シチュエーション
![]() 電気を落とした部屋は寒い。 その中で彼女は自分の布団だけが嫌に暖かいのでなかなか寝付けないでいた。 「はぁ…熱い…」 もぞもぞと布団から顔を出すと黒く冷たい空気がひんやりと頬に気持ちいい。 毎日寒い日が続いたにもかかわらず…と、彼女はうたたねをしてしまった事に後悔をした。 ため息をついたらうとうとと眠れそうな気がする。 ふぅと一つ息をはいたらすばやく布団の中をくぐる音がして、背中にひんやりとした感触がひたついた。 「ちょ…何してるんですか!」 「冷え性で寝付けないんでな」 彼は彼女の背中から手を離すと狭い布団に潜り込み、暖かい寝巻きに唇を寄せた。 「言ってる意味が…」 分かりません、と繋ごうとした唇を無理やり塞がれた。 強引に引き寄せられた首の痛みと共に、彼の冷たい体のにおいが首筋をのぼってくる。 「ん…!」 身じろいだ隙に、寝巻きのすそから冷たい手が入り込む。 その冷たい感触だけでぞくぞくとしたものが背中を走るのに、彼の指は胸を執拗に攻め始めた。 「んぅ、ん…ぁ!」 声が全部舌に吸い込まれて消えていく、たっぷりと蹂躙された後ようやく唇が離れた。 「か…風邪感染りますよ」 「お前の弱っちぃ風邪なんか感染らねぇよ」 そう言い終わらないうちに彼女の熱い首筋に軽く歯を立て、親指で突起をいじる事に専念する。 「あ、いや…んっ」 彼女の細い指が力なく彼の肩に抵抗するが、彼の舌はいともゆっくりと首筋から鎖骨に伝い、胸の先までたどり着く。 「熱いな…」 「だめ、ですってば…!」 痛みと痺れるような快感が胸の先からちりちりとうなじまで上ってくる。 まばたきですらも高熱を感じさせる、もう良いだろう?と呟いて、彼は手を火照る彼女の下半身へと伸ばした。 次の日 「ゴホッ」 「あー、やっぱり風邪ひきましたね」 「ひいてねぇ」 「ひきました」 「ひいてねぇ」 「ひーきーまーしーた!」 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |