがて激しくその部分を嘗め回す。
そのまま上部へ移動し、粒石を包皮ごと口に含んだ。
「やっ・・・だめ・・・やぁあ!」

笑美がバタバタと身体を動かすが、男の押さえつける力でびくともしない。
むしろ、男が舌を動かさなくても自ら擦りつける形になってしまい、動けば動くほど頭が変になりそうだった。
ひとしきり暴れて疲れたのか、笑美の動きが落ち着いた。
その隙に男はゆっくりと内股の皮膚を左右に押し広げ、口内の粒石を露出させた。
男の舌が直接粒石に触れる。

「いっ・・・・やあぁあ・・・・・っ」

笑美の体が弓なりに反り、一瞬硬直した。




「イってくれたみたいだね。嬉しいよ」

胸で荒く息をする笑美を微笑みながら男は見下ろした。
サーモンピンクの粒石は赤く盛り上がり、手を添えなくても外気に晒されている。
赤黒い入り口付近は透明な粘性のある液でてらてらと光っている。

男は最後の目的に移った。


「・・・・一つになろうね」

笑美はもう既に意識が朦朧としていて拒絶の言葉を吐くことも出来なかった。
男は、ぐったりしている笑みの下半身を引き寄せるように持ち上げ、自身の腰をも少し押し進めて自分の腿の上に
笑美の腿を乗せた。

臍につきそうなくらい屹立したものに手を添え、笑美の入り口にあてがう。

「笑美・・・・・!」

腰を突き出して男は自分のものを笑美に埋め込んだ。
十分濡れてはいるものの中は狭く、ギチギチと男のものを締め付けた。

「あぁ・・・いいよ・・・笑み・・・最高だ・・・」

男は恍惚とした表情を浮かべながら腰を揺り動かす。

「あっ!やぁ!!あぁあ!!ああっ!!!!」

すっかり蕩けてしまった笑美にもう理性は残っておらず、ただただ与えられる快感に身を任せていた。

「ふうっ!!んふぅ!・・・・笑美!!笑美っ!!」

腰を打ちつけながら笑美の胸にしゃぶりつく。
男に限界が近付いてきた。

「笑美っ!イくよっ!!?イくよっ!!!?笑美!!!!!」

一層激しくなった男の動きに、笑みは再び自分にも絶頂が訪れる予兆が現れた。
自分のトンネル奥の突き当たり、子宮口の入り口を男の先端で刺激される。

「んっ!!!・・・くっ・・・あああぁぁぁああああ!!!」

頭が真っ白になり、再び意識が薄れていく。

・・・・・・・もう・・・・・・・・・どうでもいい・・・・・・・・・・・・・




はっと目が覚めると、笑美は自分の部屋のベッドの上にいた。
服は部屋着に着替えているものの、部屋の電気やテレビは付けっぱなしだ。

(あ〜・・・うたた寝しちゃったのかな。にしても・・・・変な夢だったな〜・・・・)

むっくりと起き上がると、咽喉を潤しにキッチンへ向かった。
食器棚を開けるとお気に入りのグラスへミネラルウォーターを注ぎ、一気に飲み干すと流しへ置く。

(・・・ん?)

部屋へ戻ろうとして、何かしらの違和感を覚える。
なんだろう、何が違うんだろう、笑美はまだ寝ぼけた頭で必死に考えた。

(・・・気のせいかな?)

そう思い直した笑美は再びベッドへ倒れこみ、今度はテレビと部屋の明かりを消して眠りについた。


ピチャン

蛇口から水が一滴落ちる。
笑みの置いたグラスとその隣にある吸殻の入ったグラスの水面が揺れる。






SS一覧に戻る
メインページに戻る

各作品の著作権は執筆者に属します。
エロパロ&文章創作板まとめモバイル
花よりエロパロ