歳の離れた彼
シチュエーション


歳の離れた彼とは付き合って1年経った。

彼が「そろそろしない?」と声をかけてきた。

セックスの誘いだということは解る。
彼のことは大好きだし、断る理由は無かった。

「よろしく、おねがいします」

私は頭を下げた。


「……なんか、その…」
「黙ってて」

とんとん拍子で進んでいく。
彼は行為に夢中のようで私の目すら見てくれない。
私の服を脱がせる。その行為は乱雑とも丁寧ともつかない。
彼は優しく私の脇腹に手を這わせる。
行為を望んだのは私ではないけれど、やっぱり気持ちいいのだなぁと思う。
初めての経験だけれど知識は他の女の子と変わらない。
頭で理解しているから少しだけ余裕もある。

「…っ……ん、幸人さん…」

名前を呼べば相手は喜ぶんだろうなぁ、そうぼんやり頭で考える。
でも相手は相も変わらず行為に夢中。
そっと私のブラのホックを外すと胸に優しく触れた。

「……っ、あ…」

揉まれながら、深い深いキスをされる。
よく解らないまま行為はどんどん進んでいってショーツの中に細くて長い相手の指が滑り込んできた。
驚いて声を上げたけれど、割れ目を指がなぞる度にそれは甘い喘ぎ声に変わった。
この手際の良さからして、きっと彼は慣れてるんだろう。私みたいな子供を相手にするのは初めてだろうけれど。
指の滑りが良くなってきている。ああ、きっと私、濡らしているんだ。
割れ目の間に指が入り込んできて、初めて水音がした。
入り口に人差し指の腹を当てられて、背筋がぞくっとした。
そのまま指に力がこもり、中に入ってくる。

「っひ!う…痛い…です」
「そう」

私の言葉なんか気にも留めず指はどんどん私の中に進入してくる。
もともとなかなかサドっ気があった彼のことだ。今の私を見て喜んでいるんだろう。
第二間接あたりが入ってきたところで指は動きを止めた。

「痛い…痛い……」
「力抜いて」

抜こうとしてもどうすればいいのか、力の抜き方が今に限って思い出せない。
身体が思い出してくれない。
彼は溜息をつくと指をくるくると中で円を描く様に回す。
時々中の壁に指先が当たる。そのたびに私は声を上げる。

「あっ、…う、んんっ…」
「気持ち良い?」

私は正直に首を横に振った。彼は微笑んでまた「そう」と言った。

指がまた進入を始める。細くて長い指が、ゆっくりと動く。
内側を擦りあげられる。水音が一層大きくなる。

「ゆきひとさんっ!…そこ、駄目だよぉ…」

一点を集中的に擦られる。
そこだけ他の場所とは違う。少しだけ、敏感なような、言い表すことができない。
あぁ、そうだ。こういうの知ってる。ここを良くされ続けると「イク」んだ。

「莉柚」
「うう、んっ、あ、あっ、ああああ」

最終的にその声を聞いた時点で足がぴんとなって全身に変な感覚が走った。
荒い息を整えようと深呼吸する。なんだか、一気にとても疲れた。

「気持ちよかった?」

今度は首を縦に振る。かれはまた変わらず微笑んで「そう」と言った。
すると彼はベルトを外し始めた。
思わず目を逸らす。はっきり見てしまうと、入ってくる恐怖も痛みも増してしまいそうだから。

「ねぇ、入れるよ?いいね?」
「……やっぱりちょっと、待ってくれますか」
「嫌だよ。ほら、力抜いて」

最初から答えがそうなら訊いた意味なんか無いじゃないか、なんて反論する間も無く先端部分が宛がわれる。
息を呑んで目をぎゅっと瞑った。

ゆっくり入ってくる彼。痛くて悲鳴を上げた。

「ちょっと、あ、止まって…痛い、痛いよぉっ」
「力抜いて、大丈夫だから」

あやすように頬にキスを落とされる。
目蓋や唇にも、触れるだけの優しいキス。

「やだやだやだっ、もう抜い…抜いて…っ抜いてください…っ!」
「大丈夫だから」

そう宥めるように言われると、なぜか自分がものすごく我儘を言っているような気がしてならなかった。
ぐっと口を噤み、やっと力を抜くことができた。

「良い子だね…莉柚」

頭を撫でられ、今度は深いキスをされる。

「んんっ……う…」

全部入ったのだろう。キスしたまま彼の腰は動き始めた。
痛みが下腹部を走る。
彼の胸板を力無く叩くが、彼にはそんなの効いてない。
やっと唇が離れると、頬を優しくなでられる。

「あっ、やっ……い、痛っ…ゆきひとさんっ…」
「可愛いよ、莉柚」

痛がるところを見て可愛いという彼はやっぱりそういう人で。
彼の性癖なのだからしょうがない。これよりも酷い人はいっぱい居るだろうけれど、私はきっとこれで限界だろう。

「……っ、ひ…う、くぅん」






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