シチュエーション
![]() 都会に住んでいると、近隣の住民との付き合いなど、ほとんど皆無に等しい。 管理人との挨拶でさえそこそこに、ましてやエレベーターで同じ階の住民に出会った時など苦痛でしかない。 小さな箱に閉じ込められた数十秒から数分間・・・ 軽い会釈を交わすことですら、最近のまゆにとって重苦しい「近所づきあい」に感じられた。 その朝も、いつもと同じ時間同じ手順でまゆはドアに鍵をかけた。 <ふあ〜ぁ・・・今日の会議・・・こりゃ間違いなく寝ちゃうかもね・・・> 夕べは1週間撮りだめしたドラマのチェックをする日だったのだ。 もちろん、一人暮らしのまゆは勝手に木曜日を「ドラマ日」と命名しているだけなのだが・・・ <ドラマしか楽しみがないって・・・まじで終わってるよね。24歳の女子としては・・・> まゆは大学を卒業してから彼氏がいない。もう2年以上になるだろう。 年下の元彼は社会人になった途端忙しがっている彼女に、 「俺じゃない誰かに幸せにしてもらって」 そんな冷たい言葉で別れを告げた。 それ以来、どうも男性に心を開けないでいた。 <ルックスは間違いなく問題ないんだけどなぁぁ〜> まゆは自意識過剰なタイプ・・・ではなかった。 柔らかなチェリーブラウンのロングヘアは艶やかに頬のあたりで巻かれていたし、白い肌にはしみや吹き出ものなど全く見当たらない。 大きな瞳、形のいいぽってりとした唇。もちろんマスカラは3重に重ね付けしている。 <おっぱいだって、普通よりはおっきいはずだ!> 「なのに・・・なぁ〜〜〜んで、もてないのかなぁっ」 エレベーターを待ちながら、小声でため息をつくと、背後からくすっと笑い声が聞こえた。 「・・・!!!」 どきんっと跳ねる胸を押さえると、さっとまゆは振り返る。 すると、少し離れたところに一人の若い男が立っていた。 「あっ! えっっと・・・すみません!」 男は笑い声が聞こえたことに気づいたのか、かなり焦って持っていた段ボールを下に降ろすと 「あのっ605号室に越して来ました・・・永山といいます。」 グレーのスウェットパンツで右手を軽く拭うと、手をさしのべてくる。 まゆは訝しげに後ずさりした。 −−−ポーン 静かにエレベーターの扉が開く。 さっとまゆは乗り込むと、軽く会釈してそのまま1階へのボタンを押した。 早まる鼓動を押さえるように、ゆっくり深呼吸しながら考える。 <な・何っ!!!何あの人・・・!!!> 赤くなる頬をペシペシとはたきながら、さらにまゆは考えた。 <・・・めっちゃめちゃ・・・タイプなんですけどっ?!> <・・・ってか、あたし何やってるの〜〜〜!明らかにシカト・・・?シカトだよね今の態度っ!?あぁぁぁ〜〜〜馬鹿だ!あたしは本物のアホだっ!> いつもより早くエレベーターは1階へと到着した。 毎朝、共用部分を掃き掃除している管理人を慌ててさがす。 「か・かんりにんさんっっ!?」 「あ・・・えっと・・・どちらのお部屋の方でしたっけね?」 「606号室の沢木ですっ!! えっと・・・どなたか今日・・・お引越しですかっ?!」 勢い込んで聞くまゆの声に恐れをなしたのか、初老の管理人はあわあわと答えた。 「あっはいはい・・・え〜605にながやまさんってひとりぐらしの男性が・・・」 「605・・・おとなりさん・・・ながやまさんっ?一人暮らしなんですねっっ!」 ものすごい剣幕でまゆは詰め寄る。 くすっ 背後から、小さな笑い声が聞こえた。 びくんっとまゆの背中が跳ねる・・・ まさか・・・と振り向くと、案の定エレベーターから長野の優しい笑顔が現れた。 どっからどう見ても、おっとこまえである。 無造作な感じでセットされたワイルドな黒髪、意思の強そうな眉、切れ長の瞳は一重ながらとても大きい・・・ 高い鼻、形のいい少し薄い唇・・・顔もびっくりするほど小さい。 線は細いのに、ほどよく筋肉でもりあがった胸がスウェットの上からでも分かった。 「さっきはごめんなさい。驚かせちゃって・・・改めまして・・・永山です」 もう1度、段ボールを降ろすと永山は右手を差し出した。 会社についてからも全く仕事に手がつかないまゆは、心配していた会議中の居眠りからは解放されていた。 頭の中は永山の可愛い笑顔、甘く優しげな声、そして男らしい右手の感触で埋め尽くされていたからだった。 金曜日ということも手伝って、6時を過ぎると同じ部署の男性社員から何人かに声をかけられる。 「沢木〜のみ行こうぜ」 「まゆさん・・・今日めし食いに行きませんか」 本人は全く気づいていないが、先輩や同僚・後輩の何名かは明らかにまゆ狙いである。 「今日無理っ!おつかれさまでしたぁ〜〜〜っ!!!」 超特急で仕事を終わらせたまゆは家路へと急いだ。 <・・・って帰って・・・どうするつもり?!> どうしていいかなんて全く分からない。 ただ、明らかに一目ぼれした相手が住んでいると思うと、自宅への道が薔薇色に輝くから不思議だ。 家に着いて、簡単な食事をすませる。 テレビのバラエティーなんて全く頭に入ってこなかった。 「あぁぁ〜〜だめだめっ!お風呂入ってビール飲んで・・・寝るっ!」 605号室側の壁を明らかに意識しながら叫ぶと、まゆは浴室へと入った。 熱いシャワーを浴びていると、愛しい隣人の顔が目に浮かぶ。 「いやいやっ!今日会ったばっかだし!!!性格とかしんないしっ!」 念入りにトリートメントしながら、まゆは首を振る。 <・・・でも・・・まじでかっこよかった。あんな人がカレシだったらなぁ・・・> 柔らかいおっぱいに石鹸をこすりつけると、何故だか腰のあたりが疼く。 「んっ・・・!」 明らかに刺激する意思を持った指先を、くるくるとピンク色の乳首のあたりでさまよわせた。 「ふっはぁっ・・・」 思い切って強く揉みこむように両方の乳房をつかむ。 ぎゅむぎゅむと激しくすると、まるで自分の手で刺激しているのではないようだ。 とろりっと薄い陰毛の奥から甘い蜜が吐き出されるのが自分でもわかる。 <やだ・・・自分でするのも・・・結構久々だな・・・> そのまま泡だらけの右手を股間に這わせる。 肉芽は胸への刺激だけで、つんっととがっていた。 「な・・・がやま・・・さんっ!」 今朝初めて会ったばかりの、しかもほとんど会話してもいない男のことが、何故こんなにも気にかかるのか・・・ くりくりと硬い芯を刺激すると、ほぉっと可愛い唇から甘いため息がこぼれる。 <このまま・・・ここでしちゃおうかな・・・> と、まゆが覚悟を決めた瞬間 −−−ピンポーン 玄関から間延びしたチャイムの音がした。 マンションの外からのチャイム音ではない。 ・・・ということは玄関の前で誰かがまゆの家のドアのベルを鳴らしているのだ 「ま・まさか・・・ねっ」 そうは思うものの、もしかしたら・・・そんな期待がまゆの手をシャワーのコックへと伸ばさせる。 「は・はぁ〜〜いっ?」 浴室のドアを開けて大声で叫んでみる。 ・・・アッ・・・・ト・・・ナガ・・・スガ・・・ 何か小さい声が聞こえる。 更にどきんっとまゆの裸の胸が高鳴った。 男性の声・・・多分間違いなく永山の声である。 「ちょ・ちょっと待ってくださぁ〜〜いっ!」 急いでタオルを巻きつけると、キッチンのインターホンまで小走りに向かう。 受話器をあげると低く優しげな声が耳の奥で響いた。 「あっ隣の永山ですが・・・今朝はすみません。あの・・・ご挨拶の品を持ってきたんですが・・・」 学生時代からこのマンションに住んで4年。初めて引越しの挨拶での訪問者だった。 モニター付きでもないのに、ぐっとタオルを引き上げる。 「あっそんな・・・ありがとうございます・・・あの・・・えっと・・・」 もちろんこんな姿で長野の前に姿をあらわすわけにはいかない。 裸だから・・・というよりもスッピンを見せたくない・・・っという理由でだが。 「あのっ今ちょっと出られないので・・・少ししたらこちらから伺っても・・・?」 「あっお取り込み中、失礼しました。え・・・と、よろしいんですか?」 「はいっ!あの10分・・・15分で伺いますっ!!!」 「・・・っ。はい。じゃ・・・待ってます」 明らかに笑いを堪えたような永山の声に、まゆは自分を殴りたい気分になった。 <あぁ〜〜〜なんか色気ゼロじゃんっわたし・・・> しかし、まゆにはのんきに自分を殴っている時間はない。 10分で簡単にヘアメイクを完了させなければならない。その上・・・何着てけばいいっ?! 15分を少しすぎたところで、まゆは605号室の前に立っていた。 意を決してチャイムに手を伸ばすまゆは、自分で思っているよりもはるかに美しかった。 髪の毛はセットをあきらめ、軽く乾かすと簡単にまとめ髪にした。 ゆったりとした、しかし肩がたっぷり開いたデザインのカットソーにインディゴのスキニーデニムを合わせる。 アイメイク以外は薄めに仕上げて湯上りの色気が十分に漂っていた。 −−−ピンポーン 我が家と同じチャイムの音色にほんの少し気持ちが落ち着いた。 間髪いれず、ドアが押し開かれる。 ほんのり上気した彼の頬は、湯上りの気配を残していた。 「・・・ごめんなさい。ちょっとシャワー浴びてて・・・」 もちろん洋服は着ている。チャコールグレーのカットソーに柔らかそうな素材のベージュのイージーパンツ・・・ やばいくらいにカッコいい・・・ しっとり濡れた髪の毛からはぽたりと水が滴り落ちる。 「あ・・・で・出直しましょうか?」 「いやっ、どうぞっちょっと散らかってますけど・・・」 <部屋・・・入れてもらえるんだぁぁ〜〜〜っ!!!> もう男子よりの考え方になっているまゆ・・・興奮しながらも、平静を装って室内に足を踏み入れた。 「おじゃま・・・します。」 室内にはほとんど何もなく、段ボールがいくつか散乱していた。 そして・・・中央にどんっとおかれた大きなベッドに嫌でも視線がくぎ付けになる。 「あっ・・・!ソファ代わりに・・・あの・・・座っててくださいっ僕ちょっと髪乾かしてきても・・・?」 「もちろん!あっあのこれ・・・」 慌てて忘れそうになっていた、包みをまゆは差し出した。 「これ・・・引越し祝い??っていうんでしょうか。良かったら・・・」 「いや・・・こちらから渡さなきゃいけないのに・・・ありがとう。開けていい?」 自然なため口がまゆの心をざわめかす。 「たいしたものじゃないんですが・・・」 「あっ!!!ワイン!!僕ワイン大好きなんですよ〜いやぁ嬉しいなぁっ」 本当に嬉しそうに顔を崩す永山を見つめ、胸の奥底からざわざわするような喜びがまゆの体を突き抜けた。 <こりゃ・・・まじ惚れコースだ。> ワインをすっとテーブルに置くと永山は髪を乾かしにバスルームへと消えた。 まゆはぐるっと部屋を見まわす。同じ間取り。生活の匂いがしないからだろうか・・・まゆの部屋より少し広く感じる。 「あ・・・テレビ・・・」 そう。永山の部屋にはテレビがない。よく見てみると、その他にも電化製品らしきものは何もなかった。 「そう。明日・・・届くんですよ。」 今朝見たときとは違い、前髪が額にかかっている。何だか少し幼く見えて、まゆは緊張を少し緩めた。 「電化製品がないから・・・余計に広く見えるんですね。」 そう言って、すっとベッドに腰をおろす。 永山はまゆのうなじを見つめていた瞳をそっとそらすと、 「ワイン・・・一緒に飲みませんか。いただいたもので申し訳ないけど。」 「はい・・・あ・すみません!!自己紹介・・・まだしてませんでしたよね!わたし606の沢木まゆです。」 「・・・まゆさん・・・僕は605の・・・ってそれはいいのか。永山啓太です。年は26。まゆさんは?」 「あっ年上なんですね。私は24です。」 ワインのコルクを抜きながら、優しくまゆを見つめる永山の視線を受け止めながらまゆは答えた。 ワインを飲みながら、永山について少しずつ知っていく・・・まゆもだんだん自然に話ができるようになっていった。 ボトルが空になる頃には2人はすっかり打ち解けていた。 「サッカー!!お上手なんですか?私大好きですよ〜〜〜詳しくはないんですけど・・・」 「あっじゃぁ今度見にきてよ。遊びでだけど、仲間とやってるんだ」 「えっいいんですか???お弁当とか持って、行っちゃっていいですか??」 「もちろん!!いやすっげぇ嬉しいよ!」 「でも・・・彼女とかが・・・イヤな気分になるんじゃないですか・・・?」 ほんの少しの沈黙が訪れる。 <あっ!やばっ・・・やっぱいるんだぁ・・・聞かなきゃ良かった・・・> 目を伏せていると、永山が下から覗き込んでいる。 思いもかけず接近し、まゆは心臓が飛び出しそうに驚いた。 「・・・!!!ご・ごめんなさい・・・ヘンなこと言っちゃいましたか・・・?」 顔をさらに近づけて、永山は少し意地悪そうな笑みを浮かべている。 「・・・まゆちゃんは?」 「・・・はい?!」 「そういうまゆちゃんは・・・彼氏は?いるの???」 急いでかぶりをふりながら、まゆは大慌てで否定する。 「そ・そんなひとっいませんよっっ!!・・・って24でいないって方が問題ですけどね・・・ははっ・・・」 冗談めかして笑ったが、永山は真顔に戻っていた。 「・・・ホント?」 真剣な表情も素敵だ・・・不謹慎ながら胸を高鳴らせまゆはそっと頷く。 ぐっとさらに永山の顔が近づく。 「さっき・・・僕にかまかけたでしょ。」 「えっ!!!」 「彼女が嫌がるとか何とか言ったの・・・あれ・・・かまかけたんだよね。」 「・・・あ・・・」 そう言いながら永山は、じりっとまゆとの距離を詰めていく。 「だってさ・・・今朝・・・管理人さんに僕のこと・・・聞いてたよね。」 「あれは・・・そのっ」 もう永山とまゆの額はくっつきそうなくらい近づいている。 「・・・気になる?」 まゆは緊張と恥ずかしさで声すら出せない。 今にも泣き出しそうなまゆの額に自らの額をちょんっとつけると、いたずらっこのような瞳で永山は囁いた。 「・・・いないよ。」 ん??と目でまゆは聞き返す。 「彼女なんて・・・僕もいない。」 言った瞬間、永山は形のいい薄いその唇をまゆの柔らかな唇に押し当てた。 目を見開いたまゆは、思わず顔をそむけようとする。 しかし、永山の大きな手のひらで顔を挟まれ、逃げ出すことができない。 永山はほんの少し唇を開いて、優しくまゆの唇を吸っている。 っちゅっちゅっ・・・ テレビも何もないがらんっとした部屋に2人の唇がたてる水音が響き渡る。 知り合ったばかりの、しかし一目ぼれした相手からの想像もしなかった突然のキス・・・ 戸惑いよりも恐怖よりも、まゆの胸に広がっていったのは体を突き抜けるような歓びだった。 「んっんっ・・・!」 思わず唇を開くと、すかさず永山の唾液とともにぬるりとした舌が差し込まれる。 まゆの可愛い舌にねっとりと絡みつき、唾液をすするようにいやらしい音をたてていく。 <キス・・・超ひさしぶりだぁ・・・> うっとりと体を永山の胸に預けるようにすると、まゆは久々のキスに感じはじめていた。 まゆの小さな顔を挟んでいた大きな手のひらが、すっと細い肩に移動する。 そのまま、まゆはそっとベッドへと押し倒された。 「・・・だめ?」 永山は見上げるようにして小さな声で呟く。 <年上のくせに・・・!!か・可愛いよぉ・・・> まゆはそっと首をふる。 「だめ・・・じゃない・・・です。」 まゆは思い切って自らの気持ちを伝えた。 「だめじゃないです・・・私・・・今朝あなたのこと・・・見た瞬間から・・・こうなったらいいなぁっなんて・・・」 ぱぁっと永山の瞳が明るくなる。 「ホント!!まじだ〜あぁ〜嬉しいなぁ・・・僕も・・・ぶっちゃけ一目ぼれって感じ・・・だったから。」 思いもよらず、一目ぼれした相手から一目ぼれしたと告白されたまゆはがばっと上体を起こした。 「えっ!!!ホントですか?!」 答えず永山は、まゆの唇をもう一度ふさぐ。 今度はまゆもすぐに受け入れていく。永山の舌に自らの舌をおずおずと絡ませた。 「ふぅっんんっっ・・・んっんっ」 キスだけで、じゅわっと身体の芯から密が溢れてくるのが自分でも恥ずかしく、同時に嬉しかった。 「可愛い・・・まじで可愛い・・・」 うわずった声でまゆの髪に顔をうずめると、永山は大きく息をつく。 「このまま・・・したい。」 出逢ってすぐということに、永山自身も戸惑っているのだ。 まゆは鎖骨のあたりに顔をうずめると、そっと頷きながらつぶやいた。 「わ・・・わたしも。したい・・・よ?」 言ってから恥ずかしさのあまり耳まで赤くなる。 <・・・って、何年ぶり?!ダイジョウブなのか!まゆっ???> 心の声を無理やりに押し込めると潤んだ瞳で永山を見上げ、そっと耳元に唇をよせた。 「して・・・ください・・・ぜんぶ。」 吐息の混じった可愛い声が、永山の最後に残った理性を吹き飛ばした。 がっと、まゆの細い手首をつかむと、荒々しい仕草でもう1度ベッドに押し倒す。 そのまま激しいキスの雨を降らせた。 唾液を交換するようないやらしい口づけに、まゆの頭は次第に蕩けていく。 「うぅんっんっんん〜〜〜っ」 キスだけでこんなに感じるのに、これ以上のことをしたら・・・一体どうなってしまうのか、まゆは期待と不安で腿をこすりあわせた。 永山は唇をそっと離すと、耳から首筋を優しく愛撫し始めた。 「はぁ・・・」 女の子のような可愛い吐息をもらしながら、大きな永山の手のひらがまゆの腹から差し込まれ、直に乳房をとらえる。 ブラの上からとは言え、久々の男の手のひらを肌に感じ、思わずまゆは逃れようとしてしまう。 すると、永山はさらに荒々しくまゆのカットソーをまくりあげた。 「やっ!!!」 思わず声をあげ、体をよじるが逃げられるはずもない・・・ あっけなくトップスもデニムも脱がされてしまった。 永山は少し体を離すと、上からじっくりまゆの下着姿を眺めた。 「で・でんき・・・消してください・・・」 まゆは消え入りそうな声で懇願する。 永山は名残惜しそうにまゆの唇にちゅっと優しいキスをすると、さっと電気を消しに立つ。 「あれ!えっと・・・これかな・・・」 そうだ。彼は今日この部屋に引っ越してきたばかりなのだ。 ぷっとまゆは小さく吹き出し、立ち上がって永山の側に向かう。 「これ。」 ぱちんとメインの電灯が落ち、キッチンのほのかな灯りだけが柔らかに2人と照らしている。 少し照れたように、永山はぐっとまゆの腰を引き寄せた。 <背・・・高いな・・・180あるかな・・・> まゆは女性にしては少し大きい方で167cmある。 長身のまゆにキスするために、永山は少しかがんだ。 激しい口づけの合間に、彼は上着を脱ぎ去った。 細身ながら、筋肉のもりあがった腕、胸・・・きゅっと締まった腰のあたりが男性の色気をかもしだしている。 思わず、まゆはすがりつくようにして胸に顔をうずめた。 永山の指はまゆの乳房をもみこむようにして愛撫している。 「おっきい・・・ね。」 少し意外そうに、それ以上に嬉しそうに呟きながら、ブラを押し下げるとおもむろに口に乳房を含んだ。 「ひゃっん・・・!!!」 じゅぼじゅぼっといやらしいまでに大きな音をたて、乳首を吸い上げていく。 ブラの隙間からひねり上げられ、上から見るまゆの乳房は自分でもいやらしさに顔が赤らむほどだった。 ちろちろと舌を出して乳首を弄び、そのまま形の良い唇を大きく開けると乳房全体を口内におさめようとする・・・ いつしかまゆの乳房は永山の唾液でびしょぬれになっていた。 「〜〜〜っ・・・!っはんっはんっあっあっ・・・!!!」 こらえきれず、イヤらしい喘ぎ声がどんどん大きくなる。 「大丈夫・・・隣・・・誰もいないでしょ・・・」 はぁはぁとかすれた声で、永山は耳元で囁く。 「やっ・・・!」 乳首をこりこりと両手の親指で刺激しながら、 「もっと・・・やらしいこえ・・・ききたいっ・・・」 その囁きとともに、まゆは立っていられないほどの刺激を乳首に感じ、腰からがくっと崩れ落ちそうになった。 「・・・ほんとに・・・感じやすいね・・・」 無邪気な笑顔でつぶやくと、ぐっとまゆを抱きかかえベッドに寝かせる。 その瞬間、形だけ乳房の周りを飾っていたブラは取り去られ、どろどろに濡れたショーツ一枚の姿にされた。 恥ずかしさはとうに、ない。あるのは狂おしいまでに永山を求める心だけだった。 永山は無言で自らの着衣を全て取り去り、まゆの上にぐっと覆いかぶさっていく。 裸の胸を密着させ、激しく唇をむさぼりあっていると、まるでこうなるのが運命だったような気さえしてくる・・・ 唇を離しそっと永山を見つめると、彼もまた心で同じことを思っているのが伝わってきた。 ・・・と、彼はまたしても激しい乳房への愛撫をはじめた。 両方の乳房を揉みしだきながら中央へ寄せると、豊かなまゆの乳房同士はひしゃげ両乳首はやすやすとくっついた。 わざと舌を突き出し、まゆに見せつけるように、寄り添った乳首をいやらしくプリュプリュと舐め上げていく。 夢中で乳首を吸いたてる永山は、一心不乱にまゆを感じさせようとしている。 まゆは乳首への刺激だけで達しそうなほど感じきっていた。 「あっはぁっうぅ・・・っんっんっ!!!いぃっ!!」 はぁはぁと荒い息をはずませ、永山の太い指がまゆの大切な部分をなぞり始めた。 「まゆ・・・ちゃん・・・すっごぃ・・・どろどろ・・・」 びちょびちょの下着には、ずっと前から気づいていた。 「やっ!!!は・・・はずかしい・・・」 「なんで・・・?すっげ〜やらしくて・・・可愛いんだけど・・・?」 上からそっとなぞっていた指で、ショーツをぐっと脇に寄せると直にまゆの一番敏感な突起をこりこりと刺激する。 「・・・っ!!!あっ!!!あぁぁぁぁ〜〜〜〜〜っっっ!!!」 久しぶりの刺激と、あり得ないような幸福なこのシチュエーションで興奮の絶頂にいたまゆは、あっけないほ びくびくと腰を痙攣させるまゆを強く抱きしめると、永山は優しくキスを繰り返す。 肩で深い息をつくまゆの頬は赤く染まり、額には玉のような汗がにじんでいる。 唇から頬、まぶた、額、そして耳元についばむようなくちづけをしながら、永山は優しくまゆの髪を撫でた。 「・・・イったんだ・・・?」 恥ずかしそうにまゆは頷く。 「ご・ごめんなさいっ・・・わたし・・・ばっかり」 永山はばっと上半身を起こし、まゆの瞳を覗き込むと、 「なにいってんの!すっごく・・・嬉しいよ・・・」 そのまま、まゆを見つめながらもう1度、愛液でどろどろになった秘所に指を這わせていく。 「ここ・・・めちゃめちゃ敏感なんだ・・・」 「っ!!!はぁっ・・・」 またもや感じはじめたまゆのか細い指を自らの股間へと導いていく。 猛々しく屹立した肉塊に指が触れ、まゆの胸はひときわ大きく高鳴る。 「す・・・すごい・・・」 永山自身は彼のスレンダーな体つきからは想像も出来ないほどに太く、しかも荒々しいまでに膨張していた。 先の方に手を添えると、どろりとした透明な液がまゆの可憐な指先を濡らしていく。 「・・・っまゆ・・・っちゃん・・・」 思わずこすりあげるような手つきになったまゆの手に感じさせられ、永山は甘い吐息をもらした。 お互いに相手の大事な部分に手を伸ばし、優しく愛撫しながら濃厚なキスを交わす・・・ 「んぅ・・・ふぅっん・・・ぃ・・ぃっ・・・!!!」 鼻にかかったいやらしい喘ぎ声が絶え間なく響く。 いつのまにかびしょ濡れのショーツは取り払われ、一糸まとわぬ姿で2人は抱き合っていた。 華奢な肩を甘噛みしていた永山の唇が、脇腹、腰そして柔らかな下腹部まで到達する。 「やっ・・・だ・・・め・・・はずかしぃ・・・よぉ・・・」 甘えた声で形ばかりの拒絶をするが、もちろん永山が聞き入れるはずもない。 丁寧に薄い茂みを舌でかきわけるようにすると、吐息をふきかけながら永山はまゆの秘所にむしゃぶりついた。 じゅちゅっじゅっっちゅっ・・・ 後から後から溢れ出てくる密と唾液を混ぜ合わせ、まゆの小さな亀裂を食べ尽くすように味わっていく。 「・・・っ!!!!」 あまりの快感に、もはや叫び声すらあげることができない。 彼の髪に指をさしこみながら、逃れようとするかのようにまゆは腰をひねる。 永山は逃がすまいと柔らかい尻肉を両手でつかみ、揉みこむようにしながら舌で唇で・・・まゆを狂わせていった。 膣穴に太い舌をねじこまれたかと思うと、次の瞬間には肉芽をぷりぷりとこねまわされ、唇で覆うように陰唇全体を刺激する。 執拗に繰り返される舌技で蕩かされ、まゆは早くも2度目の絶頂を迎えつつあった。 びんびんの肉芽を軽く半剥きにし、舌と唇ではさみこみながら優しくしごくように刺激された瞬間、 「〜〜〜っっ!!!っ・・・いっ・・・!!!」 まゆのきめ細やかな肌が一瞬で粟立ち、そのままびんっと硬直したかと思うと小刻みな激しい痙攣が襲った。 ほんの少し、意識がとんでいたのだろうか・・・ 気づくと永山は、まゆに腕枕をするよう体を横たえ、優しく耳元に口づけていた。 「・・・わたし・・・また・・・」 おずおずと永山の下腹部に手を伸ばすと、彼自身はまだ大きく屹立したままだ。 ほっと胸をなでおろす。大丈夫。今度はまゆが彼を感じさせる番だ。 まゆは厚い胸板に、ゆっくりと肉付きの良い唇を押し当てた。 「ん・・・」 永山も感じやすくなっているのだろうか・・・心地よさそうに目を閉じている。 小さな可愛い舌を伸ばし、男らしい胸と乳首へ、拙いながらも必死で愛撫を繰りかえしていく。 ぺちょぺちょ・・・ 子猫のようなその姿は、ぞくぞくする程愛らしい。 そのまま、まゆは締まった腹から毛深い下腹部まで迷うことなく唇を進めていった。 オスの匂いがまゆを更に興奮させていく。 何ら刺激を受けていないにも関わらず、まゆの膣奥からはとろっと愛液が吐き出されるのが分かった。 内腿をこすりあわせるようにしながら、まゆは驚くほどに太い肉塊の先端に優しくキスした。 そのまま舌を思い切り出し、ぺろりと舐め上げる。 永山はクッションに上半身をあずけ、まゆの姿を愛おしげに見つめていた。 根元に軽く手を添え、柔らかな唇で包みこむように、そそり立つ怒張を徐々にくわえこんでいく。 決して小さいわけではないまゆの唇だが、全てを口内におさめるだけで精一杯といった感じだ。 必死で顔を上下させると、唇の端からは涎が自然とこぼれ落ちる。 どうしても、彼を感じさせたい!! その一心で、流れ落ちる涎を拭うこともせずしゃぶり続けた。 亀頭部分に舌を絡め、のどをならして、荒々しいまでに立ち上がった肉塊に奉仕するまゆの顔を見つめ、永山はため息をつく。 じゅぼっじゅぼっ いやらしい音をさせながら、ふっとまゆが潤んだ瞳を永山に向ける。 その瞬間、腰からかけのぼってくる射精感を感じ、思わず永山は腰をひいた。 ・・・じゅっぽんっ!! はぁはぁと肩で息をつきながら、永山はかろうじて堪えた。 ・・・? 不思議そうなまゆの唇は唾液と我慢汁でべとべとになっている。 ぐっと体を入れ替えると、永山はまゆの足の間に腰をすべりこませ、激しく唇を奪った。 もはや言葉はいらなかった。 太い肉の塊をどろどろに濡れた肉芽にこすりつける。 厚い胸板がまゆの豊かな乳房をつぶし、びんびんの乳首がこすれあって甘い刺激を生む。 唾液を注ぎあうような、激しくいらやしいキスを繰り返し、永山の指とまゆの指はしっかりと絡み合ってお互いを確認していた。 唇を離すと、永山は欲望に潤んだ目でまゆの大きな瞳を見つめ返しながら、ぐっと腰に力をこめた。 先端がのめりこむ快感に永山の喉の奥が鳴る。 愛液がごぼりと溢れ出し、小さな膣穴が猛々しい男性自身を受け止めようとしていた。 まゆは大きく吐息をつくと、身体中の力を抜くようにして永山を受け入れていく。 ずりゅ・・・ ゆっくりと時間をかけて、全てまゆの中におさめると、あまりの快感に永山はしばらく身動きが取れなかった。 まゆは、軽く腰をゆすってみる。 「ちょ・・・!ごめん・・・ちょっと・・・待って!!!」 眉間に皺をよせ、必死でまゆの腰を押さえつける永山。 まゆは少し不思議そうに見上げた。 「あ・・・ごめん・・・ちょっと・・・気持ちよすぎて・・・いっちゃいそうだったから・・・」 少し照れくさそうに永山が笑う。 それだけで、まゆは幸福感に包まれていった。 「いい・・・よ?すぐ・・・いっちゃっても・・・?」 「あ・・・ゴム・・・やばっ・・・つけなきゃ・・・」 って生で入れてるじゃんっとまゆは心でつっこみを入れる。感じきっている永山を見て少し余裕が出てきたようだ。 「ピル・・・飲んでるから・・・大丈夫だよ?」 「え・・・」 複雑な表情がよぎるのを見て、慌ててまゆは付け足した。 「あっ・・・わたし・・・PMSって言って、生理前にすっごく体調悪くなっちゃうんで・・・処方してもらってるの・・・」 ふっと一瞬浮かんだ厳しさを緩め、永山は出し入れを始めた。 「!!!・・・あっあっ!」 「びっくり・・・して・・・いきそうなの・・・飛んでったじゃん・・・」 意地悪そうないやらしい囁きが耳元で聞こえる。 「やっ・・・!あぁっはっ・・・ふぅ・・・んんっ・・・!」 ずりゅずりゅと膣口あたりを刺激したかと思うと、次の瞬間永山は腰を大きく繰り出した。 ずんっと最奥がおしあげられるような感覚に、 「あぁぁぁぁぁ〜〜〜っっっ!!!」 まゆは叫び声にも似た喘ぎ声をあげた。 愛液がかきだされ、白い尻を伝ってどろりとベッドシーツを濡らしていくのが分かる。 腰をつかむようにして、まゆの細い体に永山は欲望を全てたたきつけていく・・・ 「っあんっはっはっ・・・!!!」 腰の奥の方から頭の先に、突き抜けるような鈍い快感が駆け上がる。 「・・・い・・・!!!いっく・・・か・・・も・・・!!!」 「ぼ・・・ぼくも・・・やばっ・・・!」 永山はまゆの上に倒れこむようにして体重をかけると、まゆの頭を抱え込みながら耳を塞ぐようにし、激しく唇を奪った。 まゆの頭の中には2人がたてるいやらしい唾液の音だけがぐちゅぐちゅと響く。 繋がった部分からの激しい快感に加え、永山の締まった下腹部と男らしい繁みに肉芽がこすれ、更にまゆを狂わしていく。 出し入れのスピードはどんどん増し、いっそう激しく永山に貫かれた瞬間、 「っんんんんん〜〜〜〜〜っっっ!!!」 永山の舌に自らの舌を絡めながら、まゆは今まで経験したことのない、更なる高みへとのぼりつめた。 ぎゅぅぎゅぅと食いちぎるようなまゆの締め付けに、限界を感じた永山は 「!〜〜〜っ!!!だめだっで・出るっっ!!!」 まゆの髪に顔をうずめ、まゆの一番奥に届かすように腰を繰り出すと、思いっきり精を吐き出した。 形の良い美しい尻が何度もすぼまり、どくんどくんっとまゆに欲望の全てを注ぎ込む。 熱い迸りをうけながら、まゆは心の底から愛おしさと喜びを感じていた・・・ そっと体を離し、2人はシーツにくるまって互いの存在を確かめるように抱き合っている。 「・・・一般論なんだけど。」 ふいにかすれた声で永山が切り出した。 「一般的に、だけど・・・知り合ったその日にすぐセックスするってこと・・・あるよね。」 「そ・・・そうだね・・・一般的には。」 「あと・・・セックスしてから付き合うってのも・・・割とあるよね。」 「そうね・・・うん。あるんじゃないかなぁ・・・」 <・・・何を言ってるんだろう・・・なんか・・・言い訳・・・されてるのかな・・・?> 「付き合ったその日に一緒に暮らし始めるってのも・・・なくはないよね。」 「・・・???う・うん・・・たまには・・・いるんじゃない?」 「でもさ・・・それ・・・ぜんぶクリアしてるカップルって・・・僕らくらいじゃない?!」 「・・・?!」 「だって・・・今朝知り合って・・・お互い一目ぼれで・・・セックスして・・・で・・・住んでるの隣の部屋だよ?!」 「・・・たしかに・・・いきなり同居?・・・ってくらい近いね・・・」 まゆは何だか笑い出したいような気分になっていく。 「でしょ??だからさ・・・疲れたり・・・寂しかったり・・・一緒にいたいって時は・・・いつでもさ、そばに・・・いるから」 長く柔らかい髪をそっと撫でて、永山は自らの厚い胸にまゆの頭を引き寄せる。 何だか・・・長い1日だった・・・疲れ果てているような・・・今からフルマラソンでも走れそうってくらい力が漲っているような・・・ 「楽しいことがあったときも・・・来ていいのかな・・・?」 小さくまゆが呟くと、嬉しそうに永山は大きな瞳をのぞきこんで頷く。 まゆは目を輝かせ、また無邪気に尋ねた。 「じゃ・・・ドラマの感想とかも・・・言いにきていい?」 永山は、愛おしそうに微笑みながら言う。 「・・・ていうか、一緒に見ればいいんじゃん?」 そして、まゆの唇に軽く優しいキスをした。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |