シチュエーション
![]() 「んぅ…はぁ…はぁ……ぁ…」 一瞬白く染まった意識が、佳弥に戻ってきた。 吐いた息の熱さに、自分がどういう状態であったかを自覚する、その息が醒める暇もなく、 「う…ぁ…んああっ!?」 佳弥の身体が持ち上げられた。 織葉と茜が、両側から少女を抱え上げ、上半身を起こしたのだ。 「んふぅっ!」 ぐじゅっと音がする。 佳弥は、まだ和刃と繋がったままだった。 畳に尻をついた少年の上にのしかかるように、二人の態勢が入れ替わる。 「は、あうっ」 いったん浅くなった挿入が、馬乗りになった佳弥の自重で沈み込む。 結合部から溢れ出す白い粘液。 二人の少女に誘導された佳弥は、肉棒の上に腰を落として自ら奥を突かれる形になった。 「くふぅぁああんんっっ!!」 背中がよじれる。 和刃は、佳弥の腰に手を添えて、下から突き上げを開始する。 「っ!、あんっ、あっ、あふっ!」 跳ね上げる腰の動きは、乗っている少女の重みを感じさせない。 加えて、突き込まれる度に腰が落ちる佳弥の体重が繋ぎ目にかかる。 絶頂を経てさっきよりも敏感になった膣内を、和刃の剛直が激しく往復した。 「ああんんっ、くぅん!、んんっ、……ふぐぅ!?」 止まらない喘ぎ声を漏らす佳弥の口に、織葉の指が差し込まれた。 長くて細い指が、歯の裏側を擦り、ピンクの舌をねぶって、喉と唇までの間を往復する。 「ぐ、むぐぅ…ふ…んっ、くっ!、ふぅっ!」 思うように呼吸ができないまま乱れる佳弥。 下からは和刃に突き上げられ、上は口腔内にとどまる織葉の手に頭を制され、 行き場のない背筋が腰の上下動に合わせて伸び曲がる。 その背中に、茜が張り付いた。 抱きかかえるように両脇腹を抱え、肩胛骨の間に口づける。 「ん、んん」 上下の唇を犯される刺激に埋もれ気味ながら、しっかりと反応する佳弥。 茜はそこから一気に背骨を舐め下ろし、激しく上下動する腰に、 そしてそのすぐ下で揺れる小さなお尻にとりつく。 律動により激しく揺れる丸い尻肉を両手で鷲掴みにする茜。 そのままぐいと左右に桃の実を切り開き、小さな菊の花を露出させる。 「んくっ、あ、あえ、う」 やめて、と言おうとして織葉の指に閉ざされ、僅かな隙間から喘ぎのみ漏らす佳弥。 つつっと、指がお尻の崖を這い降りてゆき、肛門を撫でる感覚を予期させられて、 べろん。 佳弥の排泄口に走ったのは、指先でなく濡れた舌の感触だった。 「うひゅあぐっ! っ? えっ?」 また、混乱を来す佳弥。その原因は、背中を這う茜の舌と、 「や、な、なへられ、て」 お尻にも人間の舌の感触。 そしていつしか、咥内を嬲る指の質感も、先程の舌による陵辱と同等になっていた。 「あ、ゆ、指っ、うぐっ、がっ、舌……に?」 ちらと下方に目をやると、自らの小ぶりな乳房に伸びる織葉の左手。 その5指の先端は、それぞれが赤くざらついた舌へと変化して、べたりと胸にへばり付いてゆく。 背中を舐めながら後ろの門を攻める茜の指も、いつしか同様に全てが舌状の触手となっていた。 「くあああああんんっっ」 それらが、一斉に佳弥の身体を舐め回し始めて、彼女は身をよじった。 突き上げられて跳ねる太股を押さえつける和刃の指も同じ、織葉の唇は佳弥の胸に吸い付いて、 体位的に届かない和刃の本物の舌を除く、つごう32枚の舌が全身を這い回る感触は、 先程までの陵辱を数段上回る強烈な刺激となり、 しかもそれら各々から分泌される唾液は悉く意思を持って蠢く堕淫の雫。 「ぐっ、うっ、ううんっ、んっ、んああっっ!!!!」 もはや突き上げられているのか、自ら腰を動かしているのかも判然としない佳弥が、 二度目の絶頂に導かれるまでに、そう時間はかからなかった。 がくん。 数秒の緊張の後、佳弥の上体は力を失って前のめりに倒れかかる。 その小さな身体はしかし、栗色の髪を掴まれて引き戻された。 「う、……あ?」 朦朧とした意識のなかで、違和感を覚える佳弥。 変わらず和刃の上に跨った体勢で前を向かされた少女の顔は、髪を掴む織葉の下腹部の高さにある。 全身に憑依による石化が広がっているなかで、やけに綺麗な肌色をしたその部分に、 「う……」 本来は有り得ない、男性の証があった。 「や……」 和刃のそれに蹂躙され、今も胎内に受け容れているとはいえ、純粋だった少女の目に男性器はなお異質。 顔を背けようとしても、織葉は両手で少女の髪を引きずり抑えつける。 織葉に産まれた異形の肉棒は既に膨張しそそり立っていて、それは容赦なく佳弥の柔らかな頬に押しつけられた。 「く……ふあっ!?」 生理的嫌悪に閉ざした筈の唇から、また声が漏れる。 少女を下から貫いている同級生の少年−正確には、その残骸というべきか−が、再び律動を開始したのだ。 「うぁんっ、ぁ……ふ……ぁ……」 同時に、織葉−これも既に原型を失いつつある−が両手を佳弥の唇にかけ、 股間の物体を、獲物の口腔内に侵入させようと動き出す。 「む……んぐ……」 和刃と結合している秘所からの刺激に耐えながら、必死に唇を閉ざして織葉に抵抗する佳弥。 だが、まったく無防備になっている少女の腰に、三人目の責め手が回る。 意識の外から、下腹部に舌状の指を感じた瞬間、 「ふひぃゃっ!!」 茜の、人外の触手と化した指先が、佳弥の、和刃の剛直によって開かれた割れ目の、最も敏感な肉芽を摘みあげた。 「くぅぁっ!……ふがぅっ?」 そして堪らずに喘ぎ声が挙がる、その唇が開いた隙に、織葉の肉棒が侵入した。 「ぅぅぁ!」 口腔内に広がる、女の身体に発生した男の感触。 佳弥の臓腑の出発点に侵入を果たしたそれを、織葉は遠慮なく喉の奥まで打ち付けた。 「ぐっ、あっ、かっ、はふ、ふっ!」 むろん和刃も突き上げの手を、腰の動きを緩めてはいない。 下方と前方から激しく責められ、喘ぎ声もまともに吐き出せないまま少女は翻弄される。 そして、その攻撃の中に混じって、背中に押し当てられる硬さと弾力を併せ持った感触。 「ひぅ、は、あかねせんぱ、ぐっ、も?」 既に口と性器を犯されている佳弥には、押し当てられたモノの正体は容易に想像がついた。 茜の秘所にも、男性としての特徴が生じたのだ。 「あ、ぐ」 蹂躙される少女に背後から抱きついた茜は、 新たに出現した部位を彼女の背筋に擦りつけながら徐々に腰を落としていく。 肩胛骨の間から、背中の中央部、腰骨、そして背骨の終端である尾底骨。さらに、 「ふああっ!?」 唐突に、後ろから腰に回された手が、佳弥の下半身を持ち上げた。 ずるっと、下敷きになっていた少年と少女の結合が解ける。 「あ……」 長い占領から開放された女の部分に、一瞬の空隙を感じてしまう少女。 ぼたり。 貫通した痕を通って、注ぎ込まれた精液が逆流し、体内から溢れ出す。 だが、幸か不幸か、その感触を味わう余裕は、佳弥には与えられなかった。 「んぐっ」 茜が腰を持ち上げると同時に、正面の織葉は佳弥の頭ごと腰を落とし、更に茜は佳弥の腰を太股に持ち替える。 佳弥は、空中で土下座をするかのように頭を下げ、お尻を突き出す屈辱的な体位を取らされた。 それは、彼女の消化器官の終着点である肛門が、背後の茜の目前に晒されることを意味する。 「い、ひゃ、ぐあううぅぅっっ!」 果たして、宙に持ち上げられ、頭を織葉の肉棒に拘束され、何の抵抗も許されない少女の排泄器に、茜のそれは簡単に侵入を果たした。 「はぐっ!」 触手や舌でほぐされ、体液漬けになっていたとはいえ、少女の終端は剛直を受け容れるようにはできていない。 これまでの行為で薄れた意識にすら、更なる鈍痛と強烈な異物感が襲いかかり、佳弥はくぐもった悲鳴をあげた。 「ぅぁっ!」 次の瞬間、今度は喉の奥を織葉の肉棒に突き上げられてその悲鳴が止まる。 いったんは腰を落とした織葉は、再び佳弥を繋ぎ止めたまま立ち上がり、シーソーのように茜が腰を落とす。 天地がひっくり返されて、また元に戻ったような感覚に目眩を覚える少女。 そのまま、今度は空中で便座に跨るように脚を開かされ、 「ひっ? やぁあああんんんっ!」 下で待ち受ける和刃の身体の上に自分の身体を、より正しくは少年の男性器の上に自らの女性器を降ろされた。 「んんんんっ! ふぁっ、 んくっ、あっ!」 女性の身体に存在する、主たる三つの穴を全て肉棒に貫かれ、前後と下方を全て他の肉体に塞がれた佳弥。 もはや腰を動かすことすら叶わず、ただ一方的に三者の責めを受け続ける。 そして、体中に浴びた陵辱者達の体液は、今もって少女の皮膚という皮膚を快感の感受器と変えていた。 「んむっ、ふっ、ぐ、あ、あ、うぁ、あああううううっっ!!!」 三度目の絶頂、そして口から注ぎ込まれた織葉の精液。しかし、彼女を襲うそれの、大きさも硬さも動きも何らの手を緩めない。 びゅくっ、びくびゅくっ。 若干の時間差で、今度は直腸内に液体が注ぎ込まれる感触、それに呼応するように、 どくっ、どくっ。 先程まで受け容れた精液を隙間から垂れ流している少女の膣内に、また溢れんばかりに和刃の白濁が放出される。 「くあふぅっっんんっ!」 その熱い感触に、佳弥はあっけなく四度目の頂点に達した。が、陵辱者の責めは全くリズムを落とさず、なお加速する。 「あっ、がっ、ぐ、くぅふ、ひぃぅっ!」 もはや痛みは意識の片隅に追いやられ、再び全身を襲う刺激の波。 「ふあああっっ! あうっ、ああんっ、や、ぐぅっっぁあああああぅっ!」 四度目より五度目、五度目より六度目。佳弥の快感の山は、登る度に高く、速く、急激になっていった。 無限に見えた陵辱行為に終わりが見えたのは、佳弥が十数度のオルガスムスを経験した後だった。 すぅっ。 不意に、佳弥を前後から拘束していた二人の身体が離れる。 ずるり、と音を立てそうな様子で、少女の口と菊門から性器が抜かれた。 「が、はっ」 常人ならばとうに心臓が破れているであろう陵辱に耐えた少女の身体は、全ての力を失って倒れ込む。 その少女の下から、三人目の陵辱者である和刃も抜け出した。 ぬるりと男を抜き出された佳弥の女性は、口を閉じることもできずに広がったまま白濁を零す。 どしゃっ。 四人の体液で汚れた畳に、佳弥は崩れ落ちた。 口に溜まった体液が一気に吐き出される。その瞳に、もはや理性の輝きはない。 「あ……う……」 ようやく開放された唇からも、意味のある言葉は出ず、ただ呻き声だけが漏れる。 「は……ん……」 やがて、同じくやっと身動きを許された体の、腰の部分がもじもじと動き出す。 これまで他者の肉体に占領されていた空隙が、もどかしさとなって少女の身体を襲い始めたのだ。 「うぁ、あぅ」 畳の上で、寝返りを打てない赤ん坊のように身をくねらせる。 全身を犯した液体は未だ表皮を刺激しつづけるが、三穴への強烈な責めの後では性感を満足するにはほど遠い。 「ん、あっ、う」 本能的な動きで、少女は自らの手を股間に近づけた。 「ふうっ!」 自らの指で、既に広がった裂け目の襞を嬲る瞬間、びくっと吐息が漏れる。それも束の間。 「っ、んっ、ふあっ、あうっ、うっ」 佳弥の指は、取り憑かれたように自分の秘所を弄り出す。もう片方の手は、いつしか背後に回り排泄口に入り込む。 「あふっ、はんっ、んぅっ、うううんっっ!」 つい1時間前まで、汚れを知らぬ心と体を持っていた巫女の少女。 今、その精神に宿るのは、ひたすら快楽と充足を求める、獣のメスのような欲望だけで。 「ああああんんんっっ!」 己の指による刺激で高められた性感の渦に、佳弥は素直に身を任せた。 そんな佳弥の様子を、織葉と茜と和刃の姿をした陵辱者達は、ゆらりと立って眺めていた。 三人の性器−和刃には元から、織葉と茜には憑依により備わったものだが−は、今は力を失って萎んでいる。 肉体に含まれる水分の多くを、体液として外部、佳弥の身体に放出した結果、三人の身体は細く痩せていた。 「はぁっ、はぁっ、んっ、んくっ、ああん!」 彼等の目の前で、佳弥はなお自慰行為を続ける。 だらしなく脚を広げ、両手を下半身の前後に添えて性器と排泄器を弄ぶ少女に、清純な巫女の面影はない。 その姿に、敵という認識をなくしたのか、彼等は背を向け、立ち去ろうとする。 が、 「まって……」 陵辱から解放されてから初めて、少女が意思を示す言葉を発した。 少女の言葉が実行される理由など何もない。だが、事実として三人とも動きを止め振り返る。 「あ、う……」 彼等の反応に喜びを感じたのか、僅かに微笑む少女。 理性を失った彼女の瞳に、今は別な輝きが宿っていた。心が壊れても、異能の力は健在なのだ。 ぐにゃり。 そんな擬態語が似合いそうな様子で、佳弥は畳に手を突き、四つんばいに身を起こす。 ゆらり、ゆらりと揺れ動きながら、緩慢な動きで立ち尽くす三人に這い寄っていき、 「これ……」 そうっと、まず和刃の下腹部に手を伸ばした。 少女の細い指が、さっきまで自らを蹂躙した少年の一物を撫でる。 ぴくっ。 既に力を失っているそれは、当所、愛撫に僅かに反応しただけだった。 「う」 しかし佳弥が不満そうな声を挙げ、金色の右目が妖しく光った瞬間、 ビクンッ! 少女の欲望に応えるかのように、先程までの勢いを取り戻した。 「ふふ……ひいらぎ、くん……」 ぽつっと固有名詞を呟く佳弥には、まだ記憶は残されているのかもしれない。 「もっと……」 だが、彼女はうっとりと屹立した和刃の剛直を眺めて唇を寄せる。その姿に人格は無い。 「んむっ」 佳弥は、和刃の肉体を口に頬張り、頭を前後に律動させて口腔内に溢れる感覚を求めた。 「せんぱい……も……」 そして、更に織葉と茜の股間に伸ばす、その両手は食料を求める棘皮類の触手のごとく。 二人のそれも与えられた精力を使い果たして萎んでいたが、佳弥の手が触れると力を取り戻した、否、力を絞り出された。 自ら三人に囲まれて跪き、それぞれの下半身を口と手で愛撫する少女。 「あっ、んむっ、くちゅっ、ふぅっ、んうっ!」 間もなく、吸い付いた和刃の肉棒から、びゅくびゅくと精液が放出される。 「んっ、んくっ」 こく、こくっ、くっと、佳弥の白い喉が小さく動き、簡単に放出物を嚥下した。 「んむっ」 そのまま、佳弥は少年を離さない。いったん役目を終えて萎えかけた男性が、すぐに膨張を余儀なくされる。 びゅひゅっ。 時間差で、少女の右手が撫で回していた茜のモノが限界に達した。 柔らかな栗色の髪に、男性のそれと同じ白く濁った液体が降りかかる。 どくっ。間もなく、左手側から織葉の体液も迸り、内容物に膨らんだ佳弥の頬に飛沫が散る。 顔の内外を淫らに汚されて、少女は嬉しそうに瞳を細めた。 びゅくっ、どくっ、びくびくっ。 三度目、四度目、五度目。次々と少女の愛撫に精を絞り出される三人。 やがて、何度目かの放出を終えて、和刃が膝を突き崩れ落ちた。 「あ……ひいらぎ、くん……」 不本意に少年を離した唇から白い涎を垂らして、佳弥は一瞬寂しそうな顔をするが、すぐに倒れた和刃にのしかかる。 「う、んっ!」 仰向けにした和刃の性器に手を添えて屹立させると、少女は腰を落として、自らの体内にそれを引き込んだ。 「あうぅうんんっ!」 下半身から伝わる快感に、遠慮のない嬌声を挙げる白い肌の少女。 上半身には織葉と茜、二人の一物を頬にすり寄せて、定期的に絞り出される体液を吸い舐める。 間もなく、がくんと茜が倒れた。 佳弥は、もはや動きを止めた和刃から自分の身体を引き抜いて、のそりと茜に覆い被さる。 「はあぅ、んあぁっ、んふぅっ」 体中の水分を搾り取ろうとするかのように、いや搾り取る為に、腰を振り喘ぐ。 どさり。 残る織葉も畳に崩れると、佳弥は絡みつくように三人を抱きかかえ、交互にその肉体を貪ってゆく。 「ふあぁん、せんぱいっ、ひいらぎくんっ、あかねせんぱいっ、ああんんっ!」 それでも、自分が食い散らかしている相手が誰なのかは意識しているのは驚きというべきだったろうか。 「ひぅっ、あんっ、いいっ、きもち、いいです、うぅううんんっ!」 陵辱者に意識があれば愉悦を覚えるような歓びの声を挙げて、少女はまた快感の山を越えた。 それから、どれほどの時間が経ったのか。 「ふうっ、はあっ、はあっ、はあ……あ……」 数え切れない程の絶頂を経て、佳弥はようやく力尽きたように倒れた。 信じがたいほど大量に浴びせかけられ、流し込まれ、そして吸い取った精と体液で、 細い身体は腹部が下方に膨らみ、身動きの度に上下の口から白く粘るものが流れ落ちた。 少女はそんな姿でなお、組み敷いていた三人の肉体に手を差し伸べるが、もはや反応はない。 「せん、ぱい?」 小さな首を傾げる、髪と顔には欲望の痕を残しながら、その仕草は愛らしい。 だが、その手が触れた織葉の身体は、石化していない部位にも皮膚の下に骨の感触。 「あかねせん、ぱい? ひいらぎ、くん?」 残る二人も、体中の水分を精として搾り取られ、ミイラの如き残骸と化していた。憑依していた“彼等”の気配すらもはや無い。 「みんな、しんじゃった、んです、かぁ……?」 三人の、元、友人達の身体に覆い被さってぼんやりと呟いた佳弥の、下腹部がどくりと脈動した。 「うくっ」 体内の違和感に、僅かにうずくまる佳弥。 どくり。 また動き出す、少女の胎内で、何かが変化しつつあるもの。 「あ、あぐっ、うっ、くふぅ」 それはやがて、佳弥の身体の内部で明確な形を取ってゆき、 「んぐううぅうっ!」 外界を求めて、彼女の下腹部に出口を探す。 「ふああっ、ぐぅっ、うぁああ、あう!」 殆ど麻痺していた痛覚を鮮烈に刺激され、佳弥は苦痛にのたうち回る。 「うぐあっ、うんっ、うあ、あ」 次第に、少女の下半身の、女性としての機能を果たす部分が、ぐぼりと内側から広がってゆき、そして。 ごぽり。 佳弥の胎内、その出口から、どす黒い影が世界に産まれ出た。 少女の身体から産まれた影は、幽体と実体の中間のような姿と、骸骨のような頭部。 それは人から産まれ出づる筈はない“彼等”と呼ばれる存在。 「あぐぅっ!」 一つを産みだして安堵する間もなく、再び少女の下腹部が膨れあがる。 「がっ、くっ、ううぅんんっ、かはぁんっ!」 ずるり、ずるり。 一つ、また一つと、佳弥の脚の間から顔を出す異形の影。 「あ、ん、んんっ、あう、ふぅんっ」 佳弥の声が享楽の色を帯び始める。次々と異物を生み出す行為に、快感を覚え始めているのだ。 「あふっ、ううんっ、あはっ、あか、ちゃん」 母性本能を象徴する単語が、彼女の唇から溢れる。 「わたしと、せんぱいと、ひいらぎくんと、あかねせんぱいの……あかちゃん、あんっ」 既に苦痛すら感じず、陶酔しきった瞳で、大きく開いた両脚の間から顔を出すモノ達を、まるで歓迎するように両手を広げる。 「……ふふっ、うふふ、うふっ、うふふふっ」 産み出された影達は、無言で夜の闇に消えていく。その静けさに、少女の壊れた哄笑が響き続けた。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |