シチュエーション
![]() 「さんざん気を持たせおって。アヤ。ついにワシと一つになる時が来たのぉ」 源三は薄ら笑いを浮かべ、服を脱いでいくアヤを感慨深げに凝視する。 「・・」 アヤは嫌悪の眼差しで源三を見つめ返す。 「なんじゃ、その顔は?そうか。恥ずかしいのじゃな。照れくさいのじゃな。みんな初めはそうじゃ。」 「私、あなたがきらいなんです!」 「それは今だけの気持ちじゃ。じゃが、ワシはお前の最初の男になるんじゃ。お前を女にして、悦びを教えてやるただ一人の男にな」 「あなたが憎い!」 「それもよかろう。しかし、ワシの精をその体内に流し込まれた時、気持ちはどうなっておるかのう」 アヤはシャツとデニムを脱ぎ捨て、すでに純白の下着姿になっている。 「アヤ、ゆっくりでいいぞ。お前は今、ワシと交わるために自分から裸になろうとしておるんじゃ。その気持ちをよく噛みしめて脱ぐがええ」 「卑怯だわ。弱い者を虐めてるだけじゃないの」 「それはちと違うぞ。ワシはただ可愛いお前を一人前の女にしてやろうとしておるだけじゃ。有り難いことじゃで」 アヤはブラを外し、ショーツに手をかけた。 しかし、ぎらぎらした源三の視線にこれ以上耐えられない。 無意識に背を向けると、雑念を振り切り、一気にショーツを降ろし脱ぎ捨てる。 一糸まとわぬ裸身が源三の目にさらされる。 どす黒い欲望の視線が、純真で汚れのない肉体を射る。 「良い尻じゃ。良い肉体じゃ。どれ、こっちを向いて前を見せるんじゃ」 「・・・」 アヤは経験したことのない屈辱に耐えながら、両手で乳房と陰部を隠し、ゆっくりと振り向く。 「さあ、手をのけて、よく見せるんじゃ。ワシへの捧げ物を」 「網元さん。お願い!クミを帰してやって!」 「ほう、そうじゃったな」 源三はアヤが脱いでいる間もずっと、気絶しているクミの乳房を両手でいたぶっていた。 「たしかに、今夜はお前のための儀式じゃからな。よかろう。クミは放免じゃ」 「よかった・・」 アヤは一瞬ほっとした表情でつぶやいた。 「よかった・・じゃと。礼儀知らずめ。願いを叶えてやったんじゃぞ。礼を言うのが筋じゃぞ」 「え・・お礼?」 「そうじゃな。こう言うんじゃ。クミより私を選んでいただきありがとうございます、とな」 「そんなこと・・」 「当たり前のことじゃ。言えんのか、アヤ。言わんと約束は守れんな」 源三の右手の指先が、クミの乳房から腹部を伝い、大きく広げられた陰部に向かう。 そして目的の下腹部へ到着すると、節くれ立った指先は、黒く艶やかな陰毛を引っ張り始める。 無防備な秘部を弄ばれ、クミは意識を失っているにも関わらず、眉間に皺を寄せる。 「言うから・・言いますから・・やめてっ・・!」 「さあ・・早う言うんじゃ!アヤ!」 「・・ク・クミより・・私を・・え・選んでいただき・・ありがとうございます」 「次はこうじゃ。今夜は私を源三様のお好きなように教育していただき、立派なまぞが島女に躾けてください、とな」 「こ・今夜は・・私を源三様の・・お好きなように・・き・教育していただき、り・立派なまぞが島女に躾けてください」 「よく言うたぞ!アヤ!」 源三は狂喜し、大きく手を叩いた。 「トメッ!クミは用済みじゃ!下げろっ!」 すると音もなく座敷の奥のふすまが開く。 「はい。旦那様」 そこにはトメが三つ指を着き、正座で待ちかまえていた。 どうやら儀式の間中、隣の部屋で待機を命じられているようだ。 トメは一礼して部屋に入ると、手慣れた手つきでクミの縄をほどいていく。 事務的で無駄のない動きが、アヤの恐怖心を揺さぶる。 全ての縄をほどくと、トメはクミを抱き寄せ右手で頬を叩いた。 「クミしゃん。起きなしゃれ」 「?!・・・・!いやあっ!・・いやああっ!」 気を取り戻したクミはうずくまり、悪夢を追い払うかのように首を横に振る。 「クミ、お前は用済みじゃ。残念じゃったの」 源三はクミの前で仁王立ちになり、冷ややかに笑った。 クミの目前には醜悪な陰茎がそそり立ち、それを誇示するように源三が見下ろしている。 クミはたまらず陰茎から視線をそらす。 するとその先に裸身を手だけで覆い隠しているアヤを見つける。 「アヤ・・ごめん・・助けられなくて・・」 「ううん・・私こそ、嫌な思いさせてごめんね」 「アヤ・・・」 「さあ、クミ。瞭さんが心配して待ってるよ。帰って安心させてあげて」 「アヤはどうするの?一緒に帰ろうよ」 「・・・・」 アヤは哀しみを隠して微笑むと、首を小さく横に振った。 「アヤはな、これからワシのこれを悦ばせるんじゃ」 源三はこれ見よがしに腰を振る。 「ひどいっ!アヤ・・かわいそう」 「トメ。クミを追い出せ。邪魔じゃ」 もはや源三の興味はアヤ一人に絞られている。 トメはクミの手を握ると部屋の外に連れ出そうとする。 「アヤ!」 クミは振り返り、もう一度アヤの名を呼んだ。 「クミ・・ありがと・・」 アヤも再び微笑み、今度は大きく首を縦に振った。 それはクミに心配をかけまいとする、精一杯の心遣いだった。 クミとトメが立ち去ると部屋の中は、二人だけとなった。 沈黙の中、全裸の男と少女が向かい合う。 荒々しい中年男の息づかいに、少女の心臓の鼓動は早鐘のように打ち続けている。 男の強い体臭が、少女を蹂躙するように身を包み込む。 それは、逃げることが許されない閉じた世界だった。 アヤは今、深い闇の入口に立たされていた。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |